ASUS ROG Zephyrus G14のスペック
画面サイズ | 14インチ |
---|---|
解像度 | ・1920×1080 ・2560×1440 |
CPU | ・Ryzen 9 4900HS ・Ryzen 7 4800HS ・Ryzen 5 4600HS |
メモリー | ・8GB ・16GB |
SSD | ・512GB ・1TB |
HDD | なし |
グラフィックス | ・GTX 1650 ・GTX 1650 Ti ・GTX 1660 Ti Max-Q ・RTX 2060 Max-Q |
幅×奥行き | 324×222mm |
厚さ | ・17.9~18.9mm ・19.9~20.9mm |
重量 | ・1.65kg ・1.75kg |
バッテリー | 9.1~11.9時間 |
※2020年5月27日時点。構成は変更される場合があります
リフレッシュレート | ・60Hz (WQHD / フルHD) ・120Hz (フルHD) |
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表面処理 | 非光沢 |
パネルの種類 | IPS |
光学ドライブ | - |
テンキー | - |
有線LAN | - |
無線LAN | Wi-Fi 6 (11a/b/g/n/ac/ax) |
Bluetooth | 5.0 |
USB3.1 | - |
USB3.0 | 2 |
USB2.0 | - |
USB Type-C | 2 (USB3.1 Gen2) |
Thunderbolt 3 | - |
メモリーカード | - |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | ー |
DisplayPort | - |
Webカメラ | - |
顔認証カメラ | ー |
指紋センサー | 搭載 |
※グラフィックス機能内蔵のAMD製プロセッサーは本来「APU」と呼ばれますが、ここではわかりやすさ優先で「CPU」と表記します
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際のゲームでの使い心地などをレビューします。
この記事の目次
※2020年5月27日時点
ベンチマーク結果
※ベンチマーク結果はパーツ構成やタイミング、個体差などによって大きく変わる場合があります
ゲーム系ベンチマーク結果
RTX 2060 Max-Q搭載の試用機を使ってベンチマークテストやFPS (画面の動きの速さを表わす目安)の計測などを行なったところ、フルHD (1920×1080ドット)であれば概ね快適にプレーできそうです。処理の重いタイトルなら画質を調整する必要がありますが、重すぎて動かないことはないでしょう。ただしWQHD (256×1440ドット)だとタイトルによってはかなり厳しいと思います。
なおGTX 1660 Ti Max-Qモデルであれば、RTX 2060 Max-Qモデルとだいたい同じ程度だと考えられます。GTX 1650 / 1650 Tiだとパフォーマンスはグッと落ちますが、さらに画質を下げることで対応できるでしょう。
※テストはすべてフルHDで実施
FF15ベンチ (重量級 / DX11)
画質 | スコア / 評価 |
高品質 | 5636 / やや快適 |
標準品質 | 6324 / 快適 |
軽量品質 | 9877 / とても快適 |
※スコアが6000以上で「快適」
FF14ベンチ:漆黒のヴィランズ (中量級 / DX11)
画質 | スコア / 平均FPS |
最高品質 | 12648 / 91.4 FPS |
高品質 | 14010 / 110.9 FPS |
標準品質 | 14975 / 125.1 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
モンスターハンターワールド:アイスボーン (中重量級 / DX11)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高 | 52.2 FPS / 47 FPS |
高 | 65.6 FPS / 53 FPS |
中 | 68 FPS / 63 FPS |
低 | 97.1 FPS / 91 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽量級 / DX9)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 18682 / すごく快適 |
標準品質 | 18695 / すごく快適 |
低品質 | 19430 / すごく快適 |
フォートナイト (中量級 / DX11)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
エピック | 90.5 FPS / 72 FPS |
高 | 113.3 FPS / 96 FPS |
中 | 182.9 FPS / 135 FPS |
低 | 202.1 FPS / 162 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
オーバーウォッチ (軽量級 / DX10)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
エピック | 137.2 FPS / 121 FPS |
ウルトラ | 192.6 FPS / 160 FPS |
高 | 221.8 FPS / 197 FPS |
NORMAL | 255.2 FPS / 224 FPS |
低 | 295.5 FPS / 277 FPS |
※レンダースケール100%、平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
エーペックスレジェンズ (中量級 / DX11)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高設定 | 96.9 FPS / 84 FPS |
最低設定 | 143.5 FPS / 139 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安。FPS上限はデフォルトのまま
アサシンクリード オデッセイ (超重量級 / DX11)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高 | 45 FPS / 25 FPS |
中 | 76 FPS / 39 FPS |
低 | 85 FPS / 42 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ファークライ ニュードーン (中重量級 / DX11)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
ウルトラ | 74 FPS / 56 FPS |
中 | 84 FPS / 68 FPS |
低 | 91 FPS / 73 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
シャドウ オブ ザ トゥームレイダー (重量級 / DX12)
画質 | 平均FPS |
最高 | 71 FPS |
中 | 76 FPS |
最低 | 94 FPS |
※DLSSオン、平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
CPU性能
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
ROG ZEPHYRUS G14 (Ryzen 9 4900HS) |
4266
|
Core i9-9980HK |
3558
|
Core i9-9880H |
3402
|
Core i7-10875H |
3293
|
Core i7-10750H |
2861
|
Core i7-9750H |
2684
|
Core i7-8750H |
2625
|
Core i7-10710U |
2214
|
Core i5-9300H |
1922
|
Ryzen 5 3550H |
1680
|
Core i7-1065G7 |
1619
|
Core i7-10510U |
1486
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
CPUとしては、AMDの第3世代モバイルRyzen 4000シリーズが使われています。最上位のRyzen 9 4900HSを搭載した試用機でCPU性能を計測するベンチマークテストを試したところ、インテルの最上位CPUであるCore i9をしのぐ結果が出ました。現時点ではノートPC向けCPUとしては最強クラスだと言っていいでしょう。
ちなみに同じベンチマークテストのスコアでは、デスクトップPC向けのCore i9-9900Kをわずかに上回っています。この結果には驚くしかありません。
デスクトップPC向けCPUとの性能比較
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
ROG ZEPHYRUS G14 (Ryzen 4900HS) |
4266
|
Core i9-9900K |
4244
|
Core i7-9700K |
3397
|
Core i7-9700F |
3231
|
Core i7-9700 |
3190
|
Core i7-8700 |
3026
|
Core i5-9500 |
2370
|
Core i5-9400F |
2334
|
Core i5-9400 |
2312
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
中~上位モデルで使われているRyzen 5 4600HSとRyzen 7 4800HSについては未検証であるため、どのくらいの性能なのかはわかりません。しかしRyzen 9でこれだけベンチマーク結果が優秀であれば、Ryzen5やRyzen 7でもかなり優秀な結果が出るように思えます。当サイトで検証する機会があったら、記事として公開するつもりです。
3Dグラフィックス性能
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
RTX 2080 |
23762
|
RTX 2080 Max-Q |
20066
|
RTX 2070 |
19918
|
RTX 2070 Super Max-Q |
20438
|
RTX 2070 Max-Q |
17933
|
ROG ZEPHYRUS G14 (RTX 2060 Max-Q) |
15060
|
RTX 2060 |
14945
|
GTX 1660 Ti |
14392
|
GTX 1650 Ti |
10417
|
GTX 1650 |
8513
|
MX250 |
3400
|
Iris Plus |
2846
|
UHD |
1335
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
3Dグラフィックス性能を計測するベンチマークテストでも、優れた結果が出ています。試用機で使われていたRTX 2060 Max-Qはミドルレンジ (中級)向けで上位GPUには及びませんでしたが、従来の無印RTX 2060とほぼ変わらない結果でした。本来Max-Qは薄型ノートPC向けで無印よりもパフォーマンスが劣るのですが、試用機ではパフォーマンスが落ちていません。薄型でも、高い性能を期待できます。
なおそのほかのモデルで使われているGPUについては、当サイトの過去の計測結果からある程度予測できます。ミドルレンジのGTX 1660 Tiは、一般的なゲームであればRTX 2060 Max-Qとほぼ同程度です。エントリー向けのGTX 1650 / 1650 Tiでも、画質を調整することである程度のゲームを楽しめるでしょう。
ストレージ性能
ストレージは512GB SSDもしくは1TB SSDです。試用機ではPCIe 3.0 x4接続の超高速タイプが使われていました。アクセス速度が速く、ウィンドウズやゲームがキビキビと動作します。
クリエイティブ性能について
Photoshopベンチ
Photoshopベンチマーク「PugetBench for Photoshop」では、なかなか優秀な結果が出ています。ただ同じ8コア / 16スレッドのCore i7-10875Hに対してCPUベンチマークでは勝っていたものの、Photoshopのベンチマークテストではわずかに劣っていました。GPU性能が影響しているのかもしれません。
Lightroomベンチ
Lightroom Classicベンチマーク「PugetBench for Lightroom Classic」でも同様に、非常に優秀な結果が出ています。ただやはり、8コアCPUとミドルハイGPUを搭載した機種にはわずかに劣っていました。とは言え、十分高性能ではあります。
デザインと使いやすさ
高級感のある外観
本体カラーはエクリプスグレーとムーンライトホワイトの2色。天板には質感と剛性に優れるアルミニウムが使われています。パームレストや底面部はマグネシウムとアルミニウム合金製。全体に金属製素材が使われており、頑丈かつ高品質なボディを実現しています。
ゲーミングノートPCとしてはコンパクト
フットプリント (接地面積)は幅324×奥行き222mm。A4サイズ (幅297×奥行き210mm)よりもひと周り大きい程度です。一般的な14インチノートPCと変わりませんが、ゲーミングノートPCとしては驚くほどコンパクトです。重量も軽く、持ち歩きにも向いています。
14インチのフルHDとWQHD
ディスプレイの大きさは14インチ。ゲーミングノートPCで一般的な15.6インチよりもひと回り小さめです。実際に画面を見ると確かにやや小さく感じますが、特に違和感がありませんでした。
解像度は1920×1080ドットのフルHDと、2560×1440ドットのWQHDの2種類。WQHDは解像度が高いぶん画面が高精細で、クリエイティブな用途に向いています。
リフレッシュレートはフルHDで最大120Hz
リフレッシュレート (画面の書き換え速度)はフルHDモデルが120 / 60 Hzで、WQHDモデルが60Hzです。テレビやゲーム機では60Hzが一般的ですので、実際に60Hzの画面を見ても違和感はないかもしれません。しかしゲームをプレーするなら120Hzのほうが断然動きがなめらか。またわずかな時間ではありますが、描画の遅延が少ないメリットもあります。ゲームを堪能したい人には、120Hz対応のフルHDモデルをおすすめします。ただしフルHDでも60Hzのモデルがあるので注意してください。
X-RITE Pantoneによる美しい映像
ディスプレイには広い視野角と自然な発色が特徴のIPSパネルが使われています。色再現性が高く、X-RITE Pantone認証を取得しているとのこと。実際に映像を確認したところ、写真や動画が色鮮やかに映し出されました。ゲーミングノートPCでは弱くなりがちな赤みがしっかり出ています。
色域測定結果
sRGBカバー率 | 97.3% |
---|---|
sRGB比 | 102.7% |
Adobe RGBカバー率 | 73.1% |
Adobe RGB比 | 76.1% |
違和感のないキー配列
キーボードは日本語配列でテンキーはありません。キーピッチは実測19mmで十分なサイズが確保されています。一部わずかに小さいキーもありますが、違和感はありませんでした。
バックライト対応
キーボードはバックライト対応。ただしRGBバックライトではなく、白色のみです。Fnキーとカーソルキーの同時押しで、明るさを3段階に調整できます
タイプ感は軽め
キーストロークは実測で平均1.59mm。標準的なノートPCよりも、やや深めに作られている印象です。押した瞬間のクリック感はやや固めではあるものの押し込む力は弱く、全体的なタイプ感は軽めでした。ただゲーム中にはキーを押したことをしっかりと感じられます。
タイプ音はわずかに聞こえるものの、軽いタッチであればほとんど気になりません。打ち下ろすようにしてタイプするとパチパチと聞こえますが、軽めのタッチなら静か。ゲーム中にも音が周りに響くことはないはずです。
Nキーロールオーバー対応
キーボードは全キー個別の認識が可能なNキーロールオーバー対応です。実際に同時押しの認識数を調べたところ、かなりの数が同時に認識されていました。すべてのキーを同時に押したわけではありませんが、普通のノートPCや少し安いゲーミングノートPCよりも多く認識されています。キー操作周りでの不安はなさそうです。
インターフェースは必要最低限
周辺機器接続用のインターフェース (端子)類は多くはありません。ゲーミングノートPCでは一般的な有線LANは非搭載で、メモリーカードスロットも非対応です。本体が軽くて薄いことを考えれば、仕方がないでしょう。
USB端子はフルサイズ2ポートとType-C2ポートで十分ですが、ゲーミングデバイスでよく使うフルサイズは右側のみです。
Type-Cは充電と映像出力に対応
USB PD 18W充電 | ◯ |
---|---|
USB PD 30W充電 | ◯ |
USB PD 45W充電 | ◯ |
USB PD 65W充電 | ◯ |
映像出力 | ○ |
USB Type-Cは2ポートあるうち左側の1ポートだけ、USB PDによる充電と映像出力に対応しています。ワット数の低い充電器でも充電できましたが、十分なパフォーマンスを発揮できないかもしれません。最大パフォーマンスで利用するなら、標準付属の電源アダプターを利用してください。
スピーカーはとても高音質
スピーカーはとても高音質です。底面部のウーファーによって低音域が強調され、パームレスト側のツイーターによって高音域がクリアーに聞こえます。サラウンド感も上々で解像感も高め。音の厚みはそれほどではないものの、低音域がかなり強調されていました。ゲームはもちろん、音楽を楽しむのにも向いています。
最大出力時の駆動音が大きい
普通にゲームをプレーしているときは、特に駆動音は気になりませんでした。静かではないものの、うるさく感じるほどでもありません (個人の感想です)。ただし最大パフォーマンスを発揮できるTurboモードを利用するとファンが最大出力で回転するため、音がかなり大きく聞こえます。最大パフォーマンスで動かしたいとき以外は、使わなくてもいいでしょう。
駆動音の計測結果
電源オフ | 37.4dBA | - |
---|---|---|
待機時 | 44.2BA | 音が少し聞こえる程度 |
ファン最大時 | 63.2dBA | ファンの回転音がかなり大きく、隣の部屋にまで聞こえるほど |
いま最強のノートPCを選ぶならコレ!
よかった点
ゲーミングノートPCとしては驚くほど小さくて軽い点は高評価。さらにCPU性能が異常に高い点も見逃せません。ゲーム用としてはもちろん、クリエイティブな作業や高度なデータ処理などにも向いています。CPUパフォーマンスを求めるなら、いまはコレに決まり!
気になった点
最大パフォーマンス時の駆動音と本体の熱が気になります。熱については触れないほどではないものの、かなり熱く感じました。本体がこれだけ小さいため、ある程度は仕方がないかもしれません。
また個人的には、もうワンランク上のGPUを採用してほしいところ。CPU性能が非常に高いのに、GPUがミドルレンジ止まりなのは少しもったいない気がします。
※2020年5月27日時点
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