マイクロソフトの「Microsoft Pro IntelliMouse (以下、Pro IntelliMouse)」は高精度センサーを搭載した、ゲーマー / プロフェッショナルユーザー向けのUSBマウスです。発売日は2019年8月2日で、価格は税込7182円。マイクロソフトの公式ストアや、家電量販店・通販サイトなどで販売されています。

Microsoft Pro IntelliMouse
Pro IntelliMouseよりも前の2018年1月に「Microsoft Classic IntelliMouse (以下、Classic IntelliMouse)」が発売されていますが、このモデルはどちらかというと一般ユーザー向けの普段使い用という位置づけでした。そもそもClassic IntelliMouseは名機と言われた「IntelliMouse Explorer 3.0」 (2002年発売、2006年にリニューアル)の復刻版で、特にハイエンド向けというわけではありません。

2018年1月発売のClassic IntelliMouse
そのClassic IntelliMouseをベースにセンサーを高性能タイプに変更し、ボタンやグリップ感を改良したモデルがPro IntelliMouseです。

Por IntelliMouse (左)とClassic IntelliMouse (右)
Pro IntelliMouseとClassic IntelliMouseの比較
Pro IntelliMouse | Classic IntelliMouse | |
---|---|---|
サイズ | 幅132×奥行き69×高さ43mm | |
ボタン | 左右ボタン、スクロールホイール、サイドボタン×2 | |
重さ | 104g (本体のみ) | 100g (本体のみ) |
センサー | PixArt PAW 3389 Pro-MS | BlueTrackセンサー |
トラッキング解像度 | 200 ~ 16,000 dpi | 400 ~ 3,200 dpi |
最大トラッキング速度 | 400IPS | 非公開 |
最大加速度 | 50G | 非公開 |
ポーリングレート | 1,000Hz |
外観の違いと使用感
サイズやボタン構成は、どちらもまったく同じです。本体カラーはClassic IntelliMouseがガンメタリック風であったのに対し、Pro IntelliMouseではシャドウホワイトとシャドウブラックの2色が用意されています。Pro IntelliMouseはややグラデーションがかった色合いで、若干高級感があるように感じました。

Por IntelliMouseのシャドウホワイト (左)と、ガンメタリック風のClassic IntelliMouse (右)

ボタン構成もまったく同じ
サイズはマウスとしては縦に長く、やや大きめの印象です。しかし実際に手で持つと、フィット感は抜群。手のひら全体をマウスの上にしっかり載せられるので、”かぶせ持ち”なら手首がデスクに当たりません。高さもほどほどで、手にしっかり馴染みました。とは言え、手のサイズが成人男性程度の人を対象としているような気がします。

マウスとしてはやや大きめ

左右非対称のエルゴノミクスデザインで、握ったときの違和感がありません

かぶせ持ち (左)でもつまみ持ち (右)でもOK
Pro IntelliMouseとClassic IntelliMouseは形がほぼ同じですが、操作感がやや異なりました。Pro IntelliMouseのほうが左右ボタンのストロークが浅く、クリック感が固めです。従来よりも反応のいいボタンを採用しているとのことで、このあたりの感触が異なるのでしょう。クリック音はPro IntelliMouseのほうがやや低く、控えめです。
左サイドのグリップ感も、Pro IntelliMouseのほうが優れています。特にサイドボタンにライン状のテクスチャー加工が施されているため滑りにくく、同時にボタンの位置を把握しやすく感じました。

テクスチャー加工が施されたPro IntelliMouseのサイドボタン

Classic IntelliMouseの左サイドは全体的にのっぺりとした手触り
底面部の滑りもPro IntelliMouseのほうがなめらかに感じました。パッと見たところ底面部のソールはほぼ同じだったので気のせいかもしれないのですが、実際にマウスを動かすとClassic IntelliMouseのほうで若干の引っかかりを感じるんですよね。

Pro IntelliMouse (左)とClassic IntelliMouse (右)の底面部
Pro IntelliMouseのケーブルはメッシュ仕様で、Classic IntelliMouseの皮膜ケーブルよりも腰があり強度が高くなっています。

Classic IntelliMouseの皮膜ケーブル (上)と、Pro IntelliMouseのメッシュケーブル (下)
また底面部のテールライトはClassic IntelliMouseは1色のみですが、Pro IntelliMouseではユーティリティソフトの「Microsoft Mouse and Keyboard Center」を使うことでさまざまな色に変更できます。

色を変更可能なPro IntelliMouseのテールライト

Classic IntelliMouseのテールライトは白1色のみ

設定ユーティリティの「マウスキーボードセンター」

Pro IntelliMouseのテールライト変更

重量はPro IntelliMouseのほうがわずかに重いのですが、動かしやすさはPro IntelliMouseのほうが上
センサー感度の違い
Pro IntelliMouseではPixArt PAW 3389 Pro-MSと呼ばれるセンサーが使われています。他社のゲーミングマウスでよく使われているPixArt PMWシリーズと同じようなものと考えていいでしょう。末尾に「MS」と付いていることから、マイクロソフト向けの専用センサーだと思われます。解像度やトラッキング速度は他社製のミドルレンジゲーミングマウスと同程度です。

センサーはミドルレンジのゲーミングマウスとほぼ同レベルのクオリティー
Classic IntelliMouseではトラッキング解像度は最大3,200dpiでしたが、Pro IntelliMouseでは最大16,000dpiです。また解像度を50刻みで変更できるので、200刻みのClassic IntelliMouseよりも細かく調整できます。

Pro IntelliMouse (左)は最大16,000dpi8、Classic IntelliMouse (右)は最大3,200dpi
Windows 10標準収録の「ペイント」を使って線を描いたところ、Pro IntelliMouseのほうが動きを充実に認識しているように感じました。ほんのわずかの差ではありますが、Classic IntelliMouseでは直線補正がかかっているようです。

Pro IntelliMouseでは微妙な動きも反映されていますが、Classic IntelliMouseのほうは補正によって線がなめらかになっています
カスタマイズについて
前述のとおり、Pro IntelliMouseおよびClassic IntelliMouseでは専用ユーティリティ「マウスキーボードセンター」でボタンやdpiなどを変更できます。ボタン操作に関するカスタマイズについてはどちらも同じ。dpiの数値とテールライト調整の有無が異なる程度です。

各ボタンにさまざまな操作を割り当てられます

「プレジションブースター」や「クイックターン」などのゲーム用コマンドはClassic IntelliMouseでも利用可能です
ゲームにも使えるプロフェッショナル向けマウス
ということで、今回はPro IntelliMouseの使用感とClassic IntelliMouseとの違いについてお届けしました。
高級ゲーミングマウスではウェイト (おもり)を使うことで重さやバランスを調整したり、非常に多くのボタンによって素早く操作できるものもあります。Pro IntelliMouseはセンサーこそゲーミングマウス相当ですが、”勝ち”にこだわる人向けの機能は用意されていません。その意味では純粋なゲーミングマウスではなく、「ゲームにも使える高級マウス」と考えたほうがいいでしょう。
コアゲーマーの人には少々物足りないかもしれませんが、中級者クラスまでならこれで十分じゃない? というのが正直な感想です。センサーの性能は十分ですし。また普段は仕事で使い、趣味でゲームを楽しみたいときに使うワンランク上のマウスという考えもアリでしょう。ゲームにはまったく使わず、とにかく高精度なマウスを使いたいという人にもおすすめです。

シンプルなデザインでグリップ感も良好な高精度マウス

Microsoft Pro IntelliMouse
税込7128円
※2019年7月18日時点
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