デルのVostro 15 5000 (5581)は、15.6インチのディスプレイを搭載したスタンダードなノートPCです。一般的な15.6インチタイプに比べて、本体サイズが小さいのが特徴。スペックも十分ながら、価格の安さが魅力です。
Vostro 15 5000 (5581)の注目ポイント
本体がコンパクト
大きさはB4サイズよりもひと回り小さい程度。一般的な15.6インチタイプよりもコンパクトで、接地面積が小さくてすみます。
Vostro 15 5000 (5581)の評価
総合評価: 3.7/5.0
(評者:こまめブログ)
デザイン | 15.6型としては非常にコンパクト。天板はアルミ製で質感は良好 |
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性能 | Core iシリーズ搭載で性能面は十分。上位モデルはdGPU対応 |
使いやすさ | 端子類は十分な構成。光学ドライブ / テンキー非対応は少し残念 |
軽さ | 重さは実測で約1.8kg。15.6型としては軽く、持ち運び用途もアリ |
画面 | 非光沢で眼に優しく色合いも良好だが、画面がやや暗く感じる |
こんな人にオススメ
- 👍 DVDやテンキーは使わない
- 👍 CPUはCore iシリーズを使いたい
- 👍 15.6インチでも小さいほうがいい
今回はメーカーからお借りしたVostro 15 5000 (5581)の実機を使って、本体デザインや使い心地、ベンチマーク結果などをレビューします。
この記事の目次
Vostro 15 5000 (5581)
税込6万円台から
Vostro 15 5000 (5581)のスペック
OS | ・Windows 10 Home ・Windows 10 Pro |
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CPU | ・Core i3-8145U ・Core i5-8265U ・Core i7-8565U |
メモリー | ・4GB ・8GB ※最大32GB、DDR4-2666 SODIMM (2400MHzで動作) |
ストレージ | ・128GB SSD (PCIe) ・256GB SSD (PCIe) ・1TB HDD |
グラフィックス | ・Intel UHD Graphics 620 ・GeForce MX 130 (2GB) |
ディスプレイ | 15.6インチ、 1920×1080ドット、 タッチ非対応、非光沢、IPS、 220nit、コントラスト比400:1、60Hz |
光学ドライブ | なし |
通信機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac、 Bluetooth 5.0、 100BASE-TX対応有線LAN |
インターフェース | USB3.1 Gen1 (フルサイズ) ×2、 USB3.1 Gen1 (Type-C)×1 ※DP対応、 USB2.0 ×1、 HDMI、 有線LAN、 SDカードスロット、 ヘッドセット端子 |
セキュリティー | TPM2.0、 指紋センサー (オプション)、 セキュリティースロット、 マカフィー スモール ビジネス セキュリティ 12ヵ月版 |
カメラ | 92万画素 |
サイズ | 幅359.1×奥行き249×高さ18.04mm |
重量 | 約1.9kg~ |
バッテリー駆動時間 | ※非公開 |
オフィス | ※オプション |
サポート | メーカー保証1年間 |
※2019年3月27日時点。構成は変更される場合があります
Vostro 15 5000 (5581)の価格
Vostro 15 5000 (5581)には、パーツ構成の異なる5種類のモデルが用意されています。主なラインナップは以下のとおり。タイミングによっては納期の早い「即納モデル」が販売されていることもあります。
主なラインナップと価格の目安
ベーシックモデル(SSD搭載) | |
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税込6万円台~ | |
プレミアムモデル | |
税込7万円台~ | |
プレミアムモデル(大容量メモリ搭載) | |
税込8万円台~ | |
プレミアムモデル(大容量メモリ・SSD搭載) | |
税込8万円台~ | |
プラチナモデル(大容量メモリ・SSD・グラフィックス搭載) | |
税込10万円台~ |
※2019年3月27日時点。20%オフクーポン適用時
オフィスソフトが必要な場合は、購入時に追加します。商品ページで「構成を確認・購入」ボタンを押してカスタマイズ画面を表示し、必要なエディション (種類)を選んでください。なおオフィスの追加には、別途追加料金が必要です。
オフィスの追加料金
エディション | 通常時の税込価格 | クーポン適用時の税込価格 |
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Office Home & Business 2016 | 3万2400円 | 2万5920円 |
Office Personal 2016 | 2万1600円 | 1万7280円 |
Office Professional 2016 | 6万0480円 | 4万8384円 |
Office Home & Business 2019 | 3万5640円 | 2万8512円 |
Office Personal 2019 | 2万4840円 | 1万9872円 |
Office Professional 2019 | 6万4800円 | 5万1840円 |
※20%オフクーポン適用時
Vostro 15 5000 (5581)の本体の大きさやデザイン
Vostro 15 5000 (5581)は、15.6インチタイプとしては本体がコンパクトである点が特徴です。大きさはB4サイズよりもひと回り小さい程度。ほかの15.6インチタイプよりも幅が2cm近く短いため、そのぶん接地面積が小さくてすみます。
本体カラーとしてはアーバングレーとアイスグレーの2色が用意されています。アーバングレーはメタリック調のダークグレーで落ち着いた雰囲気。アイスグレーはやや青みがかったライトシルバーのような色合いです。
ノートPCの平均重量
画面サイズ | 平均重量 |
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11.6インチ | 1.06kg |
12.5インチ | 1.095kg |
13.3インチ | 1.209kg |
14インチ | 1.582kg |
15.6インチ (スタンダード) | 2.131kg |
15.6インチ (ゲーミング) | 2.413kg |
17.3インチ | 2.814kg |
※2018年1月~12月に当サイトが検証したノートPC(2-in-1を含む) の実測値より
Vostro 15 5000 (5581)の画面の色と見やすさ
液晶ディスプレイの大きさは15.6インチで、ノートPCとしてはもっとも標準的なサイズです。解像度は1920×1080ドットのフルHD。標準ではスケーリング (デスクトップの拡大率)が125%に設定されていました。文字は比較的大きく、読みづらさを感じません。
IPSパネルを使った映像は色合いが自然です。少し緑が強い気もしますが、特に気にならないでしょう。ただ、画面の輝度がやや暗め。作業には問題ないレベルではあるものの、色の鮮やかさの面ではちょっとだけ残念な仕上がりです。
Vostro 15 5000 (5581)の色域測定結果
sRGBカバー率 | 63.6% |
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sRGB比 | 64.9% |
Adobe RGBカバー率 | 48.1% |
Adobe RGB比 | 48.1% |
液晶ディスプレイの表面は、光沢なしのノングレア仕上げです。眼精疲労の原因となる映り込みが抑えられており、長時間の作業にも向いています。
Vostro 15 5000 (5581)のキーボードの使いやすさ
15.6インチのノートPCには普通テンキーが付いているのですが、Vostro 15 5000 (5581)にはテンキーがありません。エクセルの数値入力などでテンキーを使いたい場合は、別途テンキーのみのキーボードを利用するといいでしょう。またキーボードバックライトは、追加オプションとして用意されています。
キーピッチ (キーとキーの間隔)は横19mm縦18mmで若干横長ですが、入力時に違和感はありませんでした。ただEnterキー周辺で一部のキーが隣接しています。特にBackSpaceキーが小さく、使い始めのうちはタイプミスがあるかもしれません。
キーストロークは実測で1mm強でした。標準的なキーストローク (1.5mm)よりも、入力時の手応えが浅く感じます。押した瞬間にカクっとした硬めのクリック感はあるのですが、そのあとの押し込む力は弱め。ストロークが浅いため、底打ち感がわずかにあります。軽いタッチでタイプする人向きです。
タイプ音は標準的です。軽めのタッチなら「タクタクタク」という感じで、音がわずかに聞こえる程度。しかし強めに打つと「パチパチ」と響きました。
Vostro 15 5000 (5581)の端子類の種類と使いやすさ
USB端子は全部で4ポート。HDMIや有線LANもあり、端子類は十分な構成です。しかし光学ドライブには非対応である点に注意してください。
左側面のインターフェース
- ① 電源コネクター
- ② USB3.1 Gen1 Type-C
- ③ HDMI
- ④ USB3.1 Gen1
- ⑤ ヘッドセット端子
右側面のインターフェース
- ① SDカードスロット
- ② USB2.0
- ③ 1000BASE-T対応有線LAN
- ④ セキュリティースロット ※盗難防止用
Vostro 15 5000 (5581)の分解やメモリー増設、SSD換装
Vostro 15 5000 (5581)は、底面部のカバーを外すことで本体内部にアクセスできます。ネジを外してからカバーをこじ開けるだけなので特別難しくはありませんが、作業の際にカバーのツメなどを折らないように注意してください。
SSDはM.2タイプで、試用機ではType-2230が使われていました。Type-2280用のネジ穴もあるので、長いSSDでも利用できるでしょう。ちなみにM.2スロットはPCIe Gen3 x4対応で、Optaneメモリーも利用できます。
内部には2.5インチストレージ用のスペースもあります。標準構成ではSSDかHDDのどちらかしか搭載されていませんが、自分で買った2.5インチSSD / HDDを追加すればデュアルストレージ構成での利用が可能です。なおストレージを追加する際は、端子をマザーボードに接続するためにバッテリーを取り外す必要があります。
メモリースロットは2基用意されています。標準構成では8GBですが、最大32GBまで増設可能です。
Vostro 15 5000 (5581)のベンチマーク結果
今回のテストでは、プラチナモデルを使いました。主なスペックは以下のとおり。ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります。あらかじめご了承ください。
試用機のスペック
OS | Windows 10 Home |
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CPU | Core i7-8565U |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 256GB SSD (PCIe) |
グラフィックス | GeForce MX 130 (2GB) |
ストレージ性能
試用機で使われていた256GB SSDのアクセス速度は以下のとおり。HDDのに比べて、アクセス速度がはるかに高速です。ファイルのやり取りが早く終るほか、ウィンドウズやアプリの起動 / 処理が高速化されるので使用感はかなり快適でした。
ただし試用機で使われていた東芝のBG3シリーズは公式スペックによると転送モードがPCIe 3.0 x2です。M.2スロット自体はさらに高速なPCIe 3.0 x4に対応しているのですが、ワンランク下のSSDが使われています。これは本体のコストを下げるためでしょうか。
とは言うものの、快適さについては問題ない仕上がりです。ウィンドウズの起動時間は平均17.32秒でSATA接続SSD並みではあるものの、十分高速。HDDのみの場合だと40秒以上かかることもあるので、ウィンドウズの快適さを重視するならSSD搭載モデルをおすすめします。
起動時間の計測結果(手動による計測)
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 平均 |
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15.2秒 | 15.2秒 | 15.8秒 | 24.4秒 | 16.0秒 | 17.32秒 |
CPU性能
試用機で使われていたCore i7-8565Uは第8世代 (Whisky Lake)の4コア/8スレッドCPUで、スタンダードノートPC向けとしては非常に高性能です。ちょっとした動画編集や写真加工、データ処理などにも利用できるでしょう。
Vostro 15 5000 (5581)のほかのモデルで使われているCore i3-8145UやCore i5-8265Uについても高い性能を期待できます。簡単な事務処理や文書作成が中心ならCore i3、画像や動画を扱うならCore i5がおすすめです。
CPUベンチマーク結果
CPU | PassMark PerformanceTestのCPU Markスコア |
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Vostro 15 5581 (Core i7-8565U) |
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Core i7-8550U |
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Core i5-8265U |
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Core i7-7500U |
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Core i3-8130U |
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Core i5-7200U |
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Core i3-7100U |
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※そのほかのベンチマーク結果は当サイト計測の平均値
ゲーム・グラフィックス性能
Vostro 15 5000 (5581)のCore i7モデル (プラチナモデル)では、専用グラフィックス機能としてGeForce MX 130 (2GB)が使われています。そのほかのモデルではCPU内蔵のIntel UHD Graphics 620です。
ただしGeForce MX 130の性能は低く、ゲームを快適にプレーできるほどありません。ドラクエ10やLeague of Legendsなどの軽めのゲームであれば問題なくプレーできますが、FF14などの高いグラフィックス性能を必要とする中量級以上のタイトル厳しいでしょう。
GPUの性能比較
GPU | 3DMark Fire Strikeのスコア |
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GeForce MX150 |
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Vostro 15 5581 (GeForce MX130) |
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Radeon 530 |
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Radeon 520 |
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UHD 620 (Core i7) |
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UHD 620 (Core i5) |
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※そのほかのGPUのベンチマーク結果は当サイト計測の平均値
クリエイティブ系ソフトにおいては多少効果があるかもしれませんが、劇的に改善されるほどではありません。体感できるか、できないか程度だと思います。GeForce MX 130はグラフィックス処理を高速化するものではなく、2GBのビデオメモリーを利用することでメインメモリーの消費を抑えるためのものだと考えてください。たとえば外付けディスプレイを接続して2画面で利用する際などに効果を発揮します。
バッテリー性能
Vostro 15 5000 (5581)では、バッテリー駆動時間が公開されていません。そこで実際のバッテリー駆動時間を計測したところ、バッテリー消費の少ないテストでは7時間39分、バッテリー消費がかなり大きいテストでは5時間25分という結果でした。
バッテリー駆動時間のテスト結果
公称値 | ※非公開 |
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BBenchによる計測 | 7時間39分 |
PCMark 8による計測 | 5時間25分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
15.6インチタイプとしては、なかなか優秀なスタミナです。そもそもこのタイプは持ち運び向けではありませんが、Vostro 15 5000 (5581)なら軽くてコンパクトなので、あえて持ち運び用として使うのもアリでしょう。
コスパも含めて優秀な仕上がり
ということで、今回はVostro 15 5000 (5581)のレビューをお届けしました。
デルのVostroシリーズは価格の安さを重視したモデルが多く、個人的にはデザインも使い勝手もそれなりというイメージでした。しかし今回Vostro 15 5000 (5581)を検証して感じたのは、意外にもしっかりと作られていて完成度が高いという点です。本体はコンパクトで、ルックスも悪くありません。キーボードの打ち心地は好みが分かれるかもしれませんが、機能面は十分です。これで最安モデルなら6万円台、Core i5 + 8GBメモリー + 256GB SSDの構成でも8万円台後半というのは、なかなかお買い得ではないでしょうか。
光学ドライブとテンキーには対応していませんが、どちらも必要ないという人にはおすすめのモデルです。