レノボのLegion Y540 (15)は、15.6インチの液晶ディスプレイを搭載するゲーミングノートPCです。大きな特徴は、高性能パーツを搭載しながらも価格が安い点。同クラスの他社メーカー製品に比べて1~2万円程度安く購入できます。
主なラインナップ
スタンダード | パフォーマンス | プレミアム | ブラック ※カスタマイズ非対応 |
---|---|---|---|
Core i5-9300H | Core i7-9750H | Core i5-9300H | Core i7-9750H |
8GBメモリー | 16GBメモリー | ||
256GB SSD | 256GB SSD + 1TB HDD | 1TB SSD | |
GTX 1650 | GTX 1660 Ti | ||
11万6251円 | 12万9254円 | 14万1847円 | 16万9504円 |
※2019年8月5日時点
単に安いだけではありません。すべてのモデルについて、ハイエンドゲーミングノートPC並みの機能を備えています。ゲーム用としては非常に完成度の高いモデルです。
スペック以外の注目点
- 144Hzの高リフレッシュレートに対応
- キーの誤入力を防ぐアンチゴースト対応
- 使いやすい背面端子
- 優れた冷却性能
今回はメーカーからお借りしたLegion Y540 (15)の実機を使って、デザインや性能などをレビューします。
この記事の目次
- ▶スペック
- ▶ベンチマーク結果
- ▶デザインと使いやすさ
- ▶価格とおすすめ構成
- ▶まとめ
※価格や構成は変更される場合があります
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Legion Y540 (15)のスペック
画面サイズ | 15.6インチ |
---|---|
解像度 | 1920×1080 |
CPU | ・Core i5-9300H ・Core i7-9750H |
メモリー | ・8GB ・16GB |
SSD | ・256GB ・512GB ・1TB |
HDD | ・なし ・1TB ・2TB |
グラフィックス | ・RTX 2060 ・GTX 1650 ・GTX 1660Ti |
幅×奥行き | 360×267mm |
厚さ | 24.2mm |
重量 | 最大2.3kg |
バッテリー | 約6.8時間 |
※2019年6月10日時点。構成は変更される場合があります
リフレッシュレート | 144Hz |
---|---|
表面処理 | 非光沢 |
パネルの種類 | IPS |
光学ドライブ | ー |
テンキー | あり |
有線LAN | 1000Mbps |
無線LAN | 11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 4.2 |
USB3.1 | ー |
USB3.0 | 3 |
USB2.0 | ー |
USB Type-C | 1 (USB3.0) |
Thunderbolt 3 | ー |
メモリーカード | ー |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | ー |
DisplayPort | 1 (Mini) |
Webカメラ | 720p (92万画素相当) |
顔認証カメラ | ー |
指紋センサー | ー |
ベンチマーク結果
まずはLegion Y540 (15)の性能について紹介します。検証で使った試用機のスペックは以下の表のとおり。なおベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがある点をあらかじめご了承ください。
試用機のスペック
モデル名 | ブラック (81SX0076JP) ※最上位モデル |
---|---|
CPU | Core i7-9750H |
メモリー | 16GB |
SSD | 1TB |
HDD | なし |
グラフィックス | GTX 1660Ti |
税込価格 | 16万9504円 |
3Dグラフィックス性能
Legion Y540 (15)ではGPU (グラボ)として、GeForce GTX 1650 / 1660 TiとGeForce RTX 2060の3種類が用意されています。※RTX 2060はアップグレードオプションから選択可能
試用機で使われていたGTX 1660 Tiのベンチマーク結果は平均値にはやや及ばなかったものの、十分高い性能です。上位のRTX 2060との差はわずかで、さらに前世代のハイエンド向けであるGTX 1070にも迫るほどでした。
GPUの性能比較
GPU | 3DMark FireStrikeスコア |
---|---|
RTX 2070 |
17122
|
RTX 2070 Max-Q |
15368
|
GTX 1070 Max-Q |
13461
|
RTX 2060 |
13121
|
GTX 1660 Ti |
12909
|
Legion Y540(GTX 1660 Ti) |
12528
|
GTX 1060 |
10100
|
GTX 1650 |
7974
|
GTX 1050 Ti |
6660
|
GTX 1050 |
5375
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
下位モデルで使われているGTX 1650はエントリー (初心者)向けですが、前世代のエントリー向けであるGTX 1050 / 1050 Tiを上回る性能です。重くないゲームであれば、十分快適にプレーできます。
ゲーム系ベンチマーク結果
個別タイトルごとのベンチマークテストを実施したところ、重いゲームでも画質を調整すれば快適に遊べるとの評価でした。FF14など中量級クラスならフルHDの最高画質でストレスなく楽しめます。
FF15 (DX11) ※重量級
|
||
---|---|---|
1920×1080 (フルHD) | 高品質 | 5566(やや快適) |
標準品質 | 7702(快適) | |
軽量品質 | 9894(とても快適) | |
FF14:漆黒のヴィランズ (DX11) ※中量級
|
||
フルHD | 最高品質 | 13822(非常に快適) ※94.58718 FPS |
高品質 | 15733(非常に快適) ※118.2734 FPS | |
標準品質 | 17795(非常に快適) ※149.0574 FPS | |
アサシンクリード オデッセイ (DX11) ※重量級
|
||
フルHD | 最高 | 45 FPS |
中 | 78 FPS | |
低 | 89 FPS | |
シャドウ オブ ザ トゥームレイダー(DX12) ※重量級
|
||
フルHD | 最高 | ※起動しなかったため未計測 |
※平均60FPS以上が快適に遊べる性能の目安
フォートナイト
フォートナイトのFPS(描画速度の目安)計測結果は以下の表のとおり。最高画質でも平均100 FPS近くのなめらかな動きで楽しめます。Legion Y540 (15)は最大144Hzまで対応しているので、「高」画質に変更すればさらになめらかな動きでプレー可能です。
フォートナイトFPS計測結果
画質 | 平均FPS | 最低FPS |
---|---|---|
エピック(最高画質) | 96.48 FPS | 80 FPS |
高 | 121.76 FPS | 109 FPS |
中 | 227.06 FPS | 197 FPS |
低(最低画質) | 302.53 FPS | 241 FPS |
PUBG
PUBGは最高画質で平均86.13 FPSという結果でした。フォートナイトよりは若干重いためFPSが下がっていますが、これでも十分動きのなめらかさを感じられます。
PUBG FPS計測結果
画質 | 平均FPS | 最低FPS |
---|---|---|
ウルトラ(最高画質) | 86.13 FPS | 75 FPS |
高 | 102.91 FPS | 75 FPS |
中 | 111.66 FPS | 95 FPS |
低 | 127.5 FPS | 93 FPS |
非常に低い(最低画質) | 128.88 FPS | 96 FPS |
リーグ・オブ・レジェンド
動作の軽いリーグ・オブ・レジェンド (LoL)では、トレーニングモードで平均286.61 FPSとじゅうぶんすぎる結果でした。新モードのチームファイト・タクティクス (TFT)のほうが若干重いためFPSは下がっていますが、まったく問題ない範囲です。
リーグ・オブ・レジェンド計測結果
画質 | 平均FPS | 最低FPS |
---|---|---|
通常モード (最高画質) | 286.61 FPS | 236 FPS |
TFT (最高画質) | 127.51 FPS | 106 FPS |
CPU性能
CPUには第9世代のCore i7-9750HまたはCore i5-9300Hが使われています。試用機ではCore i7-9750Hの平均値とほぼ同程度の結果となりました。大きなパフォーマンス低下は見られないようです。
下位モデルで使われているCore i5-9300Hは上位のCore i7-9750Hには及ばないものの、スタンダードノートPCで使われているCore i7-8565Uを大きく上回っています。GTX 1650あたりを使うのであれば、Core i5でも十分でしょう。
CPUの性能比較
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Legion Y540 (Core i7-9750H) |
2713
|
Core i7-9750H |
2693
|
Core i7-8750H |
2215
|
Core i5-9300H |
1947
|
Core i7-8565U |
1193
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
ストレージ性能
Legion Y540 (15)ではストレージとしてSSD単体構成、またはSSD + HDDのデュアル構成が用意されています。パーツカスタマイズでそれぞれの容量を変更することが可能です。
試用した最上位モデルでは、1TBの大容量SSDが使われていました。PCIe 3.0 x4の超高速タイプです。SSDは容量が大きいほどアクセス速度がアップする傾向にあり、テストでは爆速と言っていいほどの結果が出ています。
実際にどのくらいの容量が必要かと言う点ですが、正直なところ256GBだけではギリギリかなと思います。たとえばフォートナイトとPUBGとリーグ・オブ・レジェンドの3本だけでも90~100GB程度は必要です。ちょっと重めのゲームになると、40GB以上の容量が必要になることもあります。
プレーしなくなったゲームはスグにアンインストールするのであれば問題ありませんが、いくつか同時に進行で楽しみたいのであればSSDだけなら512GB以上、もしくはSSDとHDDのデュアル構成をおすすめします。
CPUの温度について
Legion Y540 (15)では、標準収録アプリ「Lenovo Vantage」でさまざまな設定を行なえます。ただしパフォーマンスに関する設定はファンの強弱のみ。他社メーカーのモデルに比べてやや物足りない感じもありますが、逆に面倒な設定が必要ないという考え方もできるでしょう。
ファンの動作モードを「性能 (最大パフォーマンス)」に変更した状態で、FF15ベンチを30分間実行し、CPUクロックとCPU温度を計測しました。
平均クロックは3.85GHzで、それほど高いわけではありません。熱については平均92.2℃とやや高めでした。とは言えグラフを見る限りではけっこう頻繁に90℃以下にまで下がっていますので、熱が高すぎるというほどではないでしょう。
デザインと使いやすさ
高級感のある外観
Legion Y540 (15)の本体カラーはブラックです。ボディの素材には樹脂 (プラスチック)が使われていますが、見た目と手触りからは安っぽさは感じられません。むしろリーズナブルなのに高級感があることに驚きです。
144HzのフルHDディスプレイ
液晶ディスプレイのサイズは15.6インチで、解像度は1920×1080ドットのフルHD。ゲーミングノートPCとしては、標準的なスペックです。液晶パネルには自然な発色と視野角の広さが特徴のIPSパネルが使われています。ただほかのIPSパネルに比べて、わずかに青みが強い印象でした。これはゲーム用にチューニングされているからかもしれません。
液晶ディスプレイのリフレッシュレート (画面の書き換え速度の目安)は144Hzです。一般的な60Hzに比べて、画面の動きが非常になめらか。コマ送りのような画面のカクカク感はなく、画面がとてもスムーズに動きます。
キーボードはアンチゴースト対応
キーボードはテンキー付きの日本語配列です。英数字部分の配列は標準的ですが、テンキーの配列がかなり特殊でした。ただテンキーを使う機会が少ないのであれば、特に違和感なく使えます。
キーボードは誤入力を防ぐアンチゴースト機能に対応。キーの同時押し認識数を確認したところ、30キーあたりまでは認識できるていることを確認しました。すべてのキーが認識されるわけではなかったので、Nキーロールオーバーではないようです。
しかしゲーミングノートPCでは最大8~9キー程度のものが多い (筆者調べ)ことを考えれば、上出来の部類だと言えます。
タイプ感は標準的です。入力した瞬間に固めのクリック感がありますが、押し込む力は弱めでした。ゲーミングとしては少々物足りない気もしますが、手応えはしっかりあるので普通に使えます。キーの反応については速いと感じることはなく、あくまでも標準的です。
背面端子が使いやすい!
周辺機器接続用のインターフェース類は充実しています。ただしメモリーカードに対応していない点に注意してください。
非常に素晴らしいのは、背面にフルサイズのUSB端子が用意されている点です。ゲーミングノートPCでマウスやコントローラー、ヘッドセットなどのデバイスを使うと、左右両サイドのケーブルがゴチャつくことがあります。またUSB端子の位置によってはマウスがぶつかってしまうことも少なくありません。
しかしLegion Y540 (15)なら左右と背面にUSB端子が1ポートずつ用意されているため、ケーブルの取り回しや干渉を気にすることがありません。電源コネクターや有線LANなども背面なので、両サイドはとてもスッキリしています。
価格とおすすめ構成
Legion Y540 (15)はGTX1650搭載の最安モデルで税込11万6251円からと、ゲーミングノートPCとしてはとてもリーズナブル。GTX 1660 Ti搭載モデルでも14万円台で、GTX 1650 / 1660 Ti搭載モデルとしては最安クラスです。
主なラインナップ
スタンダード | パフォーマンス | プレミアム | ブラック ※カスタマイズ非対応 |
---|---|---|---|
Core i5-9300H | Core i7-9750H | Core i5-9300H | Core i7-9750H |
8GBメモリー | 16GBメモリー | ||
256GB SSD | 256GB SSD + 1TB HDD | 1TB SSD | |
GTX 1650 | GTX 1660 Ti | ||
11万6251円 | 12万9254円 | 14万1847円 | 16万9504円 |
※2019年8月5日時点
メモリー容量やストレージ構成を変更したい場合は、プレミアムモデルをベースにしてパーツカスタマイズを行なうことをおすすめします。
おすすめ構成 その1
ベースモデル | プレミアムモデル |
---|---|
CPU | Core i7-9750H |
メモリー | 16GB |
SSD | 256GB |
HDD | 1TB HDD |
グラフィックス | GTX 1660 Ti |
税込価格 | 16万3231円 |
※2019年8月5日時点
またプレミアムモデルはグラフィックスにRTX 2060を選択できます。差額は5600円 (実際にはクーポン割引が適用されるため3500円程度)程度ですので、むしろアップグレードしないほうが損かもしれません。
おすすめ構成 その2
RTX2060 最安構成 | RTX2060 おすすめ構成 | |
---|---|---|
ベースモデル | プレミアムモデル | |
CPU | Core i5-9300H | Core i7-9750H |
メモリー | 8GB | 16GB |
SSD | 256GB | 256GB |
HDD | 1TB HDD | 1TB HDD |
グラフィックス | RTX 2060 | |
税込価格 | 14万5411円 | 16万6795円 |
※2019年8月5日時点
高品質なゲーミングノートPCを安く入手したい人に
現在はさまざまなゲーミングノートPCが発売されていますが、GTX 1650 / GTX 1660 Ti搭載モデルならもうこれでいいんじゃない? というのが素直な感想です。
実際に驚くほど安いのに、大きな欠点が見当たりません。あまりにも完成度が高くて「ほかのメーカーはもっとがんばれよ」と言いたくなるレベルです。まあ世界的な大企業であるレノボだからこそ、これだけ安くできるのだと思いますが。
そんなわけでLegion Y540 (15)はおすすめなのですが、実はほぼ同型&同スペックでさらに安いLegion Y7000っていうモデルが発売されているんですよね。Legion Y540 (15)の発売から1ヵ月もたたない内にさらに安いモデルを出しているわけで、意味がわからないです。
それはともかく、値段が安い上にカスタマイズの柔軟性が上がっているので、実際のところ買うならLegion Y7000のほうがおすすめです。
※価格や構成は変更される場合があります
※価格や構成は変更される場合があります
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