デルのVostro 3200シリーズ スモールデスクトップ (3267) (以下、”Vostro 3267″)は、コンパクトな本体が特徴のデスクトップPCです。2017年1月の発売からすでに2年近くたっておりCPUも旧世代のものが使われていますが、そのぶん価格が安い点がポイント。最安モデルならなんと3万円台で購入できます。
今回は、Vostro 3267のスペックや外観などについて解説します。
法人モデルは個人でも購入可能
Vostro 3267は法人向けのデスクトップPCで、企業や官公庁、自治体、各種団体向けに販売されています。しかし個人事業主や自営業の方でも購入可能です。公式サイトから注文すれば、所属確認などは必要ありません。
Vostro 3200シリーズ スモールデスクトップ (3267)
税込3万円台から
Vostro 3267のスペック
OS | Windows 10 Home / Pro |
---|---|
CPU | Celeron G3900 / Pentium G4400 / Core i3-6100 / Core i5-6400 |
チップセット | Intel H110 Chipset |
メモリー | 4GB(最大8GB) |
ストレージ | 1TB HDD |
グラフィックス | Intel HD Graphics 510/530 |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
通信機能 | 1000BASE-T対応有線LAN、IEEE802.11b/g/n対応無線LAN、Bluetooth 4.0 |
インターフェース | USB3.0(フルサイズ)×2(前面)、USB2.0×4(背面)、VGA(D-sub15ピン)、HDMI、有線LAN、SDメモリーカード、ヘッドホン出力/マイク入力、オーディオ端子類 |
拡張スロット | PCI Express x16 ×1、PCI Express x1 ×1、M.2スロット |
ドライブベイ | 3.5インチ×1 |
サイズ/重量 | 幅92.6×奥行き314.5×高さ293.1mm/約4.4kg |
セキュリティー | マカフィー スモール ビジネス セキュリティ12ヵ月版 |
サポート | メーカー保証1年間 ※有料サービス対応 |
※2018年11月21日時点。構成は変更される場合があります
Vostro 3267のラインナップ
Vostro 3267には全部で29種類ものモデルが用意されています。と言っても、基本となるのは以下の4種類だけ。あとは納期やオフィスの有無、Windows 10のエディションなどが異なるバリエーションモデルです。
ラインナップ
エントリーモデル | |
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税込3万円台から | |
エントリープラスモデル | |
税込4万円台から | |
ベーシックモデル | |
税込4万円台から | |
プレミアムモデル | |
税込5万円台から |
※2018年11月21日時点、クーポン適用時。構成や価格は変更される場合があります
CPU性能について
Vostro 3267では、開発コード「Skylake」こと第6世代のCPUが使われています。2018年11月時点で主流の「Coffee Lake」こと第8世代のCPUと比べると、パフォーマンスはかなり控えめです。
CPUの性能比較
CPU | PassMark PerformanceTestのCPU Markスコア |
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Core i7-8700 |
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Core i5-8400 |
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Core i3-8100 |
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Core i5-6400 ※ |
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Core i3-6100 ※ |
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Pentium G4400 ※ |
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Celeron G3900 ※ |
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Core i5-6400であればそれなりに高性能ですが、ほぼ同じ値段の最新モデル「Vostro 3470」Core i3-8100搭載モデルのほうがパフォーマンス面でも機能面でも優れています。
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ではVostro 3267は買うべきではないのかというと、そんなことはありません。狙い目はCeleron G3900搭載のエントリーモデルと、Pentium G4400搭載のエントリー・プラスモデルです。
Celeron G3900もPentium G4400も性能は低いのですが、ネットの調べ物やオフィスを使った文書作成、動画視聴などには十分なパフォーマンスです。ちなみにノートPC向けCPUと比較するとCore i3程度の性能ですので、遅すぎるというほどでもありません。「性能は低くてもいいから、とりあえずパソコンが欲しい」という人に向いています。
ストレージについて
ストレージは全モデル共通で1TB HDDが使われています。SSD搭載モデルは用意されていませんので、SSDを利用したい場合はストレージの換装/増設作業が必要です。
なおドライブベイは3.5インチタイプがひとつのみで、ストレージ用のM.2スロットは用意されていません(Wi-Fi用がひとつあるのみ)。そのため3.5インチのドライブベイにマウンタを付けた2.5インチSSDを取り付けるか、PCIeスロットを利用することになります。
HDDは容量が大きいものの、アクセス速度が遅い点が欠点です。SSDに比べてウィンドウズの起動時間が長くなる点に注意してください。
メモリーについて
メモリー容量は全モデル共通で4GBです。いまどきのPCとしては多くはありませんが、ソフトやファイルを同時にいくつも開いたりしなければなんとかなります。処理の待ち時間も多少長くなるので、より快適に使いたいならメモリー容量を8GBに増設することをおすすめします。
メモリースロットは2ポート用意されており、対応規格はDDR4の2133MHz(PC4-17000)です。メモリー容量は最大で8GBとのことで、16GBを認識するかは不明です。
拡張スロットについて
増設カード用の拡張スロットについては、LowProfileのPCI Express x16とPCI Express x1に対応しています。電源については公開されていませんが、次モデルのVostro 3268が180Wなのでそのあたりでしょう。よっぽどのことがない限り、電源不足にはならないと思います。
本体デザインについて
Vostro 3267はデスクトップPCのなかでも「スリム型」と呼ばれるコンパクトなタイプです。幅はわずか9.3cm程度で、スマホよりも少し大きい程度。狭い場所でも設置できる省スペース性の高さで人気のモデルです。
デスクトップの主な分類
ミドルタワー型 | ミニタワー型 | スリム型 | コンパクト型 |
機能:◎ 拡張性:◎ 省スペース性:× 冷却性能:◎ |
機能:◎ 拡張性:○ 省スペース性:△ 冷却性能:○ |
機能:○ 拡張性:△ 省スペース性:○ 冷却性能:△ |
機能:△ 拡張性:× 省スペース性:◎ 冷却性能:△ |
Vostro 3267は2世代前のモデルで、現在では新モデルのNew Vostro 3000シリーズ スモールデスクトップ (3470)(以下、”Vostro 3470″)が販売されています。CPUは異なるものの、外観についてはあまり変わっていません。そのためVostro 3267の外観については、Vostro 3470の写真を参考にしてください。
Vostro 3267とVostro 3470の外観と機能の違い
Vostro 3267 | Vostro 3470 | |
---|---|---|
幅 | 92.6mm | 92.6mm |
奥行き | 314.5mm | 293mm |
高さ | 293.1mm | 290mm |
重さ | 4.4kg | 4.35kg |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチ | DVDスーパーマルチ |
USB | USB3.0×2 USB2.0×4 |
USB3.1×2 USB2.0×4 |
映像出力 | VGA(D-sub15ピン) HDMI |
VGA(D-sub15ピン) HDMI |
メモリーカードスロット | SDカード | SDカード |
※2018年11月20日時点、クーポン適用時。構成や価格は変更される場合があります
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インターフェース(端子類)構成は以下のとおりです。Vostro 3470では前面側がUSB3.1ですが、Vostro 3267のUSB3.0と転送速度は同じ(5Gbps)。端子構成はほぼ同じだと言えます。
前面のインターフェース
- ① DVDスーパーマルチドライブ
- ② 電源ボタン
- ③ SDメモリーカードスロット
- ④ ヘッドホン出力
- ⑤ USB3.1 Gen1(フルサイズ)
背面I/Oパネルのインターフェース
- ① オーディオ端子類
- ② VGA(D-sub15ピン)
- ③ HDMI
- ④ USB2.0×4
- ⑤ 1000BASE-T対応有線LAN
使い方しだいの激安デスクトップPC
ということで、今回はVostro 3267のスペックや性能、外観にについて解説しました。
普段の作業用にバリバリと使うには少々厳しい性能ですが、2台目以降のサブPCとして使ったり子供の学習用として使うにはアリではないでしょうか。処理に多少の時間がかかってもいいなら、とりあえずパソコンを1台持っておきたいという人にもおすすめです。上級者なら改造したり、ウィンドウズ以外のOSを使うのもおもしろいでしょう(動作するかわかりませんが)。3万円台の激安価格だからこそ手軽に使える、コスパの高いモデルです。