ポイント
- 高性能な第3世代Ryzen 5搭載
- MILスタンダード準拠の高い堅牢性
- 2年間のメーカー保証
Modern 14 B4Mのスペック
画面サイズ | 14インチ |
---|---|
解像度 | 1920×1080 |
CPU | Ryzen 5 4500U |
メモリー | DDR4 3200 16GB ※1スロット 最大32GB |
SSD | 512GB |
HDD | なし |
グラフィックス | Radeon |
LTE | 非対応 |
堅牢性テスト | MIL-STD 810G適合 |
幅×奥行き | 319×220.2mm |
厚さ | 16.9mm |
重量 | 1.3kg~ |
バッテリー | 52Whr、3セル、4600mAh |
※2020年7月21日時点。構成は変更される場合があります
本体カラー | オニキスブラック |
---|---|
画面の表面 | 非光沢 |
パネルの種類 | IPS |
タッチ / ペン | - |
光学ドライブ | - |
テンキー | - |
有線LAN | なし ※付属アダプターで対応 |
無線LAN | 11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 5 |
USB3.2 | - |
USB3.0 | - |
USB2.0 | 2 |
USB Type-C | 1 (USB3.2 Gen1) |
Thunderbolt 3 | - |
メモリーカード | microSD |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | - |
DisplayPort | - |
Webカメラ | 92万画素 |
顔認証カメラ | - |
指紋センサー | - |
付属品 | USB Type-Cアダプター、ACアダプターなど |
オフィス | なし |
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
この記事の目次
※2020年7月21日時点
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デザインと使いやすさ
重厚感のある外観
Modern 14 B4Mの本体カラーはオニキスブラック。ややメタリックながらも、深みのある黒です。ボディの素材は、おそらくアルミ製だと思われます。質感が高く、高級感のある仕上がり。普段使いはもちろん、ビジネスシーンでも違和感はありません。
MILスタンダード準拠の高い堅牢性
Modern 14 B4Mは「MIL-STD-810G」、通称「MILスタンダード」と呼ばれる米国国防総省の調達基準テストをクリアーしています。つまり、厳しい環境下で使えるほど頑丈で壊れにくいということ。衝撃や圧力などによる故障の心配が少なく、安心して利用できる機種です。
14インチとしてはコンパクト
フットプリント (接地面積)は幅319×奥行き220.2mm。A4サイズ (幅297×奥行き210mm)よりもひと回りちょっと大きい程度です。14インチタイプとしては、標準よりもややコンパクトといったところでしょう。普通のバッグであれば難なく収まります。
厚さは公称値で16.9mmですが、実測では18.4mmありました。底面部のゴム足を含めると19mmで、設置時にはやや厚みを感じます。
14インチのフルHDディスプレイ
画面サイズは14インチで、一般的な15.6インチよりもわずかに小さめ。しかしそのぶん、本体がコンパクトです。解像度は1920×1080ドットのフルHD。デスクトップの文字は2~2.5mmでやや小さく感じます。また基本の壁紙が白系統なので、文字が少し読みづらいかもしれません。必要に応じてスケーリングや壁紙を変更するといいでしょう。
映像は自然な色合い
ディスプレイには、自然な発色と広い視野角が特徴のIPSパネルが使われています。実際に写真や動画を表示したところ、やや暖色系ですが色に違和感はありませんでした。コントラストが高く、色にメリハリがあります。ただし色域は広くはなく、普段使いやビジネス向けに適したクオリティーです。
色域測定結果
sRGBカバー率 | 62.9% |
---|---|
sRGB比 | 64.4% |
Adobe RGBカバー率 | 47.7% |
Adobe RGB比 | 47.7% |
ややクセのあるキー配列
キーボードは日本語配列で、テンキーなしのバックライトあり。キーピッチ (キーとキーの間隔)は実測で19mmと、標準的なサイズです。英数字キーについては違和感なく使えるのですが、Enterキー周辺で一部のキーが小さく作られていました。また右端に特殊キーが縦に並んでいます。
軽いタッチで入力する人向き
キーストローク (キーを押し込む深さ)は1.5mmで、ノートPCとしては平均的です。キーを押した瞬間にカツッとした固めのクリック感があるものの、押し込む力はごく弱め。タイプ時の手応えは感じられましたが、ストローク感が浅く感じました。軽いタッチで入力する人に向いています。
タイプ音は静かですが、軽いタッチでもわずかにカタカタと聞こえます。とは言え、静かな場所でもそれほど気にならないでしょう。強めに打つとタンタンと響きます。
インターフェースは控えめ
インターフェースはそれほど多くはありません。USB端子は合計3ポートで、うち1ポートがType-C。映像出力はHDMIで、メモリーカードスロットはmicroSDに対応しています。14インチタイプとしては若干少なめですが、モバイル利用前提で考えるなら十分でしょう。
ちなみに、付属のUSB Type-Cアダプターを利用すれば有線LANやSDカードを利用できます。据え置きで利用する人におすすめです。
Type-Cはデータ通信のみ
USB PD 18W充電 | × |
---|---|
USB PD 30W充電 | × |
USB PD 45W充電 | × |
USB PD 65W充電 | × |
映像出力 | × |
左側面にあるUSB Type-C端子はデータ通信のみで、映像出力とUSB PDによる充電には対応していません。スマホやUSB機器の利用程度にしか使えないのは残念です。
スピーカーは動画視聴・ビデオ会議向き
スピーカーは底面部に配置されています。音の出る部分が接地面でふさがれているため、音がややこもったように聞こえました。また音に厚みがなく、サラウンド感もそれなりです。音楽鑑賞には向きませんが、ビデオ会議や音声通話などには問題なく使えます。
ベンチマーク結果
※グラフィックス機能内蔵のAMD製プロセッサーは本来「APU」と呼ばれますが、ここではわかりやすさ優先で「CPU」と表記します。ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります
Ryzen 5でも非常に高性能
CPUの性能差 (総合性能)
CPU | PassMark CPU Markスコア |
---|---|
Core i7-10875H |
18892
|
Core i7-10750H |
15694
|
Ryzen 7 4700U |
14686
|
Core i7-10710U |
13685
|
Modern 14 (Ryzen 5 4500U) |
13240
|
Ryzen 5 4500U |
12892
|
Core i7-1065G7 |
12016
|
Core i5-1035G4 |
10844
|
Core i7-10510U |
10257
|
Core i5-1035G1 |
9667
|
Core i5-10210U |
9584
|
Ryzen 3 4300U |
9154
|
Ryzen 5 3500U |
8398
|
Core i3-10110U |
5553
|
Ryzen 3 3200U |
4609
|
Celeon N4120 |
2771
|
Celeron N4020 |
1665
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
CPUとしては、AMDの第3世代Ryzen 5 4500Uが使われています。上位にRyzen 7 / Ryzen 9が存在するためワンランク低いイメージがあるかもしれませんが、ベンチマーク結果は非常に優秀でした。一般用途向けノートPCで使われているインテルのCore i5やCore i7よりも性能が高く、ゲーミングノートPC向けの高性能CPUに迫るほどです。
Ryzen 7 4700Uであれば、さらに高いパフォーマンスを期待できます。しかしRyzen 5 4500Uと劇的に変わるほどではありません。価格と性能のバランスで考えれば、Ryzen 5 4500Uがビジネス向けPCにはちょうどいいと言えます。
CPUの性能差 (マルチコア性能)
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Core i7-10875H |
3293
|
Core i7-10750H |
2861
|
Ryzen 7 4700U |
2661
|
Modern 14 (Ryzen 5 4500U) |
2458
|
Ryzen 5 4500U |
2274
|
Core i7-10710U |
2214
|
Core i7-1065G7 |
1625
|
Ryzen 3 4300U |
1560
|
Core i7-10510U |
1486
|
Core i5-1035G4 |
1480
|
Core i5-1035G1 |
1456
|
Core i5-10210U |
1435
|
Ryzen 5 3500U |
1397
|
Core i3-10110U |
918
|
Ryzen 3 3200U |
643
|
Celeron N4120 |
435
|
Celeron N4020 |
328
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
グラフィックス性能はそこそこ
GPUの性能差
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
8513
|
GTX 1050 |
5912
|
Radeon (Ryzen 7 4700U 8GB×2) |
3612
|
MX250 |
3400
|
Iris Plus (Core i7) |
2890
|
Radeon (Ryzen 7 4700U 8GB) |
2364
|
Radeon (Ryzen 3 4300U 4GB×2) |
2337
|
Radeon Vega 8 (Ryzen 5) |
2344
|
Modern 14 (Ryzen 5 4500U) |
2302
|
Iris Plus(Core i5) |
2136
|
UHD (Core i7) |
1335
|
UHD (Core i5) |
1263
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
グラフィックス機能としては、CPU内蔵のRadeon Graphicsを利用します。試用機でベンチマークテストを行なったところ、CPU内蔵タイプとしてはそこそこ優秀な結果でした。しかしRyzenシリーズのなかではそれほど高くありません。
おそらくこれは、メモリーがシングルチャネルで動作しているためでしょう。Ryzenシリーズはメモリー容量よりもデュアル / シングルチャネルの違いが大きく影響します。Modern 14 B4Mは16GBメモリー1枚挿しのシングルチャネルなので、ベンチマークスコアが伸びなかったということです。
とは言えビジネス向けとして考えれば、特に問題はありません。
幅広いシーンで活用できる高い汎用性
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) |
4100
8773 |
Productivity (ビジネス利用) |
4500
6224 |
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) |
3450
4358 |
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
PCを使った作業の快適さを計測するPCMark 10のテストでは、すべてのテストで快適に使える目安のスコアを上回りました。基本的にはさまざまな用途で快適に利用できます。
SSDは超高速タイプ
ストレージとしては512GB SSDが使われています。接続規格はPCIe 3.0 x4の超高速タイプですが、アクセス速度はそれほど伸びませんでした。とは言え使用機で使われていたSSDはSamsungのPM991シリーズで、スペックどおりの結果です。HDDよりもはるかに高速で、ウィンドウズがキビキビと動作します。
ウィンドウズの起動は10秒程度
ウィンドウズの起動時間は平均9.98秒でした。最近のSSD搭載機種は15秒程度が平均 (筆者調べ)ですので、なかなか高速です。実際に何度か起動や再起動を繰り返しても、待たされている感はほとんどありません。
起動時間の計測結果(手動計測)
1回目 | 9.9秒 |
---|---|
2回目 | 9.8秒 |
3回目 | 9.8秒 |
4回目 | 10.2秒 |
5回目 | 10.2秒 |
平均 | 9.98秒 |
高パフォーマンスで10時間駆動
バッテリーの駆動時間は公開されていません。そこで最大パフォーマンスの状態でビジネス作業 (Web閲覧や文書作成、ビデオチャットなど)での駆動時間を計測したところ、8時間14分でバッテリー残量が2%に達し休止状態へ移行しました。
約8時間は長いわけではありませんが、最大パフォーマンスでこれだけ持てば十分でしょう。丸一日は問題なく使えるはずです。
バッテリー駆動時間の計測結果 ※Ryzen 7モデル
テスト方法 | バッテリー消費 | 駆動時間 |
---|---|---|
※公称値 | 小 | ※非公開 |
Modern Office (ビジネス作業) | 大 | 8時間14分 |
50%充電までにかかった時間 | - | 40分 |
フル充電までにかかった時間 | - | 3時間10分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
ゲーム性能について
ゲーム系ベンチマークを試したところ、動作がごくごく軽いドラクエ10では快適に楽しめるとの評価でした。リーグ・オブ・レジェンド (LoL)など2D描画主体の軽めゲームであれば、画質を調整することで楽しめるでしょう。FF14など少し重めのゲームでは、解像度と画質を落としても厳しいかもしれません。
※テストはフルHDで実施
FF15ベンチ (重い / DX11)
画質 | スコア / 評価 |
高品質 | 523 / 動作困難 |
標準品質 | 1123 / 動作困難 |
軽量品質 | 1413 / 動作困難 |
※スコアが6000以上で「快適」
FF14ベンチ:漆黒のヴィランズ (やや重い / DX11)
画質 | スコア / 評価 / 平均FPS |
最高品質 | 1689 / 10.8 FPS |
高品質 | 2247 / 14.9 FPS |
標準品質 | 2813 / 18.8 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽い / DX9)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 6064 / 快適 |
標準品質 | 8175 / とても快適 |
低品質 | 8984 / とても快適 |
クリエイティブ性能について
Photoshopベンチ
CPU性能はCore i7クラスでメモリー容量が16GBであるので、Photoshopを使ったちょっとした画像加工も問題なく行なえるでしょう。Photoshopベンチマーク「PugetBench for Photoshop」の結果を見ても、そのほかのクリエイティブ用途向けノートPCと遜色ない結果が出ています。
ただしGPU性能はやや低めでした。おそらくこれは、メモリーがシングルチャネルで動作しているためだと思われます。とは言えModern 14 B4Mは価格が10万円前後であるのに対してそのほかの機種は15万円~であることを考えれば、コスパ的には優秀な結果です。
Lightroomベンチ
RAW現像ソフト「Lightroom Classic」のベンチマーク「PugetBench for Lightroom Classic」の結果も悪くありません。本格的なクリエイター向けノートPCには及ばないものの、10万円前後の機種でこれだけの性能であれば十分です。
Premiere Proベンチ
動画編集ソフト「Premiere Pro」を使った4K動画編集のベンチマークテストは、イマイチな結果でした。ほかの機種でも同様の傾向が見られるのですが、どうやら第3世代RyzenモバイルはPremiereの4K編集と相性が悪いようです。フルHD程度なら問題なく行なえるかもしれませんが、4K動画編集は考えない方がいいでしょう。
手頃で高性能な14インチスタンダードノートPC
よかった点
14インチタイプながら軽量コンパクトで、持ち歩き用のモバイルノートPCとして使える点は大きなメリットです。しかもインテルのCore i7をしのぐパフォーマンスでありながら、価格は10万円前後。Core i7搭載モバイルPCが12~15万円台あたりであることを考えれば、なかなかお買い得と言っていいでしょう。モバイルPCとしても据え置きPCとしても使える、汎用性能の高い機種です。
気になる点
個人的には、メモリーがシングルチャネルである点が気になります。ビジネス用途中心であれば高いグラフィックス性能は不要ですが、デュアルチャネルで本来の性能を発揮できていればもう少し活用の幅が広がったかもしれません。
※2020年7月21日時点
[wpap service=”with” type=”detail” id=”B0897YGNRC” title=”【AMD Ryzen5搭載・薄型・軽量】MSIクリエイターノートPC Modern14 1.3KG Win10/Ryzen5/14FHD/16GB/SSD512G…” search=”MSI Modern14 Ryzen5″]
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