レノボのideapad 320は、15.6型スタンダードサイズのノートパソコンです。最安モデルは3万円台と格安ながら、テンキーやDVD、有線LAN対応で機能は十分。スリムでスタイリッシュなデザインも特徴です。
最大の魅力は、3万円台の最安モデルでも1920✕1080ドットのフルHDに対応している点です。格安モデルでは一般的な1366✕768ドットよりも画面を広く使える上に、より多くの情報を表示できるので作業がはかどります。
ideapad 320のポイント
- 作業がはかどるフルHD
- 豊富な機能に対応
- 映像品質はそれなり
今回は筆者が購入したideapad 320(80XR007GJP)を使って、実際の性能や本体デザイン、各部の使い勝手などをレビューします。
この記事の目次
- 1:スタンダードなデザインと大きさ
- 2:フルHDで作業効率アップ!
- 3:キーボードをチェック
- 4:インターフェースをチェック
- 5:スペックとラインナップ
- 6:パフォーマンスをチェック
- 7:まとめ
※アマゾンで販売中のモデルは、直販モデルとスペックが異なります。詳しくはコチラ
スタンダードなデザインと大きさ
ビジネスにも使えるデザイン
ideapad 320は、ノートパソコンとしてはスタンダードなデザインです。素材も一般的な樹脂(プラスチック)ですが、見た目はそれほど安っぽくありません。ただし本体の強度やキズのつきにくさについては、それなりだと思われます。
大きさはB4サイズ相当
本体の大きさは、幅378×奥行き260×高さ22.9mm。B4サイズ相当でちょっと大きいのですが、15.6型モデルとしては標準的です。
重量は2.2kg
重量は公称値で約2.2kgです。筆者が購入したモデルを測ってみたところ約2.0kgでした。15.6型としては比較的軽量ですが、軽々と持ち運べる重さではありません。
フルHDで作業効率アップ!
ポイント
眼に優しい非光沢
液晶ディスプレイの大きさは、ノートパソコンとしてはもっとも人気の高い15.6型です。画面が比較的大きいので、文字やアイコンも見やすく表示されます。
液晶ディスプレイのタイプには、1366✕768ドットと1920✕1080ドット(フルHD)の2種類が用意されています。おすすめは画面を広く使えるフルHDです。ひとつの画面に多くの情報(文字や画像など)が表示されるので、ウィンドウを切り替えたり画面を何度もスクロールする必要がありません。
液晶ディスプレイの表面は光沢なしのノングレア仕上げです。画面に映り込みがないので作業に集中しやすく、また目が疲れにくいとも言われています。
映像品質は格安モデル相当
液晶ディスプレイの映像はコントラスト(色のメリハリ)がやや弱く、映像は若干青みがかっています。格安モデルでよく見られるタイプです。とは言うものの、写真や動画は普通に鑑賞できるでしょう。
視野角が狭いので、液晶ディスプレイの向きや角度を変えると色が大きく変わってしまうことがあります。
キーボードをチェック
配列の一部に違和感アリ
ideapad 320のキーボードには、数値入力に便利なテンキーが付いています。エクセルなどでデータを入力する際に便利です。キーピッチ(キーとキーの間隔)は理想とされる19mmですが、一部のキーで微妙に狭くなっている箇所がありました。多少の違和感はありますが、使い続けているうちに慣れてくるでしょう。
軽いタッチでタイピングできる
キーストローク(キーを押し込む深さ)は約1.5mmで、ノートパソコンとしては標準的です。入力時に「カクっ」とした軽いクリック感がありますが、最後まで押し切る力は比較的弱く、軽いタッチで操作できます。長時間使っても、それほど疲れないはずです。
タイプ音自体は控えめですが、内部で少し反響するためか、若干「ドスドス」という低い音が聞こえます。静かな場所で作業するのであれば、多少弱めに入力したほうがいいかもしれません。入力時にはホームポジション(「F」キーと「J」キー)付近で、わずかなたわみが生じます。底打ち感はあまり感じられず、指への負担は軽めでした。
スタイリッシュなボタン一体型タッチパッド
タッチパッドは、左右のボタンが一体となったタイプ。部品が少ないので、見た目はスタイリッシュです。ただし人によってはパッド操作時に力が入りすぎて、クリックしたと認識されてしまうかもしれません。このあたりは好みによりますが、一般的にボタン分離型のほうが誤操作が少ないと言われています。
誤操作を防ぐためか、クリックボタンはやや固めに仕上げられています。カーソルの反応は問題なく、マルチタッチジェスチャーもサクサク動きました。ただしスペックが低いためか、操作時に一瞬の間を感じるときがあります。
インターフェースをチェック
必要十分なインターフェース構成
周辺機器/各種メディア接続用のインターフェース(端子類)としては、USB3.0×1、USB2.0×1、HDMI、有線LAN、SDサイズのメモリーカードスロット、ヘッドホン出力が用意されています。一般的な15.6型ノートパソコンと比べるとUSB端子の数がちょっと少ないのですが、普通に使える構成です。
USB端子は左側に2ポートあり、右側にはまったくありません。右側にも1ポートあるほうがケーブルや端子の取り回しが便利なのですが、価格が安いことを考えれば仕方がないでしょう。
ちなみにUSB端子を見てもどちらがUSB3.0なのかわからなかったのでUSBメモリーを使って転送速度を計測したところ、左側がUSB3.0で右側がUSB2.0でした。
有線LNA端子が用意されているので、無線LAN環境のない場所でも利用可能です。ただし有線LANの転送速度は最大100Mbpsで、電波状況によっては無線LANのほうが速いかもしれません(11ac利用時は最大433Mbps)。
格安モデルとしては高品質なサウンド
スピーカーは、底面部の左右に配置されていました。下向きに設置されたスピーカーからの音が接地面で反響することで、格安モデルのなかではワンランク上の音の厚みを実現しています。
音質がいいとは言っても、タブレットよりはマシというレベルです。BGMとして再生したりネット動画を視聴する程度なら問題ありませんが、迫力のあるサウンドを楽しみたいならヘッドセットや外付けスピーカーの利用をおすすめします。
パーツ交換はいちおう可能
idepad 320にはパーツ交換用のカバーは用意されていませんが、底面部のカバーを丸ごと取り外すことでパーツの交換が可能です。
メモリースロットは1ポートです。メーカー公表のスペックでは最大メモリーが4GBとなっていますが、上位モデルのideapad 520では8GBのメモリーを認識できたので、もしかすると8GBで動作させられるかもしれません。
ストレージは2.5インチのみで、M.2スロットは見当たりませんでした。500GBのHDDをSSDに交換すれば、より快適に利用できるでしょう。
ただしパーツ換装用に8GBメモリーとSATA接続のSSDを別途購入すると、それだけで2万円前後かかってしまいます。本体と合計で6万円近くかかってしまうなら、Core i3やCore i5搭載モデルを購入したほうがいいかもしれません。
スペックとラインナップ
ideapad 320のスペック
Celeronモデル | 第7世代モデル | 第8世代モデル | |
OS | Windows 10 Home | ||
CPU | Celeron N3350 | Core i3-6006U / i5-7200U | Core i5-8250U |
メモリー | 4GB | ||
ストレージ | 500GB HDD | 500GB HDD / 256GB SSD | |
グラフィックス | Intel HD Graphics 500 | Intel HD Graphics 520 | Intel UHD Graphics 620 |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ | ||
ディスプレイ | 15.6型、1920×1080ドット/1366✕768ドット、非光沢、タッチ非対応 | ||
通信機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 4.1、100BASE-TX対応有線LAN | IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 4.1、1000BASE-T対応有線LAN | |
インターフェース | USB3.0×1、USB2.0✕1、HDMI、有線LAN、SD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロット、ヘッドホン出力/マイク入力 | USB3.0(Type-C)✕1、USB3.0×2、HDMI、有線LAN、SD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロット、ヘッドホン出力/マイク入力 | |
セキュリティ機能 | セキュリティースロット、TPM 2.0、パワーオンパスワードなど | ||
カメラ | 720p(92万画素相当) | ||
サイズ/重量 | 幅378×奥行き260×高さ22.9mm/約2.2kg | ||
バッテリー駆動時間 | 5時間 | 4.5~4.8時間 | 6時間 |
※2018年2月7日時点。構成や価格は変更される場合があります
ideapad 320のラインナップ(直販モデル)
ideapad 320の基本モデルは、以下の7種類です。本体カラーがブリザードホワイトのモデルは解像度が1366✕768ドットなので注意してください。またそれぞれにオフィス付きモデルも用意されています。
基本モデルのラインナップ
Celeronモデル(80XR007GJP) | |
---|---|
税込3万8210円 | |
Core i3モデル(80XH0047JP) | |
税込4万6948円 | |
Core i5モデル(80XL008DJP) | |
税込5万6246円 | |
第8世代モデル(81BG004TJP) | |
税込6万9530円 | |
Celeron ホワイトモデル(80XR017JJP) | |
税込4万2120円 | |
Core i3ホワイトモデル(80XH01RPJP) | |
税込5万8126円 | |
第8世代ホワイトモデル(81BG00CUJP) | |
税込9万1260円 |
※2018年2月7日時点。構成や価格は変更される場合があります
パフォーマンスをチェック
ideapad 320とHP 15-bw000ベーシックモデルを比較
日本HPから、同じ15.6型フルHDで3万円台の「HP 15-bw000」ベーシックモデルが販売されています。どちらを購入するか迷っている人のために、ideapad 320とHP 15-bw000ベーシックモデルのベンチマーク結果を比較しました。ぜひ参考にしてください。
なおideapad 320を少しでも快適に使うなら、以下の作業・設定をおすすめします。
- 電源プランを「高パフォーマンス」に設定
- 不要なスタートアップを無効化
- 不要なアプリを削除
- 負荷の軽いソフトを優先して使う
- 起動直後は10~30分程度待つ
- Windows Updateをこまめに実施
安さとフルHDにこだわりたい人向け
ということで、15.6型のフルHDノートパソコン「ideapad 320」のレビューをお届けしました。
価格の安さは確かに魅力ですが、CPU性能やインターフェース構成など気になる点もあります。パソコンとしての快適さを求めるなら、ストレージにSSDや64GB以上のeMMCを搭載したモデルのほうがおすすめです。解像度は1366×768ドットが中心ですが、HDD搭載のideapad 320よりもサクサク動作するでしょう。
ideapad 320は、レノボの直販サイトで販売されています。支払い方法や納期などについては、公式サイトでご確認ください。