デルの「Inspiron 15 3000 シリーズ」は、15.6型の液晶ディスプレイを搭載したノートパソコンです。最大の魅力は、コストパフォーマンスが高い点。同価格帯の格安モデルよりも、はるかに高性能なCPUが使われています。
そこで今回はInspiron 15 3000 シリーズのなかでもっとも安い「Inspiron 15 3000 スタンダードモデル」を使って、実際の性能や使いやすさなどを検証します。
この記事の目次
New Inspiron 15 3000 シリーズ
税込み4万円台から
Inspiron 15 3000のスペック
OS | Windows 10 Home / Pro |
---|---|
CPU | Core i3-6006U / Core i3-7020U / Core i5-7200U |
メモリー | 4GB |
ストレージ | 1TB HDD / 128GB SSD |
グラフィックス | Intel UHD Grahpics 600 |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ |
ディスプレイ | 15.6型、1366×768ドット、非光沢、タッチ非対応 |
通信機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 4.1/4.2、100BASE-TX対応有線LAN |
インターフェース | USB3.0(フルサイズ)×2、USB2.0×1、HDMI、有線LAN、SD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロット、ヘッドホン出力 |
セキュリティ機能 | セキュリティースロット、マカフィーリブセーフ12ヵ月版 |
カメラ | HD 720p(92万画素) |
サイズ/重量 | 幅380×奥行き260.3×高さ23.65mm/約2.246kg~ |
バッテリー | 40WHr(取り外し可能)※駆動時間は非公開 |
※2018年8月17日時点。構成は変更される場合があります
Inspiron 15 3000のラインナップ
Inspiron 15 3000には全部で17種類のモデルが用意されていますが、基本となるのは以下の6種類です。あとはそれぞれに納期の早い「即納モデル」や、Office Pesronalが付属する「Office付」モデルが用意されています。
なおCore i3-6006U/Core i3-7020U搭載のモデルはどちらも「スタンダード」モデルという名称です。非常にわかりづらいので、購入する際はCPUの種類に注意してください。
ラインナップ
スタンダード(Core i3-6006U) | |
---|---|
4万円台半ば | |
スタンダード(Core i3-7020U) | |
4万円台 | |
スタンダード・SSD搭載(Core i3-6006U) | |
5万円台前半 | |
スタンダード・SSD(Core i3-7020U) | |
5万円台前半 | |
プレミアム | |
6万円台前半 | |
プレミアム フルHD (8GBメモリ搭載) | |
5万円台後半 |
※2018年8月17日時点。価格はタイミングによって変わります
価格は、そのとき実施されているセールやキャンペーンによって変わります。最新のセール情報については、以下の記事でご確認ください。
https://komameblog.jp/bargain/dell-campaign-20160701/#ins15-3573
ベンチマーク結果をチェック
Inspiron 15 3000が実際にどれくらいの性能なのか、ベンチマーク結果を交えながら紹介しましょう。今回はCore i3搭載でもっとも安い、Inspiron 15 3000 スタンダードモデルを使っています。比較用に、3~4万円台の格安モデルでよく使われるCeleron N3350を搭載した「Inspiron 14 3000 エントリーモデル」と、同じく格安モデルに多いCeleron 3855Uを搭載した「Lenovo V310」の結果もまとめました。それぞれのスペックは、以下の表のとおりです。
Inspiron 15 3000 スタンダードモデル | Inspiron 14 3000 エントリーモデル | Lenovo V310 | |
---|---|---|---|
CPU | Core i3-6006U | Celeron N3350 | Celeron 3855U |
メモリー | 4GB | 4GB | 4GB |
ストレージ | 1TB HDD | 1TB HDD | 500GB HDD |
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Windows 10の快適さ
Windowsエクスペリエンスインデックス(システム評価ツールの結果) | |||
Inspiron 15 3000 スタンダードモデル | Inspiron 14 3000 エントリーモデル | Lenovo V310 | |
---|---|---|---|
プロセッサ | 7.1 | 5.9 | 6.3 |
メモリ | 5.9 | 5.9 | 5.9 |
グラフィックス | 4.2 | 4.1 | 4.5 |
プライマリハードディスク | 5.9 | 5.9 | 5.9 |
それぞれのWindowsエクスペリエンスインデックスは、上記の表のとおり。「メモリ」と「プライマリハードディスク(ストレージ)」は変わりませんが、CPU性能を表わす「プロセッサ」では、Inspiron 15 3000 スタンダードモデルでダントツの結果が出ています。
CPUの性能
CPUの計算性能を計測する「CINEBENCH R15」では、下記の表の結果となりました。格安ノートパソコンのなかでも比較的高いCPU性能を持つLenovo V310を大きく上回っています。
CINEBENCH R15ベンチマーク結果 | |||
Inspiron 15 3000 スタンダードモデル | Inspiron 14 3000 エントリーモデル | Lenovo V310 | |
---|---|---|---|
CPU | 212cb | 94cb | 125cb |
CPU(シングルコア) | 81cb | 50cb | 67cb |
HDDのアクセス速度
1TB HDDのアクセス速度を計測してみたところ、HDDとしては平均的な結果となりました。ただしSSDよりはアクセス速度が劣りますので、ファイル操作やWindows 10のアップデート時などで、ちょっと待たされるかもしれません。
ただし容量的には十分です。スマホで撮影した写真や動画を大量に保存するのに向いています。
パソコンとしての総合性能
総合的なパフォーマンスを計測する「PCMark 8」では、格安モデルとしては優れた結果が出ています。動画のエンコード(変換)など負荷の高い処理には向きませんが、動画の視聴やネットの閲覧にはまったく問題ありません。
PCMark 8ベンチマーク結果 | |||
Inspiron 15 3000 スタンダードモデル | Inspiron 14 3000 エントリーモデル | Lenovo V310 | |
---|---|---|---|
Home accelerated | 2737 | 1744 | 2435 |
Creative accelerated | 2883 | 1697 | 2558 |
同じく総合的なパフォーマンスを計測する「PassMark PerformanceTest 8.0」でも、なかなか健闘しています。
PassMark PerformanceTest 8.0ベンチマーク結果 | |||
Inspiron 15 3000 スタンダードモデル | Inspiron 14 3000 エントリーモデル | Lenovo V310 | |
---|---|---|---|
CPU Mark | 3106 | 1317 | 1875 |
2D Graphics Mark | 355.4 | 200.6 | 290.9 |
3D Graphics Mark | 739 | 329.9 | 545 |
Memory Mark | 1383 | 938 | 1243 |
Disk Mark | 791 | 568 | 721 |
CPUにCore i5やCore i7を搭載した高級モデルにはかなわないものの、5万円以内で買える格安ノートパソコンのなかでは優秀な結果です。オフィスを使った文書作成はもちろん、ちょっとした写真管理/画像加工であれば問題なくこなせるでしょう。
ゲーム性能をチェック
Inspiron 15 3000はCPU内蔵のグラフィックス機能を使うため、ゲーム性能はそれほど高くありません。しかし軽めのゲームであれば、解像度や画質を調整することで楽しむことができます。
3DMarkベンチマーク結果
総合的な3D性能を計測する「3DMark」の結果は、以下の表のとおり。格安モデルのなかではかなり高めのパフォーマンスではあるものの、3Dゲームを高画質&高解像度で楽しめるほどの性能ではありません。あくまでも「軽めのゲームを息抜き程度に楽しむ」レベルです。
3DMarkベンチマーク結果 | |||
Inspiron 15 3000 スタンダードモデル | Inspiron 14 3000 エントリーモデル | Lenovo V310 | |
---|---|---|---|
Fire Strike | 536 | 294 | 395 |
Sky Diver | 2561 | 1070 | 1842 |
Cloud Gate | 3837 | 2017 | 2632 |
Ice Storm | 34350 | 22535 | 24421 |
ドラクエ10ベンチ
「ドラゴンクエストXベンチマークソフト」では、解像度1280×720ドットの標準品質で「快適」という評価でした。低めの解像度に限定されますが、問題なくプレーできるでしょう。
FF14ベンチ
「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド ベンチマーク」では、解像度1280×720ドットの標準品質で「やや快適」という評価です。平均FPSは24.1ですので、シーンによっては画面がかなりカクカクしてしまうかもしれません。このゲームについては、プレーしないほうが無難です。
マインクラフト Windows 10 エディション
パソコン版(Java版)のマインクラフトをプレーするには少々性能的に厳しいのですが、UWPアプリ(Windows 10用アプリ)のマインクラフト(マインクラフトPE相当)であれば、問題なくプレーできました。木や建物が多い場所では若干カクカクしているように見えるものの、フルスクリーンでも普通に遊べます。
本体の大きさと重さ
ここからは、Inspiron 15 3000の外観について紹介します。
本体の大きさは、幅380×奥行き2260.3×高さ23.65mm。それなりに存在感のあるサイズです。
本体の素材には、樹脂(プラスチック)が使われています。高級感はありませんが、格安モデルとしては標準的な質感です。
液晶ディスプレイの映像品質
液晶ディスプレイの映像は、格安モデル相当です。色合いは青みが強調され、コントラストはかなり低めに抑えられていました。ただ実際に写真を見てみると、それほど違和感を感じないのでフシギです。
視野角は広くなく、映像を斜めから見ると色がだいぶ変わってしまいます。格安モデルであることを考えれば、しょうがないでしょう。解像度は1366×768ドットのモデルは液晶ディスプレイの表面が光沢のあるグレア仕上げですので、光の映り込みが目立ちます。気になる場合は、角度を変えて調整しましょう。
キーボードの使いやすさ
Inspiron 15 3000のキーボードは、数値入力に便利なテンキー付きです。キーピッチ(キーとキーの間隔)は実測で19mmと、理想的な大きさでした。Enterキー周辺がやや小さいのですが、慣れれば問題なく使えるでしょう。
キーのタイプ音は「タタタタ」と控えめなタイプ。しかし強めに入力するとかなり音が響く上に、どこかが振動しているような音が聞こえました。静音性についてはそれほど高くありませんが、格安モデルとしては妥当な品質でしょう。
端子類・拡張性について
周辺機器接続用の端子類としては、USB3.0×2、USB2.0×1、HDMI、有線LAN(100BASE-TX)、SDメモリーカードスロット、ヘッドホン出力などが用意されています。アナログRGB(VGA)には対応していませんが、普通に使える構成です。
HDDからSSDへの交換が可能
Inspiron 15 3000は、HDDからSSDへの交換が可能です。ただし自分で作業を行なうと、メーカー保証のサポート外となってしまう点に注意してください。くれぐれも、自己責任の上でお願いします。
HDDからSSDへの交換には底面部のカバーを開ける必要があるのですが、カバーを開けるまでが面倒です。慣れていない人、もしく十分な機材がない場合は、事前にしっかり準備をしておきましょう。
なお、詳しい交換方法については、デルのサービスマニュアルを確認してください。
SSDの交換したところ、ファイルのアクセスが高速になったのはもちろん、起動直後のモッサリ感が低減しました。バックグラウンドでウイルス対策ソフトによるスキャンやアプリの更新が行なわれていても、HDDのように長く待たされることはありません。もうちょっと高品質なSSDを使えば、より快適になるでしょう。今回は120GBのSSDを使いましたが、容量的には240GB以上がおすすめです。
メモリーの最大容量は16GB
Inspiron 15 3000は、最大16GBまでメモリーを増設できます。メモリースロットは2ポートですので、8GB×2枚の組み合わせがベストでしょう。8GBでいいのであれば、4GB×2または8GB×1の構成でOKです。なおメモリー規格はSO-DIMMのPC4-19200(DDR4-2400 )ですので、対応するメモリーを用意してください。
実際にHDDやメモリーを交換した様子や交換後の結果については、下記の記事にまとめています。
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クーポン利用でお得に購入!
Inspiron 15 3000は、なんらかのキャンペーンにより常に割り引き価格で販売されています。当サイトではデルのセール情報を随時更新していますので、そちらを定期的にチェックするとお得に購入できるはずです。
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- デルのセール情報
やっぱりCeleronよりCore i3!
ということで、今回はデルのInspiron 15 3000のレビューをお届けしました。本体のデザインや使い勝手については格安モデル相当ですが、性能面でのコストパフォーマンスは高めです。格安モデルでよく使われるCeleronやPentiumより高性能なCPUを搭載していますので、普段の作業をより快適にこなせるでしょう。
Inspiron 15 3000は、デルの公式サイトで販売されています。このモデルを購入される方や支払い方法や納期などを知りたい方は、公式サイトの商品ページをご確認ください。
New Inspiron 15 3000 シリーズ
税込み4万円台から
なお当サイトでは、ほかにも15.6型ノートパソコンをレビューしています。Core i3搭載のInspiron 15 3000 スタンダードモデルでも十分な性能ですが、作業をより快適にこなしたいなら、下記のモデルがおすすめです。
■高性能な15.6型ノートパソコン
ThinkPad E570 | HP Pavilion Power 15 | Inspiron 15 5000 |
---|---|---|
最強の15.6型! | GTX1050搭載 | おまけソフトが多い |
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