ポイント
- 超高性能なRyzen 7搭載
- 軽量スリムでコンパクト
- バッテリー駆動時間が長い
ASUS ZenBook 14 UM425IAのスペック
OS | Windows 10 Home |
---|---|
画面サイズ | 14インチ |
解像度 | 1920×1080 |
CPU | Ryzen 7 4700U |
メモリー | ・8GB ・16GB |
ストレージ | 512GB SSD |
グラフィックス | Radeon |
LTE | 非対応 |
幅×奥行き | 319×210mm |
厚さ | 14.3mm |
重量 | 約1.25kg |
バッテリー | 約21.1時間 |
※2020年9月23日時点。構成は変更される場合があります
本体カラー | パイングレー |
---|---|
画面の表面 | 非光沢 |
パネルの種類 | ※非公開 (IPS相当) |
タッチ / ペン | - |
光学ドライブ | - |
テンキー | - |
有線LAN | - |
無線LAN | Wi-Fi 6 (11a/b/g/n/ac/ax) |
Bluetooth | 5.0 |
USB3.1 | - |
USB3.0 | 1 |
USB2.0 | - |
USB Type-C | 2 (USB3.1 Gen2) |
Thunderbolt 3 | ー |
メモリーカード | microSD |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | ー |
DisplayPort | ー |
Webカメラ | 92万画素 |
顔認証カメラ | 対応 |
指紋センサー | ー |
付属品 | ACアダプター、USB有線LANアダプターなど |
オフィス | ・Office Home and Business 2019 ・WPS Office |
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
※2020年9月23日時点
[wpap service=”with” type=”detail” id=”B08H8N5L6P” title=”ASUS 薄型 軽量 ノートパソコンZenBook 14 UM425IA(AMD Ryzen7 4700U/8GB, 512GB/約1.25kg/14インチ/Webカ…”]
デザインと使いやすさ
高級感のあるボディ
本体カラーはパイングレイ。実際の色合いは、やや青みがかったダークグレーという印象です。ボディの素材には、質感と剛性 (ねじれに対する強さ)に優れるアルミ素材を使用。天板にはロゴを中心とした同心円状のヘアライン加工が施されており、見る角度や照明の当たり方によって表情が変わります。エッジには面取り加工が施されているもののシャープな印象で、高級感は抜群です。
軽量コンパクトでモバイル利用にもOK
設置面積は幅319×奥行き210mmで、A4サイズ (幅297×奥行き210mm)よりもやや大きい程度です。14インチタイプとしては非常にコンパクトで、13インチタイプと大きさはあまり変わりません。
高さは公称値で14.3mm、実測では16.2mmでした。ゴム足を含めた設置時の高さは18.3mmです。数値としては比較的スリムなのですが、設置面積が小さいので見た目的には厚みがあるように感じました。
重さは公称値で1.25kg、実測では1.259kg。1.5kg前後が標準である14インチとしてはとても軽量です。実際に手で持ってみたところ、特に重くは感じませんでした。このくらいの重さであれば、難なく持ち歩けるでしょう。
14インチの非光沢フルHD
画面サイズは14インチで、解像度は1920×1080ドットです。デスクトップの文字は2~2.7mm (スケーリング150%)。新聞よりも小さいのですが、特に読みづらくは感じませんでした。表面は非光沢で映り込みが抑えられており、眼に優しいディスプレイです。
自然な色合いだがやや暗い
ディスプレイは視野角が広く、映像は自然な発色です。パネルの型番 (LM140LF-3L03)を調べたところ、IPSパネルとのことでした。色に違和感はないものの、画面がごくわずかに暗く感じます。たとえば作業の直前までスマホの画面を見ていると、PCの画面が明らかに暗いことがわかるのです。その影響で、鮮やかさもやや物足りなく感じました。とは言え、作業にはまったく問題なく使えます。
色域測定結果
sRGBカバー率 | 96.1% |
---|---|
sRGB比 | 100.9% |
Adobe RGBカバー率 | 74.3% |
Adobe RGB比 | 74.8% |
キーボードは配列がやや特殊
キーボードはテンキーなしの日本語配列で、バックライトに対応しています。キーピッチ (キーとキーの間隔)は19mmで標準的な広さ。英数字キーの配列に違和感はないものの、キーボード右端に特殊キーが縦に並んでいる点が気になりました。意外に押し間違いはないのですが、できればこの縦の列はないほうがもっと扱いやすかっただろうと思います。
タイプ感はしっかりした手応え
キーストローク (キーを押し込む深さ)は実測で平均1.36mmでした。ノートPCの標準値である1.5mmよりも浅く作られています。ただし実際に入力した感じでは、1.5mmのストロークに近い手応えを感じました。これは押した瞬間のクリック感がと押し込む力が固いためだと思われます。
クリック感が固いこともあって、タイプ音は軽いタッチでもタクタクと聞こえました。とは言えタイプ音は低音気味なので、耳障りに聞こえるほどではありません。ただし打ち下ろすようにして入力すると底面部の反響によりドンドンと響きます。軽いタッチに適したキーボードです。
インターフェースは控えめ
インターフェースはUSB端子が合計3ポートで、うち2ポートがType-C。フルサイズのUSB端子は1ポートのみです。そのほかは映像出力用のHDMIとmicroSDカードスロット程度。14インチの据え置きとして考えれば少ないのですが、モバイル用と考えれば必要十分でしょう。
Type-Cは充電と映像出力対応
USB PD 18W充電 | △ ※低速充電 |
---|---|
USB PD 30W充電 | △ ※低速充電 |
USB PD 45W充電 | △ ※低速充電 |
USB PD 65W充電 | ○ |
映像出力 | ○ |
USB Type-Cはデータ通信のほかに、USB PDによる充電と映像出力に対応しています。2ポートあるうちのどちらも充電と映像出力が可能ですが、45Wの充電器では左側のType-Cで低速充電の警告が表示されました。基本的には65W以上の出力で利用したほうがいいでしょう。
ノートPCとしては高音質
スピーカーのサウンドは、薄型ノートPCちしては高音質です。基本的に底面部の両サイドから音が出るのですが、底面部の吸気口からもわずかに音が出ており、そのぶん底面スピーカーにありがちなこもった感が薄れていました。音の解像感も高く、低音おきの厚みもノートPCとしては健闘しています。人の声もハッキリと聞こえるので、ビデオ会議にも問題ありません。
ベンチマーク結果
試用機のスペック
型番 | UM425IA-AM016TS |
---|---|
CPU | Ryzen 7 4700U |
メモリー | 16GB |
ストレージ | 512GB SSD |
グラフィックス | Radeon Graphics (CPU内蔵) |
※グラフィックス機能内蔵のAMD製プロセッサーは本来「APU」と呼ばれますが、この記事ではわかりやすさを優先して「CPU」と表記します。またベンチマーク結果はパーツ構成やタイミング、環境、個体差などの要因で大きく変わることがあります
CPUは非常に高性能
CPUとしては、AMDのRyzen 7 4700U (8コア/8スレッド)が使われています。CPU性能を計測するベンチマークテストの結果は非常に優秀で、スタンダードノートPC / モバイルノートPC向けとしては最高クラスのスコアでした。ゲーミングノートPC向けでTDP 45WのHシリーズよりは下回るものの、一般用途向けとしては十分すぎるパフォーマンスです。
CPUの性能比較 (総合性能)
CPU | PassMark CPU Markスコア |
---|---|
Ryzen 7 4800H |
20177
|
Core i7-10750H |
15694
|
ZenBook 14 (Ryzen 7 4700U) |
15678
|
Ryzen 7 4700U |
15264
|
Core i7-10710U |
13685
|
Ryzen 5 4500U |
12892
|
Core i5-10300H |
12078
|
Core i7-1065G7 |
12016
|
Core i5-1035G4 |
10844
|
Core i7-10510U |
10257
|
Core i5-1035G1 |
9667
|
Core i5-10210U |
9584
|
Ryzen 3 4300U |
9154
|
Ryzen 5 3500U |
8398
|
Ryzen 3 3300U |
6681
|
Core i3-10110U |
5553
|
Ryzen 3 3200U |
4609
|
Athlon Silver 3050U |
3851
|
Celeron N4120 |
2771
|
Celeron N4020 |
1658
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
デスクトップPC向けCPUと比較すると、前世代のCore i5-9400と現行世代のCore i5-10400の中間あたりの結果が出ました。いまどきのCore i5は非常に高性能でゲームや動画編集にも使えますから、同等レベルのRyzen 7 4700Uも秘奥に高性能であると言えます。
デスクトップPC向けCPUとの性能比較
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Core i7-10700 |
4177
|
Core i7-9700K |
3397
|
Core i7-9700 |
3190
|
Core i5-10400 |
3170
|
Core i7-8700 |
3026
|
Ryzen 7 4700U |
2798
|
ZenBook 14 (Ryzen 7 4700U) |
2768
|
Core i5-9400 |
2357
|
Ryzen 5 3400G |
1884
|
Core i3-9100 |
1592
|
Ryzen 3 3200G |
1462
|
Celeron G4930 |
535
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
内蔵グラフィックス機能としては高性能
グラフィックス機能としては、CPU内蔵のRadeon Graphicsを使用します。3D性能を計測するベンチマークテスト実施したところ、内蔵グラフィックスとしては非常に優秀な結果が出ました。外付けGPUのGTX / RTXシリーズには及ばないものの、外付けGPUのMX250をわずかに上回っています。これだけのスコアであればゲームやクリエイター向けソフトでそこそこの効果を期待できるでしょう。
GPUの性能比較
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 ※参考 |
8513
|
Radeon (Ryzen 7) |
3449
|
ZenBook 14 (Ryzen 7) |
3428
|
MX250 |
3400
|
Iris Plus(Core i7) |
2880
|
Radeon (Ryzen 5) |
2652
|
Radeon (Ryzen 3) |
2324
|
Iris Plus(Core i5) |
2236
|
UHD (Core i7) |
1335
|
UHD (Core i5) |
1273
|
UHD (Core i3) |
859
|
UHD 600 (Celeron) |
486
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
さまざまな用途で使える高い汎用性
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) |
目安:4100
8286
|
Productivity (ビジネス利用) |
目安:4500
7479
|
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) |
目安:3450
4956
|
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
PCMark 10は、PCを使った各種作業の快適さを計測するベンチマークテストです。ASUS ZenBook 14 UM425IAではすべてのテストにおいて、快適に使える目安の目標値を上回りました。インテルのCore i7搭載モデルだとコンテンツ制作のテストをクリアーできない場合があることを考えると、この結果は非常に優秀です。あらゆる用途で活用できる、高い汎用性を備えています。
高速な大容量SSDを搭載
ストレージは512GB SSDです。試用機ではキングストンの「OM8PCP3512F-AB」が使われていました。PCIe 3.0 x4接続の超高速タイプですが、アクセス速度はPCIe 3.0 x2相当です。サーマルスロットリングでアクセス速度が低下しているのか、それともサーマルスロットリングを防ぐために高速すぎないSSDを使っているのかもしれません。とは言えHDDに比べれば十分高速で、ウィンドウズもサクサクと快適に動作しました。
起動時間は超高速
ウィンドウズの起動時間は平均8.78秒でした。最近のSSD搭載ノートPCの平均は15秒程度 (筆者調べ)ですので、起動はとても高速。待たされている感はなく、瞬時に立ち上がります。
起動時間の計測結果(手動計測)
1回目 | 10.2秒 |
---|---|
2回目 | 8.3秒 |
3回目 | 8.5秒 |
4回目 | 8.6秒 |
5回目 | 8.3秒 |
平均 | 8.78秒 |
バッテリー駆動は15時間
バッテリー駆動時間は、公称値で21.1時間とされています。ただしこれはバッテリー消費を抑えた状態の結果で、実際の利用では駆動時間はもっと短くなることがほとんどです。
そこで電源プランを最大パフォーマンスに変更し、実利用に即したビジネス作業 (Web閲覧や文書作成、ビデオチャットなど)での駆動時間を計測したところ、15時間10分でバッテリー残量が3%に達し休止状態へ移行しました。
公称値よりも短い結果となりましたが、ほかのモバイルノートPCでこれだけもつのはなかなかありません。バッテリー性能は非常に優秀です。
バッテリー駆動時間の計測結果
テスト方法 | バッテリー消費 | 駆動時間 |
---|---|---|
※公称値 | 小 | 10.7時間 |
Modern Office (ビジネス作業) | 大 | 15時間10分 |
50%充電までにかかった時間 | - | 41分 |
フル充電までにかかった時間 | - | 1時間57分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
熱と騒音について
高負荷時における本体の熱を計測したところ、排気口付近とキーボード上部で50度以上に達していました。指で触れるとこの部分はかなり熱く感じますが、キーボード全体はそれほど熱くはありません。本体が薄型でコンパクトであるため、内部に熱がこもりやすくなっている可能性があります。
駆動音 (ファンの回転音や排気口からの風切音)は控えめですが、高負荷時には少し目立ちます。自宅で使う場合はノートPCの冷却台などを使うと効果があるかもしれません。
駆動音の計測結果
電源オフ | 37.4dBA | - |
---|---|---|
軽作業時 | 38.1dBA | 回転音がうっすらと聞こえるが気にならない |
FF15ベンチ時 | 43.3dBA | 「サーッ」という排気音がハッキリと聞こえる。静かな場所では気になるかも |
高負荷時のCPU温度を計測したところ、最大でも70度近くでした。高温ではあるものの、CPUの動作に影響がでるほどではないと思います。ただクロックが1.2~4GHzのあいだで激しく推移しており、時間が経過するほどクロックが上がらなくなる傾向が見られました。データとしてはサーマルスロットリングは発生していないとのことだったので、おそらくシビアな温度管理が行なわれているのだと思います。
ゲーム性能について
グラフィックス性能は内蔵タイプとしては高いものの、ゲーム性能自体はそれほど高いわけではありません。ドラクエ10やリーグ・オブ・レジェンド (LoL)など超軽量級タイトルであれば、フルHDでも最高画質で快適にプレー可能です。PSO2や競技系TPS / FPSなどの軽量級タイトルであれば、画質や解像度を低くすることで平均60 FPSでプレーできるでしょう。FF14などのやや重い中量級以上のタイトルは厳しく、考えないほうが無難です。
※テストはフルHDで実施
FF15ベンチ (重い / DX11)
画質 | スコア / 評価 |
高品質 | 654 / 動作困難 |
標準品質 | 1553 / 動作困難 |
軽量品質 | 2011 / 重い |
※スコアが6000以上で「快適」
FF14ベンチ:漆黒のヴィランズ (やや重い / DX11)
画質 | スコア / 評価 / 平均FPS |
最高品質 | 2492 / 16.5 FPS |
高品質 | 3363 / 23.1 FPS |
標準品質 | 4412 / 30.7 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽い / DX9)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 7516 / とても快適 |
標準品質 | 10290 / すごく快適 |
低品質 | 11532 / すごく快適 |
価格について
ASUS ZenBook 14 UM425IAには、パーツ構成やオフィスの有無が異なる3種類のモデルが用意されています。それぞれのスペックと価格は以下の表のとおりです。
■価格
メモリー | SSD | オフィス | 税込価格 |
---|---|---|---|
8GB | 512GB | WPS Office (互換ソフト) | 12万0501円 |
8GB | 512GB | Microsoft Office Home & Business 2019 | 13万0500円 |
16GB | 512GB | Microsoft Office Home & Business 2019 | 14万5501円 |
※CPUはすべてRyzen 7 4700
高性能すぎる14インチモバイル
よかった点
CPU性能が非常に高い点は大きな魅力です。パフォーマンス的には15~20万円を超えていてもおかしくないレベルですが、今回の試用機はオフィス付きで14万円台半ばとかなりリーズナブルです。恐るべきコスパの高さと言っていいでしょう。
これだけ高性能であるにも関わらず、本体が計量スリムで持ち歩きに向いている点もポイント。ハイパフォーマンスなモバイルノートPCとして、外出先でも活用するのに向いています。
気になる点
本体の熱の高さが気になります。内部的には温度は許容範囲ですが、手が触れる部分が50度を超えるのはちょっと残念です。また個人的にはパフォーマンスは高いほうが好みではあるものの、どれだけの人がここまでの性能を必要とするかという点に疑問が残ります。Ryzen 7だけでなく、Ryzen 5モデルがあればオーバースペックにならずにすむのではないでしょうか。
※2020年9月23日時点
[wpap service=”with” type=”detail” id=”B08H8N5L6P” title=”ASUS 薄型 軽量 ノートパソコンZenBook 14 UM425IA(AMD Ryzen7 4700U/8GB, 512GB/約1.25kg/14インチ/Webカ…”]
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