ポイント
- 異様に高性能なのに異様に安い
- 軽量スリムなボディ
- パーツ交換が比較的簡単
Inspiron 15 5000 (5505)のスペック
画面サイズ | 15.6インチ |
---|---|
解像度 | 1920×1080 |
CPU | ・Ryzen 5 4500U ・Ryzen 7 4700U |
メモリー | 8GB ※最大32GB、スロット2 |
SSD | ・256GB ・512GB |
HDD | なし |
グラフィックス | Radeon |
LTE | 非対応 |
MILスペックテスト | ※表記なし |
幅×奥行き | 356.1×234.5mm |
厚さ | 17.9mm |
重量 | 1.714kg~ |
バッテリー | ※非公開 |
※2020年7月16日時点。構成は変更される場合があります
本体カラー | ・プラチナシルバー ・リバーロック |
---|---|
画面の表面 | 非光沢 |
パネルの種類 | IPS |
タッチ / ペン | - |
光学ドライブ | - |
テンキー | あり |
有線LAN | - |
無線LAN | 11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 対応 |
USB3.2 | 2 (Gen1) |
USB3.0 | - |
USB2.0 | - |
USB Type-C | 1 (USB3.2 Gen1) |
Thunderbolt 3 | - |
メモリーカード | microSD |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | - |
DisplayPort | - |
Webカメラ | 720p (92万画素) |
顔認証カメラ | - |
指紋センサー | オプション |
付属品 | ACアダプターなど |
オフィス | ※付属モデルあり、オプションで追加可能 |
この記事では筆者が購入した実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
この記事の目次
Inspiron 15 5000 (5505)
税込5万5674円~
※2020年12月15日時点
デザインと使いやすさ
スリムでスタイリッシュなボディ
ボディは質感と剛性 (ねじれに対する強さ)に優れるアルミ製。細身でコンパクトにまとまった、スタイリッシュなデザインです。外観は6~8万円台の手頃な機種とは思えないほどで、高級機なみのクオリティーを実現しています。
15.6インチとしてはコンパクト
フットプリント (接地面積)は幅356.1×奥行き234.5mm。B4サイズ (幅364×奥行き257mm)よりもひと回り小さい程度です。15.6インチタイプとしては、かなりコンパクトな部類に入ります。また非常に薄く、このタイプの機種にありがちなゴツさを感じません。軽やかに使えるノートPCです。
スタンダードな15.6インチのフルHD
画面サイズは15.6インチで、解像度は1920×1080ドットのフルHD。ノートPCとしてはもっともスタンダードなスペックです。デスクトップの文字の大きさは2~2.5mm程度 (スケーリング125%)でした。新聞よりも文字が小さいのですが、読みづらくは感じません。
映像は自然な色合い
ディスプレイには、自然な発色と広い視野角が特徴のIPSパネルが使われています。公式スペックでは「広視野角 (WVA)」とされていますが、”WVA”はパネルの駆動方式ではなく「Wide View Angle」のこと。パネルの型番からスペックを確認しましたが、一般的なIPSパネルとほぼ変わりません。
実際に写真や動画を表示したところ、色に違和感はありませんでした。やや黄/緑の強い暖色系ですが、一般用途であれば問題なく使えるクオリティーです。コントラストが高く色にメリハリがあり、文字もクッキリと映し出されます。
色域測定結果
sRGBカバー率 | 61.3% |
---|---|
sRGB比 | 61.6% |
Adobe RGBカバー率 | 45.6% |
Adobe RGB比 | 45.6% |
ややクセのあるキーボード
キーボードはテンキー (4列)付きの日本語配列です。標準でバックライトに対応しています。キーピッチ (キーとキーの間隔)は横18.7mmで縦18mm。わずかに縦長ですが、違和感なく使えました。
ただしEnterキー周りが若干窮屈です。特に「¥」キーが小さいので、押しづらく感じるかもしれません。
タイプ感は軽い
キーストローク (キーを押し込む深さ)は実測で平均1.33mmでした。ノートPCの標準である1.5mmよりもやや浅めに作られています。キーを押した瞬間のクリック感は固く、カクカクした手応えを感じられました。ただし押し込む力が弱いので、全体的なタイプ感は軽く感じます。
タイプ音は軽いタッチでもカクカクと聞こえます。静かというほどではありませんが、かと言ってうるさく感じるほどでもありません。しずかな場所であれば、多少は気になる可能性があります。打ち下ろすようにしてタイプするとタンタンと響く上にキーボードがたわむので、軽いタッチ向けです。
インターフェースは少ない
インターフェースは15.6インチタイプとしては控えめな構成です。光学ドライブがないのは仕方がないとは言え、据え置き利用で定番の有線LANがないのは残念。フルサイズのUSB端子も2ポートのみと必要最低限です。
とは言え、これだけの薄さを実現するためには仕方がないでしょう。ワイヤレス機器を利用したり、周辺機器をあまり使わない人向けの機種です。
生体認証はオプション
生体認証機能は指紋センサーに対応しています。購入時のオプションで選択できるので、必要に応じて追加してください。
Type-Cは映像出力と充電に対応
USB PD 18W充電 | × |
---|---|
USB PD 30W充電 | × |
USB PD 45W充電 | ◯ |
USB PD 65W充電 | ◯ |
映像出力 | ◯ |
左側面にあるUSB Type-C端子は、映像出力とUSB PDによる充電に対応しています。ただしワット数の低い充電器では充電できませんでした。標準の電源アダプターが45Wなので、このあたりの充電器を利用するといいでしょう。
スピーカーは動画視聴・ビデオ会議向き
スピーカーは底面部に配置されています。接地面との反響によって音の厚みがやや増しているものの、音がこもったように聞こえました。サラウンド感もそれなりです。ビデオ会議や音声通話などには問題なく使えます。
分解とメモリー増設
Inspiron 15 5000 (5505)は底面部のカバーを外すことで、内部にアクセスできます。ネジを外してカバーをこじあければOK。特に作業しづらいわけではありませんが、カバーを開けるときに開閉用の工具があると便利です。
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ベンチマーク結果
試用機のスペック
モデル名 | プラチナ(大容量SSD搭載) |
---|---|
CPU | Ryzen 7 4700U |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 512GB SSD |
グラフィックス | Radeon Graphics (CPU内蔵) |
※グラフィックス機能内蔵のAMD製プロセッサーは本来「APU」と呼ばれますが、ここではわかりやすさ優先で「CPU」と表記します。ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります
第3世代Ryzenモバイルはとても高性能
CPUの性能差 (総合性能)
CPU | PassMark CPU Markスコア |
---|---|
Ryzen 7 4700U |
14686
|
Inspiron 15 5505 (Ryzen 7 4700U) |
14205
|
Core i7-10710U |
13685
|
Ryzen 5 4500U |
13240
|
Core i7-1065G7 |
12016
|
Core i5-1035G4 |
10844
|
Core i7-10510U |
10257
|
Core i5-1035G1 |
9667
|
Core i5-10210U |
9584
|
Ryzen 3 4300U |
9154
|
Core i3-10110U |
5553
|
Celeon N4120 |
2771
|
Celeron N4020 |
1665
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
CPUとしては、AMDの第3世代Ryzenモバイル4000シリーズが使われています。Ryzen 7 4700U搭載の試用機でベンチマークテストを行なったところ、スタンダードノートPC向けとしては最高クラスの結果が出ました。別の機種での結果ですが、Ryzen 5 4500Uでも優れた結果が出ています。
性能としては10万円オーバーのゲーミングノートPCクラス。負荷の高い処理でも、快適にこなせるでしょう。それが6~8万円台で購入できるわけですから、Inspiron 15 5000 (5505)は非常にコスパの高い機種だと言えます。
CPUの性能差 (マルチコア性能)
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Core i7-10875H |
3293
|
Core i7-10750H |
2861
|
Inspiron 15 5505 (Ryzen 7 4700U) |
2745
|
Ryzen 7 4700U |
2661
|
Ryzen 5 4500U |
2458
|
Core i7-10710U |
2214
|
Core i7-1065G7 |
1625
|
Ryzen 3 4300U |
1560
|
Core i7-10510U |
1486
|
Core i5-1035G4 |
1480
|
Core i5-1035G1 |
1456
|
Core i5-10210U |
1435
|
Core i3-10110U |
918
|
Celeron N4120 |
435
|
Celeron N4020 |
328
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
メモリー増設でグラフィックス性能が大幅アップ
GPUの性能差
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
8513
|
GTX 1050 |
5912
|
Radeon (Ryzen 7 16GB) |
3612
|
Inspiron 15 5505 (Ryzen 7 16GB) |
3606
|
MX250 |
3400
|
Iris Plus |
2880
|
Radeon (Ryzen 7 8GB) |
2364
|
Radeon (Ryzen 3) |
2324
|
Inspiron 15 5505 (Ryzen 7 8GB) |
2364
|
UHD (Core i7) |
1335
|
UHD (Core i5) |
1273
|
UHD (Core i3) |
859
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
グラフィックス機能としては、CPU内蔵のRadeon Graphicsを利用します。試用機でベンチマークテストを行なったところ、CPU内蔵タイプとしてはそこそこ優秀な結果が出ました。
ちなみにメモリーを増設して8GB×2のデュアルチャネルで動作させると、グラフィックス性能が大きく向上します。元から使われている8GBメモリーと同じ規格 (DDR4 3200 SO-DIMM)・容量のメモリーを挿せばOK。より高いパフォーマンスで使いたい人におすすめします。
幅広いシーンで活用できる高い汎用性
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) |
4100
9235
9584 |
Productivity (ビジネス利用) |
4500
7430
7619 |
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) |
3450
4608
5163 |
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
PCを使った作業の快適さを計測するPCMark 10のテストでは、すべてのテストで快適に使える目安のスコアを上回りました。基本的にはさまざまな用途で快適に利用できます。また8GB×2のデュアルチャネルで動作させると、快適さは多少向上するようです。
SSDは超高速タイプ
ストレージはSSDのみで、容量としては256GBと512GBの2種類が用意されています。接続規格はPCIe 3.0 x4の超高速タイプですが、試用機で使われていたSSD (東芝BG4シリーズ)のアクセス速度はそれほど速くはありませんでした。とは言えHDDよりははるかに高速で、ファイルアクセスやウィンドウズの起動はサクサクと快適です。
なお本体内部にはM.2スロット (NVMe)が2ポート用意されています。ひとつはType 2230で512GB SSDがセットされていましたが、Type 2280は空いていました。SSDをもう1枚追加できそうです。
ウィンドウズの起動は11秒程度
ウィンドウズの起動時間は平均11.5秒でした。最近のSSD搭載機種は15秒程度が平均 (筆者調べ)ですので、なかなか高速です。実際に何度か起動や再起動を繰り返しても、待たされている感はほとんどありません。
起動時間の計測結果(手動計測)
1回目 | 13.7秒 |
---|---|
2回目 | 11.2秒 |
3回目 | 10.9秒 |
4回目 | 10.8秒 |
5回目 | 10.9秒 |
平均 | 11.5秒 |
高パフォーマンスで10時間駆動
バッテリーの駆動時間は公開されていません。そこで最大パフォーマンスの状態でビジネス作業 (Web閲覧や文書作成、ビデオチャットなど)での駆動時間を計測したところ、10時間29分でバッテリー残量が3%に達し休止状態へ移行しました。
そもそもInspiron 15 5000 (5505)は据え置き向けの15.6インチノートPCですが、バッテリー性能はなかなか優秀です。持ち歩きはもちろん、自宅や職場内で場所を変えて作業するのにも向いています。
バッテリー駆動時間の計測結果 ※Ryzen 7モデル
テスト方法 | バッテリー消費 | 駆動時間 |
---|---|---|
※公称値 | 小 | ※非公開 |
Modern Office (ビジネス作業) | 大 | 10時間29分 |
50%充電までにかかった時間 | - | 57分 |
フル充電までにかかった時間 | - | 2時間29分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
ゲーム性能について
ゲーム系ベンチマークを試したところ、動作がごくごく軽いドラクエ10では快適に楽しめるとの評価でした。リーグ・オブ・レジェンド (LoL)など2D描画主体の軽めゲームであれば、画質を調整することで楽しめるでしょう。FF14など少し重めのゲームでは、解像度と画質を落としても厳しいかもしれません。
※テストはフルHDで実施。テスト機はメモリー8GB×1搭載
FF15ベンチ (重い / DX11)
画質 | スコア / 評価 |
高品質 | ※計測不能 |
標準品質 | ※計測不能 |
軽量品質 | ※計測不能 |
※スコアが6000以上で「快適」
FF14ベンチ:漆黒のヴィランズ (中量級 / DX11)
画質 | スコア / 評価 / 平均FPS |
最高品質 | 1741 / 11.2 FPS |
高品質 | 2300 / 15.3 FPS |
標準品質 | 2842 / 19 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽量級 / DX9)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 6073 / 快適 |
標準品質 | 8274 / とても快適 |
低品質 | 9008 / とても快適 |
クリエイティブ性能について
※現在検証中です。後日掲載予定ですので、しばらくお待ちください
価格について
Inspiron 15 5000 (5505)には、パーツ構成の異なる複数のモデルが用意されています。それぞれのパーツ構成と価格は以下のとおり。タイミングによっては新たなモデルが追加されたり、パーツ構成が変わったりすることもあります。
ラインナップ
プレミアム | |
---|---|
6万5431円 | |
プレミアム(Office付) | |
7万9456円 | |
プラチナ(大容量SSD搭載) | |
8万4131円 | |
プラチナ(大容量SSD・Office付) | |
9万8156円 |
※2020年7月16日時点
価格はタイミングによって大きく変わります。最新の価格については、以下のリンクからセール情報をご確認ください。
Inspiron 15 5000 (5505)のセール情報
薄くて速くて安いスタンダードノートPC
よかった点
非常に高性能でありながら、値段が税込6~8万円台とリーズナブルな点が魅力です。また本体が薄くて軽く、扱いやすい点もポイント。15.6インチのIPSパネルで、画面が見やすい点も見逃せません。普段使いからビジネスまで、幅広いシーンで活用できるでしょう。
気になる点
インターフェースが少ない点が気になります。キーボードのストローク感が浅い点も気になりますが、軽いタッチで入力する人なら違和感は少ないはずです。
パフォーマンスは十分ではあるのですが、8GB×1枚だとシングルチャネルでの動作のため、高いCPU性能を活かしきれていません。8GB×2枚の16GBモデルが用意されていればいいのですが、いまのところ自分でメモリーを増設するしかなさそうです。
Inspiron 15 5000 (5505)
税込5万5674円~
※2020年12月15日時点
*
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