デルのInspiron 14 5402は、14インチのフルHDを搭載するスタンダードノートPCです。本来は据え置き用途向けですが、重量が比較的軽いのでモバイル利用にもOK。頑丈かつコンパクトスリムな外観で、お値段以上の高級感があります。
主なラインナップ
プレミアム | |
---|---|
7万3021円 | |
プレミアム(Office付) | |
8万6716円 | |
プラチナ | |
8万8542円 | |
プラチナ(Office付) | |
10万2237円 | |
プラチナ(大容量メモリー&SSD搭載) | |
10万8628円 | |
プラチナ(大容量メモリー&SSD・Office付) | |
12万2323円 |
※2021年3月4日時点
Inspiron 14 5402のスペック
OS | ・Windows 10 Home ・Windows 10 Pro |
---|---|
画面サイズ | 14インチ |
解像度 | 1920×1080 |
CPU | ・Core i5-1135G7 ・Core i7-1165G7 |
メモリー | ・8GB ・16GB ※2スロット、DDR4 3200、最大32GB |
SSD | ・256GB ・512GB ・1TB ※M.2空きスロット×1(PCIe 3.0 x4/SATA、Type-2230/2280) |
HDD | なし |
グラフィックス | Iris Xe |
LTE | - |
堅牢性テスト | - |
色域 | NTSC 45%(sRGB換算で62.5%) |
幅×奥行き | 321.3×216.15mm |
厚さ | 17.9mm |
重量 | 最小1.429kg |
バッテリー | 3セル 40WHr(駆動時間は非公開) |
※2021年3月4日時点。構成は変更される場合があります
本体カラー | プラチナシルバー |
---|---|
画面の表面 | 非光沢 |
パネルの種類 | WVA(広視野角パネル) |
タッチ / ペン | - |
光学ドライブ | - |
テンキー | - |
有線LAN | - |
無線LAN | Wi-Fi 6 (11a/b/g/n/ac/ax) |
Bluetooth | 5.1 |
USB3.2 | 2(Gen1) |
USB3.0 | - |
USB2.0 | - |
USB Type-C | 1(USB3.2 Gen2) |
Thunderbolt 4 | - |
メモリーカード | microSD |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | - |
DisplayPort | - |
Webカメラ | 720p(92万画素) |
顔認証カメラ | - |
指紋センサー | 搭載 |
付属品 | ACアダプターなど |
オフィス | ・なし ・付属モデルあり |
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
この記事の目次
- ▶スペック
- ▶デザインと使いやすさ
- ▶ベンチマーク結果
- ▶まとめ
※2021年3月4日時点
デザインと使いやすさ
外観について
デルのInspironシリーズは、ここ1年くらいで本体デザインが大きく改善されました。以前の機種はやや厚みがあって野暮ったかったのですが、現行シリーズはスリムかつ質感が高く、とても洗練されています。剛性に優れるアルミ素材がより多く使われているので、堅牢性も向上していることでしょう。デルと言えばコスパの高さで有名ですが、最近はデザイン面でも健闘しています。
2020年の10月に発売されたInspiron 14 5402も、非常に美しい外観です。本体はコンパクト&スリムで、最安7万円台のミドルレンジ機とは思えないほど。プラチナシルバーの筐体は上品で、高級感があります。エッジの処理など細かな部分でハイエンド機に及ばない部分はありますが、お手ごろ価格の機種としては十分満足できるクオリティーです。
本体サイズは、とてもコンパクトです。接地面積はThinkPad X1 Carbonよりも小さく、お手ごろ価格の機種とは思えません。重量も比較的軽く、持ち歩き用にも使えます。
ディスプレイについて
ディスプレイのサイズは14インチで、解像度は1920×1080ドットのフルHDです。ディスプレイ表面は光沢なしのノングレアで、映り込みが抑えられています。このタイプとしては、標準的なスペックと言っていいでしょう。
ただし、映像品質がよくありませんでした。格安ノートPCで使われるTNパネルほどではないものの、色の鮮やかさに欠けます。スペックには「WVAパネル」と書かれていますがこれは「広視野角(Wide View Angle)」の略で、パネルの駆動方式を表わすものではありません。使われているパネル(型番「NV14N4H」)を調べたところIPSパネルとのことでしたが、低ランクのパネルのようです。
画面もやや暗いのですが、作業には問題ありませんでした。ただ写真や動画の鮮やかさは損なわれていると思います。内容は問題なく確認できますが、色の鮮やかさを楽しむディスプレイではありません。
キーボードについて
キーボードはバックライト対応で、テンキーなしの日本語配列です。配列は一見すると普通ですが、Enterキー周りがやや窮屈でした。使い始めは違和感があるかもしれませんが、そのうち慣れるでしょう。
タイプ感は軽めです。キーピッチは18mmで、ノートPCの標準値である19mmよりもやや狭く作られています。キーストロークは実測で平均1.36mm。入力時にグラつきがあり、タイプ感が安定していないように感じました。押した瞬間のクリック感はしっかりしているものの、ストロークが浅く感じます。もともと軽いタッチで入力する人なら違和感はないと思いますが、押し込むようにして打つ人には物足りないかもしれません。
インターフェース/機能について
USB端子は合計3ポート(うち1ポートはType-C)用意されています。あとは映像出力用のHDMIとmicroSDカードスロット、ヘッドホン出力程度の構成。14インチのスタンダードノートPCとしては多くないのですが、モバイル用途も視野に入れるならこれで十分かもしれません。据え置きで使うなら、Type-Cドックの利用をおすすめします。
Type-C端子の機能
USB PD 18W充電 | × |
---|---|
USB PD 30W充電 | △(低速充電) |
USB PD 45W充電 | ○ |
USB PD 65W充電 | ○ |
USB PD 100W充電 | ○ |
映像出力 | ○ |
ベンチマーク結果
試用機のスペック
モデル名 | プラチナ |
---|---|
CPU | Core i7-1165G7 |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 512GB SSD |
グラフィックス | Iris Xe Graphics |
※各ベンチマークテストはWindows 10の電源プランを「バランス」に設定した上で電源モードを「最も高いパフォーマンス」に設定しています
※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります
CPU性能
CPUとしては、インテル第11世代のCore i5-1135G7またはCore i7-1165G7が使われています。CPU性能を計測するベンチマークテストを行なったところ、Inspiron 14 5402では同じCPUの平均値をやや下回る結果が出ました。内部の熱を抑えるために、あえてパフォーマンスを落としているのだと思います。ただ第11世代はメーカーがある程度TDP(消費電力量の目安)を調整できるので、もしかするとモデルの位置づけ的な理由でなんらかの処置が加えられているのかもしれません。実際にはそんなことはないのかもしれませんが、そう考えても仕方がない結果です。
とは言え、ミドルレンジクラスのノートPCとしては十分な性能と言っていいでしょう。負荷の高い処理でも、ある程度は快適にこなせるはずです。ただ動画編集などで大容量のデータを扱うなら、16GB以上のメモリーを搭載することをおすすめします。
CPUの性能差
CPU | PassMark 9.0 CPU Markスコア |
---|---|
Ryzen 7 4700U |
15264
|
Ryzen 5 4500U |
12939
|
Core i7-1165G7 |
12421
|
Core i7-1065G7 |
12016
|
Inspiron 14 5402(Core i7-1165G7) |
11840
|
Core i5-1135G7 |
11332
|
Core i7-10510U |
10257
|
Core i5-1035G1 |
9667
|
Core i5-10210U |
9329
|
Ryzen 3 4300U |
9154
|
Core i3-10110U |
5553
|
Ryzen 3 3250U |
4968
|
Athlon Silver 3050U |
3851
|
Celeron N4120 |
2771
|
Celeron N4020 |
1658
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
グラフィックス性能
グラフィックス機能としては、CPU内蔵のIris XeGraphicsが使われます。第11世代ではグラフィックス機能が強化されたわけですが、確かに3Dベンチマークテストでは前世代のIris Plusを大きく上回る結果が出ました。内蔵タイプとしては非常に優れた結果です。ゲームやちょっとしたクリエイティブワークでの効果を期待できるでしょう。
ただCore i7-1165G7のIris Graphicsは機種によってベンチマークスコアに大きな差が出ており、最大では5300程度のスコアが出ている機種もあります。この差の理由がまだつかめていないのですが、もしかすると前述のTDP調整の結果や、メモリーの規格/容量などが影響しているのかもしれません。
GPUの性能差
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
8513
|
Iris Xe (Core i7) |
4486
|
MX350 |
3931
|
Inspiron 14 5402(Iris Xe) |
3839
|
MX250 |
3400
|
Radeon (Ryzen 7) |
3384
|
Iris Plus(Core i7) |
2880
|
Radeon (Ryzen 5) |
2652
|
Iris Plus(Core i5) |
2236
|
UHD (Core i7) |
1335
|
UHD (Core i5) |
1273
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
PCを使った作業の快適さ
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) |
4100
9478 |
Productivity (ビジネス利用) |
4500
6638 |
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) |
3450
4536 |
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
PCを使った作業の快適さを計測するPCMark 10のテストでは、すべてのテストで快適に使える目安をクリアーしました。前世代のCore i7-1065G7ではコンテンツ制作のテストをギリギリクリアーできる程度だったので、第11世代になって総合的なパフォーマンスは向上しています。
ストレージのアクセス速度
ストレージは256GB / 512GBまたは1TBのSSDです。接続規格はPCIe 3.0 x4の超高速タイプで、シーケンシャルリードでは3412MB/秒と非常に高速でした。ただし高負荷なテストを連続して行なうと速度が低下するので、サーマルスロットリングが発生しているようです。
起動時間
ウィンドウズの起動時間は平均15.62秒でした。SSD搭載のノートPCとしては標準的な結果です。
起動時間の計測結果(手動計測)
1回目 | 15.7秒 |
---|---|
2回目 | 15.5秒 |
3回目 | 15.6秒 |
4回目 | 15.6秒 |
5回目 | 15.7秒 |
平均 | 15.62秒 |
バッテリー駆動時間
バッテリーの駆動時間は、公開されていません。そこで最大パフォーマンスの状態でビジネス作業 (Web閲覧や文書作成、ビデオチャットなど)での駆動時間を計測したところ、7時間1分でバッテリー残量が3%に達し休止状態へ移行しました。
モバイル用途で7時間は長くはありませんが、電源プランや電源モードを変更して商品電力量を抑えれば、多少は長くもつでしょう。実際のところ連続稼働で7時間であれば、1日ぶんの作業には十分です。
バッテリー駆動時間の計測結果(Core i7モデル)
テスト方法 | バッテリー消費 | 駆動時間 |
---|---|---|
※公称値 | 小 | ※非公開 |
Modern Office (ビジネス作業) | 大 | 7時間1分 |
50%充電までにかかった時間 | - | 1時間2分 |
フル充電までにかかった時間 | - | 2時間43分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
ゲーム系ベンチマーク結果
ゲーム系ベンチマークを試したところ、ごくごく軽いドラクエ10ではフルHDの最高画質でも快適との評価でした。しかしやや重いFF14や重量級のFF15だと、満足にプレーできるほどの結果ではありません。軽いゲームであれば画質や解像度を下げることで、なんとかプレーできる程度といったところです。
FF15ベンチ (重い / DX11)
画質 | スコア / 評価 |
高品質 | 879 / 動作困難 |
標準品質 | 1598 / 動作困難 |
軽量品質 | 1817 / 動作困難 |
※1920×1080ドットの結果。スコアが6000以上で「快適」
FF14ベンチ:漆黒のヴィランズ (やや重い / DX11)
画質 | スコア / 平均FPS |
最高品質 | 2471 / 16.5 FPS |
高品質 | 3088 / 21.3 FPS |
標準品質 | 3672 / 25.1 FPS |
※1920×1080ドットの結果。平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽い / DX9)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 9409 / とても快適 |
標準品質 | 11509 / すごく快適 |
低品質 | 12907 / すごく快適 |
※1920×1080ドットの結果
外観面のクオリティーが高い文字作業用ノートPC
よかった点
本体デザインが素晴らしい点が大きな魅力です。アルミ製のボディは頑丈な上に質感が高く、その上コンパクト&スリム。お値段以上の高級感が感じられます。バッテリー駆動時間はそれほど長くはないものの、比較的軽いのでモバイルノートPCとして使うのもアリです。
気になる点
パフォーマンスが思ったほど伸びなかったのは仕方がないとして、ディスプレイの映像品質はもうちょっとどうにかならなかったのかと思います。体感的にIPSパネルには「極上」と「上」「中」「下」の4ランクがあると思っているのですが、Inspiron 14 5402は「下」のクオリティーです。映像の内容は問題なく確認できるので使えるといえば使えるのですが、この点は非常に残念。文書の作成やネットの調べ物など、色を気にしない作業向けと言えるかもしれません。
※2021年3月4日時点
*
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