ポイント
- Core i7搭載でも税込6万円台
- 作業がはかどるフルHD
- 格安ながら軽量コンパクト
IdeaPad S145 (15)のスペック
画面サイズ | 15.6インチ |
---|---|
解像度 | 1920×1080 |
CPU | ・Core i3-1005G1 ・Core i5-1035G1 ・Core i7-1065G7 |
メモリー | ・4GB ・8GB |
ストレージ | ・128GB SSD ・256GB SSD ・512GB SSD |
グラフィックス | ・UHD ・Iris Plus |
LTE | 非対応 |
幅×奥行き | 362.2×251.5mm |
厚さ | 19.9mm |
重量 | 1.85kg |
バッテリー | 約6.2時間 |
※2020年5月17日時点。構成は変更される場合があります
本体カラー | グレー |
---|---|
画面の表面 | 非光沢 |
パネルの種類 | TN |
タッチ / ペン | - |
光学ドライブ | - |
テンキー | あり |
有線LAN | - |
無線LAN | 11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 5.0 |
USB3.1 | - |
USB3.0 | 2 |
USB2.0 | 1 |
USB Type-C | ー |
Thunderbolt 3 | ー |
メモリーカード | SD |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | ー |
DisplayPort | ー |
Webカメラ | 30万画素 |
顔認証カメラ | ー |
指紋センサー | ー |
付属品 | ACアダプターなど |
オフィス | ※オフィス付きモデルあり |
この記事では筆者が購入した実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
この記事の目次
- ▶デザインと使いやすさ
- ▶ベンチマーク結果
- ▶ゲーム性能について
- ▶価格について
- ▶まとめ
IdeaPad S145 (15)
税込4万0897円~
デザインと使いやすさ
外観は値段相応
IdeaPad S145 (15)は最安モデルでほぼ4万円、Core i7搭載の最上位モデルでも6~7万円台で、位置付け的には格安モデルです。スペック面のコスパは素晴らしいものの、外観面の仕上がりは値段相応。ぶっちゃけて言えば、安っぽい仕上がりです。ボディは樹脂製で、質感も強度もそれなり。値段の安さを考えれば仕方がないでしょう。
安いのに軽量コンパクト
接地面積は幅362.2×奥行き251.5mm。B4サイズ (幅364×奥行き257mm)よりもわずかに小さいものの、ほぼ同じ程度と考えればサイズ感をイメージしやすいでしょう。最近の15インチタイプは小さくなってきたとは言え、格安モデルでこれだけ小さい機種はなかなかありません。また重量は1.85kgで、15インチクラスとしては軽めです。場所の移動や収納も楽々と行なえます。
作業がはかどる15インチのフルHD
画面の大きさは15.6インチ。ノートPCとしてはもっとも人気の高いサイズです。解像度は1920×1080ドットのフルHD。中級機クラスでは普通のスペックですが、格安モデルではなかなか見かけません。1366×768ドットの解像度よりも多くの文字や画像を表示できるので、作業がはかどるでしょう。デスクトップの文字は2~2.7mm程度です。
映像品質はイマイチ
ディスプレイは普通に内容を確認できるものの、映像はやや青みがかっています。またわずかに暗く、コントラスト (色のメリハリ)も低め。文字が若干かすれて読みづらく感じることがありました。
これはディスプレイにTNパネルが使われているため。スマホや中級機以上のノートPCで使われているIPSパネルに比べて映像品質がイマイチなのですが、格安モデルではよく見かけるタイプです。
目に優しいノングレア
ディスプレイの表面は光沢なしのノングレアタイプです。眼精疲労や集中力低下の原因と言われる”映り込み”が抑えられています。ノートPCを使って長時間作業する人向けの、目に優しい仕様です。
視野角が狭い
ディスプレイで使われているTNパネルは視野角が狭く、画面をを斜めから見ると明るさや色が大きく変わることがあります。特に写真や動画では白以外の色が沈んで、見えづらく感じるかもしれません。視線に対して画面が90度になるよう角度を調整するといいでしょう。
キーボードは一部の配列が特殊
キーボードはバックライトなしの日本語配列です。数値入力に便利なテンキーには対応しています。キーピッチ (キーとキーの間隔)は19mmで、標準的な広さ。英数字キーについては違和感はないものの、Enterキー周辺で一部のキーが隣接していました。特に「¥」キーが小さく、かなり打ちづらく感じます。
なおF1~12キーには標準でメディアキーが割り当てられています。かな変換や半角変換などでファンクションキーとして利用する場合はFnキーを併用するか、BIOS設定画面で「Hotkey Mode」を「Disabled (無効)」にしてください。
タイプ感は軽い
キーストローク (キーを押し込む深さ)は実測で平均1.3mmでした。基準値としては1.4~1.5mmあたりかもしれません。特にストロークが浅すぎるとは感じませんでしたが、全体的なタイプ感は軽めです。キーを押した瞬間に軽いクリック感がある程度。キーを押し込むようにして打つ人には物足りないかもしれませんが、軽いタッチで入力する人ならあまり違和感はないでしょう。
タイプ音はカタカタと聞こえますが、軽いタッチなら気になるほどではありません。ただし打ち下ろすようにしてタイプするとタンタンと響きます。
インターフェースは必要十分
インターフェースはそれほど多くはありません。しかし普通に利用できる程度の端子類は用意されています。USBポートは合計3ポートでType-Cは非対応。映像出力としてはHDMIを用意。有線LANや光学ドライブには対応していません。
スピーカーはビデオ会議ならOK
スピーカーの音質はあまりよくありません。ですが、ビデオ会議や動画視聴には問題なく利用できます。音楽を楽しむには、やや音の厚みが不足気味です。また音の出る場所が接地面でふさがているので、ややこもったように聞こえます。
ベンチマーク結果
試用機のスペック
型番 | 81W800M3JP |
---|---|
CPU | Core i5-1035G1 |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 256GB SSD |
グラフィックス | UHD Graphics (CPU内蔵) |
※ベンチマーク結果はパーツ構成やタイミング、環境、個体差などの要因で大きく変わることがあります
第10世代Core iプロセッサー搭載
CPU | PassMark CPU Markスコア |
---|---|
Core i7-10710U |
13685
|
Core i7-1065G7 |
11946
|
Core i5-1035G4 |
10844
|
IdeaPad S145 (Core i5-1035G1) |
10438
|
Core i7-10510U |
10257
|
Core i5-1035G1 |
9667
|
Core i5-10210U |
9584
|
Ryzen 5 3500U |
8373
|
Core i3-10110U |
5553
|
Athlon 300 |
4703
|
Ryzen 3 3200U |
4609
|
Celeron N4100 |
2569
|
Celeron 4205U |
2021
|
Celeron N4000 |
1550
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
CPUとしては、インテル第10世代のCore i3-1005G1 / Core i5-1035G1 / Core i7-1065G7が使われています。ベンチマークテストを実施したところ、非常に優れた結果が出ました。Core i5ながら、一般用途向けのスタンダードノートPC / モバイルノートPCとしてはトップクラスのパフォーマンスです。
上位モデルで使われているCore i7-1065H7であれば、さらに高いパフォーマンスを期待できます。下位モデルのCore i3-1005G1については当サイトで検証したことがないため、どの程度の性能かは把握できていません。しかしベンチマーク情報サイトによると、ほかのCore i3とそれほど変わらなそうです。文書作成やネットの調べ物など軽めの作業であれば、問題なく利用できるでしょう。
Core i7ならグラフィックス性能は高い
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
8513
|
GTX 1050 |
5912
|
MX250 |
3400
|
Iris Plus(Core i7) |
2880
|
Iris Plus(Core i5) |
2236
|
Radeon Vega 8 (Ryzen 5) |
2251
|
Radeon Vega 3 (Ryzen 3) |
1837
|
IdeaPad S145 (Core i5) |
1605
|
UHD (Ice Lake Core i5) |
1537
|
UHD (Comet Lake Core i7) |
1335
|
UHD (Comet Lake Core i5) |
1273
|
UHD (Comet Lake Core i3) |
859
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
グラフィックス機能はCPU内蔵タイプです。Core i3 / Core i5のUHD Graphicsは性能は控えめで、ゲームやクリエイター向けソフトでの効果は期待できません。しかしCore i7に内蔵されているIris Plus Graphicsであれば、CPU内蔵タイプとしては高性能です。フルHDクラスの動画編集や、ちょっとした写真加工などであれば多少の効果を感じられるでしょう。もっともゲームをプレーしたりプロクリエイター向けの本格的なソフトを使わないのであれば問題ありません。
普段使いには十分な性能
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) |
目安:4100
8457
|
Productivity (ビジネス利用) |
目安:4500
6929
|
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) |
目安:3450
3317
|
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
PCMark 10は、PCを使った各種作業の快適さを計測するベンチマークテストです。Core i5搭載機でテストを行なったところ、一般的な利用やビジネス利用には十分との評価でした。動画や写真、3Dなどのコンテンツ制作の快適さを表わすコンテンツ制作のテストでは、目標スコアをギリギリ届いていません。普段使いやビジネスには問題なく利用できるでしょう。
上位のCore i7であればグラフィックス性能が高いので、すべてのテストをクリアーできるものと思われます。下位のCore i3であれば、一般利用とビジネス利用のテストはクリアーできるはずです。
高速タイプのSSDを搭載
テスト機ではストレージとして、PCIe 3.0 x4接続の高速タイプSSDが使われていました。アクセス速度はPCIe 3.0 x2相当ではあるものの、価格が安いことを考えればそれでも十分高速です。なおSSDは容量が変わるとアクセス速度も変わる場合があります。
ウィンドウズの起動は平均10秒程度
ウィンドウズの起動時間は平均10.3秒でした。最近は15秒程度が標準なので (筆者調べ)、なかなか高速です。立ち上がりが早く、待たされている感はありませんでした。
起動時間の計測結果(手動計測)
1回目 | 10.7秒 |
---|---|
2回目 | 10.2秒 |
3回目 | 10.3秒 |
4回目 | 10.2秒 |
5回目 | 10.1秒 |
平均 | 10.3秒 |
据え置き機ながら6時間以上駆動
バッテリー駆動時間の公称値は6.2時間とされていますが、これはパフォーマンスを極力落とした状態での結果です。実際の利用では駆動時間はもっと短いでしょう。
そこで最大パフォーマンスの状態でビジネス作業 (Web閲覧や文書作成、ビデオチャットなど)での駆動時間を計測したところ、6時間14分でバッテリー残量が3%に達し休止状態へ移行しました。ほぼ公称値どおりの結果です。パフォーマンスをやや落とした状態の動画再生では6時間51分でした。
駆動時間は長くはありませんが、据え置き利用メインの15インチタイプとしては十分な結果です。自宅や職場内で場所を変えて作業する、といった使い方にも向いています。
バッテリー駆動時間の計測結果 ※Core i5モデル
テスト方法 | バッテリー消費 | 駆動時間 |
---|---|---|
※公称値 | 小 | 6.2時間 |
Modern Office (ビジネス作業) | 大 | 6時間14分 |
Video (動画視聴) | 中 | 6時間51分 |
フル充電までにかかった時間 | - | 2時間11分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
ゲーム性能について
ゲームについては、ドラクエ10やリーグ・オブ・レジェンド (LoL)など超軽量級タイトルであれば、フルHDでも画質調整で快適にプレーできます。PSO2やPUBG LITEなどの軽量級タイトルであれば画質か解像度を低くすればなんとかプレーできるでしょう。やや重い中量級以上のタイトルは考えない方が無難です。
※テストはすべてフルHDで実施
FF15ベンチ (重量級 / DX11)
画質 | スコア / 評価 |
高品質 | 530 / 動作困難 |
標準品質 | 788 / 動作困難 |
軽量品質 | 1220 / 動作困難 |
※スコアが6000以上で「快適」
FF14ベンチ:漆黒のヴィランズ (中量級 / DX11)
画質 | スコア / 平均FPS |
最高品質 | 1414 / 8.8 FPS |
高品質 | 2028 / 13.1 FPS |
標準品質 | 2800 / 18.36 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽量級 / DX9)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 5560 / 快適 |
標準品質 | 7180 / とても快適 |
低品質 | 8580 / とても快適 |
PSO2ベンチ (軽量級 / DX9)
簡易描画設定 | スコア |
6 (最高) | 475 |
3 | 2,370 |
1 (最低) | 27,764 |
※スコア5,000以上が快適に遊べる目安
リーグ・オブ・レジェンド (超軽量級 / DX9)
モード | 平均FPS / 最低FPS |
サモナーズリフト (最高画質) | 70.6 FPS / 58 FPS |
TFT (最高画質) | 65.4 FPS / 51 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
フォートナイト (中量級 / DX11)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
エピック | 7.9 FPS / 5 FPS |
高 | 10.9 FPS / 8 FPS |
中 | 23.3 FPS / 17 FPS |
低 | 52.8 FPS / 32 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
PUBG LITE (軽量級 / DX11)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
ウルトラ | 17.4 FPS / 14 FPS |
高 | 31.2 FPS / 27 FPS |
中 | 38 FPS / 34 FPS |
低 | 52.4 FPS / 44 FPS |
非常に低い | 65.1 FPS / 55 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
価格について
IdeaPad S145 (15) には、パーツ構成の異なる複数のモデルが用意されています。それぞれのスペックと価格は以下の表のとおり。タイミングによっては”在庫なし”あるいは”品切れ中”の場合がありますが、数日後に販売が再開されていることもあります。
■オフィスなしモデルの価格
CPU | メモリー | ストレージ | 税込価格 |
---|---|---|---|
Core i3-1005G1 | 4GB | 128GB SSD | 4万0897円 |
Core i5-1035G1 | 8GB | 256GB SSD | 5万7935円 |
Core i5-1035G1 | 8GB | 512GB SSD | 6万2843円 |
Core i7-1065G7 | 8GB | 256GB SSD | 6万9795円 |
Core i7-1065G7 | 8GB | 512GB SSD | 7万3359円 |
※2020年5月17日時点
■オフィス付きモデルの価格
CPU | メモリー | ストレージ | 税込価格 |
---|---|---|---|
Core i3-1005G1 | 4GB | 128GB SSD | 6万1383円 |
Core i5-1035G1 | 8GB | 256GB SSD | 8万0067円 |
Core i5-1035G1 | 8GB | 512GB SSD | 8万4227円 |
Core i7-1065G7 | 8GB | 256GB SSD | 8万9348円 |
Core i7-1065G7 | 8GB | 512GB SSD | 9万3110円 |
※2020年5月17日時点
Core i5 / i7搭載で激安!
よかった点
しっかり使えるスペックでありながら、価格が安い点が大きな魅力です。特に第10世代のCore i5 / Core i7搭載機種としては最安クラス。メモリー容量は8GBまでですのでクリエイティブな用途にはあまり向いていませんが、事務処理や普段使いには十分でしょう。性能と価格のバランスに優れた機種です。
気になる点
ボディの安っぽさはガマンできるものの、ディスプレイの映像品質が気になりました。非光沢で目に優しいとは言え、コントラストが低く色も青みがかっているので小さな文字が読みづらく感じるかもしれません。あとはキーボードの「¥」キーがやたら小さい点も残念です。