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マウスコンピューターの「NEXTGEAR-NOTE i5520シリーズ」は、外付けGPU(ディスクリートGPU)としてGeForce GTX 960M(2GB)を搭載する15.6型のゲーミングノートPCです。CPUはクアッドコアのCore i7-6700HQで、パワーも十分。価格は基本モデルで税別10万9800円からと、リーズナブルな値段で人気を集めています。
今回はメーカーからお借りした実機を使って、実際の性能や本体の使い勝手などを検証しました。NEXTGEAR-NOTE i5520 シリーズにはいくつかのモデルがラインナップされていますが、試用したのはマウスコンピューター製ゲーミングノートPCのなかでも1番の人気を誇る(2016年10月上旬時点)「NEXTGEAR-NOTE i5520GA1」です。
先に結論から言うと、人気のゲームを快適に楽しめる性能です。なおかつ本体デザインや液晶ディスプレイの映像品質などに優れており、非常にコストパフォーマンスの高いモデルに仕上がっています。ゲームをじっくり楽しむためのノートパソコンを探している方は、ぜひ参考にしてください。
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NEXTGEAR-NOTE i5520 シリーズのスペック
NEXTGEAR-NOTE i5520シリーズには、全部で4種類のモデルが用意されています。それぞれの違いは、メモリー容量やストレージ構成が異なる点です。CPUとGPUの組み合わせは共通ですので、ゲーム性能自体に大きな差が出るわけではありません。
NEXTGEAR-NOTE i5520シリーズのスペック | ||||
i5520BA1 | i5520SA1 | i5520GA1 | i5520PA1 | |
---|---|---|---|---|
OS | Windows 10 Home 64ビット | |||
CPU | Core i7-6700HQ(2.60GHz) | |||
メモリー | 8GB PC4-17000 | 16GB PC4-17000 | 16GB PC4-17000 | 32GB PC4-17000 |
グラフィックス | NVIDIA GeForce GTX 960M(2GB)+Intel HD Graphics 530(CPU内蔵) | |||
ストレージ | 500GB HDD | 480GB SSD(SATA) | 256GB M.2 SSD(SATA)+1TB HDD | 512GB M.2 SSD( PCIe、Samsung SM951) |
光学ドライブ | オプション(BTOで追加可能) | |||
ディスプレイ | 15.6型、1,920×1,080ドット、光沢なし、IPS | |||
通信機能 | 1000BASE-T対応有線LAN、IEEE802.11a/b/g/n/ac()対応無線LAN(最大433Mbps)、Bluetooth 4.2 | |||
Webカメラ | 200万画素 | |||
主なインタフェース | USB3.0×3、USB3.0 Type-C×1、HDMI、Mini DiplayPort×2、有線LAN、SD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロット、ヘッドホン出力、マイク入力、S/PDIF | |||
バッテリ駆動時間(JEITA2.0) | 6.7時間 | |||
本体サイズ/重量 | 幅385×奥行き268×高さ28.5mm/2.5kg |
今回試用したのはSSD+HDDのデュアルストレージ構成を採用する「NEXTGEAR-NOTE i5520GA1」です。税別価格は12万4800円と基本モデル(NEXTGEAR-NOTE i5520BA1)よりもやや高いのですが、プラス1万5000円(税別)でメモリー容量倍増&SSD+HHDのデュアルストレージ搭載にアップグレードできることから、コストパフォーマンスの高いモデルとして注目を集めています。
3D系ベンチマーク測定結果
まずは、NEXTGEAR-NOTE i5520GA1の3D系ベンチマークの結果を紹介しましょう。GeForce GTX 960Mはミドルレンジのノートパソコン向け外付けGPUで、国内のゲームを楽しむには十分な性能を持っています。グラフィックス重視の海外ゲームは少々厳しいのですが、軽めの作品であれば問題なくプレー可能です。
なおNEXTGEAR-NOTE i5520シリーズでは負荷によって最適なGPUを切り替える「NVIDIA Optimusテクノロジー」に対応していますが、標準収録のユーティリティーから、GPUをGeForce GTX 960Mに固定することができます。これにより、一部のゲームを起動する際にわざわざGPUを選択する必要がありません。
ちなみに今回の検証では、標準である「MS HYBRID(Optimusが有効)」でテストを行ないました。
3DMarkベンチマーク結果
総合的な3D性能を計測する「3DMark」では、ゲーミングノートPCとしては標準的な結果となりました。海外のゲームはやや厳しいものの、画質や解像度をグッと落とせばなんとかプレーできるでしょう。国内ゲームは比較的軽めに作られているため、この結果であれば高画質&高解像度でも快適にプレーできるはずです。
当サイトで計測したミドルレンジGPUのベンチマークを比較してみると、ワンランク下のGTX 950Mと、ワンランク上のGTX 965Mの中間あたりの結果であることがわかりました。
ゲーム系ベンチマークテスト計測結果
続いて、ゲームの快適さを計測するベンチマークテストの結果です。1920×1080ドットの最高画質でテストを行なったところ、4種類のテストのうち2種類で最高評価となりました。残りの2種類でも、快適に遊べるラインはクリアーしています。
ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク | ||
---|---|---|
4431(快適) ※平均33.9FPS | 1920×1080ドット、最高品質、DirectX 11 ※7000以上で平均60FPS超え | |
ドラゴンクエストXベンチマークソフト | ||
13088(すごく快適) ※最高評価 | 1920×1080ドット、最高品質 | |
ドラゴンズドクマオンライン ベンチマークソフト | ||
7565(とても快適)※最高評価 | 1920×1080ドット、最高品質 | |
PSO2キャラクタークリエイト体験版 EPISODE4 | ||
6619 | 1920×1080ドット、簡易描画設定6(最高画質) ※快適に遊べる目安は5000以上 |
実際のゲームプレーでのFPS計測結果
次に、実際にゲームをプレーしたときのFPS計測結果を紹介します。
FPSとは画面の描画速度を表わす単位で、数値が高ければ高いほど画面がスムーズに動きます。しかし値が高すぎても、液晶ディスプレイ側が対応しきれません。あくまでも、3D性能を表わす指針として捉えてください。ちなみに平均60FPS以上が標準的なプレーでは理想とされています。
まずは軽めのゲームとして、ブリザード・エンターテインメントの「オーバーウォッチ(Overwatch)」を試してみました。最高画質の「エピック」では平均60FPSを割り込んでしまったものの、ワンランク下の「ウルトラ」では平均60FPS以上出ています。もともとこのゲームは負荷が低いとは言え、なかなか優れた結果です。
OverwatchのFPS計測結果(1920×1080ドット) | |||
画質 | 最小FPS | 最大FPS | 平均FPS |
---|---|---|---|
低 | 71.36 | 200.4 | 108.25 |
NORMAL | 80.13 | 257.14 | 136.95 |
高 | 57.1 | 141.62 | 82.1 |
ウルトラ | 47.86 | 98.9 | 66.82 |
エピック | 39.41 | 66.88 | 51.3 |
続いては、グラフィックス重視で処理が重い「Rise of the Tomb Raider」について。このゲームでは最低画質でも、平均が60FPSを上回ることがありませんでした。四捨五入すれば約60ですから、問題なく遊べるレベルではあります。しかしより滑らかに動作させたい場合や画質を少しでも上げたい場合は、解像度を下げるしかなさそうです。
Rise of the Tomb Raiderのベンチマーク結果(1920×1080ドット、FXAA) | ||||
画質 | 山頂 | シリアFPS | 地熱谷 | 総合スコア |
---|---|---|---|---|
最低 | 64.87 | 43.72 | 55.3 | 55.28 |
低 | 53.03 | 36.7 | 43.42 | 44.83 |
中 | 41.92 | 30.73 | 35.16 | 36.24 |
高 | 35.87 | 29.13 | 29.92 | 31.79 |
最高 | 26.54 | 23.5 | 18.83 | 22.92 |
このように、軽めのゲームでは快適にプレーできますが、海外の大作ゲームについては画質や解像度を最低ラインまで引き下げてなんとか遊べるといったところです。
VR性能をチェック
「HTC VIVE」や「Oculus Rift」などを使ったVRコンテンツの快適さを調べてみたところ、残念ながらパワー不足で利用できないとのことでした。ノートパソコンではGeForce GTX 980M以上のGPUが推奨されていますので、下位GPUのGeForce GTX 960Mで厳しいと言えます。
システム系ベンチマークの結果をチェック
ここからは、パソコンとしての基本性能を計測する各種ベンチマークソフトの結果を紹介します。なおベンチマークの結果は、パーツ構成や環境、タイミングなどによって大きく変わることがありますので、あらかじめご了承ください。
Windowsエクスペリエンスインデックス
Windowsエクスペリエンスインデックス(Windowsシステム評価ツールの結果)は、かなり高いスコアとなりました。ちなみにデスクトップパソコンのハイエンドモデルで使われるCore i7-6700ではCPUのスコア(プロセッサ)が「8.5」ですので、それほど変わらないと言えます。グラフィックスのスコアがほかよりも低めですが、各スコアの最高点が「9.9」であることを考えれば、悪い結果ではありません。
試用機のWindowsエクスペリエンスインデックス | |
プロセッサ(CpuScore) | 8.3 |
---|---|
メモリ(MemoryScore) | 8.3 |
グラフィックス(GraphicsScore) | 6.2 |
プライマリハードディスク(DiskScore) | 8.15 |
CINEBENCHベンチマーク結果
NEXTGEAR-NOTE i5520シリーズで使われているCore i7-6700HQは、4コア/8スレッドで動作するハイエンド向けのCPUです。高性能なCPUを搭載しているだけあって、計算性能を計測する「CINEBENCH R15」では非常に優れた結果となりました。CPU性能だけで見れば、高性能デスクトップパソコンに迫る結果です。
CINEBENCH R15の結果の目安(「CPU」のスコア) | |
Core i7-6700K | 760~880cb |
---|---|
Core i7-6700 | 730~820cb |
Core i5-6500 | 550cb前後 |
Core i7-6700HQ | 670~680cb |
Core i7-6500U | 270~320cb |
Core i5-6200U | 260~290cb |
Core i3-6100U | 250cb前後 |
Celeron 3855U | 125cb前後 |
Celeron N3060 | 70cb前後 |
CrystalDiskMarkベンチマーク結果
ストレージのアクセス速度を計測する「CrystalDiskMark」では、システムストレージとして使われているSSD(SATA接続)がシーケンシャルリードで553.5MB/秒という結果でした。一方、データ保存用のHDDでは113.9MB/秒という結果が出ています。
Windows 10の体感速度に影響する「4K/4KQ32T1」では、SSDのほうがHDDよりもはるかに優れた結果となりました。SSDを利用することでシステムやアプリの起動が早くなる上に、普段の操作も快適に行なうことができます。
PCMark 8ベンチマーク結果
総合的なパフォーマンスを計測する「PCMark 8」では、非常に優れた結果となりました。パソコンとしての基本性能は、標準的なパソコンを軽く超えるレベルです。
それでもさらに高い性能を目指すのであれば、ストレージにSM951の512GB SSDを選ぶことをおすすめします。
PassMark PerfomanceTest 8.0ベンチマーク結果
「PassMark PerfomanceTest 8.0」でも、非常に優れた結果が出ています。特にCPU性能を表わす「CPU Mark」が優秀ですね。ノートパソコンとしてはとても高性能で、ゲームだけでなくさまざまな用途で活用できるでしょう。
内部の発熱をチェック
ベンチマーク中のCPUとGPUの温度を確認してみたところ、CPUが約82度、GPUが約80度でした。限界温度までにはまだ余裕がありますので、大きなパフォーマンスの低下は見られません。
ベンチマーク中には排気口があるキーボード上部がやや温かくなりますが、触れないほどではありませんでした。排気音もそれなりにありますが、特にうるさすぎるというほどではありません。ただし気になるなら、ゲーム中はヘッドホンの着用をおすすめします。
本体の外観をチェック!
次に、NEXTGEAR-NOTE i5520シリーズのデザインや使い勝手についてレビューします。基本的にどのモデルも同じボディを採用していますので、NEXTGEAR-NOTE i5520GA1以外のモデルの購入を検討されている方も参考にしてください。
ブラックのボディにレッドのラインが特徴的
NEXTGEAT-NOTE i5520シリーズの本体カラーは、光沢なしのブラックです。天板部分にはマウスコンピューターのゲーミングPCブランド「G-Tune」のロゴ、さらにその両脇には赤色のラインを配置。この赤いライン下にはLEDが用意されており、電源をオンにすると控えめながらも鮮やかに光ります。
本体の素材には、一般的なノートパソコンでおなじみの樹脂(プラスチック)が使われています。強度についてはそれほど高くはありませんが、質感は悪くはありません。むしろサラサラとして気持ちのいい手触りです。
ただし、指紋や油脂の汚れが若干目立ちます。気になるなら、クロスなどでこまめに拭き取るといいでしょう。
ゲーミングノートPCとしてはコンパクトなB4サイズの本体
NEXTGEAR-NOTE i5520 シリーズのフットプリント(接地面積)は、幅385×奥行き268mmです。B4サイズ(幅364×奥行き257mm)をひと回り大きくした程度と言えば、サイズ感をイメージしやすいでしょう。一般的な15.6型サイズのノートパソコンと同じくらいの大きさですが、ゲーム用ノートパソコンとしては比較的コンパクトです。
高さは、28.5mmです。15.6型ノートパソコンは高さ25mm前後が一般的なので、標準よりもやや厚めと言えます。しかしゲーム用ノートパソコンでは、30mmを超えるモデルも少なくありません。ゲーム用としては比較的スリムで、実際に手に持ってもそれほどの厚みを感じませんでした。
視野角が広く発色に優れたフルHDの液晶ディスプレイ
NEXTGEAR-NOTE i5520 シリーズは、15.6型サイズで解像度1920×1080ドット(フルHD)の液晶ディスプレイを搭載しています。基本構成で税別10万円台のモデルとしては、映像が非常にキレイです。
IPSパネルが使われているように見えるのですが、カタログ上には明記されていません。そこでツールを使って液晶ディスプレイの型番を調べてみたところ、「LP156WF6-SPK1」というLG製のIPSパネルが使われていました。ただし製造タイミングによっては、別のパネルが使われる可能性があります。
IPSパネルが使われているだけあって、色合いはとても自然です。コントラストも高めですが、非光沢のノングレア加工が施されているため、光沢ありのグレア加工よりもやや低い印象を受けました。
タイプ感のいいキーボードでチャットや文書作成がはかどる!
キーボードはテンキー付きの107キー構成で、標準的な日本語配列を採用しています。キーピッチ(キーの大きさを表わす目安)は19mmで十分な十分なサイズが確保されていました。
キーストロークは約2mmと深めです。標準的なノートパソコンではキーストロークは1.5mmであることが多く、それらのモデルよりもタイプ感に優れています。たわみや底打ち感も感じられませんでした。
キーボードはバックライト付きで、暗い場所でもキーの場所がハッキリとわかります。バックライトのオン/オフは、FnキーとF4キーの同時押しで可能です。
インターフェースは豊富! パーツ交換はやや難易度高め
NEXTGEAR-NOTE i5520シリーズにはインターフェースとしてUSB3.0×3、USB3.0 Type-C×1、HDMI、Mini DiplayPort×2、有線LAN、SD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロットなどが用意されています。ノートパソコンとしては十分な構成です。
底面部のカバーを外すことで、メモリーやストレージを交換できます。しかしボトムケースが本体のフレームに深く食い込んでいるので、外すにはテクニックと勇気が必要となりそうです。今回筆者は途中で断念しました。
高い品質が魅力のゲーミングノートPC
ということで、今回はマウスコンピューターのNEXTGEAR-NOTE i5520シリーズについてレビューしました。基本構成で税別10万円台のモデルと考えれば、なかなかのコストパフォーマンスです。
筆者が特に感心したのは、液晶ディスプレイの映像がキレイな点。ゲーミングノートPCでは青被りの強いVAパネルやTNパネルが使われることが多いのですが、IPSパネルならゲーム本来の美しい色合いを楽しめます。光の映り込みが少なく、長時間プレーしても眼が疲れにくい非光沢のノングレア加工である点もポイントです。キーボードやインターフェース類も、総合的に見て高いクオリティーに仕上がっています。
なおNEXTGEAR-NOTE i5520シリーズは、マウスコンピューターの直販サイトで販売されています。カスタマイズオプションの詳細や支払い方法、納期などについては、商品ページでご確認ください。
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