ポイント
- 超高性能なRyzen 7搭載
- 15インチなのに軽量コンパクト
- ウィンドウズの起動が超速い
ASUS VivoBook S15 M533IAのスペック
OS | Windows 10 Home |
---|---|
画面サイズ | 15.6インチ |
解像度 | 1920×1080 |
CPU | Ryzen 7 4700U |
メモリー | ・8GB ・16GB |
ストレージ | ・512GB SSD ・1TB SSD |
グラフィックス | Radeon |
LTE | 非対応 |
幅×奥行き | 359.8×233.8mm |
厚さ | 16.1mm |
重量 | 約1.8kg |
バッテリー | 約10.7時間 |
※2020年9月17日時点。構成は変更される場合があります
本体カラー | ・ドリーミーホワイト ・ガイアグリーン ・インディーブラック ・リゾルトレッド |
---|---|
画面の表面 | 非光沢 |
パネルの種類 | IPS |
タッチ / ペン | - |
光学ドライブ | - |
テンキー | あり (3列) |
有線LAN | - |
無線LAN | Wi-Fi 6 (11a/b/g/n/ac/ax) |
Bluetooth | 5.0 |
USB3.1 | - |
USB3.0 | 1 |
USB2.0 | 2 |
USB Type-C | 1 (USB3.1 Gen1) |
Thunderbolt 3 | ー |
メモリーカード | microSD |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | ー |
DisplayPort | ー |
Webカメラ | 92万画素 |
顔認証カメラ | ー |
指紋センサー | 対応 |
付属品 | ACアダプターなど |
オフィス | ・Office Home and Business 2019 ・WPS Office |
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
※2020年9月17日時点
デザインと使いやすさ
選べる4色の本体カラー
VivoBook S15 M533Iの本体カラーはドリーミーホワイトとガイアグリーン、インディーブラック、リゾルトレッドの4色。ちょっと変わった個性的な色が用意されています。今回試用したドリーミーホワイトは、光の当たり方によってうっすらとピンクや青に変わる点が特徴的です。
15.6インチなのにコンパクト
設置面積は幅359.8×奥行き233.8mm。B4サイズ (幅364×奥行き257mm)よりもひと回り以上小さく、15.6インチタイプとしてはとてもコンパクトです。ちょうど手元に同じ15.6インチのdynabook AZシリーズがあったので大きさを比べたところ、ひと回り以上コンパクトでした。特に奥行きが短く作られています。
高さは公称値で16.1mm、実測では16.4mmでした。とてもスリムなのですが底面部のゴム足を含めると21mmで、設置時にはやや厚みを感じます。
重量は公称値で約1.8kgですが、実測では1.651kg。15.6インチタイプとしてはわりと軽めです。楽々と持ち歩けるほどではありませんが、持ち運べないほど重いというわけでもありません。必要に応じてのモバイル利用ならアリです。
見やすい15.6インチの非光沢フルHD
画面サイズは15.6インチで、解像度は1920×1080ドット。ノートPCとしてはもっともスタンダードな組み合わせです。デスクトップの文字は2~2.6mm (スケーリング125%)。新聞よりも小さいのですが、特に読みづらくは感じませんでした。表面は非光沢で映り込みが抑えられており、眼に優しいディスプレイです。
自然な色合いだがやや暗い
ディスプレイは視野角が広く、映像は自然な発色です。パネルの型番 (LM156LF-5L04)を調べたところ、IPSパネルとのことでした。色に違和感はないものの、画面がごくわずかに暗く感じます。その影響で、鮮やかさもやや物足りなく感じました。とは言え、作業にはまったく問題なく使えます。
色域測定結果
sRGBカバー率 | 64.8% |
---|---|
sRGB比 | 65.0% |
Adobe RGBカバー率 | 48.2% |
Adobe RGB比 | 48.2% |
キーボードはテンキーにクセがあり
キーボードはテンキー付きの日本語配列で、バックライトに対応しています。キーピッチ (キーとキーの間隔)は19mmと十分な広さ。Enterキー上部のキーがやや小さいものの、基本的には標準的な配列です。
ただしテンキーが一般的な4列構成ではなく、3列構成である点に注意してください。数値を入力するだけなら違和感はありませんが、四則演算を使う場合キーの場所が通常とは異なります。
独特のタイプ感
キーストローク (キーを押し込む深さ)は実測で平均1.4mmでした。ノートPCの標準値である1.5mmとあまり変わりません。ただタイプ感はカツカツとした独特の手応え。押した瞬間が「カッ」という感じで、押し込み終えたときに「ツッ」と底に当たる感覚です。ストロークは深くないもののハッキリとした手応えを感じられました。
手応えがしっかりしているぶん、タイプ音は少し目立ちます。軽い力でキーを入力してもカツカツと聞こえるので、静かな場所では気になるかもしれません。強めに打つとパチパチと響くので、軽いタッチ推奨です。
インターフェースは充実
インターフェースはUSB端子が合計4ポートで、うち1ポートがType-C。さらに映像出力としてのHDMI端子とmicroSDメモリーカードスロットが用意されています。据え置き用の15.6インチとしては有線LANが欲しいところですが、本体の薄さを重視して省略したのでしょう。充実しているとは言えませんが、普通に使える構成です。
Type-Cはデータ通信のみ
USB PD 18W充電 | × |
---|---|
USB PD 30W充電 | × |
USB PD 45W充電 | × |
USB PD 65W充電 | × |
映像出力 | × |
USB Type-Cはデータ通信のみ対応で、USB PDによる充電と映像出力には非対応です。この点は残念。
ノートPCとしては高音質
スピーカーは、底面部の左右に配置されています。音の出る部分が接地面でふさがれているのですが、こもった感はあまり感じられず比較的クリアーでした。低音域は解像感が高く、標準的なノートPCよりも厚みを感じます。ノートPCとしてはクオリティーの高いサウンドでした。人の声もハッキリと聞こえるので、ビデオチャットでも活用できます。
ベンチマーク結果
試用機のスペック
型番 | M533IA-BQ0DWTS |
---|---|
CPU | Ryzen 7 4700U |
メモリー | 16GB |
ストレージ | 1TB SSD |
グラフィックス | Radeon Graphics (CPU内蔵) |
※グラフィックス機能内蔵のAMD製プロセッサーは本来「APU」と呼ばれますが、この記事ではわかりやすさを優先して「CPU」と表記します。またベンチマーク結果はパーツ構成やタイミング、環境、個体差などの要因で大きく変わることがあります
一般用途向けとしては最高クラスのCPU性能
CPUとしては、AMDのRyzen 7 4700U (8コア/8スレッド)が使われています。CPU性能を計測するベンチマークテストの結果は非常に優秀で、スタンダードノートPC / モバイルノートPC向けとしては最高クラスのスコアでした。これ以上となると、厚くて重いゲーミングノートPC向けCPUしかありません。普通のノートPCとしては十分すぎるほどのCPUパフォーマンスです。
CPUの性能比較 (総合性能)
CPU | PassMark CPU Markスコア |
---|---|
Ryzen 7 4800H |
20177
|
Core i9-10885H |
20005
|
Core i7-10750H |
15694
|
Ryzen 7 4700U |
15181
|
VivoBook S15 (Ryzen 7 4700U) |
15161
|
Core i7-10710U |
13685
|
Ryzen 5 4500U |
12892
|
Core i5-10300H |
12078
|
Core i7-1065G7 |
12016
|
Core i5-1035G4 |
10844
|
Core i7-10510U |
10257
|
Core i5-1035G1 |
9667
|
Core i5-10210U |
9584
|
Ryzen 3 4300U |
9154
|
Core i3-10110U |
5553
|
Athlon Silver 3050U |
3851
|
Celeron N4120 |
2771
|
Celeron N4020 |
1658
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
動画処理や高度なデータ処理などで求められるマルチコア性能のテストでも、Ryzen 7 4700Uでは驚くべきスコアが出ています。VivoBook S15 M533Iは特にクリエイター向けノートPCというわけではありませんが、動画編集などのクリエイティブな作業でも活躍するでしょう。
CPUの性能比較 (マルチコア性能)
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Ryzen 7 4800H |
4323
|
Core i9-10885H |
3504
|
Core i7-10750H |
2861
|
Ryzen 7 4700U |
2804
|
VivoBook S15 (Ryzen 7 4700U) |
2783
|
Ryzen 5 4500U |
2274
|
Core i5-10300H |
2241
|
Core i7-10710U |
2214
|
Core i7-1065G7 |
1625
|
Ryzen 3 4300U |
1581
|
Core i7-10510U |
1486
|
Core i5-1035G4 |
1480
|
Core i5-1035G1 |
1456
|
Core i5-10210U |
1435
|
Core i3-10110U |
918
|
Athlon Silver 3050U |
624
|
Celeron N4120 |
435
|
Celeron N4020 |
328
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
ノートPCよりも高性能なデスクトップPC向けCPUと比較すると、現行のCore i5よりもやや下といったところです。とは言え性能的には非常に優秀で、並みのデスクトップ以上のパフォーマンスを発揮できます。
デスクトップPC向けCPUとの性能比較
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Core i7-10700 |
4177
|
Core i7-9700K |
3397
|
Core i7-9700 |
3190
|
Core i5-10400 |
3170
|
VivoBook S15 (Ryzen 7 4700U) |
2783
|
Core i5-9400 |
2357
|
Ryzen 5 3400G |
1884
|
Core i3-9100 |
1592
|
Ryzen 3 3200G |
1462
|
Celeron G4930 |
535
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
内蔵グラフィックス機能としては高性能
グラフィックス機能としては、CPU内蔵のRadeon Graphicsを使用します。3D性能を計測するベンチマークテスト実施したところ、内蔵グラフィックスとしては優秀な結果が出ました。外付けGPUのGTX / RTXシリーズには及ばないものの、これだけのスコアであればゲームやクリエイター向けソフトでそこそこの効果を期待できます。
GPUの性能比較
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 ※参考 |
8513
|
Radeon (Ryzen 7) |
3449
|
MX250 |
3400
|
VivoBook S15 (Ryzen 7) |
3143
|
Iris Plus(Core i7) |
2880
|
Radeon (Ryzen 5) |
2652
|
Radeon (Ryzen 3) |
2324
|
Iris Plus(Core i5) |
2236
|
UHD (Core i7) |
1335
|
UHD (Core i5) |
1273
|
UHD (Core i3) |
859
|
UHD 600 (Celeron) |
486
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
普段使いやビジネスにはOK
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) |
目安:4100
8606
|
Productivity (ビジネス利用) |
目安:4500
7277
|
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) |
目安:3450
4766
|
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
PCMark 10は、PCを使った各種作業の快適さを計測するベンチマークテストです。VivoBook S15 M533IAではすべてのテストにおいて、快適に使える目安の目標値を上回りました。インテルのCore i7搭載モデルだとコンテンツ制作のテストをクリアーできない場合があることを考えると、この結果は非常に優秀です。あらゆる用途で活用できる、高い汎用性を備えています。
高速な大容量SSDを搭載
ストレージは512GBまたは1TBのSSDです。試用機ではIntel SSD 660pの1TBモデルが使われていましたが、容量やロットによって異なるSSDが使われている場合があります。PCIe 3.0 x4接続の超高速タイプではあるものの、シーケンシャルリードは1860MB/秒と実効速度は超高速というほどではありません。とは言えHDDやSATA接続のSSDよりははるかに高速で、ウィンドウズをストレスなく利用できます。
起動時間は10秒未満
ウィンドウズの起動時間は平均8.16秒でした。最近のSSD搭載ノートPCの平均は15秒程度 (筆者調べ)ですので、起動はとても高速。待たされている感はなく、瞬時に立ち上がります。
起動時間の計測結果(手動計測)
1回目 | 8.16秒 |
---|---|
2回目 | 7.8秒 |
3回目 | 9.2秒 |
4回目 | 7.8秒 |
5回目 | 7.8秒 |
平均 | 8.16秒 |
バッテリー駆動は13.5時間
バッテリー駆動時間は、公称値で10.7時間とされています。ただしこれはバッテリー消費を抑えた状態の結果で、実際の利用では駆動時間はもっと短くなることがほとんどです。
そこで電源プランを最大パフォーマンスに変更し、実利用に即したビジネス作業 (Web閲覧や文書作成、ビデオチャットなど)での駆動時間を計測したところ、13時間30分と公称値よりも長い結果となりました。本来VivoBook S15 M533IAは持ち歩き向けではありませんが、並みのモバイルノートPCよりも優秀です。
バッテリー駆動時間の計測結果
テスト方法 | バッテリー消費 | 駆動時間 |
---|---|---|
※公称値 | 小 | 10.7時間 |
Modern Office (ビジネス作業) | 大 | 13時間30分 |
50%充電までにかかった時間 | - | 57分 |
フル充電までにかかった時間 | - | 2時間32分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
熱と騒音について
高負荷時における本体の熱を計測したところ、排気口付近とWASDキー付近で45度に達していました。多少の熱は感じますが、ヤケドするほどではありません。
駆動音 (ファンの回転音や排気口からの風切音)は控えめです。音は聞こえるものの、やや低音域の音なので耳障りには感じませんでした。
駆動音の計測結果
電源オフ | 37.4dBA | - |
---|---|---|
軽作業時 | 38.2dBA | 回転音がうっすらと聞こえるが気にならない |
FF15ベンチ時 | 40.8dBA | 「サーッ」という排気音がハッキリと聞こえるが、うるさくは感じない |
ゲーム性能について
グラフィックス性能は内蔵タイプとしては高いものの、ゲーム性能自体はそれほど高いわけではありません。ドラクエ10やリーグ・オブ・レジェンド (LoL)など超軽量級タイトルであれば、フルHDでも最高画質で快適にプレー可能です。PSO2や競技系TPS / FPSなどの軽量級タイトルであれば、画質や解像度を低くすることで平均60 FPSでプレーできるでしょう。FF14などのやや重い中量級以上のタイトルは厳しく、考えないほうが無難です。
※テストはフルHDで実施
FF14ベンチ:漆黒のヴィランズ (やや重い / DX11)
画質 | スコア / 評価 / 平均FPS |
最高品質 | 2453 / 16.2 FPS |
高品質 | 3266 / 22.3 FPS |
標準品質 | 4265 / 29.4 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽い / DX9)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 7875 / すごく快適 |
標準品質 | 10330 / すごく快適 |
低品質 | 11325 / すごく快適 |
価格について
VivoBook S15 M533IAには、パーツ構成やオフィスの有無が異なる3種類のモデルが用意されています。それぞれのスペックと価格は以下の表のとおりです。
■価格
メモリー | SSD | オフィス | 税込価格 |
---|---|---|---|
8GB | 512GB | WPS Office (互換ソフト) | 10万0569円 |
16GB | 1TB | WPS Office(互換ソフト) | 14万0501円 |
16GB | 1TB | Microsoft Office Home & Business 2019 | 16万6501円 |
※CPUはすべてRyzen 7 4700
スリムでパワフルなスタンダードノートPC
よかった点
15.6インチタイプとしては軽量コンパクトかつスリムなのに、パフォーマンスが非常に高い点が魅力です。本体の仕上がりも上々で、高級感も抜群。長時間のバッテリー駆動やウィンドウズの起動が超高速である点など、総合的な完成度の高い機種です。
気になる点
本体の仕上がりは素晴らしいものの、価格は10万円からとそれほど安くはありません。またUSB Type-Cがデータ通信のみである点も残念に感じました。
※2020年9月17日時点
*
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