レノボのLegion Y740 (17)は、17.3インチの大型液晶ディスプレイを搭載するゲーミングノートPCです。高性能パーツやゲームに特化した機能に対応しながらも、ハイエンドクラスとしては価格が安い点が特徴。パフォーマンスの高いモデルをなるべく安く買いたい人におすすめです。
今回はメーカーからお借りしたLegion Y740 (17)の実機を使って、デザインや性能などをレビューします。
この記事の目次
- ▶スペック
- ▶ベンチマーク結果
- ▶デザインと使いやすさ
- ▶価格について
- ▶まとめ
※2020年5月7日時点
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Legion Y740 (17)のスペック
画面サイズ | 17.3インチ |
---|---|
解像度 | 1920×1080 |
CPU | ・Core i7-9750H ・Core i7-8750H |
メモリー | ・8GB ・16GB ・32GB |
SSD | ・256GB ・512GB ・1TB |
HDD | ・なし ・1TB |
グラフィックス | ・RTX 2060 ・RTX 2070 Max-Q ・RTX 2080 Max-Q |
幅×奥行き | 412×305mm |
厚さ | 21.95mm |
重量 | 最大2.9kg |
バッテリー | 約4時間 |
※2019年9月17日時点。構成は変更される場合があります
リフレッシュレート | 144Hz |
---|---|
表面処理 | 非光沢 |
パネルの種類 | IPS |
光学ドライブ | ー |
テンキー | あり |
有線LAN | 1000Mbps |
無線LAN | 11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 5.0 |
USB3.1 | 1 |
USB3.0 | 2 |
USB2.0 | ー |
USB Type-C | 1 (USB3.1) |
Thunderbolt 3 | ◯ |
メモリーカード | ー |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | ー |
DisplayPort | 1 (Mini) |
Webカメラ | 720p (92万画素相当) |
顔認証カメラ | ー |
指紋センサー | ー |
なおLegion Y740 (17)は全モデルで英語版のWindows 10が搭載されており、キーボードは英字配列です。英語版のWindows 10は「設定」から日本語に変更できます。
ベンチマーク結果
まずはLegion Y740 (17)の性能について紹介します。検証で使った試用機のスペックは以下の表のとおり。ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがある点をあらかじめご了承ください。
試用機のスペック
モデル名 | ブラック (81UJ002MJE) ※最上位モデル |
---|---|
CPU | Core i7-9750H |
メモリー | 32GB |
SSD | 1TB SSD |
HDD | 1TB HDD |
グラフィックス | RTX 2080 with Max-Qデザイン |
税込価格 | 28万5785円 |
3Dグラフィックス性能
Legion Y740 (17)ではGPU (グラボ)として、GeForce RTX 2060 / 2070 with Max-Qデザイン / 2080 with Max-Qデザインの3種類が用意されています。2070 / 2080の「with Max-Qデザイン」とは、薄型ノートPC向けの仕組みのこと。無印の2070 / 2080に比べてパフォーマンスはやや劣るのが特徴です。
とは言うもののRTX 2080 wtih Max-Qデザイン搭載の試用機でベンチマークテストを行なったところ、非常に優れた結果となりました。現時点 (2019年9月)ではノートPCとして最高クラスのパフォーマンスです。
GPUの性能比較
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
Legion Y740 (RTX 2080 Max-Q) |
20107
|
RTX 2070 |
19807
|
RTX 2070 Max-Q |
17147
|
GTX 1070 |
16999
|
RTX 2060 |
14658
|
GTX 1660 Ti |
14300
|
GTX 1060 |
11442
|
GTX 1650 |
9039
|
GTX 1050 Ti |
7594
|
GTX 1050 |
6008
|
UHD 630 |
1176
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
下位モデルで使われているRTX 2060 / 2070 with Max-Qデザインでも、そこそこ高めのパフォーマンスを期待できます。ただRTX 2060はさらに安いGTX 1660 Tiと性能があまり変わらないので、RTX 2070 with Max-Qデザインのほうがおすすめです。
ゲーム系ベンチマーク結果
ゲーム系ベンチマークや実際のプレーにおけるFPS計測結果は以下のとおりです。処理の重い重量級のタイトルでも、RTX 2080 with Max-Qデザインなら概ねフルHDの最高画質で快適に楽しめます。
またバトロワ系ゲームやFPS / TPSでは100 FPSをオーバーしており、144Hzの高リフレッシュレートディスプレイによるなめらかな動きを堪能できます。
FF15ベンチ (重量級 / DX11)
画質 | スコア / 評価 |
高品質 | 7325 / 快適 |
標準品質 | 10077 / とても快適 |
軽量品質 | 12605 / 非常に快適 |
※スコアが6000以上で「快適」
FF14ベンチ:漆黒のヴィランズ (中量級 / DX11)
画質 | スコア / 評価 / 平均FPS |
最高品質 | 15856 / 非常に快適 /116.6FPS |
高品質 | 17587 / 非常に快適 / 142.4FPS |
標準品質 | 18774 / 非常に快適 / 160.6FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽量級 / DX9)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 21615 / すごく快適 |
標準品質 | 21562 / すごく快適 |
低品質 | 22605 / すごく快適 |
フォートナイト (中量級 / DX11)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
エピック | 116.2 FPS / 101 FPS |
高 | 154.9 FPS / 95 FPS |
中 | 153.1 FPS / 117 FPS |
低 | 201.1 FPS / 115 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
PUBG (中量級 / DX11)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
ウルトラ | 118.1 FPS / 103 FPS |
高 | 140.2 FPS / 113 FPS |
中 | 152.5 FPS / 120 FPS |
低 | 165 FPS / 132 FPS |
非常に低い | 166.6 FPS / 127 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
オーバーウォッチ (軽量級 / DX10)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
エピック | 113.1 FPS / 98 FPS |
ウルトラ | 153.5 FPS / 133 FPS |
高 | 185.8 FPS / 163 FPS |
NORMAL | 227.8 FPS / 193 FPS |
低 | 285 FPS / 246 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
アサシンクリード オデッセイ (超重量級 / DX11)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高 | 57 FPS / 29 FPS |
中 | 89 FPS / 28 FPS |
低 | 99 FPS / 46 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
シャドウ オブ ザ トゥームレイダー (重量級 / DX12)
画質 | 平均FPS |
最高 | 97 FPS |
中 | 107 FPS |
最低 | 127 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ゴーストリコン ワイルドランズ (重量級 / DX11)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
ウルトラ | 56.01 FPS / 43.78 FPS |
中 | 99 FPS / 83.92 FPS |
低 | 98.03 FPS / 85.06 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
CPU性能
CPUには第9世代のCore i7-9750Hまたは第8世代のCore i7-8750Hが使われています。ベンチマークテストではCore i7-9750Hの平均値をわずかに上回りました。熱などによるパフォーマンスの低下は見られないようです。
Core i7-9750Hは現時点 (2019年9月)ではノートPC向けとしては最高クラスの性能です。ゲームはもちろん、動画編集や写真加工、高度なデータ処理などにも活用できるでしょう。
CPUの性能比較
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Legion Y740 (Core i7-9750H) |
2714
|
Core i7-9750H |
2693
|
Core i7-8750H |
2215
|
Core i5-9300H |
1947
|
Core i7-8565U |
1193
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
ストレージ性能
試用機では1TB SSDと1TB HDDが使われていました。SSDはPCIe 3.0 x4の超高速タイプで、ファイルのアクセスは激速です。容量の大きいファイルでもコピーが速く、ファイルのダウンロードも高速でした。
モデルによっては256GB SSDのみ搭載されているものもありますが、複数のゲームをインストールするには容量面でちょっと不安があります。できればゲームインストール用に1TB HDDを追加するか、512GB以上の大容量SSDを利用するといいでしょう。ストレージ構成は、注文時のカスタマイズ画面で変更できます (一部カスタマイズ非対応のモデルあり)。
CPUの温度について
Legion Y740 (17)では、標準収録アプリ「Lenovo Vantage」でさまざまな設定を行なえます。ただしパフォーマンスに関する設定はファンの強弱のみ。他社メーカーのモデルに比べてやや物足りない感じもありますが、逆に面倒な設定が必要ないという考え方もできます。
動作モードを「Performance」に変更した状態で、FF15ベンチを30分間実行し、CPUクロックとCPU温度を計測しました。
平均クロックは2.85GHzでそれほど高いわけではありませんが、これはRTX 2080 with Max-Qデザインが大半のグラフィックス処理を担当することでCPUへの負荷が軽減されているのだと思われます。動作クロックが低いぶん発熱量も抑えられており、CPUの温度は平均77.2℃と低い状態でした。この様子なら、発熱などでパーツの劣化が進むこともないでしょう。
デザインと使いやすさ
かなり巨大な本体
Legion Y740 (17)は17.3インチの大きなディスプレイを搭載しているだけあって、本体サイズもかなり大きめです。サイズ感としてはA3サイズ相当で、13インチノートPC2台ぶん。設置にはそれなりのスペースが必要ですが、デスクトップPCに比べればコンパクトに収まります。
見やすい144HzのフルHDディスプレイ
液晶ディスプレイのサイズは17.3インチで、解像度は1920×1080ドットのフルHDです。ゲーミングノートPCでは15.6インチが一般的ですがLegion Y740 (17)は画面がひと回り大きく、そのぶん小さなターゲットが大きく表示されるのでゲームに有利です。
液晶ディスプレイのリフレッシュレート (画面の書き換え速度の目安)は144Hzです。一般的な60Hzに比べて、画面の動きが非常になめらか。コマ送りのような画面のカクカク感はなく、画面がとてもスムーズに動きます。
最上位のRTX 2080 with Max-Qデザイン搭載モデルでは、カクつきやティアリング (映像のズレ)を防ぐG-SYNCに対応しています。よりなめらかな動きを求める人におすすめです。
ゲーム向きの英字配列キーボード
Legion Y740 (17)のキーボードは英字配列です。日本語配列ではなく、記号の位置が若干異なるので注意してください。
キーピッチは19mmと十分なサイズで、ゲームでは違和感なく使えます。ただしテンキーの構成が若干特殊で、少し使いづらく感じました。とは言えゲームでは使うことがないので、あまり問題ではないでしょう。
キーボードは誤入力を防ぐアンチゴースト機能に対応。キーの同時押し認識数を確認したところ、30キー以上認識できることを確認しました。ほぼNキーロールオーバーと考えていいでしょう。
キーストロークは実測で平均1.38mmでした。ストロークが非常に浅く、ゲーミングとしては物足りない感じです。
ただストロークが浅いということはそのぶんアクチュエーションポイント (入力の認識点)が浅いということでもあり、キー操作がキビキビ反応すると考えられます。検証時には体感できませんでしたが、その可能性はあるのかもしれません。
ちなみにキーマクロやRGBバックライトの設定ユーティリティーはCorsairの「iCUE」でした。もしかするとキーボードはCorsair製なのかもしれません。
背面端子が使いやすい!
周辺機器接続用のインターフェース類は充実しています。ただしメモリーカードに対応していない点に注意してください。
ゲーミングデバイス接続用のフルサイズUSB端子は右側面にひとつ、背面にふたつ用意されています。背面の端子を使えば本体の両サイドがケーブルや端子でゴチャつくことがありません。この配慮は素晴らしいと思います。
価格について
Legion Y740 (17)には全部で5種類のモデルが用意されており、そのうち2種類がパーツカスタマイズ対応です。なお一部の機種では第8世代のCore i7-8750Hが使われています。
ラインナップ
スタンダード ※カスタマイズ対応 | |
---|---|
19万2324円 | |
81HH001TJE | |
24万4200円 | |
81HH0022JE | |
24万6620円 | |
パフォーマンス ※カスタマイズ対応 | |
26万3934円 | |
81UJ002MJE | |
29万1078円 |
※2020年5月7日時点、価格は税込
価格の安いハイエンドゲーミングノートPC
ということで、今回はLegion Y740 (17)レビューをお届けしました。
RTX 2060搭載機種としてはやや割高感があるものの、RTX 2070 / RTX 2080 (ともにwith Max-Qデザイン)としてはなかなかお買い得です。
個人的には英字配列がネックなのですが、人によっては英字配列のほうが使いやすいという場合もあるでしょう。もしくは1~2万円程度のゲーミングキーボードを別途追加するのもアリです。
高額になりがちなハイエンドゲーミングノートPCを、なるべく安く入手したい人におすすめします。
※2020年5月7日時点
*
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