レノボのLegion C530は、本体サイズがコンパクトなゲーミングデスクトップPCです。接地面積が小さいので置き場所に困ることがないにも関わらず、人気ゲームを十分快適に楽しめるパフォーマンスが魅力です。
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、本体の外観や機能、実際の性能についてレビューします。
※2019年10月22日時点
Legion C530のスペック
CPU | ・Core i5-9400F ・Core i7-9700 |
---|---|
メモリー | ・8GB ・16GB ※最大32GB |
ストレージ | ・512GB SSD ・1TB SSD ・512GB SSD + 1TB HDD ・1TB SSD + 1TB HDD |
グラフィックス | ・GeForce GTX 1650 ・GeForce GTX 1660 Ti |
チップセット | B360 |
電源 | 500W (80PLUS BRONZE) |
※2019年10月22日時点。構成は変更される場合があります
フォームファクター | ※独自仕様 |
---|---|
SATAポート | 3 |
M.2スロット | 2 (Wi-Fi用 + ストレージ用) |
光学ドライブ | ー |
ドライブベイ | 3.5インチ×2 |
拡張スロット | PCI Express x16 ×1 |
有線LAN | 1000Mbps |
無線LAN | IEEE802.11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 4.2 |
USB3.1 | Gen2×2 (背面) |
USB3.0 | 4 (前面2 + 背面2) |
USB2.0 | 2 (背面) |
USB Type-C | ー |
Thunderbolt 3 | ー |
メモリーカード | ー |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | ー |
DisplayPort | ・1 (GTX1660Ti) ・2 (GTX1650) |
DVI | ・1 (GTX1660Ti) ・0 (GTX1650) |
サイズ | 幅238mm 奥行き358mm 高さ305mm |
重量 | 約11kg |
スペック上の注意点
- キーボード/マウスなし
- SDカードスロット非搭載
- パーツカスタマイズ非対応
本体の外観と内部
場所を取らないコンパクトな本体
Legion C530は「キューブ型」と呼ばれるデスクトップPCで、標準的なミニタワー/ミドルタワー型よりもコンパクトな点が特徴です。設置面積が小さいので置き場所に困ることがなく、また高さも低いためデスクの上に置いても圧迫感がありません。
周辺機器接続用のインターフェースは、USBポートが合計8ポート (前面2 + 背面6)に有線LANなど。映像出力はGPU (グラフィックボード)の種類によって変わります。種類はそれほど多くありませんが、十分な構成です。ただし光学ドライブとSDカードスロットには非対応である点に注意してください。
前面のインターフェース
- ① マイク入力 / ヘッドホン出力
- ② USB3.0
背面I/Oパネルのインターフェース
- ① DVI-D
- ② DisplayPort
- ③ HDMI
- ④ ライン出力
- ⑤ 1000BASE-T対応有線LAN
- ⑥ USB2.0
- ⑦ USB3.1 Gen2
- ⑧ USB3.0
本体内部とパーツ交換について
Legion C530はコンパクトなキューブ型であるため、内部の拡張性はそれほど高くありません。ドライブベイや拡張スロットは用意されているものの、基本的にはパーツの追加なしで使う人向けです。
Legion C530のベンチマーク結果
試用機のスペック
モデル名 | アイアングレー (90L2003TJM) |
---|---|
CPU | Core i7-9700 |
メモリー | 16GB |
ストレージ | 1TB SSD + 1TB HDD |
グラフィックス | GTX 1660 Ti (6GB) |
ストレージ性能
試用機ではPCIe 3.0 x4接続の1TB SSDと1TB HDDが使われていました。SSDのアクセスは非常に高速で、ゲームの読み込みやファイルのやり取りが爆速です。容量も十分で、512GBあれば当面は空き容量不足で困ることはないでしょう。
CPU性能
試用機では使われているCore i7-9700のベンチマークテストを行なったところ、同じCore i7-9700のスコアを5.8%ほど上回りました。熱などでパフォーマンスが低下している様子は見られません。非常に高性能なCPUです。
下位モデルで使われているCore i5-9400FはCore i7-9700よりもパフォーマンスが劣るものの、PCとしては十分高性能です。ゲームで利用するには問題ないでしょう。
CPUの性能比較
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Legion C530 (Core i7-9700) |
3398
|
Core i7-9700 |
3211
|
Core i7-8700 |
3009
|
Core i5-9400F |
2334
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
FF15ベンチを30分間実施してCPUのクロックと温度を計測したところ、クロックは平均4.4GHzと高めで推移していました。温度も平均82.1℃と低めに抑えられています。CPUの発熱によるパフォーマンスの低下や不具合、熱によるパーツの劣化は心配なさそうです。
CPU温度は低めではあるものの、高負荷時の駆動音 (空冷ファンの回転音や通気口からの風切り音)はかなり大きめでした。夜中に最大出力で利用するとほかの部屋にまで音が聞こえる可能性があるため、多少パフォーマンスを調整してファンの回転を抑えたほうがいいかもしれません。
駆動音の計測結果
電源オフ | 37.4dBA | - |
---|---|---|
待機中 | 45.3dBA | ファンの回転音が少し聞こえるが気にならない |
FF15ベンチ時 | 65.7dBA | 排気音と回転音がかなり大きい |
※駆動音の計測方法はコチラ
3D性能
GPUとしてはエントリー (入門)クラスのGeForce GTX 1650と、ミドルレンジ (中級)クラスのGeForce GTX 1660 Tiが用意されています。パフォーマンスについてはGTX 1660 Tiのほうが上で、ベンチマーク結果では優れた結果が出ました。
ただGTX 1650でも、画質や解像度を調整することでゲームを快適に楽しめます。重いゲームを高画質&なめらかな動きで楽しみたいならGTX 1660 Ti、画質や動きにこだわらないならGTX 1650を選ぶといいでしょう。
GPUの性能比較
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
RTX 2080 |
25484
|
RTX 2070 |
22856
|
GTX 1660 Ti |
15952
|
Legion C530 (GTX 1660 Ti) |
15621
|
GTX 1060 |
12415
|
GTX 1650 |
8059
|
GTX 1050 |
6945
|
UHD 630 (Core i7) |
1359
|
UHD 630 (Core i5) |
1051
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
ゲーム系ベンチマーク結果
ゲーム系ベンチマークや実際のプレーにおけるFPS (画面の滑らかさを表わす目安)計測結果は以下のとおりです。なお今回は比較用に、Legion T530 (Core i7-9700 + GTX 1650)の結果もまとめました。厳密には違う機種なのですが、Legion C530でGTX 1650を選ぶ際の参考にしてください。
結果からザックリ言うと、ミドルレンジのGTX 1660 Tiは重量級以上のゲームを快適に楽しむのに向いています。また120Hz以上の高リフレッシュレート対応ディスプレイを使えば、人気のシューター系ゲームを非常になめらかな動きでプレー可能です。
GTX 1650は重量級タイトルは少し厳しいものの、中量級タイトルまでならストレスなく楽しめるでしょう。ただし一般的な60Hzのディスプレイでカジュアルにプレーするのに向いています。
※テストはすべてフルHDで実施
FF15ベンチ (重量級 / DX11)
GTX 1660 Ti
画質 | スコア / 評価 |
高品質 | 6110 / 快適 |
標準品質 | 8694 / 快適 |
軽量品質 | 11376 / とても快適 |
※スコアが6000以上で「快適」
GTX 1650 (T530)
画質 | スコア / 評価 |
高品質 | 3467 / 普通 |
標準品質 | 4888 / やや快適 |
軽量品質 | 6445 / 快適 |
※スコアが6000以上で「快適」
FF14ベンチ:漆黒のヴィランズ (中量級 / DX11)
GTX 1660 Ti
画質 | スコア / 評価 / 平均FPS |
最高品質 | 15004 / 非常に快適 / 104FPS |
高品質 | 15768 / 非常に快適 / 112.6FPS |
標準品質 | 19270 / 非常に快適 / 162.0FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
GTX 1650 (T530)
画質 | スコア / 評価 / 平均FPS |
最高品質 | 9185 / 非常に快適 / 61.7FPS |
高品質 | 10433 / 非常に快適 / 69.9FPS |
標準品質 | 16154 / 非常に快適 / 115.8FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
リーグ・オブ・レジェンド (超軽量級 / DX9)
GTX 1660 Ti
モード | 平均FPS / 最低FPS |
通常 | 286.3 FPS / 230 FPS |
TFT | 117.6 FPS / 98 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
GTX 1650 (T530)
モード | 平均FPS / 最低FPS |
通常 | 283.3 FPS / 217 FPS |
TFT | 104.5 FPS / 67 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽量級 / DX9)
GTX 1660 Ti
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 22540 / すごく快適 |
標準品質 | 22662 / すごく快適 |
低品質 | 23551 / すごく快適 |
GTX 1650 (T530)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 22073 / すごく快適 |
標準品質 | 22284 / すごく快適 |
低品質 | 23342 / すごく快適 |
フォートナイト (中量級 / DX11)
GTX 1660 Ti
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
エピック | 105.4 FPS / 92 FPS |
高 | 143.6 FPS / 124 FPS |
中 | 242.3 FPS / 196 FPS |
低 | 351.8 FPS / 281 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
GTX 1650 (T530)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
エピック | 63.9 FPS / 56 FPS |
高 | 86.6 FPS / 79 FPS |
中 | 246.4 FPS / 215 FPS |
低 | 441.1 FPS / 332 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
PUBG (中量級 / DX11)
GTX 1660 Ti
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
ウルトラ | 95.6 FPS / 88 FPS |
高 | 125.4 FPS / 99 FPS |
中 | 127 FPS / 88 FPS |
低 | 146.9 FPS / 127 FPS |
非常に低い | 153.5 FPS / 124 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
GTX 1650 (T530)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
ウルトラ | 47.8 FPS / 48 FPS |
高 | 69.6 FPS / 60 FPS |
中 | 77.4 FPS / 69 FPS |
低 | 92.9 FPS / 81 FPS |
非常に低い | 112.6 FPS / 96 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
オーバーウォッチ (軽量級 / DX10)
GTX 1660 Ti
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
エピック | 90.3 FPS / 78 FPS |
ウルトラ | 125 FPS / 113 FPS |
高 | 153.3 FPS / 133 FPS |
NORMAL | 189.2 FPS / 165 FPS |
低 | 240.5 FPS / 209 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
GTX 1650 (T530)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
エピック | 84.5 FPS / 75 FPS |
ウルトラ | 118.2 FPS / 110 FPS |
高 | 139.1 FPS / 122 FPS |
NORMAL | 181.9 FPS / 152 FPS |
低 | 245.4 FPS / 213 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
エーペックスレジェンズ (中量級 / DX11)
GTX 1660 Ti
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高設定 | 121.7 FPS / 108 FPS |
最低設定 | 143.8 FPS / 143 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
GTX 1650 (T530)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高設定 | 67.7 FPS / 60 FPS |
最低設定 | 135.9 FPS / 111 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
アサシンクリード オデッセイ (超重量級 / DX11)
GTX 1660 Ti
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高 | 53 FPS / 31 FPS |
中 | 92 FPS / 26 FPS |
低 | 103 FPS / 52 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
GTX 1650 (T530)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高 | 31 FPS / 21 FPS |
中 | 62 FPS / 41 FPS |
低 | 73 FPS / 47 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
シャドウ オブ ザ トゥームレイダー (重量級 / DX12)
GTX 1660 Ti
画質 | 平均FPS |
最高 | 78 FPS |
中 | 92 FPS |
最低 | 135 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
GTX 1650 (T530)
画質 | 平均FPS |
最高 | 46 FPS |
中 | 55 FPS |
最低 | 71 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ファークライ ニュードーン (中重量級 / DX11)
GTX 1660 Ti
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
ウルトラ | 88 FPS / 71 FPS |
中 | 102 FPS / 88 FPS |
低 | 111 FPS / 94 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
GTX 1650 (T530)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
ウルトラ | 54 FPS / 43 FPS |
中 | 63 FPS / 53 FPS |
低 | 82 FPS / 34 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
価格について
Legion C530には、パーツ構成の異なる4種類のモデルが用意されています。それぞれのスペックと価格は以下のとおり。なお販売ページには第8世代のCore i7-8700 + GTX 1060搭載の旧モデルも含まれている点に注意してください (以下の表には含まれていません)。
ラインナップ
90L2003QJM | 90L2003RJM | 90L2003SJM | 90L2003TJM |
---|---|---|---|
Core i5-9400F | Core i7-9700 | ||
8GBメモリー | 16GBメモリー | ||
GTX 1650 | GTX 1660 Ti | GTX 1650 | GTX 1660 Ti |
512GB SSD | 512GB SSD + 1TB HDD | 1TB SSD | 1TB SSD + 1TB HDD |
10万1728円 | 12万5356円 | 13万2363円 | 15万5727円 |
※2019年10月22日時点
コンパクトなのにパワフル!
ということで、今回はLegion C530 2019年モデルのレビューをお届けしました。
拡張性はあまり高くないものの、本体が小さい点はなによりの魅力です。小さくても大型デスクトップPC並みの性能で、ゲームを快適に楽しめます。ゲーミングPCで省スペース性を重視したい人におすすめです。
※2019年10月22日時点
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