HPのHP Pavilion Gaming Desktop TG01(インテル)は、インテル製CPUとNVIDIA製GPUを搭載するエントリー(入門)~ミドルレンジ(中級)向けのゲーミングPCです。パーツカスタマイズには非対応であるものの、そのぶんBTOメーカーより価格が安い点が魅力。ゲーミングPCを手頃な値段で入手したい人に向いています。
ゲーミングPCであるにも関わらずGPU非搭載モデルも用意されており、これが価格.comのデスクトップPC人気ランキングで1位を長期間獲得し続けています(2021年2月時点)。人気の理由は、第10世代Core i7+16GBメモリー+SSD&HDDの構成で税込7万9800円と安いため。仕事用にそのまま使ったり、自分で買ったグラボを増設したりなど、幅広い用途で活用可能です。
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、本体の外観や機能、実際の性能についてレビューします。購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
- ▶ スペック
- ▶ 本体の外観
- ▶ 分解方法とパーツ交換について
- ▶ ベンチマーク結果
- ▶ まとめ
HP Pavilion Gaming Desktop TG01(インテル)
※2021年1月12日時点
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HP Pavilion Gaming Desktop TG01(インテル)のスペック
OS | ・Windows 10 Home ・Windows 10 Pro |
---|---|
APU | ・Core i5-10400F ・Core i7-10700 ・Core i7-10700F |
メモリー | ・8GB ・16GB ※スロット2基、最大32GB |
ストレージ | ・256GB SSD + 1TB HDD ・512GB SSD + 2TB HDD |
グラフィックス | ・UHD 630 ・GTX 1650 SUPER ・RTX 2060 ・RTX 2060 SUPER ・RTX 3060 Ti |
電源 | ・310W ・500W |
サイズ | 幅155mm 奥行き321mm 高さ338mm |
重量 | 約5.2~5.7kg |
※2021年2月26日時点。構成は変更される場合があります
フォームファクター | ※独自仕様 |
---|---|
SATAポート | 3 |
M.2スロット | 2 (Wi-Fi用、ストレージ用) |
光学ドライブ | なし |
ドライブベイ | 3.5インチ×2 |
拡張スロット | PCI Express x16 PCI Express x1 |
有線LAN | 1000Mbps |
無線LAN | IEEE802.11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 5.0 |
USB3.1 | 4(Gen1、前面) |
USB3.0 | - |
USB2.0 | 4(背面) |
USB Type-C | 1(USB3.1 Gen1) |
Thunderbolt 3 | - |
メモリーカード | SD |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | - |
DisplayPort | 2 |
DVI | - |
シリアルポート | - |
PS/2 | - |
付属品 | 電源アダプターなど |
オフィス | ※オプション |
本体の外観
サイズについて
HP Pavilion Gaming Desktop TG01(インテル)はゲーム用のGPUを搭載したゲーミングPCですが、本体の大きさは一般的なデスクトップPCと変わりません。LEDが光ったりフロントパネルが凝ったデザインではあるものの、派手さも控えめです。
インターフェースについて
周辺機器接続用のインターフェース(端子類)は十分な構成です。しかし気になるのは、USB3.1が前面にしか用意されていない点。外付けストレージを常時接続する場合、前面側に繋ぎっぱなしにするとケーブルの取り回しが面倒です。
前面のインターフェース
- ① 電源ボタン
- ② ヘッドセット端子
- ③ USB3.1
- ④ SDカードスロット
- ⑤ USB3.1 Type-C
背面のインターフェース
- ① オーディオ端子類
- ② VGA(D-sub15ピン)※非使用
- ③ HDMI※非使用
- ④ USB2.0
- ⑤ 有線LAN
- ⑥ HDMI
- ⑦ DisplayPort
- ⑧ DVI
分解方法とパーツ交換について
内部へのアクセス方法
側面のパネルを外すと、内部のメンテナンスやパーツ交換などが行なえます。ただしパネルを外すだけではなく、内部のフレームをいくつか外さなければなりません。また作業にはT15トルクスドライバーまたは幅広のマイナスドライバーが必要です。
各部のパーツ
拡張スロットについて
HP Pavilion Gaming Desktop TG01(インテル)には、PCI Express x16とPCI Express x1の拡張スロットが用意されています。PCI Express x16にはグラボがセットされているので、空きはありません。グラボの交換も可能ですが、大きすぎるとほかのパーツと干渉する可能性があります。
前面のインターフェース
- ① PCI Express x1
- ② PCI Express x16
HP Pavilion Gaming Desktop TG01(インテル)のベンチマーク結果
試用機のスペック
モデル名 | 第9世代インテルプロセッサー搭載パフォーマンスモデル |
---|---|
CPU | Core i7-9700 |
メモリー | 16GB |
ストレージ | 512GB SSD + 2TB HDD |
グラフィックス | GeForce RTX 2060 |
※ベンチマーク結果はパーツ構成やタイミング、環境、個体差などの要因で大きく変わることがあります
ストレージ性能
ストレージはSSD + HDDの構成です。SSDの速度は十分ですが、256GBだと容量が多くないのでゲームのインストール用には向いていません。HDDなら容量的には十分ですが、データの読み込みが遅くなる可能性があります。自分で2.5インチの大容量SSDを追加することをおすすめします。
CPU性能
試用機では第9世代のCore i7-9700が使われていましたが、現在販売中のモデルでは第10世代のCore i5-10400/Core i7-10700が使われています。旧モデルでも十分高性能ですが、最新モデルであればさらに高いパフォーマンスを期待できるでしょう。ゲームはもちろん、動画編集などの重い処理にも活用できます。
CPUの性能比較
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Ryzen 7 4700G |
4953
|
Core i7-10700 |
4177
|
Core i7-9700K |
3397
|
HP Pavilion Gaming Desktop TG01 (Core i7-9700) |
3316
|
Core i7-9700F |
3231
|
Core i7-9700 |
3189
|
Core i5-10400 |
3170
|
Ryzen 5 3500 |
2594
|
Core i5-9400 |
2357
|
Ryzen 5 3400G |
1884
|
Core i3-9100 |
1592
|
Ryzen 3 3200G |
1462
|
Celeron G4930 |
535
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
グラフィックス性能
グラフィックス機能としては、NVIDIA製GPUではエントリークラスのGeForce GTX1650、ミドルレンジのRTX 2060/2060 SUPER、同じくミドルレンジのRTX3060 Tiが使われています。基本的にはどれも多少重めのゲームでも、画質を調整することで快適に楽しめるでしょう。GPUなしモデルではCPUの内蔵のUHD Graphics 630が使われるので性能は控えめ。しかしゲームやクリエイター向けソフトを使わないのであれば問題ありません。
GPUの性能比較
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
RTX 2080 Ti |
32170
|
RTX 2070 SUPER |
25322
|
RTX 2080 |
25205
|
RTX 2070 |
22856
|
RTX 2060 SUPER |
20640
|
RTX 2060 |
17843
|
HP Pavilion Gaming Desktop TG01 (RTX 2060) |
17446
|
GTX 1660 Ti |
15697
|
RX 5500 |
14633
|
GTX 1660 |
13004
|
GTX 1650 SUPER |
11853
|
GTX 1650 |
8893
|
GT 1030 |
3509
|
UHD 630 (Core i7) |
1359
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
PCとしての汎用性
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) |
4100
9333 |
Productivity (ビジネス利用) |
4500
8388 |
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) |
3450
9278 |
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
PCMark 10は、PCを使った各種作業の快適さを計測するベンチマークテストです。HP Pavilion Gaming Desktop TG01(インテル)のCore i7+RTX2060搭載モデルではすべてのテストおいて、快適に使える目安のスコアを大きく上回りました。ゲームだけでなく、普段使いやビジネスでも快適に使えます。Core i5モデルではスコアが多少落ちるものの、同様にすべてのテストをクリアーできるでしょう。ただしGPUなしモデルでは、コンテンツ制作のテストの目標値をクリアーできない可能性があります。
ゲーム系ベンチマーク結果
RTX 2060搭載モデルでゲーム系ベンチマークテストを試したところ、重いFF15ベンチでも最高画質で快適との評価でした。よっぽど重いゲームであれば画質を多少調整する必要がありますが、フルHDであればほとんどのゲームを快適に楽しめるはずです。GTX 1650搭載モデルであれば、FF14などの中量級クラスならフルHDの最高画質で快適に楽しめるでしょう。
FF15ベンチ (重い / DX11)
画質 | スコア / 評価 |
高品質 | 6959 / 普通 |
標準品質 | 9817 / 快適 |
軽量品質 | 12801 / とても快適 |
※1920×1080ドットの結果。スコアが6000以上で「快適」
FF14ベンチ:漆黒のヴィランズ (やや重い / DX11)
画質 | スコア / 平均FPS |
最高品質 | 16468 / 116.4 FPS |
高品質 | 16917 / 123 FPS |
標準品質 | 20773 / 176.4 FPS |
※1920×1080ドットの結果。平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽い / DX9)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 22835 / とても快適 |
標準品質 | 22561 / すごく快適 |
低品質 | 23604 / すごく快適 |
※1920×1080ドットの結果
ちょっぴり安いエントリー/ミドルレンジ
よかった点
使われているGPUは旧世代とは言え、人気ゲームをフルHDで楽しむには十分です。下位モデルでも、フォートナイトやエーペックスレジェンズなどのゲームを144Hzで楽しめるでしょう。最新のRTX 3060 Tiも追加されたので、より高いパフォーマンスを求める人はそちらを選んでください。
またGPUなしモデルもかなりお買い得です。なんと言ってもCore i7+16GBメモリーの組み合わせでは最安クラスの値段である点が大きな魅力。普段使いやビジネス用として利用するのもいいでしょう。
気になる点
メンテナンスやパーツ交換にやや手間がかかる点が残念です。また確かに安いとは言え、あと2~3万円プラスすれば新GPU搭載モデルを買えると考えれば、最新モデルのほうがいいと感じる人も多いでしょう。
HP Pavilion Gaming Desktop TG01(インテル)
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