レノボ・ジャパンのThinkPad X1 Yogaは、360度回転可能な液晶ディスプレイを搭載した14型の2-in-1ノートパソコンです。CPUにはSkylakeこと第6世代のCore iプロセッサーを採用し、メモリー容量は最大16GB、ストレージには最大1TBのPCIe接続SSDを選択できます。
今回はメーカーからお借りした仕様機を使って検証した、ThinkPad X1 Yogaのパフォーマンスについてレビューします。なお仕様機のスペックは下表のとおりですが、パーツ構成やテストのタイミングによっては結果が大きく変わることもあるので、あらかじめご了承ください。
試用機の主なスペック | |
OS | Windows 10 Home 64ビット |
---|---|
CPU | Core i7-6500U(2.50GHz) |
メモリー | 8GB |
グラフィックス | Intel HDGraphics 520 |
ストレージ | 256GB SSD(NVMe) |
ディスプレイ | 14型、2,560×1,440ドット |
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ベンチマーク結果をチェック
Windowsエクスペリエンスインデックス
Windows 10の快適さを計測する「Windowsシステム評価ツール(WinSAT.exe)」では(Windowsエクスペリエンスインデックス)は、以下の表のような結果となりました。グラフィックス関連のスコアはシステムの快適さにあまり影響しないため、とくに気にする必要はないでしょう。重要なスコアであるCPUとメモリー、ストレージのスコアは総じて高めです。
試用機のWindowsエクスペリエンスインデックス | |
プロセッサ(CpuScore) | 7.5 |
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メモリ(MemoryScore) | 7.9 |
グラフィックス(GraphicsScore) | 5.9 |
ゲーム用グラフィックス(GamingScore) | – |
プライマリハードディスク(DiskScore) | 9.1 |
CINEBENCHベンチマーク結果
CPUの処理能力を計測する「CINEBENCH R15」では、「CPU(マルチコア)」のスコアが「296」という結果となりました。決して低い結果ではないのですが、個人的にはもう少しスコアが高くてもいいのでは、と思います。実際、CPUにCore i5-6200Uを搭載したThinkPad E560とあまりスコアが変わっていません。
とは言え、日常的な作業をこなすには十分パワフルなCPU性能です。
CrystalDiskMarkベンチマーク結果
ストレージのアクセス速度を計測する「CrystalDiskMark」を試してみたところ、シーケンシャルリード(Seq Q32T1)で2219MB/秒という驚異的な結果となりました。試用機で使われていたのは、サムスン製のSM951(NMVe)256GB版です。公称値はシーケンシャルリード2150MB/秒ですが、実際のベンチマークでは公称値よりも速い結果が出ています。
PCMark 8ベンチマーク結果
総合的なパフォーマンスを計測する「PCMark 8」では、下表のとおりとなりました。薄型でモバイル向けのノートパソコンとしては、非常に優れたスコアです。Futuremarkのベンチマークはストレージ性能が強く影響されるので、爆速SSDの恩恵が出ているのかもしれません。
「PCMark 8」ベンチマーク結果 | |
Home conventinal 3.0 | 2766 |
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Home accelerated 3.0 | 3358 |
Creative conventinal 3.0 | 2777 |
Creative accelerated 3.0 | 4173 |
PassMark PerfomanceTest 8.0ベンチマーク結果
同じく総合的な性能を計測する「PassMark PerfomanceTest 8.0」でも、優れたスコアが出ています。ストレージ性能を表わす「Disk Mark」がやはり高スコアです。
3Dゲーム系ベンチマークの結果をチェック!
ThinkPad X1 Yogaはゲームを楽しむためのモデルではないため、ゲームの快適さに影響する3Dグラフィックス性能は高くありません。あくまでも参考まで、ということでベンチマーク結果を紹介します。
3DMarkベンチマーク結果
総合的な3D性能を計測する「3DMark」では、もっとも負荷の高い「Fire Strike」(DirectX 11相当)で「905」という結果でした。海外で人気のゲームを楽しむのには、ちょっと厳しいレベルです。しかしDirectX 9相当の「Ice Storm」は「55926」と、それほど悪い結果ではありません。軽めの3Dゲームであれば、解像度や画質を調整することで問題なくプレーできるでしょう。
ドラクエ10ベンチマーク結果
ドラゴンクエストXベンチマークソフト」では、解像度1280×720ドットでは「とても快適」という評価でしたが、1920×1080ドットのフルHDでは「普通」という評価となりました。「普通」に遊べるとは言え、シーンによってはカクつくことがあるはずです。
ドラゴンクエストXベンチマークソフト結果 | ||
1280×720ドット | 1920×1080ドット | |
---|---|---|
標準品質(ノートPC) | 8382(とても快適) | 4804(普通) |
最高品質 | 7043(とても快適) | 3838(普通) |
FF14ベンチマーク結果
「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」では、1280×720ドットの標準画質でないと厳しいかなという結果です。評価が「普通」でも遊べることは遊べますが、シーンによってはストレスを感じることがあるでしょう。
FF14ベンチマーク(DirectX 9)の結果 | ||
1280×720ドット | 1920×1080ドット | |
---|---|---|
標準品質(ノートPC) | 4854(快適) | 2859(やや快適) |
高品質(ノートPC) | 3369(やや快適) | 1936(設定変更を推奨) |
最高品質 | 2494(普通) | 1378(設定変更が必要) |
ドラゴンズドクマオンラインベンチマーク結果
「ドラゴンズドクマオンライン ベンチマークソフト」では、快適に楽しむなら1280×720ドットの低品質に調整する必要があるとのことです。
DDONベンチマーク結果 | |||
1280×720ドット | 1600×900ドット | 1920×1080ドット | |
---|---|---|---|
低品質 | 4854(快適) | 2525(普通) | 1958(設定変更を推奨) |
標準品質 | 3369(やや快適) | 2458(普通) | 1901(設定変更を推奨) |
最高品質 | 2624(普通) | 2055(普通) | 1640(設定変更を推奨) |
PSO2ベンチマーク結果
「PSO2キャラクタークリエイト体験版 エピソード4」では、初回起動時にスペックに合わせて画質が自動設定されるのですが、もっとも画質の低い簡易描画設定「1」に設定されてしまいました。
ベンチマーク結果は、以下のとおり。最低画質であれば1280×720ドットでも1920×1080ドットでも、快適に遊べるスコアが出ています。しかし画質があまりよくないので、グラフィックスの美しさにこだわらない人向けでしょう。
以上のベンチマーク結果から、ThinkPad X1 Yogaで3Dゲームを高画質&高解像度で楽しむのは厳しいことがわかります。しかし動作の軽いブラウザーゲームや2D描画主体のゲームであれば、問題なくプレーできるでしょう。
モバイル向けノートパソコンとしては高いパフォーマンス
ということで、今回はThinkPad X1 Yogaのベンチマーク結果を交えながら、実際の性能について解説しました。この結果であれば文書作成はもちろん、写真の加工といった負荷の高い作業もこなせるでしょう。RAW画像の現像やちょっとした動画の編集にも使えるはずです。
それほど高性能でなくてもいいなら、CPUにCore i5を搭載したパッケージを選ぶのもアリです。逆にとことんパワフルにしたいなら、Core i7-6600U搭載パッケージを選ぶといいでしょう。予算や用途、自分の好みに合わせて、パーツをカスタマイズしてください。
なおThinkPad X1 Yogaは、手頃な値段で購入できる直販モデルがおすすめです。価格や納期、支払い方法などについては、公式サイトでご確認ください。
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