デルのInspiron 14 7000は、据え置き用としてはコンパクトな14型ノートパソコンです。一般的な15.6型よりもサイズが小さいので、デスクの上でもジャマになりません。また、小さいにも関わらずスペックが高い点も魅力です。
本体は比較的コンパクトなのですが、重量は約1.65kgとやや重めです。デスクで使う据え置き向けモデルなので仕方がないのですが、持ち運べないこともないでしょう。バッテリー駆動時間は実働8時間で、スタミナ面も十分です。
Inspiron 14 7000のポイント
ここがイイ! | ここが残念 |
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今回はメーカーからお借りした実機を使って、Inspiron 14 7000(2017年秋発売モデル)の本体デザインや使い勝手、実際の性能などをレビューします。
この記事の目次
Inspiron 14 7000(7472)
税込み9~10万円台から
https://komameblog.jp/bargain/dell-campaign-20160701/
コンパクトで上品なデザイン
上品で高い質感のボディ
Inspiron 14 7000では本体カラーとして、シルバーとゴールド、ピンクの3色が用意されています。天板(液晶ディスプレイの裏)と底面にはアルミ素材が使われており、質感は上々。表面にはツヤ消し処理が施されているので派手さはなく、上品なたたずまいです。
14型としてはコンパクト
Inspiron 14 7000の設置面積は、幅323.3×奥行227.1mmです。サイズ感としては、A4用紙(幅297✕奥行き210mm)をふた回り大きくした程度。ほかの14型モデルに比べて、コンパクトな点が特徴です。
スペック上では、高さは18.95mmとされています。しかし底面部のゴム足を含めた高さを測ってみたところ、23mmとやや厚めでした。それなりの厚みはあるものの、据え置き利用中心であれば問題ないはずです。
持ち運べない重さではない
公称値では重量は約1.649kg~とされています。実際の重さを測ってみたところ、公称値よりもわずかに軽い1.637kgでした。電源アダプター込みだと、ほぼ2kgです。
モバイル用途としてはちょっと重いのですが、持ち歩けない重さでもありません。本体の素材に使われているアルミは剛性(ねじれに対する強さ)が高いので、堅牢性については問題ないでしょう。
品質と実用性の高い液晶ディスプレイ
幅7mmの狭額デザイン
Inspiron 14 7000がほかの14型モデルよりもコンパクトなのは、液晶ディスプレイのベゼル(枠)が細いからです。このような”狭額デザイン”のモデルは本体サイズが小さくなるだけでなく、画面周りがスッキリして作業に集中しやすい効果もあります。
美しく見やすい映像
Inspiron 14 7000では、自然な発色と高いコントラストが特徴のIPSパネルが使われています。実際に写真を表示して映像を確認したところ、メリハリの効いた鮮やかな映像でした。輝度は明るすぎず暗すぎずで、ちょうどいいレベルです。
コントラストが高いので、文字もぼやけることなくハッキリと表示されています。13.3型よりも画面が大きいので、文字が大きく表示される点もポイントです。
映り込みはやや強め
液晶ディスプレイは発色とコントラストに優れる反面、光の映り込みが目立ちます。これは光沢タイプのノングレアディスプレイでは仕方がないことです。多少の映り込みであれば、液晶ディスプレイの角度を変えることで解決できるでしょう。
キーボードの使い勝手はまずまず
14型としてはキーが小さい
Inspiron 14 7000のキーボードは日本語配列で、テンキー非対応です。キーピッチ(キーとキーの間隔)は理想とされる19mm(フルピッチ)で十分なのですが、キーそのものの大きさは14mm強とやや小さめ。実際に使ってみたところ、やはりキーが若干小さく感じました。ただし、使っているうちに慣れるはずです。
少し気になるのは、Enterキー周辺のキー配列です。写真を見るとおわかりのように、一部のキーが隣接しています。実際に使ったところ、キーの幅が小さい「¥」キーと「Back Space」キーを押し間違えることが何度かありました。
キーボードの静音性は高い
キーストローク(キーを押し込む深さ)は、実測1.5mmでした。ノートパソコンとしては標準的です。タイプ時に「サクッ」とした軽めのクリック感があり、そのまま弱めの力で押し抜けます。底打ち感やたわみは、ほとんど感じられません。人によっては手応えに物足りなさを感じるかもしれませんが、軽い力で軽快に入力できるのは魅力です。
タイプ音は非常に静かです。軽めのタッチであれば、音はほとんど気になりません。強く打てば「タタタタ」とそれなりに響くものの、カチャカチャとした高音域の音は聞こえませんでした。
タッチパッドは軽快動作
タッチパッドは、ボタンとパッド部分が一体型のタイプです。パッドでの操作は遅延もなく、とてもスムーズに利用できました。表面はややザラつきのある手触りで、グリップ感は高めです。ボタンクリックは非常に軽く、スムーズに操作できます。
豊富なインターフェース
ポイント
端子は種類が豊富
周辺機器接続用のインターフェース(端子類)としては、USB3.0(Type-A)×2、USB2.0、HDMI、1000BSE-T対応有線LAN、SD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロット、ヘッドホン出力が用意されています。USB Type-C端子は用意されていませんが、高速通信が可能な有線LANは自宅や職場で使う際に便利ですね。
Webカメラは、液晶ディスプレイ下部に配置されています。通常の上部にあるタイプと比べて、目線の写り方が異なる点に注意してください。
高品質なサウンド
スピーカーの音は、非常にクリアーです。標準では低音が軽くサラウンド効果もほどほどですが、標準収録のWAVES MaxxAudio Proユーティリティーで調整すれば、低音部に厚みを持たせたり音の広がりを強化したりできます。好みのサウンドに調整すれば、音楽を存分に楽しめるでしょう。
分解やパーツ交換は注意
基本的にデルのノートパソコンは、パーツ交換や分解には非対応です。自分でメモリーを増設したりストレージを交換したりすると、メーカー保証のサポート外となる点に注意してください。
ただし、パーツの交換は不可能というわけではありません。Inspiron 14 7000では、底面部のカバーを取り外すことで、本体内部にアクセスできます。公式サイトにはパーツ取り外し・交換手順がまとめられているので、参考にしてください。
関連リンク
- Inspiron 14 7000サービスマニュアル
高性能で重い処理もサクサク
ポイント
Inspiron 14 7000のスペック
OS | Windows 10 Home/Pro |
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CPU | Core i5-8250U または Core i7-8550U |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 256GB SSD または 129GB SSD + 1TB HDD |
グラフィックス | INtel UHD Graphics 620 または GeForce MX150(2GB) |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 14型、1920×1080ドット、IPS、光沢、タッチ非対応 |
通信機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 4.1 |
インターフェース | USB3.0(Type-A)×2、USB2.0×1、HDMI、1000BASE-T対応有線LAN、SD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロット、ヘッドホン出力 |
カメラ | 92万画素 |
サイズ/重量 | 幅323.3×奥行227.1×高さ18.95mm/約1.649kg~ |
バッテリー駆動時間 | 42WHr |
Inspiron 14 7000のラインナップ
公式サイトでは全部で10種類のモデルが販売されていますが(2017年12月時点)、ベースとなるのは以下の3種類です。これらを基本として、納期の早い”即納モデル”やOffice Personal Premium付属の”オフィス付きモデル”などが用意されています。
Inspiron 14 7000の基本モデル
プレミアム | |
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税込み9~10万円台 | |
プレミアム・グラフィックス | |
税込み10~12万円台 | |
プラチナ | |
税込み11~13万円台 |
Inspiron 14 7000の価格は、そのとき実施されているキャンペーンによって大きく変動します。最新価格は以下のリンクから確認してください。
関連リンク
- Inspiron 14 7000のセール情報
CPUやメモリー、ストレージ、グラフィックス機能以外のスペックについては共通です。
Inspiron 14 7000のベンチマーク結果
今回のテストでは、Core i7-8550U搭載の「プラチナ」モデルを試用しました。ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミングによって大きく変わる点をあらかじめご了承ください。
バッテリーは実働8時間
Inspiron 14 7000のバッテリー駆動時間は公開されていません。そこでPCメーカー各社で実施されている標準的なテストと近い内容でテストを行なったところ、8時間13分という結果となりました。据え置き用のノートパソコンとしては十分なスタミナです。
バッテリー駆動時間計測時のテスト条件
- 電源モードは「バッテリー節約機能」
- 液晶ディスプレイの明るさを40%に設定
- 輝度(明るさ)の自動調節機能はオフ
- 無線LANとBluetoothはオン
- ボリュームは50%に調整
- 「BBench」で10秒ごとのキー入力と60秒ごとのWebアクセスを有効化
- 満充電の状態からテストを行ない、休止状態へ移行するまでの時間を計測
ただしこのテストは、バッテリー消費量が少なめです。普通に利用するとおそらく2~3割程度短くなるでしょう。およそ6時間前後かもしれませんが、そもそもInspiron 14 7000はモバイルノートパソコンではないので問題ない範囲です。
高負荷時でも本体は熱くない
ベンチマーク中のCPU温度を確認したところ、最大で92度に達する場面がありました。またキーボード面の温度計測結果は、以下のとおりです。
高負荷時はキーボード中央の温度がかなり高くなりましたが、実際に触ってみると熱くて触れないほどではありません。キーボード面に施されたシリコンコーティング風の効果の影響か、温かいと感じる程度です。
通常時の駆動音は控えめ
Inspiron 14 7000の駆動音は、基本的には控えめです。しかし動画の変換や3Dゲームなど高負荷時には、ファンの回転音と通気口からの風切音がやや目立ちました。ネットや動画を見たり、文書を作成する程度なら、ほとんど気になりません。
駆動音の計測結果(室温20度前後)
電源オフ時 | 36.8dBA | – |
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通常時 | 38.2dBA | ファンの駆動音がわずかに聞こえる |
YouTube動画再生時(スピーカーオフ) | 38.4dBA | 通常時と変わらず。音が再生されていなければ気がつかないレベル |
FF14ベンチ実行時 | 49.3dBA | ファンの駆動音と風切り音がけっこう目立つ |
据え置き用でもコンパクト
ということで、今回はInspiron 14 7000のレビューをお届けしました。なによりも魅力なのは15.6型よりもコンパクトで場所を取らないにも関わらず、高性能である点です。光学ドライブやテンキーには非対応というデメリットもありますが、使わない人であれば問題ないでしょう。15.6型ではちょっと大きすぎると感じる方におすすめします。
Inspiron 14 7000のまとめ
- 画面が大きいのにデスク上でジャマにならない
- アルミ素材を使った高品質なデザイン
- 鮮やかで見やすい液晶ディスプレイ
- 高スペックで作業が快適
- キーボード配列にやや違和感
- ちょっと重いけど持ち運べるレベル
Inspiron 14 7000は、デルの公式サイトで販売されています。購入される場合や支払い方法、納期について知りたい場合は、公式サイトの販売ページでご確認ください。
Inspiron 14 7000(7472)
税込み9~10万円台から
※記事中の価格や構成は記事執筆時点のもので、変更される場合があります