デルは6月15日、15.6インチ2-in-1ノートPCの新モデル「XPS 15 2-in-1」を発表しました。発売日は7月13日で、価格は未定。ただし非公式ながらデル内部の方の情報によると、Core i7搭載の標準モデルで20万円程度とのことです。
Kaby Lake-G搭載
XPS 15 2-in-1の大きな特徴は、CPUにKaby Lake-GのCore iプロセッサーに対応している点です。このCPUはグラフィックス機能としてAMDのRadeon RX Vega Mを内蔵しており、通常の内蔵グラフィックス機能(iGPU)に比べて高いパフォーマンスを期待できます。
公式リリースではCPUにCore i7-8705Gが搭載されるとのことですが、展示機にはCore i5-8305Gが使われていました。国内向けにCore i5-8305G搭載モデルが発売されるかは不明です。
Adobe RGBカバー率100%&400nitのディスプレイ
液晶ディスプレイのサイズは15.6インチで、解像度は1920×1080ドットのフルHDか3480×2160ドットの4Kです。Adobe RGBカバー率 100%の広色域パネルを採用(フルHDで対応しているか不明)し、輝度は400nit(またはcd/m2)と非常に明るくて鮮やかな映像を実現しています。
磁気浮遊式のMagLevキーボード
XPS 15 2-in-1の本体は16mmと非常に薄いのですが、この薄さは「MagLevキーボード」と呼ばれる新技術によるものです。従来のキースイッチを廃し新たに磁気浮遊式のスイッチを利用することで、クラムシェル型のXPS 15に比べて24%の薄型化を実現しています。
実際にキーボードを触ってみましたが、タイプ感は好みが分かれるかもしれません。以下に筆者の感想を箇条書きでまとめましたので、参考にしてください。
XPS 15 2-in-1のタイプ感
- ・プチプチとしたタイプ感
- ・クリック感はあるがストローク感がない不思議な感覚
- ・MacBookよりも入力時の手応えがある
- ・スペースキーのクリック感がほとんどない
- ・Shift、Ctrlキーがやや固め
なおXPSシリーズでは、日本語配列のキーボードと英字配列のキーボードのどちらかを選択可能です。従来モデルでは追加料金なしで変更できるので、おそらくXPS 15 2-in-1でも無料で変更できるものと思われます。
4096段階の筆圧感知に対応
プレミアムアクティブペンを使えば、ペン入力が可能です。筆圧感知は4096段階、傾き検知に対応しているかどうかは不明です。
ペン入力を試してみたところ遅延は感じられませんでしたが、筆圧の精細さまでは確認できませんでした(展示機ではWindows Inkのみしか試せなかったため)。
ハイエンド2-in-1としては極薄&コンパクト
本体サイズは幅354×奥行き235mmで、15.6インチタイプとしては非常にコンパクト。14インチタイプのノートPCと同レベルの大きさです。
高さは公称値では16mmとされていますが、最薄部なのか最厚部なのかはわかりません(XPS 15の最薄部が11mmなので、おそらく最厚部)。ただ実物を見てみると、15.6インチとしては非常にスリムであると感じました。
重量は2.0kgとやや重めです。日常的に持ち歩くにはちょっとツライ重さですが、自宅や会社施設内で移動するには問題ないでしょう。
USBはType-Cのみ
XPS 15 2-in-1にはUSB端子が4ポート用意されていますが、すべてType-C端子です。そのうち2ポートがThunderbolt 3に対応しています。
左側面のインターフェース
- ① USB3.1 Gen2 / Thunderbolt 3 兼用 Type-C端子(充電兼用)
- ② USB3.1 Gen2 / Thunderbolt 3 兼用 Type-C端子
- ③ microSDメモリーカードスロット
- ④ バッテリー残量確認ボタン
右側面のインターフェース
- ① USB3.1 Gen1(Type-C)※DisplayPortとしても利用可能
- ② ヘッドホン出力
- ③ セキュリティスロット ※盗難防止用
XPS 15 2-in-1(9575)のスペック
OS | Windows 10 Home / Pro |
---|---|
CPU | 第8世代Core i5 / i7 |
メモリー | 8 / 16GB |
ストレージ | SSD(SATA/PCIe、最大1TB) |
グラフィックス | Radeon RX Vega M および Intel HD Graphics 630(CPU内蔵) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 15.6インチ、1920×1080 / 3840×2160ドット、光沢 |
タッチ/ペン入力 | 対応 ※ペンは別売り |
通信機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 4.1 |
インターフェース | USB3.1 Gen 2/Thunderbolt 3兼用Type-C端子×2、USB3.1 Gen1(Type-C)×2、microSDメモリーカードスロット、ヘッドホン出力 |
カメラ | 92万画素、顔認証用赤外線カメラ |
サイズ | 幅354×奥行き235×高さ16mm |
重量 | 2kg |
バッテリー駆動時間 | ※未公開 |
※2018年6月18日時点。構成は変更される場合があります
New XPS 15との違い
デルからは同じXPS 15シリーズとして、クラムシェル型のNew XPS 15というモデルが発売されています。XPS 15 2-in-1とは利用スタイルが異なるだけでなく、CPUやグラフィックス機能、インターフェース構成などが異なります。
New XPS 15とXPS 15 2-in-1の比較
New XPS 15(9570) | XPS 15 2-in-1(9575) |
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スタイル | クラムシェル | 2-in-1(コンバーチブル) |
CPU | Core i5-8300H Core i7-8750H |
Core i5-8305G Core i7-8705G |
dGPU | GeForce GTX 1050 Ti | Radeon RX Vega M |
ペン入力 | 非対応 | 対応 |
大きさ | 幅357mm 奥行き235mm 高さ11~17mm |
幅354mm 奥行き235mm 高さ16mm |
重さ | 1.8kg(フルHD) 2kg(4K) |
2kg |
USB | USB3.1 Gen 1(フルサイズ)×2 USB3.1 Gen 2/Thunderbolt 3兼用Type-C端子×1 |
USB3.1 Gen 2/Thunderbolt 3兼用Type-C端子×2 USB3.1 Gen1(Type-C)×2 |
映像出力 | HDMI DisplayPort(USB3.1) |
DisplayPort(USB3.1) |
メモリーカード | SD | microSD |
実際にどちらのほうがパフォーマンスが高いかは、ベンチマークテストなどで検証しないとわかりません。しかし筆者としてはNew XPS 15のほうが総合的なパフォーマンスに優れているのではないかと考えています。
スペック以外の部分では、キーボードのタイプ感が異なります。筆者としては従来方式を採用したNew XPS 15のほうが好みです。
機能とデザインに優れる先進的な15インチ2-in-1
デルのなかの人によると、米国では15インクラスでハイエンドな2-in-1モデルの需要が高まってきているとのこと。日本ではまだ2-in-1モデルは需要が少ないものの、クラムシェル型と同等の性能/値段であれば、2-in-1モデルを選択する人が増えてくるかもしれません。
特にXPS 15 2-in-1はクラムシェルのXPS 15よりも薄くてコンパクトですので、こちらを選ぶ理由は十分にあります。あとはパフォーマンス面の違いですが、XPS 15 2-in-1の性能がXPS 15よりも大きく下回らないのであれば、あえて2-in-1を選ぶのもアリです(※)。
※XPS 15はCPUがCore i5-8300H/i7-8750H、dGPUがGeForce GTX 1050 Tiです。どちらも未検証ですが、筆者としてはXPS 15が性能面でXPS 15 2-in-1を上回ると予想しています。
またどちらが「先進的」か、つまりどっちのほうがカッコよくて心惹かれるかと言えば、薄い上に新技術を搭載したXPS 15 2-in-1のほうですよね。PCとしてのパフォーマンスはXPS 15のほうが優れているとは思いますが、PCを使う楽しさではXPS 15 2-in-1のほうが勝っているはずです。
XPS 15 2-in-1
価格未定
※7/13より発売開始