ポイント
- 11インチクラスの小ささ
- 高品質&頑丈なアルミボディ
- 重い処理も快適!
XPS 13 9300のスペック
画面サイズ | 13.4インチ |
---|---|
解像度 | ・1920×1200 ・3840×2400 |
CPU | ・Core i5-1035G1 ・Core i7-1065G7 |
メモリー | ・8GB ・16GB |
ストレージ | ・512GB SSD ・1TB SSD |
グラフィックス | ・UHD (Core i5) ・Iris Plus (Core i7) |
LTE | 非対応 |
幅×奥行き | 296×199mm |
厚さ | 14.8mm |
重量 | ・1.2kg (タッチ非対応) ・1.27kg (タッチ対応) |
バッテリー | 4セル 52Whr |
※2020年4月13日時点。構成は変更される場合があります
本体カラー | ・プラチナシルバー ・フロストホワイト |
---|---|
画面の表面 | ・非光沢(タッチ非対応) ・光沢 (タッチ対応) |
パネルの種類 | ※非公開 (IPS相当) |
タッチ / ペン | - |
光学ドライブ | - |
テンキー | - |
有線LAN | - |
無線LAN | Wi-Fi 6 (11a/b/g/n/ac/ax) |
Bluetooth | 5.0 |
USB3.1 | - |
USB3.0 | - |
USB2.0 | - |
USB Type-C | 2 (Thunderbolt 3兼用) |
Thunderbolt 3 | 2 |
メモリーカード | microSD |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | - |
DisplayPort | ー |
Webカメラ | 92万画素 |
顔認証カメラ | 対応 |
指紋センサー | 対応 |
付属品 | ACアダプターなど |
オフィス | ・なし ・搭載モデルあり |
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
この記事の目次
XPS 13 9300
税込17万円台~
デザインと使いやすさ
高級感抜群のボディ
XPS 13 9300の外観はとてもスタイリッシュです。本体カラーのバリエーションはフロストホワイトまたはプラチナシルバーの2色。ボディは頑丈なアルミ製で、強度も抜群。高級感あふれる外観に仕上がっています。
13インチなのに11インチ並みの大きさ
接地面積は幅296×奥行き199mm。大きさ的にはA4サイズ (幅297×奥行き210mm)よりもひとまわりコンパクトです。13.4インチのディスプレイを搭載しているにも関わらず、本体の大きさは標準的な11.6インチクラス。モバイルノートPCとしてはとてもコンパクトです。
やや縦に長い16:10の画面
画面サイズは13.4インチで、普通のモバイルノートPCに多い13.3インチよりもわずかに大きめです。解像度は1920×1200ドット (FHD+)、もしくは3840×2400ドット (UHD+)の2種類。アスペクト比 (画面の縦横比率)が16:10で、一般的な16:9よりも縦に長く作られています。
試用機ではデスクトップの文字の大きさは2~2.7mm程度でした (スケーリング設定は150%)。若干文字が小さいものの、読みづらさは感じません。
明るくて鮮やかな映像
ディスプレイは非常に明るく、とても色鮮やかです。公称値ではFHD+モデルが500nitで、UHD+モデルが450nitとのこと。一般的な明るさは250~300nit程度なので、非常に明るいパネルが使われています。
明るいとは言ってもまぶしすぎるほどではなく、作業には問題ありませんでした。色合いも自然です。色域はFHD+モデルがsRGB準拠で、UHD+モデルがDCI-P3 90%。クリエイティブな作業にも向いています。
色域測定結果
sRGBカバー率 | 99.7% |
---|---|
sRGB比 | 104.9% |
Adobe RGBカバー率 | 76.5% |
Adobe RGB比 | 77.8% |
解像度によって映り込み方が異なる
FHD+モデルはディスプレイの表面が光沢なしのノングレアで、映り込みが抑えられています。UHD+モデルは反射防止仕上げが施されているものの、基本的には光沢仕上げなので映り込みが生じるでしょう。映り込みが気になる場合は、液晶保護フィルムの利用をおすすめします。
普通に使えるキー配列
キーボードはテンキーなしの日本語配列で、キーピッチ (キーとキーの間隔)は横19mmで縦18mm。若干横長ですが、特に違和感なく使えました。配列にも目立って特殊な部分はありません。普通に使える配列です。
ちなみに標準的な納期のモデルなら、無料でキーボードを英字配列に変更できます。納期の早い”即納モデル”や期間限定モデルは日本語キーボードのみです。
なお標準ではF1~F2キーがメディアキーに割り当てられています。ファンクションキーとして利用する場合は、BIOS設定でキー割り当てを変更してください。
バックライト対応
キーボードはバックライトに対応しています。F5キーを押すことでバックライトの明るさを変更可能です。
軽いタッチで入力する人向き
キーストローク (キーを押し込む深さ)は実測で平均1.12mm。ノートPCでは1.5mmが標準なのですが、XPS 13 9300はかなり浅く作られています。キーを押すというよりも、小さめのクリックパッドを叩いているようなタイプ感でした。押した瞬間にカクッとしたクリック感はあるものの、総合的な手応えは弱め。軽い力で入力する人向きのキーボードです。
タイプ音は静かで気になりません。弱めに打ってもタクタクと軽い音は聞こえますが、うるさくは感じませんでした。特にEnterキーはチャキッと響くことなく、とても静かです。ただし打ち下ろすようにして入力するとそれなりに響くので注意してください。
インターフェースは少ない
周辺機器接続用のインターフェース (端子類)は少なく、USB Type-C (Thunderbolt 3)×2とmicroSDカードスロット、ヘッドホン端子のみです。フルサイズのUSB端子やHDMIは用意されていません。軽さと薄さのために割り切った仕様なので、Type-C端子をあれこれ活用する必要があります。
Type-Cは充電と映像出力に対応
USB PD 18W充電 | × |
---|---|
USB PD 30W充電 | △ ※低速充電 |
USB PD 45W充電 | ○ |
USB PD 65W充電 | ○ |
映像出力 | ○ |
USB Type-C端子 (Thunderbolt 3)は、USB PDによる充電と映像出力に対応しています。ワット数が低いと十分なパフォーマンスが出なかったり充電に時間がかかったりするので、45W以上の充電器やモバイルバッテリーを利用してください。
指紋センサー&顔認証に対応
キーボード右上の電源ボタンには、指紋センサーが内蔵されています。あらかじめ指紋を登録しておけば、センサーに触れるだけでサインインできるので便利です。またディスプレイ上部には顔認証用の赤外線カメラも配置されています。
スピーカーの音は高品質
スピーカーは底面部の両サイドに配置されています。意外と解像感が高く、音はクリアーでした。中音域がややこもった感ありましたが、それほど気になりません。また低音域の迫力は十分とは言いがたいものの、薄型ノートPCとしてはかなり健闘しています。モバイルノートPCとしては高音質と言っていいでしょう。
ベンチマーク結果
テスト機のスペック
モデル名 | プラチナ(シルバー) |
---|---|
CPU | Core i7-1065G7 |
メモリー | 16GB |
ストレージ | 512GB SSD |
グラフィックス | Iris Plus (CPU内蔵) |
※ベンチマーク結果はパーツ構成やユーザーの環境、タイミング、個体差などさまざまな要因で大きく変わることがあります
CPU性能は高い
CPU | PassMark CPU Markスコア |
---|---|
Core i7-10710U |
13685
|
XPS 13 9300 (Core i7-1065G7) |
12394
|
Core i7-1065G7 |
11946
|
Core i5-1035G4 |
10844
|
Core i7-10510U |
10257
|
Core i7-8565U |
9814
|
Core i5-10210U |
9730
|
Core i5-1035G1 |
9667
|
Core i5-8265U |
8593
|
Ryzen 5 3500U |
8373
|
Core i3-10110U |
5553
|
Core i3-8145U |
5549
|
Ryzen 3 3200U |
4609
|
Celeron N4100 |
2569
|
Celeron 4205U |
2021
|
Celeron N4000 |
1550
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
CPUとしては、第10世代 (Ice Lake)のCore i5-1035G1またはCore i7-1065G7が使われています。Core i7搭載の試用機でCPU性能を計測するベンチマークテストを行なったところ、非常に優れた結果が出ました。モバイルノートPCとしては、上位クラスのパフォーマンスです。重い処理でも、快適にこなせるでしょう。
下位モデルで使われているCore i5も、ノートPC向けとしては高性能です。Core i7ほどではないものの、高いパフォーマンスを期待できます。普段使いやちょっとした画像加工にはCore i5、高度なソフトを利用するならCore i7がおすすめです。
Core i7ならグラフィックス性能は高い
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
8513
|
GTX 1050 |
5912
|
MX250 |
3400
|
XPS 13 9300 (Iris Plus) |
3051
|
Iris Plus |
2880
|
Radeon Vega 8 (Ryzen 5) |
2193
|
UHD (Ice Lake Core i5) |
1503
|
UHD (Comet Lake) |
1335
|
UHD 620 |
1265
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
グラフィックス機能はCPU内蔵タイプです。Core i5モデルはUHD Graphicsでグラフィックス性能は低め。しかしCore i7に搭載されているIris PlusはCPU内蔵タイプとしては高性能です。さすがに外付けGPUには及びませんが、ゲームやクリエイター向けソフトで多少の効果を期待できます。
Core i7なら概ね快適
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) |
4100 9118
|
Productivity (ビジネス利用) |
4500 7211
|
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) |
3450 4000
|
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
PCを使った作業の快適さを計測するPCMark 10のテストでは、すべてのテストにおいて目標値を上回りました。ただしこの結果は、Core i7の計算性能とグラフィックス性能によるもの。Core i5モデルでは多少スコアは劣りますが、一般利用とビジネス利用には問題ありません。
高速タイプのSSDを搭載
ストレージ構成は512GBまたは1TBのSSDです。試用機で使われていた512GB SSDはPCIe接続の高速タイプでしたが、ライト (書き込み)性能がややイマイチでした。個体差によってSSD性能は変わる可能性があります。
ウィンドウズの起動時間は12秒程度
ウィンドウズの起動時間を計測したところ、平均12.66秒でした。最近のSSD搭載機種は15秒前後が平均ですので (筆者調べ)、なかなか優秀です。
起動時間の計測結果(手動計測)
1回目 | 12.2秒 |
---|---|
2回目 | 12.7秒 |
3回目 | 12.3秒 |
4回目 | 12.9秒 |
5回目 | 13.2秒 |
平均 | 12.66秒 |
実駆動時間は12時間前後
バッテリー駆動時間は、公開されていません。そこで最大パフォーマンス時のビジネス作業 (Web閲覧や文書作成、ビデオチャットなど)での駆動時間を計測したところ、11時間50分でバッテリー残量が3%に達しスリープ状態へ移行しました。バッテリー消費をやや抑えた状態での動画再生では12時間26分。ガッツリ使って12時間程度であればかなり優秀です。
バッテリー駆動時間の計測結果
テスト方法 | バッテリー消費 | 駆動時間 |
---|---|---|
※公称値 | 小 | ※非公開 |
Modern Office (ビジネス作業) | 大 | 11時間50分 |
Video (動画視聴) | 中 | 12時間26分 |
フル充電までにかかった時間 | - | 2時間48分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
ゲーム性能について
Iris Plus搭載のCore i7モデルでゲーム系ベンチマークテストを試したところ、ごく軽いドラクエ10では快適という評価でした。やや重いFF14では一部テストで「快適」という評価ですが、目標とされる平均60 FPSに届いていません。かなりカクつくことがあるでしょう。Iris Plus搭載と言えども、基本的には軽めのゲームを楽しめる程度です。
※テストはすべてフルHDで実施
FF15ベンチ (重量級 / DX11)
画質 | スコア / 評価 |
高品質 | 894 / 動作困難 |
標準品質 | 1422 / 動作困難 |
軽量品質 | 1742 / 動作困難 |
※スコアが6000以上で「快適」
FF14ベンチ:漆黒のヴィランズ (中量級 / DX11)
画質 | スコア / 評価 / 平均FPS |
最高品質 | 2658 / やや快適 / 17.7 FPS |
高品質 | 3746 / 快適 / 25.6 FPS |
標準品質 | 4919 / 快適 / 33 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽量級 / DX9)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 10195 / すごく快適 |
標準品質 | 12057 / すごく快適 |
低品質 | 13498 / すごく快適 |
クリエイティブ性能について
Photoshopベンチ
Photoshopベンチマーク「PugetBench V0.8 BETA for Photoshop」では、外付けGPU (MX250)を搭載したクリエイター向けノートPC (検証機①)と同等レベルの結果が出ました。GPU性能が影響する高度な処理にはあまり向いていませんが、普通に画像を加工する程度なら十分な性能です。
Lightroomベンチ
Lightroom Classicベンチマーク「PugetBench V0.8 BETA for Lightroom Classic」でも同様に、クリエイター向けノートPC (検証機①)と同等レベルの結果です。特に操作の快適さを表わす「Active Task Score」で、Iris Plusの高いグラフィックス性能による効果が現われています。ファイル出力に関する「Passive Task Score」ではCPU性能が高いほうが有利ですが、それでもあまり大きな差は出ていません。
Blenderベンチ
3D CGソフト「Blender」を使ったベンチマークテストでは、クリエイター向けノートPC (検証機①)よりもわずかに優れた結果となりました。本格的な3D制作には向いていませんが、お遊び程度に体験するなら問題ないと思われます。
価格について
XPS 13 9300は非常に多くのモデルが用意されていますが、ベースとなるのは以下の5種類です。あとは期間限定の特別モデルや納期の早い”即納”モデル、Office Personal付きモデルなどのバリエーションが用意されています。
主なラインナップ
プレミアム | |
---|---|
17万円台 | |
プラチナ | |
19万円台 | |
プラチナ(大容量SSD) | |
20万円台 | |
プラチナ(UHD+タッチ) | |
21万円台 | |
プラチナ(UHD+タッチ・大容量SSD) | |
22万円台 |
※2020年4月13日時点、価格は税込
価格はそのとき実施されているキャンペーンによって大きく変わります。現在の価格は以下のリンクから、セール情報記事でご確認ください。
関連記事
XPS 13 9300のセール情報
コンパクトでパワフルなモバイルPC
よかった点
モバイルノートPCとしては非常に小さいにも関わらず、高性能である点が魅力です。モバイル向けPCのなかには発熱を抑えるためにあえてパフォーマンスを落としている機種も少なくないのですが、XPS 13 9300ではそのような兆候は見られません。特に上位のCore i7モデルなら、重いクリエイティブな作業でも活躍するでしょう。機動性の高いハイパフォーマンスノートPCとしておすすめします。
気になる点
インターフェースがType-C (Thunderbolt 3)×2と少ない点が残念です。そのぶん薄くてコンパクトなのですが、周辺機器をいろいろ使うにはアダプターやドックが必要となるので少し不便かもしれません。あとはもう少し値段が安ければうれしいですよね。