マウスコンピューターの「LuvBook B」シリーズは、最小構成価格3万9800円(税別)からという超激安価格が魅力の14型ノートパソコンです。CPUはクアッドコアのCeleron N2940(1.83GHz)で、ネットやメール、文書作成には十分な性能を持っています。低価格モデルでありながらも使いやすいデザインで、初心者ユーザーにもピッタリ。そこで今回は、メーカーからお借りした「Luvbook B」シリーズのSSD&DVDドライブ搭載モデル「LB-B400S-SSD」について、本体デザインや各種インターフェースの使いやすさについて紹介します。
なお試用機に関する内容はあくまでも個人的な感想を含むものであり、利用者によって評価が変わることがある点をあらかじめご了承ください。
試用機(LB-B400S-SSD)の主なスペック
製品名 | LuvBook B(LB-B400S-SSD) |
---|---|
OS | Windows 8.1 Update 64bit |
CPU | Celeron N2940(1.83GHz) |
メモリー | 4GB |
ストレージ | 128GB SSD(ADATA SP900シリーズ) |
液晶ディスプレイ | 14型、1366×768ドット、ノングレアタイプ |
グラフィックス | Intel HD Graphics(CPU内蔵) |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
通信機能 | 100BASE-TX対応有線LAN、IEEE802.11b/g/n対応無線LAN、Bluetooth 4.0+LE |
Webカメラ | 100万画素 |
インターフェース | USB3.0×1、USB2.0×2、アナログRGB、HDMI、有線LAN、SD/SDHC/SDXC/MS対応メモリーカードスロット、ヘッドホン出力 |
サイズ/重量 | 幅340×奥行き241×高さ12~24.7mm/約1.8kg |
バッテリー駆動時間 | 7.2時間(JEITA2.0) |
お知らせ
この機種はすでに販売が終了しています。以下のリンクから、別の記事をご覧ください。
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コンパクトで場所を取らないボディ
「LuvBook B」の接地面積は、幅340×奥行き241mmです。大きさとしては、B4用紙(幅364×奥行き257mm)をふた回り小さくした程度だと考えるといいでしょう。一般的な15.6型ノートパソコンよりもコンパクトで、狭いスペースにも設置できるのが魅力です。
本体の厚さは、最も厚い部分で24.7mmです。それほどスリムというわけではなく、14型ノートPCの平均(24mm前後)よりわずかに大きい程度。しかしもっとも薄い部分が12mmですので、カタログ上のスペックよりも薄い印象を受けました。この程度の厚さであれば、バッグにスムーズに入れることができます。
本体の重量は約1.8kgで、実際に手にしてみるとそこそこの重さがあります。外出先へ持ち歩けないことはありませんが、その場合はほかの荷物を減らすなどしたほうがいいでしょう。仕事の出張などでスーツケースを利用するなら、特に問題ないレベルだと思います。
利用シーンを選ばない落ち着いたデザイン
本体カラーは明るいシルバー(底面部分のみブラック)で、素材には格安ノートPCでよく見られる樹脂が利用されています。かと言って、きょう体からは安っぽさを感じられません。ただし質感についてはそれなりです。
天板部分にはヘアライン加工(細かな線が入った表面処理)が施されています。光沢が抑えられているのでギラつく感じがなく、本体カラーはかなり明るめでありながら、落ち着いた雰囲気もあります。全体的にスタンダードなデザインですので、職場や大学の教室、カフェなどでも気兼ねなく利用できるでしょう。
普段使いには十分な液晶ディスプレイの表示性能
「LuvBook B」の液晶ディスプレイサイズは14型。ノートPCでは15.6型や13.3型の液晶サイズが多いのですが、14型は画面が大きいわりに本体がコンパクトというメリットがあります。ビジネス向けのモデルでよく利用されているサイズです。
液晶ディスプレイの解像度は1366×768ドットで、ノートPCのなかではもっとも多いタイプです。メールやネット、あるいはオフィスを使った文書作成など、ちょっとした作業には問題なく利用できます。
もっと広いデスクトップで作業したい場合は、外付けの液晶ディスプレイを追加した「デュアルディスプレイ」での利用をオススメします。詳しくは後述しますが、「LuvBook B」とほかの液晶ディスプレイをケーブルでつなぐことで、デスクトップが倍以上の大きさとなります。
液晶パネルは光沢のないグレアタイプ(ノングレア)です。光の映り込みが少ないため、長時間使っていても目が疲れにくいというメリットがあります。光沢ありのグレアタイプのほうがコントラストが高く映像が鮮明なのですが、ノングレアの「LuvBook B」でも映像は十分鮮明に感じました。ただし視野角はそれほど広くはありません。
静かでブレが少なく入力しやすいキーボード
キーボードはテンキーなしの87キー構成で、標準的な日本語配列を採用しています。キーピッチは(キーの大きさを表わす指針)は約19mmで、デスクトップ向けキーボードと同じくらいの十分な大きさです。
キーストローク(キーを押す深さ)は約1.5mm。ストロークはやや浅めですが、入力時の押下圧(キーを押すのに必要な力)がそこそこあるため、タイプ感が軽すぎるということはありません。入力時には「カクっ」とした軽めのクリック感があり、軽快に入力できました。底打ち感はほとんどなく、また若干のたわみがありますが気になるレベルではないと思います。
少し気になるのは、Enterキー左側のキーがかなり大きい点です。最大でキー2個ぶんの大きさがあるため、Enterキーがやや遠く感じました。
タイプ音についてはかなり控えめで、「カチャカチャ」といった耳障りな音はほとんどしません。軸のブレがなく安定して入力することができる、優秀なキーボードです。
インターフェース類は十分な構成
「LuvBook B」では周辺機器接続用にUSB3.0端子×1、UBS2.0端子×2が用意されています。映像出力用には、アナログRGB端子とHDMI端子を用意。さらにSD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロットや100BASE-TX対応有線LAN端子が搭載されています。
ポイントは、アナログRGB端子に対応している点です。古いディスプレイやプロジェクターはアナログRGB端子にしか対応していないこともあるのですが、アナログRGB端子搭載の「LuvBook B」ではケーブルで接続するだけ。プレゼン資料を投影したり、大画面の外付けディスプレイとして利用できます。もちろん、HDMI端子を搭載した最新の液晶ディスプレイ/プロジェクターでも問題ありません。ちなみに、「LuvBook B」で利用できるディスプレイは最大2台までのようです。
また最近は無線LANを使ったネットワークが主流ですが、セキュリティー上の理由から、無線ではなく有線ネットワークを利用しているケースもあります。宿泊先のホテルのサービスでも、有線LAN対応でも無線LANは非対応ということも少なくありません。こんなとき有線LAN端子を搭載していないPCでは別途USB接続のLANアダプターが必要になりますが、「LuvBook B」ならケーブルで接続すればOKなのです。
光学ドライブとしては書き込み可能なDVDスーパーマルチドライブを搭載したモデルと、光学ドライブなしのモデルが用意されています。光学ドライブのないモデルのほうが2000円程度安いのですが、市販のDVDを楽しんだりオリジナルDVDの作成を考えているなら、光学ドライブ搭載モデルを選んだほうがいいでしょう。
なお自分でパーツを交換することもできそうですが、底面カバーがかなり外しにくいため、よっぽど慣れた人でないかぎりやめておいたほうが無難です。より高性能なパーツ構成で使いたい場合は、購入時にカスタマイズすることをおすすめします。
最安3万7800円のノートPCとは思えないほどスタンダードなデキばえ
「LuvBook B」は、液晶ディスプレイのサイズを除いて、とてもスタンダードなノートPCです。本体デザインや液晶ディスプレイの映像、キーボードの使いやすさなど、どこか突出して優れているわけではありません。総合的には、デザインについても使い勝手についても標準的な印象を受けました。
しかし、もっとも安いモデルが3万7800円(税別)であることを考えると、よくこの値段でここまでのクオリティに仕上げたものだと感心します。3~4万円台の格安PCはどこか妥協しなくてはいけない面があるのですが、「LuvBook B」は7~10万円台のノートPCと比較しても遜色ないデキばえです。コストパフォーマンスはかなり高いと言えるのではないでしょうか。