デルのInspiron 15 5000 2-in-1 (5582)は、15.6インチサイズの液晶ディスプレイを搭載した2-in-1タイプのノートPCです。液晶ディスプレイを回転させることで、タブレットモードやスタンドモードでの利用が可能。一般的なタブレットよりも大きいので文字や映像が見やすく、電子書籍やネット、映画などを大きな画面で楽しみたい人に向いています。
Inspiron 15 5000 2-in-1 (5582)の注目ポイント
CPU性能が高い
2019年4月時点で最新のCore iプロセッサーを搭載。同ジャンルの他機種に比べてCPU性能が高く、そのぶん快適に使える点が魅力です。
Inspiron 15 5000 2-in-1 (5582)の評価
総合評価: 3.7/5.0
(評者:こまめブログ)
デザイン | 15.6型2-in-1としては小さい。安っぽさを感じさせないデザイン |
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性能 | Core iシリーズ搭載で性能面は十分。HDD搭載モデルでも快適 |
使いやすさ | テンキーと光学ドライブは非対応。端子は十分だがキー配列にクセがある |
軽さ | 重さは実測で約2.0kg。15.6型2-in-1としては軽い |
画面 | 画面が少し暗く感じるが、発色自体は良好 |
こんな人にオススメ
- 👍 大型の2-in-1を使いたい
- 👍 CPU性能は高いほうがいい
- 👍 テンキーやDVDは使わない
今回はメーカーからお借りしたInspiron 15 5000 2-in-1 (5582)の実機を使って、本体デザインや使い心地、ベンチマーク結果などをレビューします。
この記事の目次
- ▶スペック
- ▶価格
- ▶本体の大きさやデザイン
- ▶画面の色と見やすさ
- ▶キーボードの使いやすさ
- ▶端子類の種類と使いやすさ
- ▶ベンチマーク結果
- ▶ゲーム性能
- ▶まとめ
Inspiron 15 5000 2-in-1 (5582)
税込10万円前後から
Inspiron 15 5000 2-in-1 (5582)のスペック
OS | ・Windows 10 Home ・Windows 10 Pro |
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CPU | ・Core i3-8145U ・Core i5-8265U ・Core i7-8565U |
メモリー | ・4GB ・8GB ・16GB ※最大16GB、スロット×2 |
ストレージ | ・1TB HDD + Optaneメモリー (16GB) ・256GB SSD (PCIe) ・512GB SSD (PCIe) |
グラフィックス | Intel UHD Graphics 620 |
ディスプレイ | 15.6インチ、 1920×1080ドット、 IPS、光沢、タッチ/ペン対応 (ペンは別売り)、 輝度200nit、コントラスト比700:1 |
光学ドライブ | なし |
通信機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac、 Bluetooth 5.0 |
インターフェース | USB3.1 Gen1(フルサイズ)×2、 USB3.1 Gen1(Type-C)×1、 USB2.0 ×1、 HDMI、 SDカードスロット、 ヘッドホン出力 |
セキュリティー | TPM2.0、 セキュリティースロット、 マカフィー リブセーフ 12ヵ月版 |
カメラ | 92万画素 |
サイズ | 幅363.86×奥行き250×高さ18.72~19.95mm |
重量 | 約2.012kg~(タッチ対応) |
バッテリー駆動時間 | ※非公開 |
サポート | メーカー保証1年間 |
※2019年4月1日時点。構成は変更される場合があります
Core i3モデルの20GBメモリーについて
公式サイトでは、Core i3搭載のスタンダードモデルのメモリー容量が20GBと書かれています。しかしこれはメインメモリーの4GBと、HDD高速化のためのOptane(オプテイン)メモリーの16GBを足したもの。メインメモリーが20GBではない点に注意してください。
Inspiron 15 5000 2-in-1 (5582)の価格
Inspiron 15 5000 2-in-1 (5582)には、パーツ構成の異なる複数のモデルが用意されています。それぞれのスペックは以下のとおり。なおオフィス付きモデルに付属するのはOffice Personal 2019で、パワーポイント(パワポ)を利用するにはOffice Home and Business 2019にアップグレードする必要があります。
ラインナップ
スタンダード | |
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税込10万円前後 | |
スタンダード・Office付 | |
税込11万円台 | |
プレミアム | |
税込11万円台 | |
プレミアム・Office付 | |
税込12万円台後半 | |
プラチナ | |
税込13万円台後半 | |
プラチナ Office | |
税込15万円台 |
※2019年1月25日時点
Inspiron 15 5000 2-in-1 (5582)の本体の大きさやデザイン
Inspiron 15 5000 2-in-1 (5582)は、液晶ディスプレイが360度回転する2-in-1タイプのノートPCです。一般的なクラムシェル型ノートパソコンモード以外に、スタンドモードやテントモード、タブレットモードなどで利用できます。
本体カラーはシルバーで、デルらしいスタンダードなデザインです。プライベートはもちろん、ビジネスシーンでの利用にも違和感がありません。
15.6インチの液晶ディスプレイが使われているため、サイズはやや大きめです。とは言え、標準的な15.6インチタイプと比べるとサイズはふた回りほど小さく感じます。2-in-1タイプとしてはスリムで軽い点もポイント。
ノートPCの平均重量
画面サイズ | 平均重量 |
---|---|
11.6インチ | 1.06kg |
12.5インチ | 1.095kg |
13.3インチ | 1.209kg |
14インチ | 1.582kg |
15.6インチ (スタンダード) | 2.131kg |
15.6インチ (ゲーミング) | 2.413kg |
17.3インチ | 2.814kg |
※2018年1月~12月に当サイトが検証したノートPC(2-in-1を含む) の実測値より
Inspiron 15 5000 2-in-1 (5582)の画面の色と見やすさ
液晶ディスプレイの大きさは15.6インチで、解像度は1920×1080ドット。標準ではデスクトップが150%に拡大表示されているため、文字は大きく表示されます。もう少し小さくてもいいなら、100~125%程度に変えるといいでしょう。
発色は良好で自然な色合いなのですが、画面がやや暗いので鮮やかさに欠けます。とは言え、動画を視聴したり文章を読むには十分な明るさです。
Inspiron 15 5000 2-in-1 (5582)の色域測定結果
sRGBカバー率 | 64.2% |
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sRGB比 | 64.3% |
Adobe RGBカバー率 | 47.6% |
Adobe RGB比 | 47.6% |
液晶ディスプレイの表面は、光沢ありのグレアタイプです。光の映り込みが生じますが、映り込みが気にならないよう液晶ディスプレイの角度を調整するといいでしょう。
Inspiron 15 5000 2-in-1 (5582) のキーボードの使いやすさ
通常、15.6インチタイプのノートPCにはテンキーが付いていますが、Inspiron 15 5000 2-in-1 (5582) にはテンキーが付いていません。エクセルなどで数値入力を行なう場合は、外付けのテンキーキーボードがあると便利です。
キーピッチ (キーとキーの間隔)は横19mmで、縦18mm。キーが若干横長ですが、入力時の違和感はありませんでした。ただEnterキー周辺で一部のキーが隣接しており、使い始めのうちはタイプミスがあるかもしれません。
キーストロークは実測で約1.5mmです。数値としては標準的ですが、実際にキーを打ってみるとやや浅く感じます。キーを押した瞬間に軽いっクリック感がありますが、押し込む力はかなり軽め。最近のノートPCによくある、スコッと抜けるような感覚です。手応えは軽いのですが、はやりと言えばはやりのタイプ感だと言えます。
タイプ音は控えめです。軽いタッチだと「タクタク」という感じで、音は目立ちません。強く叩くと「トントン」と軽く響きますが、どちらかと言えば静かなほうです。
Inspiron 15 5000 2-in-1 (5582) の端子類の種類と使いやすさ
周辺機器接続用のインターフェースはそれほど多くはありませんが、十分実用的に使える構成です。ただし15.6インチタイプとしてはやや少なめ。特に光学ドライブと有線LANに対応していない点に注意してください。
またペン入力にも対応していますが、標準ではペンが付属していません。必要な場合は、購入時のカスタマイズ画面で追加してください (税別2000円の追加料金が必要)。
左側面のインターフェース
- ① 電源コネクター
- ② USB3.1 Gen1 Type-C
- ③ HDMI
- ④ USB3.1 Gen1
- ⑤ ヘッドセット端子
右側面のインターフェース
- ① SDカードスロット
- ② USB2.0
- ④ セキュリティースロット ※盗難防止用
Inspiron 15 5000 2-in-1 (5582)のベンチマーク結果
今回のテストでは、プラチナモデルを使いました。主なスペックは以下のとおり。ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります。あらかじめご了承ください。
試用機のスペック
OS | Windows 10 Home |
---|---|
CPU | Core i7-8565U |
メモリー | 16GB |
ストレージ | 512GB SSD (PCIe) |
グラフィックス | Intel UHD Graphics 620 |
ストレージ性能
Inspiron 15 5000 2-in-1 (5582)ではストレージにPCIe (NVMe)接続のSSDを使ったモデルと、HDD+Optane (オプテイン)メモリーを使ったモデルが用意されています。
SSD搭載モデルはファイルの読み書きやウィンドウズの起動が非常に早く、パソコンを快適に使えます。HDDのみの場合だと処理時間はかなり長くなってしまうのですが、HDDを高速化するOptaneメモリーが搭載されているとSSD並みの快適さで利用可能です。
ちなみに試用機で使われていたSSDはSK hynixのBC501シリーズで、公式スペックによると転送モードはPCIe 3.0 x2です。本体のM.2スロットはPCIe3.0対応とのことですが、より高速なPCIe 3.0 x4に対応しているかはわかりません。
CPU性能
CPU性能を計測するベンチマークテストでは、非常に優秀な結果となりました。Core i7-8565Uは現在流通しているスタンダード / モバイルノートPC向けとしては、最高クラスのパフォーマンスです。重い処理でも快適にこなせるでしょう。下位モデルで使われているCore i3-8145UやCore i5-8265Uでも、高いパフォーマンスを期待できます。
CPUベンチマーク結果
CPU | PassMark PerformanceTestのCPU Markスコア |
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Inspiron 15 2-in-1 (Core i7-8565U) |
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Core i7-8565U |
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Core i7-8550U |
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Core i5-8265U |
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Core i7-7500U |
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Core i5-7200U |
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Core i3-8145U ※2 |
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※そのほかのベンチマーク結果は当サイト計測の平均値 ※2はPassMark CPU Benchmarksを参考しました
ただし本格的な動画編集や高度な科学技術計算には、ゲーミングPCで使われているCore i7-8750Hなどより上位のCPUのほうが向いています。ビジネスや趣味でちょっとした動画編集 (スマホで撮影した動画からDVDを作るなど)やデータ処理などを行なうならCore i7-8565U、日常的な作業や画像を使った資料作りなどが中心ならCore i5-8265U、動画視聴や軽めの作業ならCore i3-8145Uをおすすめします。
CPUの選び方
- ・動画編集やデータ処理、重いソフトを複数同時起動 → Core i7
- ・画像を使った文書制作、写真や音声の加工 → Core i5
- ・動画視聴や文書作成 → Core i3
バッテリー性能
実際のバッテリー駆動時間を計測したところ、バッテリー消費の少ないテストでは8時間38分、バッテリー消費がかなり大きいテストでは4時間54分という結果でした。ヘビーに使うと4~5時間程度という感じでしょう。駆動時間は長くありませんが、そもそも持ち歩き向けのモデルではないため問題ではないはずです。
バッテリー駆動時間のテスト結果
公称値 | ※非公開 |
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BBenchによる計測 | 8時間38分 |
PCMark 8による計測 | 4時間54分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
Inspiron 15 5000 2-in-1 (5582)のゲーム性能
グラフィックス機能には、CPU内蔵のIntel UHD Graphics 620を利用します。CPU内蔵タイプとしては優秀ですが、中規模クラス以上のゲームを快適に楽しめるほどの性能ではありません。ドラクエ10やLeague of Legendsのような、ごく軽めのゲームならプレー可能です。
GPUベンチマーク
GPU | 3DMark Fire Strikeのスコア |
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GeForce MX150 |
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GeForce MX130 |
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Radeon 530 |
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Radeon 520 |
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UHD 620 (Core i7) |
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Inspiron 15 2-in-1 (UHD 620) |
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UHD 620 (Core i5) |
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※そのほかのGPUのベンチマーク結果は当サイト計測の平均値
ゲーム系ベンチマーク結果
FF14:紅蓮のリベレーター(DX11) ※中量級
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1980×1080 | 最高品質 | 944(動作困難) ※5.563 FPS |
高品質(ノートPC) | 1402(設定変更を必要) ※8.776 FPS | |
標準品質(ノートPC) | 1922(設定変更を推奨) ※12.435 FPS | |
ドラゴンクエストX(DX9) ※軽量級
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1920×1080 | 最高品質 | 4326(普通) |
標準品質 | 5790(快適) | |
低品質 | 7089(とても快適) |
※FF14は平均60FPS以上が理想
Inspiron 15 5000 2-in-1 (5582)の分解やメモリー増設について
Inspiron 15 5000 2-in-1 (5582)は底面カバーを外すことで、本体内部にアクセス可能です。メモリースロットは2基、ストレージ用のM.2スロットは1ポート用意されており、さらに2.5インチストレージも利用できます。自分で購入したパーツを使ってメモリー増設やSSDの換装も可能ですが、この場合1年間のメーカー保証のサポート外となる点に注意してください。
今回の検証では内部を確認していませんが、公式サイトには詳しい分解、取り付け方法が掲載されています。
リンク
Inspiron 5582 サービスマニュアル
CPU性能で選ぶならコレ
ということで、今回はInspiron 15 5000 2-in-1 (5582)のレビューをお届けしました。
初心者~中級者向けの15.6インチ2-in-1としては、新しいCPUが使われているため性能が高いという点が特徴です。ただし総合的なコストパフォーマンスで考えると、SSD+HDDのデュアルストレージ構成でアルミボディで高品質なHP ENVY 15 x360に軍配が上がります。15.6インチ2-in-1のなかで、CPU性能にこだわりたい人におすすめします。
15.6インチ2-in-1の比較
Inspiron 15 5000 2-in-1 プレミアム |
HP ENVY 15 x360 (Intel) スタンダードプラス |
HP ENVY 15 x360 (AMD) スタンダード |
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CPU | Core i5-8265U | Core i5-8250U | Ryzen 5 2500U |
メモリー | 8GB | 8GB | 8GB |
ストレージ | 256GB SSD | 256GB SSD + 1TB HDD | 256GB SSD + 1TB HDD |
ペン | 別売り (税別2000円) | 付属 | 別売り (税別8000円) |
サイズ | 幅 363.86mm 奥行き 250mm 高さ 19.95mm |
幅 359mm 奥行き 245mm 高さ 19mm |
幅 359mm 奥行き 245mm 高さ 20mm |
重さ | 2.012kg | 2.11kg | 2.11kg |
価格 | 税込11万円台 | 税込11万円台 | 税込9万円台 |
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