レノボのLegion T750iは、大型のミドルタワー型ゲーミングデスクトップPCです。CPUはCore i7 / Core i9でGPUはミドルハイのRTX 3070またはハイエンドのRTX 3080。ゲームを4K解像度でプレーしたい人に向いています。
主なラインナップ
スペック | 価格 |
---|---|
Core i7-10700K / 16GB / RTX 3070 | 22万5386円 |
Core i7-11700K / 16GB / RTX 3070 | 22万3815円 |
Core i7-10700K / 32GB / RTX 3080 | 28万4007円 |
Core i7-11700K / 32GB / RTX 3080 | 28万1897円 |
Core i9-10900K / 32GB / RTX 3080 | 30万1431円 |
Core i9-11900K / 32GB / RTX 3080 | 29万9057円 |
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、本体の外観や機能、実際の性能についてレビューします。
この記事の目次
- ▶ スペック
- ▶ 本体の外観
- ▶ 分解方法とパーツ交換について
- ▶ ベンチマーク結果
- ▶ まとめ
※2021年10月18日時点
Lenovo Legion T750iのスペック
OS | ・Windows 10 Home ・Windows 10 Pro |
---|---|
CPU | ・Core i7-10700K ・Core i7-11700K ・Core i9-10900K ・Core i9-11900K |
チップセット | Intel Z490 |
メモリー | ・16GB ・32GB ※スロット4基、最大128GB、DDR4 3200 |
ストレージ | 512GB SSD + 2TB HDD |
グラフィックス | ・RTX 3070 ・RTX 3080 |
電源 | ・650W ・800W |
サイズ | 幅211mm 奥行き483mm 高さ450mm |
重量 | 約15kg(最大構成時) |
※2021年10月18日時点。構成は変更される場合があります
フォームファクター | ※独自仕様 |
---|---|
SATAポート | ※未確認 |
M.2スロット | 2 (Wi-Fi用×1、ストレージ用×1) |
光学ドライブ | なし |
ドライブベイ | 2.5インチ×4 3.5インチ×2 |
拡張スロット | PCI Express x16 ×2 PCI Express x1 ×3 |
有線LAN | 1000Mbps |
無線LAN | Wi-Fi 6 |
Bluetooth | Bluetooth 5.1 |
USB3.1 | 1(背面) |
USB3.0 | 4(前面×2、背面×2) |
USB2.0 | 6(前面×2、背面×4) |
USB Type-C | 1(USB3.1 背面) |
Thunderbolt 3 | - |
メモリーカード | - |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | - |
DisplayPort | 3 |
DVI | - |
シリアルポート | - |
PS/2 | - |
付属品 | 電源ケーブルなど |
オフィス | ・なし 。Office Home & Business 2019 |
本体の外観
サイズについて
Lenovo Legion T750iは、デスクトップPCのなかでも大型のミドルタワー型に分類されます。本体はかなり大きく、存在感も抜群。設置の際には、広めのスペースを用意してください。
デスクトップの主な分類
ミドルタワー型 | ミニタワー型 | スリム型 | コンパクト型 |
機能:◎ 拡張性:◎ 省スペース性:× 冷却性能:◎ |
機能:◎ 拡張性:○ 省スペース性:△ 冷却性能:○ |
機能:○ 拡張性:△ 省スペース性:○ 冷却性能:△ |
機能:△ 拡張性:× 省スペース性:◎ 冷却性能:△ |
※写真はイメージです
インターフェースについて
周辺機器接続用のインターフェース(端子類)は十分な構成です。ただし光学ドライブとメモリーカードスロットには非対応なので注意してください。
天面部のインターフェース
- ① USB2.0
- ② USB3.0
- ③ ヘッドホン出力/マイク入力
- ④ 電源ボタン
背面のインターフェース
- ① USB2.0
- ② USB2.0
- ③ USB3.1 Type-C
- ④ USB3.1
- ⑤ USB3.0
- ⑥ 有線LAN
- ⑦ オーディオ端子(7.1ch対応)
- ⑧ HDMI
- ⑨ DisplayPort
分解方法とパーツ交換について
内部へのアクセス方法
側面のパネルを外すと、内部のメンテナンスやパーツ交換などが行なえます。ただし今回の試用機ではパーツがガッチリと固定されており、うまく外せませんでした。詳しい分解方法については、レノボが公開しているマニュアルを参照してください。
リンク
各部のパーツ
ベンチマーク結果
試用機のスペック
CPU | Core i9-10900K |
---|---|
メモリー | 32GB |
ストレージ | 512GB SSD + 2TB HDD |
グラフィックス | GeForce RTX 3080 |
※各種ベンチマークテストは、Windows 10の電源プランを「高パフォーマンス」に設定し、標準収録ユーティリティ「Lenovo Vantage」のサーマルモードを「性能」に設定した上で実施しています
※ベンチマーク結果はパーツ構成やタイミング、環境、個体差などの要因で大きく変わることがあります
ストレージ性能
試用機のストレージ構成は512GB SSD + 2TB HDDでした。どちらも高速タイプが使われており、アクセス速度は十分です。
CPU性能
CPUとしては、第10世代 / 第11世代のCore i7またはCore i9が使われています。基本的には第10世代よりも第11世代のほうが高性能で、Core i9のほうがCore i7よりも高性能です。
しかしCore i9-10900K搭載の試用機でCPUベンチマークテストを行なったところ、異様なほど低いスコアが出ました。おそらく試用機になんらかの問題が生じているのだと思います。別の機体であれば、問題なく動作するでしょう。
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Core i7-11700K |
5741
|
Core i9-11900KF |
5345
|
Ryzen 7 4700G |
4953
|
Core i7-10700KF |
4922
|
Ryzen 7 PRO 4750GE |
4093
|
Core i7-10700 |
3856
|
Ryzen 5 PRO 4650G |
3507
|
Core i5-10400 |
3176
|
Ryzen 5 3500 |
2594
|
Legion T750i(Core i9-10900K) |
2470
|
Ryzen 3 PRO 4350G |
2343
|
Ryzen 5 3400G |
1884
|
Core i3-9100 |
1587
|
Celeron G4930 |
535
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
グラフィックス性能
試用機ではCPUの調子が悪かったのですが、3DベンチマークテストではRTX 3080としては順当な結果が出ました。さすがにハイエンドクラスのGPUだけあって、非常に高性能です。
GPUの性能 (DirectX 12、WQHD)
GPU | 3DMark Time Spy Graphicsスコア |
---|---|
RTX 3090 |
18521
|
Legion T750i(RTX 3080) |
16540
|
RTX 3070 |
13072
|
RTX 2080 |
10305
|
RTX 2070 |
8738
|
RTX 2060 |
6754
|
GTX 1660 Ti |
6238
|
GTX 1660 |
5303
|
GTX 1650 SUPER |
4614
|
GTX 1650 |
3383
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
GPUの性能 (DirectX 11、フルHD)
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
RTX 3090 |
44130
|
Legion T750i(RTX 3080) |
39977
|
RTX 3070 |
32448
|
RTX 2080 |
25358
|
RTX 2070 |
22766
|
RTX 2060 |
17645
|
GTX 1660 Ti |
15747
|
GTX 1660 |
13004
|
GTX 1650 SUPER |
11853
|
GTX 1650 |
9005
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
レイトレ性能のテストでも十分な結果が出ています。
GPUの性能 (レトレーイング)
GPU | 3DMark Port Royalスコア |
---|---|
RTX 3090 |
12485
|
Legion T750i(RTX 3080) |
10813
|
RTX 3070 |
8109
|
RTX 2080 |
5926
|
RTX 2070 |
4922
|
RTX 2060 |
4164
|
GTX 1660 Ti |
1610
|
GTX 1660 |
1405
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
PCを使った作業の快適さ
PCMark10は、PCを使った軽めの作業の快適さを計測するベンチマークテストです。テスト結果の比較用にエントリーGPU搭載の▶Inspiron 3891(Core i5-11400+8GBメモリー+GTX 1650 SUPER)と、ミドルハイGPU搭載の▶G-Master Hydro Z590-Mini(Core i7-11700K+16GBメモリー+RTX 3070)の結果もまとめました。
テストでは目標値を大きく超えたものの、格下であるはずの比較機よりも低いスコアが出ています。おそらくCPUの不調が影響しているのかもしれません。正常な個体であれば、これよりも優れた結果が出るはずです。
PCMark 10ベンチマーク結果
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) 目標値:4100 |
8555
9750
10912 |
Productivity (ビジネス利用) 目標値:4500 |
8346
9127
9188 |
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) 目標値:3450 |
9888
7322
12282 |
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
ゲーム系ベンチマーク結果
ゲーム系ベンチマークを試したところ、スコア的には十分な結果が出ています。しかし負荷の高いテストで負荷の低いテストと同程度の結果が出ている場面があります。もしかするとドライバーかパーツ(CPU)が安定していないのかもしれません。そのため参考にはしづらいのですが、とりあえずテストの結果だけは掲載します。
FF15ベンチ (重い / DX11)
フルHD
画質 | スコア / 平均FPS |
最高品質 | 8088 / 快適 |
高品質 | 10250 / とても快適 |
標準品質 | 10636 / とても快適 |
※スコアが「6000」以上で「快適」。ドライバーの影響で正常値でない可能性があります
4K
画質 | スコア / 平均FPS |
最高品質 | 6747 / 快適 |
高品質 | 8482 / 快適 |
標準品質 | 10769 / とても快適 |
※スコアが「6000」以上で「快適」。ドライバーの影響で正常値でない可能性があります
FF14ベンチ:漆黒のヴィランズ (やや重い / DX11)
フルHD
画質 | スコア / 平均FPS |
最高品質 | 14890 / 113.5 FPS |
高品質 | 14207 / 107.7 FPS |
標準品質 | 14793 / 112.5 FPS |
※1920×1080ドットの結果。平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
4K
画質 | スコア / 平均FPS |
最高品質 | 11327 / 81.8 FPS |
高品質 | 11745 / 86 FPS |
標準品質 | 14545 / 110.5 FPS |
※1920×1080ドットの結果。平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽い / DX9)
フルHD
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 23900 / すごく快適 |
標準品質 | 23932 / すごく快適 |
低品質 | 24354 / すごく快適 |
※1920×1080ドットの結果
4K
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 23473 / すごく快適 |
標準品質 | 23535 / すごく快適 |
低品質 | 24021 / すごく快適 |
※3240×2160ドットの結果
フォートナイト (ちょっと重い / DX12)
FPS計測結果
設定 | 平均FPS |
FHD:DX11:画質最高:DLSSバランス | 107.8 FPS |
4K:DX11:画質最高:DLSSバランス | 101.8 FPS |
FHD:DX12:画質最高:レイトレ最高:DLSSバランス | 43.2 FPS |
4K:DX12:画質最高:レイトレ最高:DLSSバランス | 29 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
サイバーパンク2077 (重い / DX12)
FPS計測結果 ※テクスチャの質:高
画質設定 | 平均FPS |
4K/ウルトラ/DLSS:クオリティ | 66.6 FPS |
フルHD/レイトレーシングウルトラ/DLSS:クオリティ | 54.6 FPS |
4K/ウルトラ/DLSS:クオリティ | 42.6 FPS |
4K/レイトレーシングウルトラ/DLSS:クオリティ | 36.5 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
アサシン クリード ヴァルハラ (重い / DX12)
フルHD
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高 | 75 FPS / 22 FPS |
中 | 86 FPS / 36 FPS |
低 | 92 FPS / 56 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
4K
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高 | 53 FPS / 24 FPS |
中 | 72 FPS / 36 FPS |
低 | 85 FPS / 52 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ハイスペックでお手軽なゲーミングPC
一般的にゲーミングPCはBTO形式で販売されていることが多く、パーツを細かくカスタマイズできる点が魅力です。しかしどのパーツを選べばいいのかわからない、という人も多いでしょう。Legion T750iならパーツを細かく選ぶ必要はなく、ランクで言えば松竹梅、あるいは上中下の3種類のうちのどれかを選べばいいだけ。基本的にはどれを選んでも十分なパフォーマンスで、失敗したと感じることはないはずです。
そのあたりを検証で明らかにしたかったのですが、今回は試用機の不調で十分に検証できませんでした。機会があれば、正常に動作する機体で検証できればと思っています。
※2021年10月18日時点
*
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