デルのInspiron 13 7000 2-in-1は、液晶ディスプレイが360度回転するタイプの2-in-1ノートパソコンです。別売りのペンを購入すれば、メモやイラストを手書きで入力できます。
13.3型2-in-1としては軽量&コンパクトで、持ち歩きも可能。アルミ素材を使ったボディは質感が高く、堅牢性に優れています。スペックも高いので、プライベートからビジネスまで幅広いシーンで活用できるでしょう。
Inspiron 13 7000 2-in-1のポイント
ここがイイ! | ここが残念 |
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今回はメーカーからお借りした実機を使って、Inspiron 13 7000 2-in-1(7373、2017年9月発売) の本体デザインや使い勝手、性能などをレビューします。
この記事の目次
Inspiron 13 7000 2-in-1
税込み10~12万円台から
重厚で安心感のあるデザイン
質感と堅牢性の高い本体
Inspiron 13 7000 2-in-1の本体カラーには、”エラグレー”という色が使われています。ちょっとなじみのない色ですが、暗めのシルバーと言えばイメージしやすいでしょう。メタリック感が強く、暗い場所ではガンメタリック風にも見えます。
ボディの素材には、高い質感と剛性(ねじれに対する強さ)に優れるアルミ素材が使われています。表面はツヤ消しで、サラサラとした手触りです。
デザイン的にMacBookやSurface Laptopのような軽やかさは感じられませんが、落ち着いた雰囲気で重厚感があります。たわみが生じることはなく、非常に強固に作られていると感じました。安心感のある頑丈な作りです。
大きさはA4サイズ相当
設置面積は、幅309.6×奥行き215.7mmです。A4用紙(幅297✕奥行き210mm)よりも、ちょっとだけ大きい程度と考えればサイズ感をイメージしやすいでしょう。標準的な13.3型よりもやや小さく、普通のバッグであれば難なく収まる大きさです。
高さ(薄さ)はカタログ上の公称値で15.51mmです。ゴム足を含めた実際の高さを測ったところ、最厚部で19mmでした。モバイル向けとしては、それほど薄いわけではありません。ただし2-in-1タイプであることを考えれば、納得できる範囲内です。
少し重いけど持ち運びは問題なし
重量は公称値で1.48kg、実測では1.462kgでした。13.3型モバイルノートパソコンでは1.2kg前後が主流ですので、平均よりは少し重めです。ただし2-in-1タイプであることと、剛性の高いアルミ素材を使っていることを考えればやむを得ないでしょう。個人的には、問題なく持ち運べる範囲です。
発色に優れるタッチ対応ディスプレイ
作業に集中できる狭額デザイン
液晶ディスプレイのサイズは、13.3型(13.3インチ)。解像度は1920✕1080ドットのフルHDで、モバイル向けとしてはスタンダードなスペックです。
Inspiron 13 7000 2-in-1の液晶ディスプレイはベゼル(枠)が狭く、左右の幅は7.5mmしかありません。いわゆる”狭額デザイン”と呼ばれる仕様です。このタイプは本体サイズをコンパクトにできるのに加え、余計な部分が眼に入らないぶん作業に集中しやすいと言われています。
光の映り込みは強い
一般的にタッチ対応ディスプレイは表面に強化ガラスが使われており、センサーの認識精度を高めるために光沢ありのグレア加工になっているケースがほとんどです。Inspiron 13 7000 2-in-1の液晶ディスプレイも光沢ありで、映り込みが目立ちます。
映り込みが気になる場合は、液晶ディスプレイの角度を調整することである程度は解決できます。Inspiron 13 7000 2-in-1では視野角の広いIPSパネルが使われているので、少しくらい角度を変えても、映像は鮮明なままです。
映像は自然な色合い
IPSパネルを使った液晶ディスプレイはコントラストが高く、自然な色合いです。やや暗めの印象ですが、作業には十分な明るさでした。
タイプ感の軽いキーボード
バックライト対応でフルピッチ
キーピッチ(キーとキーの間隔)は、理想とされる19mm(フルピッチ)です。しかしキー自体の大きさは、幅14mmと少し小さめ。しっかりとキーの中心を押せるなら問題ありませんが、タッチタイピングをマスターしていない人だと少し窮屈に感じるかもしれません。
キー配列については、Enterキー周辺で一部のキーが隣接しているのが気になります。特にBackSpaceキーが小さく、左隣の「¥」キーを押してしまうことがありました。とは言うものの、慣れれば問題なく使えるようになるでしょう。
防水仕様&タイプ感は浅め
キーボードは防水仕様です。実際に試したわけではありませんが、水をこぼした程度なら問題ないでしょう。ただし水以外の液体については、保証されているわけではないので注意してください。
キーストローク(キーを押し込む深さ)は、ノートパソコンとしては標準的な約1.5mmです(実測値)。ただしクリック感が非常に軽く、入力時の手応えがあまり感じられません。底打ち感やたわみはないのですが、ペチペチとした薄いタイプ感でした。
キーのタイプ音は控えめです。指を横にすべらせるようにして打つと「タクタクタク」と小さな音が聞こえる程度で気になりません。打ち下ろすようにしてタイプすると音が少し目立ちますが、気になるほどではありませんでした。
クリック感の浅いタッチパッド
ボタン一体型のタッチパッドについては、クリック感がとても軽く感じました。ソフトやシステムの反応が少し遅れた際、クリックしていなかったと勘違いすることがあります。表面はザラつきがやや強く、グリップ感は高め。パッド部分ではスムーズな操作が可能です。
ペン入力に対応
Inspiron 13 7000 2-in-1は、ペンを使った手書き入力に対応しています。専用オプションとして用意されているデルアクティブペン(PN338M)は1024段階の筆圧感知に対応しており、スムーズな描画が可能。実際に試してみたところペン入力時の遅延はごくわずかで、スムーズに使えました。
なおアクティブペンはあとから追加購入することはできません。ペンが必要な場合は、注文時にオプションを追加してください。
標準的なインターフェース構成
充電可能なUSB Type-Cに対応
端子類としては、USB3.1 Gen1(Type-C)✕1、USB3.1 Gen1(フルサイズ)×2、HDMI、SD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロット、ヘッドホン出力が用意されています。USB3.1 Type-Cは充電にも対応。モバイルノートパソコンとしては標準的なインターフェース構成です。
液晶ディスプレイ上部には、Windows Hello対応の赤外線カメラが配置されています。あらかじめユーザーの顔を登録しておけば、カメラをチラッと見るだけでサインインできるので便利です。
モバイルノートPCとしては高音質
スピーカーは、左右の底面部に配置されています。音はクリアーで広がりがあり、こもった感じはしません。ただし全体的に音は軽めです。モバイルノートパソコンとしては高音質ですが、外付けスピーカーほどではありませんでした。
標準収録のWAVES Maxx Audio Proユーティリティーを使えば、ある程度好みの音質に調整できます。とは言うものの、音楽をじっくり楽しめるほどではありませんでした。動画やビデオチャット向きと考えたほうがよさそうです。
スペックとラインナップ
Inspiron 13 7000 2-in-1のスペック
Inspiron 13 7000 2-in-1のスペックは、以下の表のとおりです。
OS | Windows 10 Home/Pro |
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CPU | 第8世代 Core i5-8250U / Core i7-8550U |
メモリー | 8 / 16GB ※オンボード |
ストレージ | 256 / 512GB M.2 SSD |
グラフィックス | Intel UHD Graphocs 620 |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 13.3型、1920×1080ドット、光沢、タッチ&ペン入力対応 |
通信機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 4.2 |
インターフェース | USB3.1 Gen1(Type-C)✕1、USB3.1 Gen1(フルサイズ)×2、HDMI、SD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロット、ヘッドホン出力 |
セキュリティ機能 | セキュリティースロット、TPM 2.0 |
カメラ | 92万画素、赤外線カメラ |
サイズ/重量 | 幅309.6×奥行き215.7×高さ15.51mm/約1.48kg~ |
バッテリー駆動時間 | 最大8時間20分 |
メモリー増設やSSDの交換について
公式スペックによると、Inspiron 13 7000 2-in-1のメモリーはオンボード(基盤に直接取り付けられている状態)とのことですので、交換や増設には対応していません。ストレージについては、M.2規格SSDの交換が可能なようです。分解やパーツ交換の手順については、公式サイトのサービスマニュアルを参考にしてください。
関連記事
- Inspiron 13 7000 2-in-1サービスマニュアル
なお自分でパーツを交換すると、メーカー保証のサポート外となるので注意してください。
Inspiron 13 7000 2-in-1のラインナップ
Inspiron 13 7000 2-in-1には複数のモデルが用意されていますが、基本となるのは以下の3種類です。あとはそれぞれのモデルにオフィス(Office Personal Premium)が付属したり、納期が早い「即納モデル」などが用意されています。
Inspiron 13 7000 2-in-1の基本モデル
プレミアム | |
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10~12万円台 | |
プラチナ | |
12~14万円台 | |
スプレマシー | |
15~17万円台 |
ハイエンドな2-in-1モデルとしては、他社製品よりも2~4万円程度安く販売されています。なお価格はそのとき実施されているキャンペーンによって大きく変わるので、最新価格は以下のリンクから確認してください。
関連記事
- Inspiron 13 7000 2-in-1 のセール情報
2-in1でもパワフルな性能
Inspiron 13 7000 2-in-1のベンチマーク結果
今回のテストでは、最上位のスプレマシーモデルを試用しました。ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミングによって大きく変わる点をあらかじめご了承ください。
テスト機の主なスペック
OS | Windows 10 Home |
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CPU | Core i7-8550U |
メモリー | 16GB |
ストレージ | 512GB SSD |
グラフィックス | Intel UHD Graphics 620 |
テスト機は16GBメモリーと512GB SSDを搭載した最上位モデルだけあって、ベンチマーク結果は良好です。実際に使ってみても、遅く感じることはありませんでした。特にシステムやソフトの起動が早く、非常に快適です。
バッテリー駆動時間は7時間弱
カタログ上の公称値では、バッテリー駆動時間は最大8時間20分とされています。以下の条件で駆動時間のテストを行なったところ、6時間57分でバッテリー切れとなりました。
バッテリー駆動時間計測時のテスト条件
- 電源モードは「バッテリー節約機能」
- 液晶ディスプレイの明るさを40%に設定
- 輝度(明るさ)の自動調節機能はオフ
- 無線LANとBluetoothはオン
- ボリュームは50%に調整
- 「BBench」で10秒ごとのキー入力と60秒ごとのWebアクセスを有効化
- 満充電の状態からテストを行ない、休止状態へ移行するまでの時間を計測
CPUは熱いが本体の熱はほどほど
ベンチマーク中のCPU温度を確認したところ、最大99度にまで達しました。内部はかなり熱くなっているようです。
しかしキーボード面は、それほど熱くはありません。キーボード中央が最大で37.6度ですが、触るとほんのり温かい程度です。
通常時はほぼ無音
簡易騒音計で利用中の駆動音を計測したところ、なにも操作していない状態や動画視聴時ではほぼ無音でした。静かな場所でも駆動音が気になることはありません。
駆動音の計測結果(室温20度前後)
電源オフ時 | 36.5dBA | – |
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通常時 | 36.7dBA | ほぼ無音だが、本体に耳を近づけるとわずかに「ジジジ」という音が聞こえる |
YouTube動画再生時(スピーカーオフ) | 37.1dBA | 上記と同じ |
FF14ベンチ実行時 | 42.6dBA | 排気音がやや大きめ。甲高いファンの回転音が聞こえる |
高負荷のベンチマークソフトを実行するとファンが高速に回転し、それなりの排気音が聞こえます。とは言うものの高い負荷の処理はバッテリー消費量が大きくなるので、外出先で頻繁に行なうことはないはず。自宅や職場であれば、特に問題ではないでしょう。
堅牢性が高くて安いハイエンド2-in-1
ということで、今回はInspiron 13 7000 2-in-1のレビューをお届けしました。
最近の2-in-1ノートパソコンは軽くて薄く、標準的なクラムシェル型と変わらないほどになってきました。そのなかでもInspiron 13 7000 2-in-1は特に作りが丈夫で、安心して持ち運べます。CPUはクアッドコアでメモリー容量は最大16GBと、スペック的にも満足できる仕上がりです。
同じカテゴリーの他社製品と比べると、バッテリー駆動時間がやや短くThunderbolt 3非対応というデメリットが挙げられます。しかしそのぶん価格が安い点が大きな魅力です。プライベートはもちろん、ビジネスでも大いに活用できるでしょう。
Inspiron 13 7000 2-in-1のまとめ
- さまざまなスタイルで使える2-in-1
- アルミ素材を使った頑丈なボディ
- 他社製品より安い
- キーボードのタイプ感が軽い
- 駆動時間はあまり長くない