ラグジュアリーな2-in-1タブレットが登場!
日本HPから2017年夏の新モデルとして、12.3型の液晶ディスプレイを搭載する「HP Spectre x2」が発売されました。価格はCore i5モデルが税別15万9800円(税込み&送料込み17万5824円)で、Core i7モデルが税別19万9800円(税込み21万9024円)から。
HP Spectre x2
実は先日、HP Spectre x2の実機に触れていろいろチェックしてきました。今回はその内容を元に、スペックや外観面のレビューをお届けします。なお会場の照明の関係で写真は若干暖色系ですが、実物は上のような深みのあるアッシュブラックですので、あらかじめご了承ください。
HP Spectre x2
税込み17万5824円から
この記事の目次
- 1:HP Spectre x2のスペック
- 2:本体デザインについて
- 3:液晶ディスプレイについて
- 4:キーボードについて
- 5:ペン入力について
- 6:インターフェースについて
- 7:Surface Proとの違いについて
- 8:まとめ
HP Spectre x2のスペック
HP Spectre x2にはCPUにCore i5を搭載した「スタンダードモデル」とCore i7を搭載した「パフォーマンスモデル」の2種類が用意されています。それぞれの主な仕様は、以下の表のとおり。CPUだけでなく、メモリー容量やストレージ容量も異なります。
■HP Spectre x2のスペック
モデル | スタンダードモデル | パフォーマンスモデル |
---|---|---|
OS | Windows 10 Pro | |
CPU | Core i5-7260U(2.20GHz) | Core i7-7560U(2.40GHz) |
グラフィックス | Intel Iris Plus Graphics 640 | |
メモリー | 8GB | 16GB |
ストレージ | 512GB SSD(PCIe NVMe) | 1TB SSD(PCIe NVMe) |
光学ドライブ | なし | |
ディスプレイ | 12.3型、3000×2000ドット(アスペクト比3:2)、IPS、光沢、輝度450nit | |
通信機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 4.2 | |
カメラ | フロント:500万画素+IRカメラ(Windows Hello対応)/ リア:1300万画素 | |
インターフェース | USB3.1 Type-C Gen.1×2、microSD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロット、ヘッドホン出力 | |
バッテリー | 8時間 | |
サイズ | 幅294×奥行き207×高さ8mm(タブレット時)/幅294×奥行き213×高さ13.2mm(キーボードドック接続時) | |
重量 | 約775g(タブレット時)/約1.14kg(キーボードドック接続時) | |
付属品 | キーボード、アクティブペン、専用ケース、USB Type-C to USB A変換アダプターなど |
※2017年7月13日時点のスペック。時期によって変わる場合があります
注目したいのは、全体的にスペックが非常に高い点です。Core i5搭載の下位モデルでもストレージは512GB SSDで、他社製品の上位モデルに相当します。上位モデルにもなるとメモリー容量は16GB、ストレージは1TB SSDで、作業をストレスなく快適にこなせるでしょう。
またCPUが一般的なCore i5-7200U/Core i7-7500Uではなく、上位版のCore i5-7260U/Core i7-7560Uである点もポイント。内蔵グラフィックス機能も、Intel HD Grapghics 620よりパワフルなIntel Iris Plus Graphics 640が使われています。標準的なモバイルノートパソコンよりも高いパフォーマンスを期待できそうですが、内部の熱を抑えるためにパフォーマンスを調整することがあるので、実際の性能についてはベンチマークテストを行なってみないとわかりません。
本体デザインについて
HP Spectre x2は従来のHP Spectre 13やHP Spectre x360の流れを組む、ラグジュアリーデザインのタブレットです。本体カラーはシックなアッシュブラックで、アクセントとしてゴールドが使われています。実物を見ると、スタイリッシュかつゴージャスな雰囲気が感じられるでしょう。
本体の素材にはアルミニウムとマグネシウム合金が使われており、非常に高い質感を実現しています。と言っても、冷たく硬いメタリックな印象ではありません。表面には梨地処理が施されていて、滑らかな手触りです。
背面にあるゴールドのキックスタンドを操作することで、本体の自立角度を無段階で調整できます。チルト角度は最大165度。素材には強度の高いステンレスが使われており、操作時に歪むようなことはありませんでした。
実際に使ってみて感心したのは、本体を最大角度まで寝かせてもたわみが少ない点です。強く押せばそれなりにたわみますが、Surface Proほどではありませんでした。この程度のたわみなら、ペン入力時に画面がグラつくことはないでしょう。
本体サイズは幅294×奥行き207×高さ8mmです。A4用紙(幅297×奥行き210mm)より若干小さいのですが、ほぼ「ジャストA4サイズ」と言っていいでしょう。タブレット単体だと非常にスリムなのですが、個人的には排熱がうまく行なわれるのかちょっと気になります。
液晶ディスプレイについて
液晶ディスプレイのサイズは12.3型で、解像度は3000×2000ドットです。いわゆる「3K2K」と呼ばれるタイプですね。アスペクト比は3:2で、実際の紙に近い比率です。サイズとアスペクト比は新しいSurface Proと同じなのですが、Surface Proは解像度は2736×1824ドットですので、HP Spectre x2のほうが高精細に表示されます。
解像度が高いだけあって、文字のギザギザ感はほとんど目立ちません。また液晶ディスプレイの映像はかなり明るく感じます。HP Spectre x2の輝度は450nit(ニト、明るさを表わす単位)で、タブレットとしてはかなり明るめ。iPad Pro(12.9インチ)の600nitよりは劣るものの、新型Surface Pro(396nit)よりは上です。
キーボードについて
HP Spectre x2には、カバーとしても使えるキーボードが付属しています。Surface Proシリーズのタイプカバーをイメージすると、わかりやすいでしょう。キーピッチは18.7mmで、キーストロークは約1.5mmです。理想とされる19mmのキーピッチよりは若干狭いのですが、特に問題なく普通に使えました。
個人的に気になるのは、キーボードの右側面にペンホルダーの布が付いている点です。ペンの持ち歩くときには便利ではありますが、せっかくデザインがスタイリッシュなのに、このピラピラした布の部分に違和感を感じました。
また、標準的なノートパソコンよりもキーボードのたわみが気になります。特にキーボードのマグネット部分を液晶ディスプレイに付けるとキーボードと接地面とのあいだにすき間が生じるため、タイプ音が大きく聞こえました。このあたりは構造上、仕方がないことかもしれません。ただSurface Proのタイプカバーよりは底面部が固く、たわみが少ないように感じます。
ペン入力について
HP Spectre x2には、ペン入力用のアクティブペンが付属します。筆圧感知は1024段階で、傾き検知には非対応。ペンはSurface Proと同じN-Trig製とのことでした。
ペンの追従性については良好で、とてもスムーズに描くことができました。ペン先との摩擦は小さく、ツルツルとした描き心地です。最近は紙のような摩擦を再現するモデルもありますが、個人的にはこの描き心地のほうが好み。
イラスト制作にはより精度の高い筆圧感知や遅延の短縮、傾き検知などが求められますが、ビジネスシーンでのメモ書き程度なら問題なく利用できるでしょう。
インターフェースについて
HP Spectre x2はインターフェースとしてUSB3.1 Type-C ×2、microSD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロット、ヘッドホン出力を用意しています。どちらかと言うと、端子の数と種類は少なめです。個人的には、フルサイズのUSB端子がないのが残念。とは言うものの、USB Type-C→Type-Aの変換アダプターが付属しているので、従来のUSB機器も使えることは使えます。
専用の映像出力端子は用意されていませんが、USB3.1 Type-CをDisplayPort (1.2) として利用できます。この場合、別途変換ケーブルが必要になる点に注意してください。
Surface Proとの違いについて
HP Spectre x2は見た目といいスペックといい、明らかにマイクロソフトのSurface Proを意識しています。HP Spectre x2とSurface Proのどちらを購入しようか迷っている人もいるかもしれません。
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スペック面で見ると、中~上位モデルはどちらも同等レベルです。ただしSurface Proではパーツ構成の異なる全6モデルが用意されているのに対し、HP Spectre x2では2モデルしか用意されていません。もっとも、高性能なモデルが欲しい人にはSurface ProのCore m3モデルやメモリー容量が4GBのCore i5モデルは不要かもしれませんが。
■HP Spectre x2とSurface Proのスペック
HP Spectre x2 | Surface Pro | |||
モデル | スタンダードモデル | パフォーマンスモデル | Core i5 モデル | Core i7 モデル |
OS | Windows 10 Pro | |||
CPU | Core i5-7260U | Core i7-7560U | Core i5-7300U | Core i7-7660U |
グラフィックス | Intel Iris Plus Graphics 640 | Intel HD Graphics 620 | Intel Iris Pro Graphics 640 | |
メモリー | 8GB | 16GB | 4/8GB | 8/16GB |
ストレージ | 512GB SSD | 1TB SSD | 128/256GB SSD | 256GB/512GB/1TB SSD |
ディスプレイ | 12.3型、3000×2000ドット(293 PPI)、輝度450nit | 12.3型、2736×1824ドット(267 PPI)、輝度396nit | ||
通信機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 4.2 | IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 4.1 | ||
インターフェース | USB3.1 Type-C Gen.1×2、microSD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロット、ヘッドホン出力 | USB3.0×1、Mini DisplayPort、Surface Connect、microSD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロット、ヘッドホン出力 | ||
バッテリー | 8時間 | 最大13.5時間(動画再生時) | ||
サイズ(タブレット時) | 幅294×奥行き207×高さ8mm | 幅292×奥行き201×高さ8.5mm | ||
重量(タブレット時) | 775g | 770g | 782g | |
オフィス | オプション ※現在は無料キャンペーン中 | Office Home and Business Premium | ||
税込み価格 | 17万5824円 | 21万9024円 | 15万8544円(8GB+256GB) | 20万6064円(8GB+256GB) / 28万0584円(16GB+512GB) / 34万1064円(16GB+1TB) |
※Surface ProのCore m3モデルは省略しました
HP Spectre x2側の視点から見ると、Surface Proとの違いは以下のとおりです。
HP Spectre x2のほうが優れている点
- Core i5モデルのCPU性能が高い
- Core i5モデルのグラフィックス性能が高い
- Core i5モデルのSSD容量が大きい
- 液晶ディスプレイが高精細で明るい
- 薄い
- Core i7モデルが軽い
- ペンとキーボードが付属
HP Spectre x2のほうが劣っている点
- Core i7モデルのCPU性能は低い
- フルサイズのUSB端子がない
- 映像出力とUSBが共用
- バッテリー駆動時間が短い
- サイズがやや大きい
- Core i5モデルが重い
- オフィス追加に料金がかかる
- vPro非対応
もっとも気になる価格については、HP Spectre x2のほうが圧倒的に有利です。Core i5モデルではSurface Proのほうが安いのですが、タイプカバーとSurfaceペンが別売りである点に注意してください。キーボードとペンを購入するとさらに2~3万円程度かかりますので、トータルではやはりHP Spectre x2のほうが安くすみます。またHP Spectre x2のパフォーマンスモデルとSurface Proの上位モデルでは、トータルコストで15万円以上変わることを考えれば、コストパフォーマンスはHP Spectre x2のほうが高いと言えるでしょう。
ただし人によって求めるものが異なりますので、一概にHP Spectre x2のほうが優れているというわけではありません。価格やデザイン、性能、使い勝手などから、総合的に検討されることをおすすめします。
コスパの高いビジネス向けタブレット
ということで、今回はHP Spectre x2の外観やスペック、Surface Proとの違いなどについてお届けしました。実際に使い込んだわけではないので真価はまだ未知数ですが、価格とスペックのバランスを考えると、けっこう良いような気がします。特にWindows 10 Pro対応でSSDの容量が大きく、CPUもパワフルですので、ビジネスシーンでおおいに活用できるでしょう。いまならキャンペーンでOffice Home and Business Premiumが無料でもらえるのでお得です。ラグジュアリーなデザインでほかの人と差を付けたい人、コスパを重視したい人におすすめします。
HP Spectre x2
税込み17万5824円から