ポイント
- 17.3インチで見やすい大型ディスプレイ
- 最安4万円台からの手頃な価格
- 自然な発色のIPSパネル
IdeaPad Slim 350 17のスペック
OS | Windows 10 Home |
---|---|
画面サイズ | 17.3インチ |
解像度 | 1920×1080 |
CPU | ・Ryzen 3 3250U ・Ryzen 5 3500U ・Ryzen 7 3700U |
メモリー | ・4GB ・8GB |
ストレージ | ・128GB SSD ・256GB SSD ・512GB SSD |
グラフィックス | ・Radeon (Ryzen 3) ・Redeon Vega8 (Ryzen 5) ・Radeon RX Vega10 |
LTE | 非対応 |
幅×奥行き | 402×281.3mm |
厚さ | 19.9mm |
重量 | 2.2kg |
バッテリー | 7.8時間 |
※2020年10月21日時点。構成は変更される場合があります
本体カラー | プラチナグレー |
---|---|
画面の表面 | 非光沢 |
パネルの種類 | IPS |
タッチ / ペン | - |
光学ドライブ | - |
テンキー | あり (4列) |
有線LAN | - |
無線LAN | 11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 5.0 |
USB3.1 | - |
USB3.0 | 2 |
USB2.0 | 1 |
USB Type-C | - |
Thunderbolt 3 | ー |
メモリーカード | SD |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | ー |
DisplayPort | ー |
Webカメラ | 30万画素 |
顔認証カメラ | ー |
指紋センサー | ー |
付属品 | ACアダプターなど |
オフィス | ※付属モデルあり |
この記事では筆者が購入した実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
この記事の目次
- ▶スペック
- ▶デザインと使いやすさ
- ▶分解やパーツ交換について
- ▶ベンチマーク結果
- ▶ゲーム性能について
- ▶価格について
- ▶まとめ
※2020年10月21日時点
デザインと使いやすさ
巨大なボディ
IIdeaPad Slim 350 17は、17.3インチの大型ディスプレイを搭載しています。一般的な15.6インチよりも画面がひと回り大きいぶん、本体も大きめ。それなりの存在感がありますが、見た目はそれほど安っぽくはありません。
見やすい17.3インチのフルHDディスプレイ
画面サイズは17.3インチで、解像度は1920×1080ドットのフルHDです。一般的な15.6インチよりも画面がひと回り大きく、そのぶん文字やメニューが大きく表示されます。
ただし標準のスケーリング (デスクトップの拡大率)は100%で、文字の大きさは1.6~2.5mm程度 (スケーリング100%)とやや小さめ。スケーリングを15.6インチで標準の125%に変更すると2.6~3.0mmと大きくなるので (15.6インチでは125%で2~2.7mm)、必要に応じて調整してください。
ディスプレイの表面は光沢なしのノングレアタイプ。眼精疲労の原因と言われる映り込みが抑えられているので、長時間の作業に向いています
ディスプレイには、自然な色合いと広い視野角が特徴のIPSパネルが使われています。実際に写真や動画を表示したところ、違和感のない色合いで映し出されました。マニアックな目線で見ればやや赤みが足りないように見えますが、普通に使うには問題ありません。
ややクセのあるキーボード
キーボードはテンキー付きの日本語配列で、バックライトには非対応です。キーピッチ (キーとキーの間隔)は英数字部分が19mmで標準的な広さ。しかしEnterキー周辺で一部のキーが隣接している点が気になります。特に「¥」キーが小さく、かなり使いづらく感じました。
なおF1~12キーには標準でメディアキー (ホットキー)が割り当てられています。かな変換や半角変換などでファンクションキーとして利用する場合はFn+ESCキーを押してFnロックを有効にするか、BIOS設定画面で「Configuration」の「Hotkey Mode」を「Disabled (無効)」にしてください。標準収録の「Lenovo Vantage」を有効にすることでも、キー設定を変更できます。
キーストロークは平均で1.41mmでした。概ね1.5mm前後で標準的な深さですが、たまに浅い部分があります。キーを押した瞬間のクリック感はやや固めですが、押し込む力は軽め。全体的に軽めのタイプ感です。ストロークもキーピッチも標準的なのですが、なぜか若干使いづらく感じました。体感的なものですが、スイッチの戻り具合かなにかがワンテンポ遅れているような気がします。とは言え、慣れれば普通に使えるでしょう。
インターフェースは少ない
インターフェースはフルサイズのUSB端子が3ポートで、Type-Cはなし。あとは映像出力としてHDMIと、SDカードスロットが用意されています。13~14インチのコンパクトなノートPCなら標準的ですが、17.3インチとしては少ないと言っていいでしょう。Type-C端子や有線LANがあれば機能を拡張できるのですが、この点については残念です。
スピーカーのサウンドも、あまり高品質ではありません。底面配置で音の出る部分が接地面でふさがれているため、音がこもったように聞こえます。厚みはなく、サラウンド感もいまひとつ。ただ人の声は比較的ハッキリと聞こえるので、ビデオ会議や音声通話には問題ないでしょう。
分解やパーツ交換について
底面部のカバーを外すと、本体内部のメンテナンスやパーツ交換が可能です。今回検証したのは4GBメモリー搭載のRyzen 3モデルですが、未使用のメモリースロットが1基ありました。メモリーの増設やデュアルチャネル化が可能だと思われます。
M.2スロットは2ポートで、うちひとつがストレージ用です。実機ではType 2242が使われていましたが、ネジ穴の位置を見るにType 2280も使えそうです。2.5インチストレージには非対応なのは残念。
ベンチマーク結果
試用機のスペック
型番 | 81W2003FJP |
---|---|
CPU | Ryzen 3 3250U |
メモリー | 4GB |
ストレージ | 128GB SSD |
グラフィックス | Radeon Graphics (CPU内蔵) |
※グラフィックス機能を内蔵するAMD製プロセッサーは本来「APU」と呼ばれますが、ここではわかりやすさ優先で「CPU」と表記します。今回はLenovo Vantageのパフォーマンス設定で「エクストリーム・パフォーマンス・モード」を有効にしてテストを行ないました。またベンチマーク結果はパーツ構成やタイミング、環境、個体差などの要因で大きく変わることがあります
普段使いやビジネスには十分なCPU性能
Ryzen 3 3250U搭載のテスト機でCPUベンチマークテストを行なったところ、ノートPC全体では「中の下」クラスの結果でした。とは言え、普段使いや資料作成主体の軽めの作業であれば問題なく使える性能です。
中上位モデルで使われているRyzen 5 3500UやRyzen 7 3700Uであれば、より高いパフォーマンスを期待できます。
CPUの性能比較 (総合性能)
CPU | PassMark CPU Markスコア |
---|---|
Ryzen 7 4700U |
15264
|
Ryzen 5 4500U |
12892
|
Core i7-1065G7 |
12016
|
Core i5-1035G4 |
10844
|
Core i7-10510U |
10257
|
Core i5-1035G1 |
9667
|
Core i5-10210U |
9329
|
Ryzen 3 4300U |
9154
|
Ryzen 5 3500U |
8398
|
Ryzen 3 3300U |
6681
|
Core i3-10110U |
5553
|
IdeaPad Slim 350 17 (Ryzen 3 3250U) |
4968
|
Ryzen 3 3200U |
4609
|
Athlon Silver 3050U |
3851
|
Celeron N4120 |
2771
|
Celeron N4020 |
1658
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
内蔵グラフィックス性能は低い
グラフィック性能は、Ryzenシリーズとしては低い結果です。ひと世代前のRyzen 3 3200Uでもベンチマークスコアは1400近くありましたから、なんらかの原因でグラフィックス性能が下がっている可能性があります。もしかすると、メモリーがシングルチャネルで動作しているからかもしれません。いずれにしても、ゲームやクリエイター向けソフトでの効果は期待しないほうがいいでしょう。上位のRyzen 5/7搭載モデルなら、多少は感じられる可能性があります。
GPUの性能比較
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 ※参考 |
8513
|
MX250 |
3400
|
Radeon (Ryzen 7 4700U) |
3384
|
Iris Plus(Core i5) |
2236
|
UHD (Core i7) |
1335
|
UHD (Core i5) |
1273
|
IdeaPad Slim 350 17 (Ryzen 3 3250U) |
1088
|
UHD (Core i3) |
859
|
UHD 600 (Celeron) |
486
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
ビジネスには十分なパフォーマンス
PCMark 10は、PCを使った各種作業の快適さを計測するベンチマークテストです。Ryzen 3 3250U搭載のテスト機では、一般利用とビジネス利用のテストで快適に使える目標値をクリアーしました。処理の重いコンテンツ制作には、少々厳しい用です。Ryzen 5 / 7モデルであれば多少は改善されるでしょう。ただしこの機種はもともと、コンテンツ制作向きの機種ではありません。
PCMark 10ベンチマーク結果
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) |
目安:4100
6680
|
Productivity (ビジネス利用) |
目安:4500
5490
|
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) |
目安:3450
2234
|
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
SSDは超高速タイプ
ストレージは128~512GBのSSDです。試用機ではPCIe 3.0 x4接続のPM991 128GBモデルが使われていました。アクセス速度はあまり速くないのですが、公称スペック(シーケンシャルリード2000MB/秒、シーケンシャルライト1000MB/秒)とあまり変わらないことから、サーマルスロットリングは発生していないようです。
起動は11秒前後で高速
ウィンドウズの起動時間は平均11.54秒でした。最近はSSD搭載のノートPCで15秒程度が平均 (筆者調べ)ですので、起動時間はかなり高速です。待たされている感はほとんどありません。
起動時間の計測結果(手動計測)
1回目 | 11.8秒 |
---|---|
2回目 | 11.7秒 |
3回目 | 11.8秒 |
4回目 | 11.6秒 |
5回目 | 10.8秒 |
平均 | 11.54秒 |
バッテリー駆動は11時間程度
バッテリー駆動時間の公称値は7.8時間です。ただしこれはパフォーマンスを極力落とした状態での結果。実際の利用では駆動時間が短縮される場合があります。
そこで最大パフォーマンスの状態でビジネス作業 (Web閲覧や文書作成、ビデオチャットなど)での駆動時間を計測したところ、公称値よりも長い8時間23分でバッテリー残量が5%に達し休止状態へ移行しました。
最大パフォーマンス時で実駆動8時間以上は、長くはありませんがそこそこ優秀な結果です。IdeaPad Slim 350 17は持ち歩き用の機種ではありませんが、自宅や職場で電源ケーブルをつながずに利用するのにも向いています。
バッテリー駆動時間の計測結果 ※Ryzen 3モデル
テスト方法 | バッテリー消費 | 駆動時間 |
---|---|---|
※公称値 | 小 | 最大7.8時間 |
Modern Office (ビジネス作業) | 大 | 8時間23分 |
50%充電までにかかった時間 | - | 53分 |
フル充電までにかかった時間 | - | 2時間22分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
ゲーム性能について
ゲーム軽ベンチマークソフトでは、Ryzenシリーズとしてはかなり低めの結果でした。おそらくこれは、テスト機のメモリーが4GB×1枚のシングルチャネルで動作していたためだと思われます。メモリーを増設したり上位のRyzen 5/7を使えば、スコアは改善されるでしょう。ただしそれでもゲームを快適に楽しめるほどではありません。軽めのゲームを息抜き程度と考えていたほうが無難です。
※テストはすべてフルHDで実施
FF15ベンチ (重い / DX11)
画質 | スコア / 評価 |
高品質 | ※検証不可能 |
標準品質 | 574 / 動作困難 |
軽量品質 | 726 / 動作困難 |
※スコアが6000以上で「快適」
FF14ベンチ:漆黒のヴィランズ (やや重い / DX11)
画質 | スコア / 平均FPS |
最高品質 | 948 / 5.6 FPS |
高品質 | 1314 / 8.3 FPS |
標準品質 | 1762 / 11.4 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽い / DX9)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 3404 / 普通 |
標準品質 | 4924 / 普通 |
低品質 | 5646 / 快適 |
価格について
IdeaPad Slim 550 (14)には、パーツ構成が異なる複数のモデルが用意されています。それぞれのスペックと価格は以下の表のとおりです。さらにそれぞれのモデルに、Office Home & Business 2019が付属するモデルも用意されています。
■価格 (オフィスなしモデル)
CPU | メモリー | ストレージ | 税込価格 |
---|---|---|---|
Ryzen 3 3250U | 4GB | 128GB SSD | 4万7300円 |
Ryzen 5 3500U | 8GB | 256GB SSD | 5万3900円 |
Ryzen 7 3700U | 8GB | 512GB SSD | 7万2072円 |
※2020年10月21日時点
■価格 (Office Home & Business 2019付きモデル)
CPU | メモリー | ストレージ | 税込価格 |
---|---|---|---|
Ryzen 3 3250U | 4GB | 128GB SSD | 6万8376円 |
Ryzen 5 3500U | 8GB | 256GB SSD | 7万3062円 |
Ryzen 7 3700U | 8GB | 512GB SSD | 9万2158円 |
※2020年10月21日時点
安くて画面が見やすい17.3インチ
よかった点
画面が大きくて見やすい点が最大のメリットです。IPSパネルによる映像は発色が自然で、写真や動画を楽しむのにも向いています。17.3インチは価格が高い機種が多いのですが、IdeaPad Slim 350 17なら最安4万円台とお手頃。大きな画面でノートPCを使いたい人におすすめします。
気になる点
本体が大きいのですが、画面が大きいことを考えれば仕方がないでしょう。ボディは樹脂製ですが、それほど安っぽい印象は受けません。ただインターフェースが少ない点は残念です。個人的にはType-Cと有線LANがあれば、もっと便利に使えるたのではないかと思っています。
※2020年10月21日時点
*
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