ポイント
- 第3世代Ryzenモバイル搭載
- 使いやすいキーボード
- MILスタンダードクリアーの高い堅牢性
ThinkPad E15 Gen 2 (AMD)のスペック
画面サイズ | 15.6インチ |
---|---|
解像度 | ・1366×768 ・1920×1080 |
CPU | ・Ryzen 3 4300U ・Ryzen 5 4500U ・Ryzen 7 4700U |
メモリー | ・4GB ・8GB ・16GB ※最大24GB |
SSD | ・256GB SSD ・512GB SSD ・1TB SSD |
HDD | なし |
グラフィックス | Radeon |
LTE | 非対応 |
MILスペックテスト | MIL-STD-810Gクリアー |
幅×奥行き | 365×240mm |
厚さ | 18.9mm |
重量 | 1.7kg~ |
バッテリー | 最大 約14.8時間 |
※2020年7月3日時点。構成は変更される場合があります
本体カラー | ブラック |
---|---|
画面の表面 | 非光沢 |
パネルの種類 | ・TN ・IPS |
タッチ / ペン | - |
光学ドライブ | - |
テンキー | - |
有線LAN | 1000Mbps |
無線LAN | ・Wi-Fi 5 (11a/b/g/n/ac) ・Wi-Fi 6 (11a/b/g/n/ac/ax) |
Bluetooth | 5.0 |
USB3.1 | 1 (Gen1) |
USB3.0 | - |
USB2.0 | 1 |
USB Type-C | 1 (USB3.1 Gen1) |
Thunderbolt 3 | - |
メモリーカード | - |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | - |
DisplayPort | - |
Webカメラ | HD 720p (92万画素) |
顔認証カメラ | オプション |
指紋センサー | オプション |
付属品 | ACアダプターなど |
オフィス | ※オプションで追加可能 |
この記事では筆者が購入した実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
この記事の目次
デザインと使いやすさ
重厚感のあるボディ
ThinkPad E15 Gen2 (AMD) の本体カラーはブラック。いわゆる「ThinkPadブラック」と呼ばれるおなじみのカラーが使われています。天板は強度の高いアルミ製。ツヤ消しでサラサラとした心地よい手触りです。安っぽさはまったく感じられず、重厚な雰囲気を感じます。
MILスタンダード準拠の高い堅牢性
ThinkPadシリーズは、使いやすさと壊れにくさで人気のモデルです。ThinkPad E15 Gen2 (AMD)は「MIL-STD-810G」、通称「MILスタンダード」と呼ばれる米国国防総省の調達基準テストをクリアーしており、さらに落下テストやディスプレイの開閉テストなどさまざまな品質テストにも合格しています。優れた堅牢性 (壊れにくさ)が魅力です。
15インチクラスとしてはコンパクト
フットプリント (接地面積)は幅365×奥行き240mmで、B4サイズ (幅364×奥行き257mm)よりもわずかに小さい程度です。一般的な紙のノート(B5サイズ)の見開きと同程度と考えると、サイズ感をイメージしやすいでしょう。15インチタイプとしてはコンパクトです。
高さは公称値で18.9mm、実測では20.3mmでした。15インチタイプとしては平均的なのですが、これは突起部なしの数値。底面部のゴム足を含めると、24.7mmもありました。設置時に底面部が持ち上がるので、それなりの厚みを感じます。
重量は公称値で最小1.7kg、実測では1.799kgでした。最近の15インチタイプとしては、標準よりもやや軽い程度です。
スタンダードな15.6インチ
画面サイズはもっともスタンダードな15.6インチです。画面が大きいので作業しやすく、安定感があります。解像度は1920×1080ドットのフルHDと、1366×768ドットのHDの2種類。安いのはHDタイプですが、フルHDのほうが映像が見やすく情報量が多いので作業がはかどるでしょう。
今回試用したのはフルHD対応です。デスクトップの文字の大きさは2~2.7mm程度 (スケーリング125%)で、やや小さめ。それでも文字が読みづらく感じることはありませんでした。読みづらい場合は、デスクトップの拡大率を変更してください。
IPSパネルなら自然な色合い
フルHDディスプレイ搭載の試用機では、写真や動画は自然な色合いで映し出されました。フルHDディスプレイでは発色に優れるIPSパネルが使われており、映像が色鮮やかです。解像度の低いHDディスプレイはTNパネルで、映像がやや青みがかる点に注意してください。動画を視聴する機会が多いなら、IPSパネルをおすすめします。
ただし若干赤みが弱く、さらに画面がわずかに暗く感じました。動画視聴や文書作業には問題ないのですが、スマホやタブレットに比べて鮮やかさに欠けるように感じるかもしれません。
色域測定結果
sRGBカバー率 | 62.1% |
---|---|
sRGB比 | 62.3% |
Adobe RGBカバー率 | 46.2% |
Adobe RGB比 | 46.2% |
ややクセのあるキーボード
キーボードはテンキー付きで、標準では日本語配列です。購入時のオプションで英字配列に変更したり、バックライトを追加したりできます。キーピッチ (キーとキーの間隔)は実測19mmで、キーボードとしては理想的なサイズ。ただしEnterキー周辺で一部のキーが小さくなっています。
キー配列では、テンキーなしのThinkPad E14 Gen2 (AMD)のほうが違和感がありません。テンキーが必要ならThinkPad E15 Gen2 (AMD)、不要ならThinkPad E14 Gen2 (AMD)を選ぶといいでしょう。
なお標準ではF1~F12キーにメディアキー (ホットキー)が割り当てられています。かな変換などでファンクションキーとして利用する場合は、Fnキー + ESCキーの同時押しでFnロックを有効にしてください。
便利なトラックポイント
ThinkPadシリーズと言えば、キーボード中央の赤いトラックポイントが特徴です。マウスパッドと異なるのは、キーボードを利用している最中でも手を大きく動かすことなくカーソルを操作できる点。慣れると手放せなくなる人もいるほど便利な機能です。
ストローク感のあるキーボード
キーストローク (キーを押し込む深さ)は実測で平均1.72mmでした。ノートPCの標準である1.5mmよりも深く、またキーを押した瞬間に固めのクリック感があるので、手応えがしっかり感じられます。ごく軽いタッチで入力する人には、キーが少し重く感じるかもしれません。
タイプ音は軽めのタッチならわずかにタクタクと聞こえる程度。基本的には気になりませんが、Enterキーが「チャキッ」と響きやすいので意識しながら使うといいでしょう。打ち下ろすようにして入力するとタンタンと響くので注意してください。
インターフェースは少ない
USB端子は合計3ポートで、うちひとつがType-Cです。あとは映像出力用のHDMIと有線LAN、ヘッドホン端子が用意されています。15インチタイプとしては、インタ-フェース類はかなり少なめ。複数の周辺機器を利用する場合は、USBハブやType-Cドックなどを用意したほうがいいでしょう。
生体認証はオプション
生体認証機能は顔認証用のIRカメラと、指紋センサーに対応しています。どちらも有料オプションなので、必要に応じて追加してください。モデルによっては、あらかじめ対応している場合もあります。
Type-Cは映像出力と充電に対応
USB PD 18W充電 | × |
---|---|
USB PD 30W充電 | △ ※低速充電 |
USB PD 45W充電 | ◯ |
USB PD 65W充電 | ◯ |
映像出力 | ◯ |
Type-C端子は映像出力とUSB PDによる充電が可能です。ただしワット数の低い充電器では充電できない、もしくは充電に時間がかかる場合がありました。標準の充電器が65Wなので、65W以上の充電器やモバイルバッテリーを利用するといいでしょう。
スピーカーは動画視聴・ビデオ会議向き
スピーカーは底面部の左右に配置されています。底面部との反響によって音の厚みが強調されているものの、スピーカーが接地面を向いているため音がこもったように感じました。サラウンド感もいまひとつです。音楽をじっくり楽しむほどの品質ではありませんが、動画視聴やビデオ会議には問題なく使えます。
ベンチマーク結果
試用機のスペック
モデル名 | プレミアム |
---|---|
CPU | Ryzen 7 4700U |
メモリー | 16GB |
ストレージ | 256GB SSD ※512GBからダウングレード |
グラフィックス | Radeon Graphics (CPU内蔵) |
※グラフィックス機能内蔵のAMD製プロセッサーは本来「APU」と呼ばれますが、ここではわかりやすさ優先で「CPU」と表記します。ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります
Ryzen 7はゲーミングノートPC並みの性能
CPUの性能差 (総合性能)
CPU | PassMark CPU Markスコア |
---|---|
Core i7-10875H |
18892
|
Core i7-10750H |
15694
|
ThinkPad E15 (Ryzen 7 4700U) |
15166
|
Core i7-9750H |
14822
|
Core i7-10710U |
13685
|
Core i7-1065G7 |
12016
|
Core i5-1035G4 |
10844
|
Core i7-10510U |
10257
|
Core i5-1035G1 |
9667
|
Core i5-10210U |
9584
|
Ryzen 3 4300U |
9154
|
Ryzen 5 3500U |
8398
|
Core i3-10110U |
5553
|
Ryzen 3 3300U |
6681
|
Ryzen 3 3200U |
4609
|
Core m3-8100Y |
4172
|
Celeon N4120 |
2771
|
Celeron 4205U |
2021
|
Celeron N4020 |
1665
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
ThinkPad E15 Gen2 (AMD)では、第3世代のRyzenモバイル4000シリーズが使われています。今回試用したのは8コア8スレッドで動作するRyzen 7 4700U搭載モデル。CPU性能を計測するベンチマークテストを試したところ、ゲーミングノートPCやクリエイター向けノートPCで使われているハイエンドCPUと変わらない結果が出ました。
ちなみにインテルのCore i7-10750HやCore i7-9750HはTDP (電力消費量の目安)が45Wですが、Ryzen 7 4700Uは15Wです。1/3程度の電力で同程度のパフォーマンスと考えれば、Ryzen 7 4700Uはとても優秀であると言えます。
しかもインテル製CPUに比べて値段が安い点も魅力。負荷の高い作業でも活用できるでしょう。
CPUの性能差 (マルチコア性能)
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Core i7-10875H |
3293
|
Core i7-10750H |
2861
|
Core i7-9750H |
2684
|
ThinkPad E15 (Ryzen 7 4700U) |
2576
|
Core i7-10710U |
2214
|
Core i7-1065G7 |
1625
|
Ryzen 3 4300U |
1560
|
Core i7-10510U |
1486
|
Core i5-1035G4 |
1480
|
Core i5-1035G1 |
1456
|
Core i5-10210U |
1435
|
Ryzen 5 3500U |
1397
|
Ryzen 3 3300U |
1020
|
Core i3-10110U |
918
|
Ryzen 3 3200U |
643
|
Core m3-8100Y |
523
|
Celeron N4120 |
435
|
Celeron N4020 |
328
|
Celeron 4205U |
293
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
なお他機種での計測結果ですが、Ryzen 3 4300Uでも値段のわりには優秀です。普段使いやビジネスにはRyzen 3、クリエイター向けソフトや負荷の高い作業に利用するならRyzen 7モデルをおすすめします。
グラフィックス性能も非常に優秀
GPUの性能差
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
8513
|
GTX 1050 |
5912
|
ThinkPad E15 (Radeon Ryzen 7) |
3612
|
MX250 |
3400
|
Iris Plus(Core i7) |
2880
|
Radeon (Ryzen 3) |
2324
|
Iris Plus(Core i5) |
2236
|
Radeon Vega 8 (Ryzen 5) |
2251
|
Radeon Vega 3 (Ryzen 3) |
1837
|
UHD (Comet Lake Core i7) |
1335
|
UHD (Comet Lake Core i5) |
1273
|
UHD (Comet Lake Core i3) |
859
|
UHD 600 (Celeron) |
486
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
グラフィックス機能としては、CPU内蔵のRadeon Graphicsを利用します。Ryzen 7 4700U搭載の試用機でベンチマークテストを行なったところ、CPU内蔵タイプとしては最高クラスの結果が出ました。ゲーム用のGeForce GTXシリーズには及ばないものの、クリエイター向けノートPCでも使われるGeForce MX250を上回っています。試用機では16GBメモリーを搭載しているためその影響が出ているのかもしれませんが、それでもこの結果にはビックリです。
なおほかの機種での結果ですが、Ryzen 3 4300Uでも優秀な結果が出ています。第3世代Ryzenモバイルなら、ゲームやクリエイター向けソフトでの効果が期待できるでしょう。
幅広いシーンで活用できる高い汎用性
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) |
目安:4100
9587
|
Productivity (ビジネス利用) |
目安:4500
7429
|
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) |
目安:3450
5095
|
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
PCを使った作業の快適さを計測するPCMark 10のテストでは、すべてのテストで快適に使える目安のスコアを大きく上回りました。基本的にはさまざまな用途で快適に利用できます。ちなみにRyzen 3搭載機種でもすべての目安をクリアーできましたが、スコアはRyzen 7ほど高くはありません。
デュアルSSD構成に対応
標準構成では、ストレージはSSDのみ。内部的に2.5インチストレージ用のスロットがあるかどうかは不明です。M.2スロットは2スロット用意されており、それぞれにSSDを利用できます。
テスト機ではSSDにPCIe 3.0 x4の超高速タイプが使われていました。書き込み性能はそれほ高くはないものの、十分高速と言えるでしょう。ウィンドウズの反応もよく、全体的にキビキビと動きます。
ウィンドウズの起動は12秒程度
ウィンドウズの起動時間は平均12.28秒でした。最近のSSD搭載機種は15秒程度が平均 (筆者調べ)ですので、なかなか高速です。実際に何度か起動や再起動を繰り返しても、待たされている感はほとんどありません。
起動時間の計測結果(手動計測)
1回目 | 14.8秒 |
---|---|
2回目 | 12.3秒 |
3回目 | 11.2秒 |
4回目 | 11.8秒 |
5回目 | 11.3秒 |
平均 | 12.28秒 |
高パフォーマンスで9時間駆動
バッテリー駆動時間の公称値は最大14.8時間です。最大パフォーマンスの状態でビジネス作業 (Web閲覧や文書作成、ビデオチャットなど)での駆動時間を計測したところ、9時間15分でバッテリー残量が5%に達し休止状態へ移行しました。
実駆動時間は公称値よりもだいぶ短いのですが、それでも9時間ももてば十分優秀です。そもそも持ち歩き向けの機種ではありませんが、優れたバッテリー性能だと言えます。
バッテリー駆動時間の計測結果 ※Ryzen 7モデル
テスト方法 | バッテリー消費 | 駆動時間 |
---|---|---|
※公称値 | 小 | 最大14.8時間 |
Modern Office (ビジネス作業) | 大 | 9時間15分 |
50%充電までにかかった時間 | - | 28分 |
フル充電までにかかった時間 | - | 1時間38分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
ゲーム性能について
ゲーム系ベンチマークを試したところ、動作がごくごく軽いドラクエ10では快適に楽しめるとの評価でした。リーグ・オブ・レジェンド (LoL)やPSO2など同程度のゲームであれば、画質を調整することで楽しめるでしょう。FF14など少し重めのゲームではフルHDでは厳しいものの、解像度と画質を落とせばなんとかプレーできるかもしれません。
人気のFPSやTPSについては、軽めのタイトルであれば最低画質で常時60FPSオーバーをクリアーできそうです。画質がプレーに影響しないゲームなら、問題なく楽しめるでしょう。
※テストはフルHDで実施。テスト機は16GBメモリー搭載
FF15ベンチ (重い / DX11)
画質 | スコア / 評価 |
高品質 | 766 / 動作困難 |
標準品質 | 1775 / 動作困難 |
軽量品質 | 2278 / 重い |
※スコアが6000以上で「快適」
FF14ベンチ:漆黒のヴィランズ (中量級 / DX11)
画質 | スコア / 評価 / 平均FPS |
最高品質 | 2890 / 19.1 FPS |
高品質 | 3966 / 26.9 FPS |
標準品質 | 5231 / 35.8 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽量級 / DX9)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 9526 / とても快適 |
標準品質 | 11978 / すごく快適 |
低品質 | 13083 / すごく快適 |
PSO2ベンチ (軽い / DX9)
簡易描画設定 | スコア |
6 (最高) | 2,837 |
3 | 14,087 |
1 (最低) | 54,818 |
※スコア5,000以上が快適に遊べる目安
リーグ・オブ・レジェンド (超軽量級 / DX9)
モード | 平均FPS / 最低FPS |
サモナーズリフト (最高画質) | 130 FPS / 110 FPS |
TFT (最高画質) | 137.2 FPS / 16 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
PUBG LITE (軽い / DX11)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
ウルトラ | 29.7 FPS / 26 FPS |
高 | 39 FPS / 32 FPS |
中 | 46.9 FPS / 40 FPS |
低 | 59.4 FPS / 49 FPS |
非常に低い | 84.9 FPS / 70 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
オーバーウォッチ (軽い / DX10)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
エピック | 26.9 FPS / 23 FPS |
ウルトラ | 40.8 FPS / 35 FPS |
高 | 57.7 FPS / 51 FPS |
NORMAL | 60.9 FPS / 55 FPS |
低 | 77.6 FPS / 68 FPS |
※レンダースケール100%、平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
クリエイティブ性能について
Photoshopベンチ
Photoshopベンチマーク「PugetBench for Photoshop」では、優れた結果が出ています。GTX / RTXシリーズを搭載したゲーミング / クリエイター向けノートPCには及ばないものの、それ以外の機種のなかではトップクラスの性能と言っていいでしょう。
ベンチマークスコアを見る限りでは、GTX / RTXシリーズ搭載機種に迫るほどのパフォーマンスです。Photoshopを十分活用できるはずですが、より快適に使うなら24GBメモリーへのアップグレードをおすすめします。
Lightroomベンチ
RAW現像ソフト「Lightroom Classic」のベンチマーク「PugetBench for Lightroom Classic」でもPhotoshopと同様に、優れたスコアが出ています。GPUが影響するActive Tasks Score (操作の快適さ)も、CPU性能とストレージ性能が影響するPassive Tasks Score (ファイル出力の速さ)も問題ないレベルです。
GTX / RTXシリーズ搭載機種のほうがパフォーマンスは優れていますが、ThinkPadE15 Gen2 (AMD)は2/3~1/2程度の値段であることを考えれば検討する価値はあります。
Premiere Proベンチ
動画編集ソフト「Premiere Pro」を使った4K動画編集のベンチマークテストでは、極端に低い結果が出ました。性能的にはCore i5搭載のYoga C740を上回っているはずですが、スコアでは同等レベルです。
ちなみに同じ第3世代RyzenモバイルのRyzen 3 4300Uでもかなり低いスコアが出ました。もしかすると第3世代RyzenモバイルとPremiere Proの相性がよくないのかもしれません。
Blenderベンチ
3Dソフト「Blender」の快適さを計測するベンチマークテストでもほかのスタンダードノートPCよりは優れていますが、3D制作に向いているほどではありません。ちなみにこの結果はCPUの処理によるもので、内蔵グラフィックスを利用したOpenCLの処理ではさらに倍近く時間がかかっています。
グラフィックス機能内蔵タイプとしては高性能とは言え、3D制作にはGTX / RTXシリーズを搭載した機種のほうが有利です。
価格について
現在ThinkPad E15 Gen2 (AMD)には、パーツ構成の異なる複数のモデルが用意されています。それぞれのパーツ構成と価格は以下のとおり。タイミングによっては新たなモデルが追加されたり、パーツ構成が変わったりすることもあります。
なお公式サイトではRyzen 7モデルのメモリー容量が8GBと書かれていますが。実際には16GBです。Ryzen 3モデルは4GBですがプラス3200円程度で8GBにアップグレードできるので、ぜひ8GBにアップグレードしてください。
ラインナップ
スタンダード | |
---|---|
※販売停止中 | |
パフォーマンス | |
7万2644円 | |
プレミアム | |
10万0100円 | |
価格.com限定 スタンダード | |
※販売停止中 | |
価格.com限定 パフォーマンス | |
6万3800円 | |
価格.com限定 プレミアム | |
8万6680円 |
※2020年8月17日時点
価格.com限定モデルについては、以下のリンクからご確認ください。
リンク
👉ThinkPad E15 Gen 2 (AMD)価格.com限定モデル (レノボ公式サイト)
低価格なハイパワーノートPC
よかった点
値段が安いにも関わらず、PCとしての性能が非常に高い点が魅力です。今回試用したRyzen 7モデルの値段は10万円台ですが、パフォーマンス的には15~20万円クラスと言っていいでしょう。専用GPU非対応なので総合性能はゲーミングノートPCやクリエイター向けノートPCほどではないものの、CPU性能は同等レベル。高いグラフィックス性能が必要ないなら、十分なパワーです。
Ryzen 5については未検証なので正確なところはわかりませんが、それなりに高いパフォーマンスを期待していいでしょう。Ryzen 3については他機種で検証したところ、普段使いやビジネスには十分な性能であることがわかっています。
ThinkPad E15 Gen 2 (AMD)は手頃な値段なのに、優れたパフォーマンスのノートPCです。ぶっちゃけ、もうこれでいいんじゃないでしょうか。
気になる点
インターフェース類が少ない点が気になります。特にSDカード非対応である点は残念です。
またせっかく高性能CPUを搭載しているものの、単体ではクリエイティブ用途でいまひとつ使いづらい気がします。オプションでGTX 1050 / 1650などが用意されていれば、動画編集などに使えたかもしれません。