レノボのLegion T550は、Zen3世代のRyzen5000シリーズを搭載するゲーミングPCです。2022年9月中旬時点ではかなりお買い得な価格(公式サイト)でありながら、パフォーマンスも冷却性能もしっかりとしています。2022年秋には新CPU / GPUが登場する予定ですが、ゲーミングPCを安く入手したい人におすすめです。
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、本体の外観や機能、実際の性能についてレビューします。
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スペック
OS | Windows 11 Home |
---|---|
CPU | Ryzen 5 5600G / Ryzen 7 5700G / Ryzen 7 5800G / Ryzen 9 5900X |
チップセット | AMD B550 |
グラフィックス | GTX 1650 SPUER / RTX 3060 / 3060 Ti / 3070 / RX 6800 XT |
メモリー | 16GB(8GB×2) / 32GB(16GB×2) ※DDR4-3200、最大128GB、スロット×4 |
ストレージ | SSD + HDD |
拡張スロット | PCI Express x16×1、PCI Express x4×1、PCI Express x1×1、M.2×3 |
ドライブベイ | 3.5インチ×2 |
通信 | Wi-Fi 6、Bluetooth5.1、有線LAN |
サイズ / 重量 | 幅205×奥行き411×高さ396mm / 約14kg |
電源 | 650W / 850W |
本体デザイン
本体の外観
LEDイルミネーション
インターフェースについて
分解方法とパーツ交換について
右側面(裏配線)
左側面
ベンチマーク結果
試用機のスペック
CPU | Ryzen 7 5700G |
---|---|
メモリー | 16GB(8GB×2) |
ストレージ | 512GB SSD + 2TB HDD |
グラフィックス | RTX 3070(8GB) |
※各種ベンチマークテストは、Windows 10の電源プランを「高パフォーマンス」に設定した上で、標準収録ソフト「Lenovo Vantage」の「サーマル・モード」を「パフォーマンス・モード」に設定して実施しています
※ベンチマーク結果はパーツ構成やタイミング、環境、個体差などの要因で大きく変わることがあります
CPU性能
CPUとしてはAMDのZen 3世代Ryzen 5000シリーズが使われています。試用機で使われていたのはRyzen 7 5700Gで、ゲーミングPC向けとしてはそこそこ優秀です。ただしシングルコア性能については、第12世代Coreプロセッサのほうが勝ります。
Ryzen 7 5800については、Ryzen 7 5700Gよりわずかに上程度と考えていいでしょう。ゲームをプレーするには十分な性能で、中上級者に向いています。
CPUの性能(マルチコア)
CPU | CINEBENCH R23スコア |
---|---|
Core i9-12900K |
25869
|
Core i7-12700K |
20452
|
Core i7-12700KF |
20276
|
Core i7-12700 |
15938
|
Legion T550(Ryzen 7 5700G) |
14319
|
Core i7-11700K |
13568
|
Ryzen 7 PRO 5750G |
13134
|
Core i9-11900KF |
12917
|
Core i5-12400F |
12381
|
Ryzen 7 PRO 5750GE |
11278
|
Ryzen 5 5600G |
10414
|
Core i5-11400 |
7831
|
※10分間実行し続けた際の最終スコア。そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
CPUの性能(シングルコア)
CPU | CINEBENCH R23スコア |
---|---|
Core i7-12700K |
1931
|
Core i7-12700 |
1893
|
Core i9-12900K |
1850
|
Core i7-12700KF |
1786
|
Core i5-12400F |
1710
|
Core i9-11900KF |
1598
|
Core i7-11700K |
1572
|
Ryzen 7 PRO 5750GE |
1499
|
Legion T550(Ryzen 7 5700G) |
1497
|
Ryzen 7 PRO 5750G |
1488
|
Ryzen 5 5600G |
1431
|
Core i5-11400 |
1404
|
※10分間実行し続けた際の最終スコア。そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
グラフィックス性能
グラフィックス機能としては、GeForce GTX / RTXシリーズまたはRadeon RXシリーズが使われています。テストに使った試用機はRTX 3070搭載のミドルハイクラスです。RTX 3060 TiについてはRTX 3070とRTX 3060の中間くらい、RX 6800 XTについてはRTX 3090に迫るレベルと考えてください。
ベンチマークスコアを見る限りでは、RTX 3070としては妥当な結果が出ています。特にパフォーマンスが抑えられているような症状は見受けられません。ただ自作やBTOなどで冷却性能を高めた機種よりは、スコアが多少劣るかもしれません。とは言え、組み立て済みモデルとしては一般的な範囲だと思います。
GPU性能(DirectX 12)
GPU | 3DMark Time Spy Graphicsスコア(DX12,WQHD) |
---|---|
RTX 3090 |
18521
|
RTX 3080 |
16540
|
Legion T550(RTX3070) |
13252
|
RTX 3070 |
13072
|
RTX 3060 |
8870
|
GTX 1660 |
5303
|
GTX 1650 |
3383
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
GPU性能(DirectX 11)
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア(DX11,FHD) |
---|---|
RTX 3090 |
44130
|
RTX 3080 |
39977
|
Legion T550(RTX3070) |
32718
|
RTX 3070 |
32448
|
RTX 3060 |
22471
|
GTX 1660 |
13004
|
GTX 1650 |
9005
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
GPU性能(レイトレーシング性能)
GPU | 3DMark Port Royalスコア |
---|---|
RTX 3090 |
12485
|
RTX 3080 |
10813
|
Legion T550(RTX3070) |
8141
|
RTX 3070 |
8109
|
RTX 3060 |
5265
|
GTX 1660 |
1405
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
ゲーム性能
Ryzen 7 + RTX 3070搭載の試用機でゲーム系ベンチマークを試したところ、重いゲームでもWQHDまでなら快適に遊べる(平均60 FPS超え)と判断できる結果でした。レイトレーシングについてはフルHDが限界、FPSなら人気タイトルで165~240Hz、競技系なら240Hz以上の狙えるパフォーマンスです。RTX 3070であれば、ガッツリ遊びたい人も満足できるでしょう。
RTX 3070検証結果まとめ
- ・WQHD向け
- ・激重タイトルだと4Kは厳しい
- ・レイトレはFHD向け
- ・中量級FPSは165~240Hz向け
- ・競技系FPSは240~300Hz
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
FF14ベンチ:暁月のフィナーレ (やや重い / DX11)
解像度 | スコア / 平均FPS |
フルHD | 19998 / 149.9 |
WQHD | 16740 / 120.5 |
4K | 10804 / 73.6 |
※画質は「最高品質」
ファークライ6(そこそこ重い / DX12)
レイトレ無効
解像度 | 平均FPS / 最小FPS |
フルHD | 90 / 66 |
WQHD | 87 / 70 |
4K | 56 / 48 |
※画質は「最高」
レイトレ有効
解像度 | 平均FPS / 最小FPS |
フルHD | 74 / 62 |
WQHD | 70 / 59 |
4K | 15 / 13 |
※画質は「最高」
サイバーパンク2077 (激重 / DX12)
レイトレ無効(ウルトラ)
解像度 | 平均FPS / 最低FPS |
フルHD | 112.7 / 45.4 |
WQHD | 88.5 / 40.3 |
4K | 45.1 / 37.26 |
レイトレ有効(レイトレーシング:ウルトラ)
解像度 | 平均FPS / 最低FPS |
フルHD | 70.9 / 37.9 |
WQHD | 88.5 / 40.3 |
4K | 45.1 / 37.26 |
アサシン クリード ヴァルハラ (激重)
解像度 | 平均FPS / 低位1% |
フルHD | 102 / 68 |
WQHD | 86 / 62 |
4K | 59 / 42 |
※画質は「最高」
エーペックスレジェンズ 射撃訓練場(中量級)
解像度 | 平均FPS / 低位1% |
フルHD | 207.6 / 138.2 |
4K | 157.5 / 108.7 |
4K | 98.5 / 76.3 |
※画質は最高設定。実際のプレーではこの結果よりもFPSが低下します
レインボーシックス シージ(軽い) ※DirectX
解像度 | 平均FPS / 最低FPS |
フルHD | 325 / 225 |
WQHD | 287 / 220 |
4K | 194 / 168 |
※画質は最高設定。ゲーム内ベンチマークの結果
CS:GO FPS Benchmark(軽い)
解像度 | 平均FPS |
フルHD | 463 |
WQHD | 378.9 |
4K | 278.8 |
※ワークショップ内のマップ「FPS Benchmark」を使用、画質は最高設定
ヴァロラント 屋外射撃場(軽い)
解像度 | 平均FPS / 低位1% |
フルHD | 258 / 120.9 |
WQHD | 285.3 / 120.9 |
4K | 233 / 118.5 |
※画質は最高設定、屋外射撃場で武器を使用しながら走り回った結果。実際のプレーではこの結果よりもFPSが10%程度低下します
発熱について
CPU温度
ベンチマーク時におけるCPUの温度や消費電力を計測したところ、テスト開始から3分でクロックと消費電力の低下が見られました。しかしクロックの下げ幅はわずかで、パフォーマンスに大きな影響はないと思われます。
CPU温度については、平均で74度です。テストの序盤では78度まで上昇しましたが、パーツに悪影響を与えるほどではありません。CPUについては十分な冷却性能を備えていると考えていいでしょう。
GPU温度
GPUに高い負荷がかかるストレステストを行なったところ、GPU全体の温度を表わすGPU温度では最終的に78度あたりを推移していました。GPUの部分的な最大温度であるGPUホットスポット温度は90度前後です。なんとか許容範囲内とも言えなくもないのですが、熱による劣化を少しでも防ぎたいならなんらかの熱対策を行なったほうがいいでしょう。「MSI Afterburner」などのソフトで、GPUのクロックやファン速度を調整するのがおすすめです。
いまなら大特価販売中!
2022年9月中旬時点で、Legion T550のRyzen 7 5800 + RTX3060 / 3070シリーズがレノボ公式サイトにて激安価格で販売されています。同構成のBTO / 組み立て済みモデルの一般相場から6~8万円は安く、非常にお買い得です。
おすすめモデル(公式サイト)
スペック | 価格 |
---|---|
Ryzen 7 5800 / 16GB / RTX 3060 | 13万9700円 |
Ryzen 7 5800 / 16GB / RTX 3070 | 16万9400円 |
※2022年9月16日時点
自作向けパーツに比べて自由度は抑えられていますが、パフォーマンスや冷却性能には目立った欠点は見受けられません。2022年秋には新しいCPUやGPUが登場する予定ですが、最新パーツにこだわりがないなら非常にお買い得です。コスパの高いゲーミングPCとしておすすめします。
※製品ページが開かない場合は、上記リンクを再度開き直してください
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