デルInspiron 13 7300レビュー：重量999gの超軽量＆超コンパクトな13.3インチモバイルノートPC

デルのInspiron 13 7300は、13.3インチディスプレイ搭載のモバイルノートPCです。最大の特徴は重量わずか999gと軽い上に、本体がとてもコンパクトである点。さらにこの手の超軽量タイプは値段が高く15万円以上の機種も少なくありませんが、Inspiron 13 7300ならCore i7＋16GBメモリーのハイスペック仕様でも10万円台とリーズナブルです。手頃で高品質なモバイルノートPCを探している人におすすめします。

Inspiron 13 7300

主なラインナップ

プレミアム
	9万2382円
プレミアム（Office付）
	10万5582円
プレミアム（大容量SSD搭載）
	9万8542円
プレミアム（大容量SSD・Office付）
	11万1742円
プラチナ
	10万7342円
プラチナ（Office付）
	12万0542円
プラチナ（大容量メモリー＆SSD・MX350搭載）
	12万4942円
プラチナ（大容量メモリー＆SSD・MX350・Office付）
	13万8142円

※2021年3月30日時点、価格は税込

Inspiron 13 7300のスペック

OS	・Windows 10 Home ・Windows 10 Pro
画面サイズ	13.3インチ
解像度	1920×1080
CPU	・Core i5-1135G7 ・Core i7-1165G7
メモリー	・8GB ・16GB ※オンボード
SSD	・256GB ・512GB ・1TB
HDD	なし
グラフィックス	・Iris Xe ・GeForce MX350
LTE	なし
堅牢性テスト	※明記なし
色域 / 輝度	sRGB 100% / 300nit
幅×奥行き	304.1×197.65mm
厚さ	14.98mm
重量	0.999kg
バッテリー	4セル 53WHr ※駆動時間は非公開

※2021年3月30日時点。構成は変更される場合があります

そのほかの詳細スペック

本体カラー	プラチナシルバー
画面の表面	非光沢
パネルの種類	※表記なし（IPS相当）
タッチ / ペン	－
光学ドライブ	－
テンキー	－
有線LAN	－
無線LAN	Wi-Fi 6
Bluetooth	5.1
USB3.2	2（Gen1）
USB3.0	－
USB2.0	－
USB Type-C	1（Thunderbolt兼用)
Thunderbolt	1
メモリーカード	－
HDMI	1
VGA (D-sub15)	－
DisplayPort	－
Webカメラ	720p HD（92万画素）
顔認証カメラ	－
指紋センサー	対応
付属品	ACアダプターなど
オフィス	・なし(オプションで追加可能) ・付属モデルあり

この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。

この記事の目次

▶スペック
▶デザインと使いやすさ
▶ベンチマーク結果
▶まとめ

Inspiron 13 7300

税込9万円台～

販売ページへ

※2021年3月30日時点

デザインと使いやすさ

外観について

Inspiron 13 7300の本体カラーはプラチナシルバー。実際の色合いは明るいシルバーです。天板と底面部はマグネシウム製で、パームレストはアルミ製。質感は素晴らしく、高級感のある仕上がりです。

プラチナシルバーの本体カラー

天板はマグネシウム製。梨地処理によるややザラついた手触り。指紋がほとんど目立ちません

マグネシウム製のボディは肉薄で押すとたわみますが、全体的には強度が高くしっかりとしています

パームレストはねじれに強いアルミ製

ベゼル幅は左右4mm、上部7.8mm、下部6.8mm。かなり細く作られています

排気口はヒンジの裏あたり

底面部はマグネシウム製

Inspiron 13 7300最大の特徴は、軽量コンパクトである点です。重量は約999gでギリ1kgの超軽量タイプ。接地面積も非常に小さく、13.3インチながら12インチクラスの大きさです。軽くて扱いやすいので、外出先へ軽快に持ち運べます。

接地面積は幅304.1×奥行き197.65mm

A4サイズ（オレンジの部分）よりひとまわり弱小さい

厚さは実測で16.6mm、底面部のゴム足を含めた設置時の高さは18.5mm。手で持つとかなりスリムに感じます

前面

背面

公称値は999gですが、実測では1.023kgでした

付属の電源アダプター。重さは321g

ディスプレイについて

ディスプレイのサイズは13.3インチ。モバイルノートPCとしては一般的な大きさです。解像度は1920×1080ドット（フルHD）のみ。画面が小さいので文字もやや小さめですが、読みづらく感じるほどではありませんでした。

デスクトップの文字の大きさは2.1～2.8mm程度（スケーリングは150%）

非光沢のノングレア仕上げで、映り込みが抑えられています

公称値では色域はsRGB 100%で、明るさは300nitとのこと。確かに映像の色合いは自然でしたが、ちょっと不自然に彩度が高く感じました。たとえば黄色などがやや飛び気味に出ています。通常のディスプレイではこのようなことはないので、もしかすると試用機ではガンマ値などがいじられていたのかもしれません。そのため、今回は正しく評価できませんでした。

映像は自然な色合い

コントラストが高く色にメリハリがありますが、白や黄色がやや飛んでいるように見えます

画面はわずかに暗めですが、作業には問題ありません。ただ公称値の300nitがちゃんと出ているようには感じられませんでした

キーボードについて

キーボードはテンキーなしの日本語配列で、バックライト対応です。英数字キー部分の配列は標準的ですが、Enterキーまわりがやや窮屈に感じます。とは言え、慣れれば問題なく使えるでしょう。

Enterキー周辺で一部のキーが隣接しています

バックライトの光はやや弱め

ディスプレイを開くとキーボードが持ち上がるリフトアップ機構を採用

キーピッチは横18.7mmで縦18mm。わずかに横長で若干の窮屈さを感じるものの、慣れれば問題なく使えるでしょう。キーストロークは実測で平均1.11m。タイプ感は非常に軽く、キーを押すというよりもキーに指を置くような感覚です。力を入れずにタイプできるのですが、キーを押し込むようにして打つ人には物足りないかもしれません。なでるように軽い力で入力する人向きです。

タイプ感は非常に軽め。軽い力で入力する人に向いています

タイプ音は軽い力でもカクカクと聞こえました。底面部の空きで反響しているようです

インターフェース/機能について

USB端子は合計3ポートで、うち1ポートがType-C / Thunderbolt 4です。あとは映像出力用のHDMIとヘッドホン端子、メモリーカードスロットの構成。端子類が多いわけではないものの、モバイルノートPCでこれだけあれば十分でしょう。デスクに据え置きで利用する際は、Type-C / Thundeboltドックの使用をおすすめします。

Type-C端子の機能

USB PD 18W充電	×
USB PD 30W充電	△（低速充電）
USB PD 45W充電	△（低速充電）
USB PD 65W充電	○
USB PD 100W充電	○
映像出力	○

電源ボタンは指紋センサー内蔵。誤動作防止のために固く作られており、毎回グッと押し込む必要があります

Webカメラはプライバシーシャッター付き

キーボード両脇のスピーカーは音がややこもり気味で、低音域が軽め。ビデオ会議や音声通話、動画視聴には問題なく使えます

ベンチマーク結果

試用機のスペック

モデル名	プラチナ（大容量メモリー＆SSD・MX350搭載）
CPU	Core i7-1165G7
メモリー	16GB
ストレージ	1TB SSD
グラフィックス	Iris Xe / MX350

※各ベンチマークテストはWindows 10の電源プランを「バランス」に設定した上で電源モードを「最も高いパフォーマンス」に設定しています

※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります

CPU性能

CPUとしては、インテル第11世代Coreプロセッサが使われています。Core i7-1165G7搭載の試用機でベンチマークテストを行なったところ、同じCPUの平均値をやや下回ったものの、モバイルノートPC向けCPUとしては優秀な結果が出ました。Core i5-1135G7でも、いい結果が得られるでしょう。モバイル利用では十分なパフォーマンスです。

CPUの性能差

CPU	PassMark 9.0 CPU Markスコア
Ryzen 7 4700U	15264
Core i7-10710U	13685
Ryzen 5 4500U	12939
Core i7-1165G7	12421
Inspiron 13 7300(Core i7-1165G7)	12112
Core i7-1065G7	12016
Core i5-1135G7	11332
Core i7-10510U	10257
Core i5-1035G1	9667
Core i5-10210U	9329
Ryzen 3 4300U	9154
Core i3-10110U	5553
Ryzen 3 3250U	4968
Athlon Silver 3050U	3851
Celeron N4120	2771
Celeron N4020	1658

※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均

グラフィックス性能

グラフィックス機能としては、CPU内蔵のIris Xeまたは専用GPUのGeForce MX350が使われます。3Dベンチマークテストではどちらもほぼ同程度でしたが、CPU内蔵のIris Xeのほうがスコアが若干上でした。グラフィックス性能だけを重視するならIris Xeのほうが有利ですが、ソフトやデータ容量によってはシステムメモリーを消費しないMX350のほうが有利な場合があります。

とは言え、MX350を搭載しているからと言ってパフォーマンスが大きく改善されるわけではない点に注意してください。

GPUの性能差

GPU	3DMark Fire Strike Graphicsスコア
GTX 1650	8513
Iris Xe (Core i7)	4561
Inspiron 13 7300(Iris Xe)	4029
Inspiron 13 7300(MX350)	3931
MX250	3400
Radeon (Ryzen 7)	3384
Iris Plus(Core i7)	2880
Radeon (Ryzen 5)	2652
Iris Plus(Core i5)	2236
UHD (Core i7)	1335
UHD (Core i5)	1273

※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均

PCを使った作業の快適さ

テスト	スコア
Essentials (一般的な利用)	目標値4100 スコア8859
Productivity (ビジネス利用)	目標値4500 スコア8807
Digital Contents Creation (コンテンツ制作)	目標値3450 スコア4342

※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの

PCを使った作業の快適さを計測するPCMark 10のテストでは、すべてのテストで快適に使える目安をクリアーしました。Core i5モデルでもほぼ同様の結果が得られるでしょう（コンテンツ制作のスコアがやや低いかもしれません）。第10世代ではCore i7でもコンテンツ制作のテストがクリアーできなかったので、パフォーマンスは大きく向上しています。

ストレージのアクセス速度

ストレージとしては256GB～1TB SSDが用意されており、モデルによって容量が異なります。試用機で使われていた1TB SSDの接続規格はPCIe 3.0 x4の超高速タイプ。アクセス速度を計測したところ、非常に高速な結果が出ました。

ただし大容量のデータを連続して書き込むと、シーケンシャルライト性能がやや低下します。サーマルスロットリングが発生しているのかもしれませんが、普通に使うぶんには特に気にならないでしょう。

1TB SSDのアクセス速度。左が標準テストの結果で、右が高負荷テストの結果

起動時間

ウィンドウズの起動時間（バッテリー駆動時）は平均19.2秒でした。最近のSSD搭載ノートPCの平均は15秒前後ですので、わずかに遅めです。とは言え体感的には遅く感じることはなく、快適に利用できるでしょう。

起動時間の計測結果（手動計測）

1回目	21.5秒
2回目	18.7秒
3回目	18.5秒
4回目	18.8秒
5回目	18.5秒
平均	19.2秒

バッテリー駆動時間

※PCMark 10のバッテリー駆動時間計測テストでエラーが発生したため、今回は計測できませんでした。

ゲーム系ベンチマーク結果

ゲーム系ベンチマークを試したところ、ごくごく軽いドラクエ10であればフルHDでも快適に遊べるとの評価でした。ドラクエ10より少し重い程度のゲームであれば、さらに画質を下げれば快適に楽しめるでしょう。FF14/FF15クラスの重いゲームは、画質を調整しても厳しいレベルです。解像度を下げればなんとかできるゲームがあるかもしれません。

FF15ベンチ (重い / DX11)

画質	スコア / 評価
高品質	729 / 動作困難
標準品質	1005 / 動作困難
軽量品質	1431 / 動作困難

※1920×1080ドットの結果。スコアが6000以上で「快適」

FF14ベンチ：漆黒のヴィランズ (やや重い / DX11)

画質	スコア / 平均FPS
最高品質	2134 / 15.8 FPS
高品質	2742 / 20.4 FPS
標準品質	4481 / 35.5 FPS

※1920×1080ドットの結果。平均60 FPS以上が快適に遊べる目安

ドラクエXベンチ (超軽い / DX9)

画質	スコア / 評価
最高品質	5574 / 快適
標準品質	7563 / すごく快適
低品質	13707 / すごく快適

※1920×1080ドットの結果

超軽量＆超コンパクトなモバイルノートPC

よかった点

接地面積がとても小さく、しかも軽い点が大きなメリットです。デルの上位機種であるXPS 13はさらに小さいのですが、重量が約1.2kgと重い上に最新モデルは最安16万円台と値段が高め。ひと世代前のモデルならタイミングによっては9万円台で買えますが、サイズはInspiron 13 7300とほぼ同じです。軽さと小ささ、そして値段の手頃さで選ぶならコレに決まり！

気になる点

ベンチマーク時に排気音が大きい点が気になりました。低負荷の通常時でもわずかに聞こえますが、気になるほどではありません。しかし静かな場所で負荷の高い処理を行なうと、けっこううるさく感じます。重い作業を行なう際は、周囲を気にしたほうがいいかもしれません。ただしこれはMX350を搭載したCore i7モデルでのことで、MX350なしのCore i7モデルやCore i5モデルでは不明です。