NECのLAVIE Direct PM(Pro Mobile)は、13.3インチディスプレイ搭載のモバイルノートPCです。重量わずか842gの超軽量タイプで、持ち歩きに向いています。2021年に最新モデルが発売されていますが、今回取り上げるのは2020年6月発売のモデル。型落ちして古くなったぶん、最新モデルよりも安く入手できます。
LAVIE Direct PM 2020年モデルのスペック
OS | ・Windows 10 Home ・Windows 10 Pro |
---|---|
画面サイズ | 13.3インチ |
解像度 | 1920×1080 |
CPU | ・Core i5-10210U ・Core i7-10510U |
メモリー | ・8GB ・16GB ※オンボード |
SSD | ・256GB ・512GB ・1TB ・512GB+Optane ・1TB+Optane |
HDD | なし |
グラフィックス | UHD(CPU内蔵) |
モバイル通信 | ・なし ・LTE ・5G(プライバシーガード搭載モデル) |
堅牢性テスト | - |
色域 | - |
幅×奥行き | 307.2×216mm |
厚さ | ・16.9mm(プライバシーガード搭載) ・16.7mm(プライバシーガード非搭載) |
重量 | ・842g(標準バッテリー) ・896g(大容量バッテリー) ・965g(プライバシーガード搭載) |
バッテリー | ・約15時間(標準バッテリー) ・約24時間(大容量バッテリー) ・約20時間(プライバシーガード搭載) |
※2021年4月1日時点。構成は変更される場合があります
本体カラー | ・メテオグレー ・クラシックボルドー ・フレアゴールド ・ネイビーブルー |
---|---|
画面の表面 | 非光沢 |
パネルの種類 | IPS |
タッチ / ペン | - |
光学ドライブ | - |
テンキー | - |
有線LAN | - |
無線LAN | Wi-Fi 6 |
Bluetooth | 5 |
USB3.1 | 1(Gen2) |
USB3.0 | - |
USB2.0 | - |
USB Type-C | 2(データ通信専用USB3.1 Gen2×1、USB PD/映像出力対応USB3.0×1) |
Thunderbolt | - |
メモリーカード | microSD |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | - |
DisplayPort | - |
Webカメラ | HD 720p(92万画素) |
顔認証カメラ | 対応 |
指紋センサー | - |
付属品 | ACアダプターなど |
オフィス | ・なし(オプションで追加可能) ・付属モデルあり |
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
この記事の目次
※2021年4月1日時点、スペシャル割引クーポン適用時
2021年モデルとの違いについて
今回紹介するのは、2020年6月に発表されたモデルです。2021年1月発表の最新モデルとは微妙に異なります。と言ってもスペック面ではCPUが第10世代から第11世代に変わった程度で、そのほかの機能はあまり変わりません。筐体面では天板にカーボン素材が使われている程度です。
新旧モデルの違い
2020年夏モデル | 2021年春モデル | |
---|---|---|
CPU | 第10世代Coreプロセッサ | 第11世代Coreプロセッサ |
グラフィックス | UHD | Iris Xe |
メモリー | 8 / 16GB | |
ストレージ | 最大1TB | |
ディスプレイ | 13.3インチ | |
モバイル通信 | 4G(LTE)/5G対応 | |
サイズ | 幅307.2×奥行き216×高さ16.7/16.9mm | |
重量 | 約842/869g/965g | 約842/899g/965g/992g |
バッテリー駆動時間 | 最大24時間 |
※2021年4月1日時点
デザインと使いやすさ
外観について
LAVIE Direct PMの本体カラーはメテオグレー、クラシックボルドー、フレアゴールド、ネイビーブルーの4色。今回試用したのはメテオグレーのモデルで、華やかさはないもののシーンを選ばずに使える落ち着いた雰囲気です。
マグネシウム/マグネシウム合金が使われたボディは質感が高いものの、カバー自体は肉薄。軽く押すとたわんだり、指先で軽く叩くとプラスチックのような感触を受けます。マグネシウムが強度が高いので構造的には頑丈ですが、継続的に無理な力を加えると歪むことがあるので注意してください。
ディスプレイについて
ディスプレイのサイズは13.3インチで、解像度は1920×1080ドット(フルHD)。モバイルノートPCとしては一般的なスペックです。パネル表面は光沢なしのノングレアで、映り込みが抑えられています。
試用機では、画面がやや暗く感じました。見えづらくはないのですが、明るい照明の下だと若干暗く感じるかもしれません。映像は自然な色合いですが、やや黄色が強めです。またわずかに暗い影響で、鮮やかさもほどほど。とは言え、普段の作業には問題なく利用できます。
キーボードについて
キーボードはテンキーなしの日本語配列。キーピッチは19mmで、標準的な広さです。配列にも違和感はありませんが、強いて言うなら右Ctrlキーがかなり左寄りという程度。モバイルノートPCとしては標準的な作りです。
キーストロークは1.5mmです。キーを押した瞬間のクリック感が固めで手応えはしっかりと感じられるのですが、底打ち感(指への反発力)がありタイプ感が硬い印象です。たわみもわずかに感じられます。また入力時にはカチャカチャとした音が聞こえるほか、底面部との反響によってタイプ音の低音域がドンドンと反響して聞こえました。手応えはあるものの、上質なタイプ感というほどではありません。
インターフェース/機能について
周辺機器接続用のインターフェース(端子)類は多くありませんが、モバイルノートPCとしては十分な構成です。USB端子は合計3ポートで、うち2ポートがType-C。ただし片方はデータ通信のみしか対応していないので注意してください。あとは映像出力用のHDMIとmicroSDカードスロット、ヘッドホン端子など。生体認証はIRカメラによる顔認証に対応しています。
Type-C端子の機能(左側のみ)
USB PD 18W充電 | △(低速充電) |
---|---|
USB PD 30W充電 | △(低速充電) |
USB PD 45W充電 | ○ |
USB PD 65W充電 | ○ |
USB PD 100W充電 | ○ |
映像出力 | ○ |
ベンチマーク結果
試用機のスペック
型番 | PC-GN186J5AH |
---|---|
CPU | Core i7-10510U |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 256GB SSD |
グラフィックス | UHD Graphics |
※各ベンチマークテストはWindows 10の電源プランを「バランス」に設定した上で電源モードを「最も高いパフォーマンス」に設定しています
※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります
CPU性能
CPUとしては、インテル第10世代Coreプロセッサが使われています。すでに最新の第11世代Coreプロセッサがリリースされていますが、まだまだ現役レベルで使える性能です。普段使いはもちろん、ビジネス作業でも活用できるでしょう。
CPUの性能差
CPU | PassMark 9.0 CPU Markスコア |
---|---|
Ryzen 7 4700U |
15264
|
Core i7-10710U |
13685
|
Ryzen 5 4500U |
12939
|
Core i7-1165G7 |
12421
|
Core i7-1065G7 |
12016
|
Core i5-1135G7 |
11332
|
Core i7-10510U |
10257
|
LAVIE Direct PM(Core i7-10510U) |
9811
|
Core i5-1035G1 |
9667
|
Core i5-10210U |
9329
|
Ryzen 3 4300U |
9154
|
Core i3-10110U |
5553
|
Ryzen 3 3250U |
4968
|
Athlon Silver 3050U |
3851
|
Celeron N4120 |
2771
|
Celeron N4020 |
1658
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
グラフィックス性能
グラフィックス機能としては、CPU内蔵のUHD Graphicsが使われます。3Dベンチマークテストの結果はCore i7としては順当でしたが、最近のPCとしては低めです。ゲームやグラフィックソフト向けではなく、文字中心の作業に向いています。
GPUの性能差
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
8513
|
Iris Xe (Core i7) |
4561
|
MX350 |
3931
|
MX250 |
3400
|
Radeon (Ryzen 7) |
3384
|
Iris Plus(Core i7) |
2880
|
Radeon (Ryzen 5) |
2652
|
Iris Plus(Core i5) |
2236
|
UHD (Core i7) |
1335
|
LAVIE Direct PM(Core i7-10510U) |
1332
|
UHD (Core i5) |
1273
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
PCを使った作業の快適さ
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) |
4100
7744 |
Productivity (ビジネス利用) |
4500
7202 |
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) |
3450
3174 |
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
PCを使った作業の快適さを計測するPCMark 10のテストでは、一般利用(ネットやビデオチャット)とビジネス利用(表計算とワープロ)のテストは目標値をクリアーできたものの、コンテンツ制作(写真加工や3D制作、動画編集)では目標値に及びませんでした。Core i5モデルでも同様の結果だと思われます。
ストレージのアクセス速度
ストレージとしては256GB~1TB SSDが用意されており、購入時のパーツカスタマイズで容量を変更可能です。接続規格はPCIe 3.0 x4の超高速タイプ。試用機で使われている256GB SSDのアクセス速度を計測したところ、非常に高速な結果が出ました。ただし大容量のデータを連続して書き込むと、シーケンシャルライト性能(SEQ1MQ1T1)が低下します。サーマルスロットリングが発生しているのかもしれませんが、普通に使うぶんには特に気にならないでしょう。
起動時間
ウィンドウズの起動時間(バッテリー駆動時)は平均8.88秒でした。最近のSSD搭載ノートPCの平均(15秒前後)ですので、起動はとても高速です。
起動時間の計測結果(手動計測)
1回目 | 9.0秒 |
---|---|
2回目 | 8.8秒 |
3回目 | 8.8秒 |
4回目 | 8.9秒 |
5回目 | 8.9秒 |
平均 | 8.88秒 |
バッテリー駆動時間
バッテリーの駆動時間の公称値は、標準バッテリー搭載時で約15時間とされています。しかしこれはバッテリー消費量を極端に落とした状態での結果で、実際の駆動時間とは異なる場合がほとんど。公称値よりも短いことのが普通です。
そこで最大パフォーマンスの状態でビジネス作業 (Web閲覧や文書作成、ビデオチャットなど)での駆動時間を計測したところ、8時間43分で休止状態へ移行しました。公称値よりもかなり短い結果でしたが、フルパワーで使用しているので仕方がないでしょう。モバイル用途であれば、丸1日はバッテリー切れの心配なく使えるはずです。なおバッテリー消費の少ない電源プランや電源モードを選べば、伸びる可能性があります。
バッテリー駆動時間の計測結果(Core i7標準バッテリーモデル)
テスト方法 | バッテリー消費 | 駆動時間 |
---|---|---|
※公称値 | 小 | 15時間 |
Modern Office (ビジネス作業) | 大 | 8時間43分 |
50%充電までにかかった時間 | - | 29分 |
フル充電までにかかった時間 | - | 2時間7分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
ゲーム系ベンチマーク結果
ゲーム系ベンチマークを試したところ、ごくごく軽いドラクエ10であれば画質を落として快適に遊べるとの評価でした。ドラクエ10より少し重い程度のゲームであれば、さらに解像度を下げればそれなりに遊べるでしょう。FF14/FF15クラスの重いゲームは、画質を調整しても厳しいレベルです。基本的にゲーム用ではありませんので、ごく軽いゲームを息抜き程度と考えてください。
FF15ベンチ (重い / DX11)
画質 | スコア / 評価 |
高品質 | 450 / 動作困難 |
標準品質 | 663 / 動作困難 |
軽量品質 | 906 / 動作困難 |
※1920×1080ドットの結果。スコアが6000以上で「快適」
FF14ベンチ:漆黒のヴィランズ (やや重い / DX11)
画質 | スコア / 平均FPS |
最高品質 | 1162 / 7 FPS |
高品質 | 1730 / 11.1 FPS |
標準品質 | 2449 / 15.7 FPS |
※1920×1080ドットの結果。平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽い / DX9)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 5173 / 快適 |
標準品質 | 6787 / 快適 |
低品質 | 8368 / とても快適 |
※1920×1080ドットの結果
お得なクーポンについて
NECの直販サイトでパソコンを購入するなら、一般公開されていない特別クーポンの利用をおすすめします。通常のクーポンよりも割引き率が高く、お得に購入できるからです。
クーポンには登録なしで使える「広告限定優待クーポン」と、無料のメルマガ会員に登録することで利用できる「スペシャルクーポン」の2種類があります。それぞれのクーポンページから購入したいモデルを選ぶとクーポン割引が自動的に適用されますが、一部のモデルでは手動で入力する必要があるので注意してください。
LAVIE Direct PM 2020年夏モデルの割引率
種類 | 割引率 |
---|---|
通常クーポン(販売ページに掲載) | 14%オフ |
広告限定優待クーポン(下記リンク先に掲載) | 15%オフ |
スペシャルクーポン(メルマガ登録で利用可能) | 16%オフ |
※2021年4月1日時点
関連リンク
国内向け大手ブランドの安心感が魅力
よかった点
ノートPCとしては奇をてらわない堅実な作りで好感を持てます。あとはなんと言っても、”NEC”のブランド力。国内向けの大手ブランドということで、品質面やサポート面での大きな安心感があります。パソコン初心者や大手ブランドを重視したい人におすすめです。
気になる点
高負荷時の排気音が少し気になりました。起動直後や重いソフトを動かすと排気口から「サーッ」という音が聞こえます。うるさすぎるほどではないのですが、静かな場所では気になるかもしれません。
個人的には、値段が高い点もやや気になります。型落ちモデルですが最安モデルで税込14万円台はややお高め。そのぶんサポートや安心感がしっかりしていると考えれば、ナシではありません。
あと気になるのはプリインストールソフトがやたら多い点です。特にインフォボードなどはPC中上級者なら使わないと思いますが、削除してもソフトウェアアップデートで復活したりします。このあたりのソフトについては、たとえば選択式で対処できればいいのですが……。
※2021年4月1日時点、スペシャル割引クーポン適用時
*
当サイトでは2~3万円台の格安ノートPCから高性能ノートPCまで、さまざまな最新モデルを検証・解説しています。記事の更新情報やお買い得情報を当サイトのツイッターアカウントでお知らせしているので、ぜひフォローをお願いします。
ツイッターでこまめブログをフォローする
関連記事
NEC関連記事
モバイルノートPC関連記事