デルの「Inspiron 15 7000(7577)」は、パワフルかつ高品質でありながら低価格がうれしい15.6型のゲーミングノートPCです。第7世代クアッドコアCPUとGeForce GTX 1050 Ti/1060を搭載しているので、人気ゲームもストレスなく楽しめます。

Max Qデザイン採用で、ゲーミングノートPCとしてはスリム
またNVIDIAの「Max Qデザイン」を採用することで、高性能なゲーミングノートPCとしては薄型のボディを実現しています。ゴツくて大きなモデルが多いなか、スリムでスタイリッシュな本体デザインは大きな魅力です。
Inspiron 15 7000 ゲーミングのポイント
ここがイイ! | ここが残念 |
---|---|
今回はメーカーからお借りした実機を使って、Inspiron 15 7000 ゲーミング(2017年9月発売)の本体デザインや使い勝手、実際のゲーム性能などをレビューします。
この記事の目次

New Inspiron 15 7000 ゲーミング(7577)
税込み12~15万円前後から
https://komameblog.jp/bargain/dell-campaign-20160701/
スリムでスタイリッシュな本体
ゲーミングノートPCとしては薄型
Inspiron 15 7000 ゲーミングの本体サイズは、幅389×奥行き274.7✕高さ24.95mmです。接地面積は標準的な15.6型モデルよりもやや大きい程度。ゲーミングノートPCとしてはコンパクトです。

B4(B5ノートの見開き)サイズよりもひと回り以上大きめです
GeForce GTX 1060搭載モデルはNVIDIAの「Max Qデザイン」(効率的な冷却のためのデザインガイドライン)を採用しているため、ミドルレンジ相当の性能ながらもスリムでコンパクトなボディを実現しています。

高さの公称値は24.95mm、ゴム足を含めた実際の高さは28mmでした

Inspiron 15 5000 ゲーミング(左)との厚みの違い
派手さを抑えたデザイン
ゲーミングノートPCと言えば、LEDでいろんな場所が光るのが特徴です。しかしInspiron 15 7000 ゲーミングは、LEDのイルミネーションに対応していません。余計なラインも少なく、見た目がとてもスッキリとしています。

LEDイルミネーションは非搭載。シンプルなデザインで、一見するとゲーミングノートPCとは思えません

天板には耐久性が高くて軽いマグネシウム合金が使われています

キーボード面の素材もマグネシウム合金

キーボードの側面に角度がついています

底面部はプラスチック製です
大型の通気口でエアフローを確保
内部の熱を排出するためのエアフロー(空気の流れ)は、底面吸気からの背面排気です。通気口は比較的大型ながらも、デザインに違和感はありません。効率的な排熱効果を期待できます。

背面部の通気口

背面の通気口と干渉しないよう、液晶ディスプレイはひとつのヒンジで支えられています

底面部の吸気口

吸気口付近にはふたつの空冷ファンが設置されています
ゲームを存分に楽しめる美しい映像
スタンダードなフルHDディスプレイ
液晶ディスプレイの大きさは15.6型で、解像度は1920✕1080ドット。ゲーム用に限らず、高性能ノートパソコンとしてはスタンダードなスペックです。リフレッシュレートは60Hzで、ゲーム用に特化した高リフレッシュレートのディスプレイではありません。

液晶ディスプレイのサイズは15.6型で、解像度は1920✕1080ドット

最近はWQHDや4Kでプレーする人も増えていますが、まだまだフルHDが主流

ベゼル幅は左右21.5mm、上部20mm。だいぶ太く感じます
色鮮やかなIPSパネル
液晶ディスプレイには、自然な発色と高いコントラストが特徴のIPSパネルが使われています。IPSパネルはTNパネルやVAパネルに比べて応答速度が遅いと言われていますが、実際にゲームをしてみても残像が気になる場面はありませんでした。
ただしコントラストが高いので、暗い部分が見えづらく感じるときがあります。影の描写が多いゲームでは、ゲームの設定画面からガンマ値を変えるといいでしょう。

映像はコントラストが高く色鮮やか。ゲームだけでなく写真や動画を楽しむのにも向いています

液晶ディスプレイのガンマカーブ。青がわずかに弱めですが、ほぼ理想的なバランスです
長時間のプレーでも疲れにくいノングレア
液晶ディスプレイの表面は非光沢で、光の映り込みが抑えられています。映り込みがプレーのジャマにならない上に、長時間遊んでも眼が疲れにくいメリットも。映像のコントラストが高いので、ノングレア加工による映像のボケは感じませんでした。

光沢なしのノングレアパネル。ゲーム中に映り込みが気になることはありません

視野角はそこそこ広めです。写真ではやや暗く写っていますが、映像を斜めからみてもコントラストはあまり変わりませんでした
キーボードは一般的な作業向き
キーはピッチは19mm
キーボードはテンキー付きで、キーピッチ(キーとキーの間隔)は実測19mmでした。キーの間隔は理想的ですが、キー自体の大きさは約14mmと小さめです。文書作成には問題ないのですが、ゲーム用としてはややキーが小さいく物足りなさを感じました。

Inspiron 15 7000ゲーミングのキーボード
Enterキー周辺で一部のキーが隣接しているため、慣れないうちは打ち間違いがあるかもしれません。実際に筆者はBackSpaceキーを押そうとして左側の「¥」キーを押してしまうことが何度かありました。

Enterキー周辺で一部のキーが隣接しているため、少し違和感があります
タイプ感は少し物足りない
キーストローク(キーを押し込む深さ)は公称1.4mmです。ノートパソコンの標準値である1.5mmと比べると0.1mmしか違いませんが、実際に使ってみるとややストロークが浅く感じます。

キーストロークは約1.4mmで、標準的なノートパソコンよりもやや浅めです
底打ち感はやや強いものの、たわみはまったくありません。キーボード全体がとても堅牢に作られています。WASDキーを強く押しながらゲームを長時間プレーしても、キーボードが歪むことはありませんでした。
ただやはりキーが小さくてタイプ感が軽いので、個人的には物足りなさを感じてしまいます。メカニカルなタッチや深いストロークが好みなら、左手用キーボードなどを使うといいかもしれません。
タイプ音は「カタカタカタ」と控えめですが、Enterキーを押したときだけ「チャッ」という高い音が聞こえます。強めのタイプでも、音はあまり気になりませんでした。
大きくて使いやすいタッチパッド
タッチパッドはややザラつきのある手触りで、グリップ感が強めです。サイズが大きいので、ダイナミックな操作にも対応できます。もちろんマルチジェスチャーもノンストレスでした。
ただゲームではマウスやコントローラーでの操作が中心ですので、利用機会は少ないかもしれません。実際にゲームでタッチパッドを使おうとしても、キー入力中はパッド操作が無効になるので使えませんでした。

ゲームではあまり利用しませんが、タッチパッドの操作感は上々です
拡張性は非常に高い
USB 3.1 Gen2に対応
インターフェースとしては、USB3.0 ×3、USB3.1 Gen2(Type-C、Thunderbolt 3兼用)×1、HDMI、1000BASE-T対応有線LAN、SD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロット、ヘッドホン出力を用意しています。
なかでも注目したいのは、Thunderbolt 3対応のUSB3.1 Gen2 Type-Cを搭載している点。高速な外部ストレージを利用できるほか、VGAボックス(グラフィックボードを外付けで利用するための機器)を接続すればグラフィックス性能をアップグレードすることができます。

左側面にはセキュリティースロット、電源コネクター、有線LAN、USB3.0、sdメモリーカードスロット

右側面にはヘッドホン出力、USB3.0✕2、USB3.1 Gen2(Type-C、Thunderbolt 3兼用)、HDMI

Webカメラは92万画素

電源ボタンはキーボード右上に配置

電源ボタンは指紋センサー内蔵で、指紋認証によるすばやいサインインが可能です
スピーカーは動画視聴用
スピーカーは本体前面に配置されています。音質は、標準的なノートパソコンよりもややいい程度。音に広がりはあるものの、微妙にこもった印象を受けました。もしかすると、スピーカー(およびスピーカーグリル)が少し底面を向いているからかもしれません。低音部は弱く、高音部は少しかん高く聞こえます。

スピーカーの場所は前面で、やや下向きに設置されています
音質面ではゲーム用でも問題ないのですが、高負荷時の駆動音が大きいためサウンドがハッキリと聞き取れません。ゲームをプレーする際には、ヘッドセットの着用をおすすめします。スピーカーは動画視聴やビデオチャット用と考えたほうがいいでしょう。
パーツ交換は簡単
底面部のカバーを外せば、メモリーやストレージを交換できます。ただし自分でパーツを交換するとメーカー保証のサポート外となる点に注意してください。

底面カバーを取り外した状態

M.2スロットと2.5インチストレージ用のスロット

メモリースロットは2ポートで、最大容量は32GB
公式サイトでは、パーツの外し方や取り付け方法がまとめられています。パーツ交換や分解に慣れているなら特に必要はありませんが、念のため作業前にチェックしておきましょう。
関連リンク
- Inspiron 15 7000 ゲーミング サービスマニュアル
ゲームを快適に楽しめる性能
ポイント
Inspiron 15 7000 ゲーミングのスペック
OS | Windows 10 Home/Pro |
---|---|
CPU | Core i5-7300HQ または Core i7-7700HQ |
メモリー | 8GB または 16GB(最大32GB) |
ストレージ | 128GB SSD + 1TB HDD または 256GB NVMe SSD + 1TB HDD または 256GB NVMe SSD |
グラフィックス | GeForce GTX 1050 Ti(4GB)または GeForce GTX 1060(6GB) Max Qデザイン |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 15.6型、1920×1080ドット、IPS、非光沢 |
通信機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 4.2、1000BASE-T対応有線LAN |
インターフェース | USB3.0 ×3、USB3.1 Gen2(Type-C、Thunderbolt 3兼用)×1、HDMI、1000BASE-T対応有線LAN、SD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロット、ヘッドホン出力 |
カメラ | 92万画素 |
サイズ/重量 | 幅389×奥行き274.7×高さ24.95mm/約2.65kg~ |
バッテリー | 42WHr |
Inspiron 15 7000 ゲーミングのラインナップ
Inspiron 15 7000 ゲーミングには全部で6種類のモデルが販売されていますが(2017年12月時点)、ベースとなるのは以下の3種類です。それぞれのモデルに、Windows MRヘッドセット「Dell Visor」が付属のセットが用意されています。
Inspiron 15 7000の基本モデル
プラチナ・GTX 1050 Ti搭載 | |
---|---|
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
12~15万円前後 |
プレミアム・GTX 1060搭載 VR | |
![]() ![]() ![]() ![]() |
13~16万円前後 |
プラチナ・GTX 1060搭載 VR | |
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
17~21万円台 |
Inspiron 15 7000 ゲーミングの価格は、そのとき実施されているキャンペーンによって大きく変動します。最新価格は以下のリンクから確認してください。
関連リンク
- Inspiron 15 7000 ゲーミングのセール情報
Inspiron 15 7000 ゲーミングのベンチマーク結果
今回のテストでは、Core i7-7700HQ+GeForce GTX 1060 Max Qデザイン搭載の「プラチナ・GTX 1060搭載 VR」モデルを試用しています。なおベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミングによって大きく変わることがあります。

ゲームの快適さに強く影響する3D性能のテスト「3DMark」の結果。比較的高めのスコアですが、ノーマルなGeForce GTX 1060と比べるとやや低めです
■(参考)ノートPC向けGPUの計測結果
GPU | Fire Strikeスコア(平均値) |
---|---|
GeForce GTX 1070 |
|
GeForce GTX 1060 |
|
GeForce GTX 1050 Ti |
|
GeForce GTX 965M |
|
GeForce GTX 1050 |
|
GeForce GTX 960M |
|
ゲーム系ベンチマークの結果は、以下のとおりです。国内で人気のドラクエ10やFF14なら、フルHDの最高画質でも快適に楽しめます。海外系の大作ゲームは、タイトルによって最高画質~標準画質に調整する必要がありそうです。
■ゲーム系ベンチマークの結果(1920×1080ドット)
![]() |
FF14:紅蓮のリベレーター(DX11) | ||
---|---|---|---|
最高品質 | 高品質(ノートPC) | 標準品質(ノートPC) | |
8768(非常に快適)※平均60.616 FPS | - | - | |
![]() |
ドラゴンクエストX | ||
最高品質 | 標準品質 | - | |
13835(すごく快適) | - | - |
■海外ゲームのベンチマーク結果(1920×1080ドット)
![]() |
Assassin’s Creed Origins | ||
---|---|---|---|
最高 | 中 | 超低 | |
40 FPS | 51 FPS | 56 FPS | |
![]() |
Ghost Recon Wildlands | ||
ウルトラ | 高 | 低 | |
32.21 FPS | 60.36 FPS | 84.4 FPS | |
![]() |
Rise of the Tomb Raider(DX11) | ||
最高 | 中 | 最低 | |
65.88 FPS | 74.87 FPS | 88.02 FPS | |
![]() |
Far Cry Primal | ||
最高 | ノーマル | 低 | |
51 FPS | 72 FPS | 81 FPS | |
![]() |
F1 2017 | ||
最高 | 中 | 最低 | |
62 FPS | 101 FPS | 110 FPS |

「SteamVRパフォーマンステスト」の結果。GeForce GTX 1060であればVRレディの結果となるはずですが、試用機ではなぜか十分なパフォーマンスを発揮できませんでした。試用機固有の問題なのかもしれません

VR性能を計測する「VRMark」でも、かなり低めの結果となってしまいました

256GB SSD(左)と1TB HDD(右)のアクセス速度

ストレージ別アクセス速度の目安

CPU性能を計測する「CINEBENCH R15」の結果。ゲーミングノートPCとしては標準的ですが、一般的なノートパソコンと比べると非常に優れた結果です

パーツごとの性能を計測する「PassMark PerfomanceTest 9.0」結果。3D性能とストレージ性能に優れています

作業の快適さを計測する「PCMark 10」の結果。表計算や動画編集などの結果が非常に高く、ゲーム以外の作業も快適に行なえることがわかります
本体の熱はやや高め
FF14ベンチマーク中のCPU温度を確認したところ、最大で84度でした。熱は高いのですが、限界温度(100度)までにはまだ余裕があります。

FF14ベンチ実行時におけるCPUとGPUの温度
キーボード面の温度を計測したところ、高負荷時で40度前後になりました。触れないほどではありませんが、かなり温かく感じます。特にWASDキーを操作している際、指先がほんのり温まってくるのを感じました。

通常時(左)と高負荷時(右)における、キーボード面の表面温度
高負荷時の駆動音が大きい
簡易騒音計を使って動作時の駆動音を計測したところ、通常時やYouTube視聴時はあまり気になりません。しかしFF14ベンチ実行時にはファンの駆動音と通気口からの風切り音がかなり大きく聞こえます。また、やや低音域の振動音のようなノイズも聞こえました。ゲーム中はヘッドセットの利用を強くおすすめします。
駆動音の計測結果(室温20度前後)
電源オフ時 | 36.5dBA | – |
---|---|---|
通常時 | 37.1dBA | 空冷ファンの駆動音がほんのり聞こえる |
YouTube動画再生時(スピーカーオフ) | 37.2dBA | 空冷ファンの音がわずかに聞こえる程度 |
FF14ベンチ実行時 | 53.4dBA | 空冷ファンの駆動音と排気口からの風切り音がとても目立つ。振動音も聞こえた |
コスパの高いゲーミングノートPC
ということで、今回はInspiron 15 7000 ゲーミングのレビューをお届けしました。
ベンチマーク結果を見ると、GeForce GTX 1060搭載モデルとしてはやや低めです。おそらくMax Qデザインによる冷却性能重視の仕様によって、パフォーマンスが若干低くなっているのかもしれません。また高負荷時の駆動音もかなり気になりました。
とは言うものの、国内外で人気のゲームは十分楽しめる性能です。駆動音についても、ヘッドセットを利用すれば解決するでしょう。ゲームによっては音で相手の位置を判断するため、むしろヘッドセット着用前提なら問題ないと言えます。

中級ゲーマー向けの高い性能。ただし駆動音は大きめ
Inspiron 15 7000 ゲーミングのまとめ
- 薄くてスタイリッシュなボディ
- 頑丈で質感が高い
- キレイで見やすいディスプレイ
- 高い拡張性
- タイプ感が物足りない
- 駆動音が大きい
Inspiron 15 7000 ゲーミングは、デルの公式サイトで販売されています。購入される場合や支払い方法、納期について知りたい場合は、公式サイトの販売ページでご確認ください。

New Inspiron 15 7000 ゲーミング(7577)
税込み12~15万円前後から
※記事中の価格や構成は記事執筆時点のもので、変更される場合があります