NECの13.3型モバイルノートパソコン「LAVIE Direct HZ」では、ストレージの有料オプションとして512GBのSSDが用意されています。このオプションを利用すると、ストレージ性能はどのくらいアップするのか、実機を使って試してみました。
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アクセス速度はSATA接続SSDの6.5倍!
現行モデルのLAVIE Direct HZではCPUにCore i7-7500UかCore i5-7200Uを選ぶと、ストレージとして128/256/512GBのSSDを選択できます(Core i3とCeleronモデルでは128/256GB SSD)。128/256GBのSSDはSATA接続ですが、512GBのSSDのみPCIe接続です。
一般的にPCIe接続のSSDは、SATA接続のSSDよりもアクセス速度が速いのが特徴です。実際の速度は製品や規格によって異なるのですが、1500~2200MB/秒あたりが一般的だと考えていいでしょう。もちろんより高速なSSDも発売されていますが、まだ広く普及していないのが現状です。
実際にLAVIE Direct HZの2016年春モデルでは、リード最大2200MB/秒のSM951 512GBモデルが使われていました。ベンチマークでは2200MB/秒を超える2427MB/秒という結果が出ていますが、このあたりがノートパソコン内蔵のSSDとしては最高速度だったはずです。
しかしLAVIE Direct HZ 2017年春モデルの512GB SSDを試してみたところ、さらに高速な3473MB/秒という結果となりました。同じLAVIE Direct HZ 2017年春モデルの256GB SSDと比べると、6.5倍ものアクセス速度です。
SSDを確認したところ、サムスン製の「SM961」が使われていました。公称値ではリード最大3200MB/秒、ライト1700MB/秒の爆速SSDです。まさか最新SSDが使われているとは思わなかったので、ベンチマーク結果が出たときにはビックリしました。
ちなみに、標準的なHDDではアクセス速度が100MB/秒前後です。つまりLAVIE Direct HZ 2017年春モデルの512GB SSDは、アクセス速度がHDDよりも30倍以上高速ということ。
ただし、製品の出荷タイミングによっては異なるSSDが使われている場合もあります。ほかのメーカーの製品や、同じサムスンでも旧世代のSSDが使われていると、アクセス速度は落ちるかもしれません。
SSDの爆速化でシステムの快適さはアップするのか?
PCIe接続の512GB SSDとSATA接続のSSDではアクセス速度に大きな差がありますが、システムの快適さにはどの程度影響するのでしょうか? そこで実際にベンチマークテストを行なって試してみました。テストに使った2台のLAVIE Direct HZ 2017年春モデルはどちらもCPUがCore i7-7500Uで、メモリーは8GBです。
Windowsエクスペリエンスインデックス
Windowsエクスペリエンスインデックス(システム評価ツールの結果) | ||
512GB SSD | 256GB SSD | |
---|---|---|
プロセッサ | 7.7 | 7.7 |
メモリ | 7.9 | 7.9 |
グラフィックス | 6.3 | 6.2 |
プライマリハードディスク | 9.2 | 8.1 |
「プロセッサ」や「メモリ」などのスコアはほぼ変わりませんが、ストレージ性能を表わす「プライマリハードディスク」のスコアが大きく違います。実のところ、「9.2」というスコアは始めて見ました。筆者がこれまで体験したなかではSM951の「9.1」が最高だったのですが、それよりも0.1ポイント上回っています。このテストでは各テストの最大スコアが「9.9」ですので、限りなく最高スコアに近いと言っていいでしょう。
ただ、SM951からSM961に変わっても、ストレージのスコアは0.1ポイントしか変わらないという見方もできます。高速なSSDを使うことで確かにパフォーマンスはアップしますが、ある一定速度を超えると違いを体感できないのかもしれません。
PassMark PerformanceTest 9.0
総合的なパフォーマンスを計測する「PassMark PerformanceTest 9.0」では、512GB SSD搭載モデルが総合スコアで256GB SSD搭載モデルを10.2%上回りました。特にストレージ性能を表わす「Disk Mark」では4倍以上の差が出ています。
ちなみに各スコアに表示されている「~Percentile(パーセンタイル)」とは、スコア全体のなかでどの位置にいるのかを表わす単位です。512GB SSD搭載モデルの「Disk Mark」スコアは「99 Percentile」ですが、これは総数を100分割したうち99番目に低い順位という意味。つまり、ほぼ最高クラスという意味です。
PCMark 8
各種作業の快適さを計測する「PCMark 8」では、256GB SSDと512GB SSDでそれほどの差は現われませんでした。確かに512GB SSD搭載モデルのほうがスコアは高いのですが、日常的な作業の快適さを計測する「Home accelerated」では6%、ゲームやクリエイティブ系ソフトの快適さを表わす「Creative accelerated」では1.4%程度しかスコアが上昇していません。
もっともPCMark 8ではストレージ性能だけでなくCPUの計算性能やグラフィックス性能も考慮されるため、ストレージが異なるだけではスコアが大きく変わらない可能性があります。
PCIe接続の512GB SSDで大容量と高速化を実現!
ということで、今回は512GB SSDのパフォーマンスについて検証しました。確かにPCIe接続のSSDは高速ではあるものの、効果のある場面は限定されるようです。ただし大量のファイルを頻繁に扱う場合や大容量のファイルを扱うことが多いなら、ストレージは高速なほうが有利。必要に応じて、最適なストレージを選んでください。
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