レノボのThinkPad E14 Gen 3(AMD)は、14インチのディスプレイを搭載するスタンダードタイプのノートPCです。手頃な価格でありながら、使いやすさや頑丈さに優れるThinkPadクオリティーを実現している点が魅力。特にキーボードについては、長時間作業する人向けの配慮がそこかしこに見られます。
この記事では筆者が購入した実機を使って、ThinkPad E14 Gen 3(AMD)のキーボードについてレビューします。
この記事の目次
ThinkPad E14 Gen 3(AMD)のキー配列について
ThinkPad E14 Gen 3(AMD)には、日本語配列のキーボードと英字配列のキーボードが用意されています。カスタマイズ対応モデルならバックライトの有無を含めて好きなほうを選べますが、固定構成モデルではバックライト付きの日本語配列のみです。
筆者が購入したのは、もっとも安いバックライトなしの日本語配列です。キー配列はほぼ標準的で、入力時の違和感はありません。
ただし、一部のキーの位置が特殊です。これはThinkPad E14 Gen 3(AMD)固有というわけではなく、ThinkPadシリーズで共通しています。
キートップはややザラつきのある手触りで、文字はシルクスクリーン印刷です。文字がかすれて見えなくなる可能性がありますが、毎日長時間&長期間使わない限り大丈夫でしょう。
なおほかの機種ではバックライト付きだと、キートップの文字は耐久性の高いレーザー刻印です。ThinkPad E14 Gen 3(AMD)では確認していませんが、バックライト付きのほうがキーの質感や耐久性に優れているかもしれません。
F1~F12キーは、ホットキー(メディアキー)またはファンクションキーとして利用できます。標準ではホットキーに割り当てられているので、ファンクションキーとして利用するなら機能の切り替え(後述)を行なってください。
ホットキーの内容
F1 | スピーカーのミュート/ミュート解除 |
---|---|
F2 | 音のボリュームを下げる |
F3 | 音のボリュームを上げる |
F4 | マイクのオン/オフ切り替え |
F5 | 画面を暗く |
F6 | 画面を明るく |
F7 | マルチディスプレイ時の表示モード切り替え |
F8 | 機内モードのオン/オフ切り替え |
F9 | 通知の表示 |
F10 | 音声通話の開始(SkypeとTeamsのみ対応) |
F11 | 音声通話の終了 |
F12 | ユーザー定義キー |
キーカスタマイズについて
標準収録ユーティリティ「Lenovo Vantage」を使えば、キーの役割を変更できます。ただしすべてのキーを変えられるわけではなく、対応するキーのみです。ちょっと使いづらく感じたときに、試してみるといいでしょう。
FnキーとCtrlキーの入れ替え
FnキーとCtrlキーの機能を入れ替えます。左端がCtrlキーの配列に慣れている人向け。キーの働きが変わっても、キートップの文字はそのままです。
F1~F12キーの切り替え
最上段のF1~F12キーの役割を、ホットキー(特殊機能)またはファンクションキーに切り替えます。ただしわざわざLenovo Vantageを使わなくても、Fnキー+ESCキーの同時押しでも切り替え可能です。
Fn Stickyの利用
「Fnキーとの組み合わせの使用」で「Fn Stickyキーを使用した方法」を選択すると、Fnキーから指を離しても2~3秒程度はFnキーが押された状態が継続します。複数のキーを同時に押しづらい場合に利用してください。
ユーザー定義キーの設定
F12キーには、任意のアクションやテキストを設定できます。簡易的なキーマクロのようなものです。よく使うフレーズやメールアドレスを登録しておけばキーを押すだけで入力できるほか、「Ctrl+A」→「Ctrl+C」のようなショートカットの連続実行も可能(登録できるキーは最大5キーまで)。アイデアしだいでは、かなり便利に使えそうです。
タイプ感とタイプ音について
キーピッチ(キーとキーの間隔)は実測で横19mm、縦18.9mm。キーボードとしては標準的な間隔で、入力時に窮屈さを感じることはありません。キートップは15.5mmでやや大きく、キーが小さいと感じることもないでしょう。いい意味で標準的な仕上がりです。
バックライトなしキーボードの場合、キートップは特に防汚処理が施されているというわけではありません。油脂の跡が少し残るので、気になる場合は拭き取ってください。
キーストロークは実測で平均1.64mmでした。これはトラックポイント周辺のキーがやや浅い(1.4mm程度)ためで、概ね1.7~1.8mm程度です。キーによっては一度1.3mmあたりで止まり、そこからさらに力を加えることでグッと押し込まれる場合もあります。ノートPCの標準値は1.5mm程度なので、ストロークはやや深めです。
ストロークが深いため、キーを押し抜いた際の底打ち感がありません。押下圧(キーを押し込む力)が強いので入力にはそれなりの力は必要ですが、ストロークの浅いキーボードにありがちな指への衝撃は感じられませんでした。また指を押し戻す力が強いため指の上げ下げ意識する必要がなく、高速に入力できます。長文を長時間入力する人向きのキーボードです。
ただしその反面、タイプ音が大きく聞こえます。軽い力でもカタカタと聞こえる上、Enterキーはチャキッと響きました。うるさく感じるほどではありませんが、静かな場所ではそれなりの配慮が必要です。
トラックポイントについて
ThinkPad E14 Gen 3(AMD)にはカーソル操作用のポインティングデバイスとして、トラックポイントとタッチパッドが用意されています。ノートPCユーザーならタッチパッドに慣れているかもしれませんが、トラックポイントも非常に便利。キーボードから手を離さなくてもカーソルを操作できる点が最大のメリットです。
ただし、使い始めのうちは慣れないかもしれません。特にトラックポイントの押し込み加減を把握するのに少し時間がかかるでしょう。ただ慣れてしまえばそれ以上に時間を節約できるはずです。またセンターボタンを使った画面のスクロールや拡大縮小がとても便利なので、これらの使い方もぜひマスターしてください。
タッチパッド自体もよくできています。パッド部分の反応は普通ですが、ボタンが左右にわかれているので押し間違いがありません。タッチパッドの下部にボタンが付いているタイプに比べて、あまり手を動かさずにすむのもポイントです。
ということで、今回はThinkPad E14 Gen 3(AMD)のキーボードについてレビューしました。キーボードの使いやすさに定評があるThinkPadシリーズだけあって、長時間ガッツリ文字を入力する人向けの配慮が見られます。仕上がりとしては高品質な部類に入るでしょう。キーの入力しやすさやタイプ感を重視したい人におすすめです。
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