日本郵政株式会社が運営する「郵便年賀.jp」にて、無料で使えるハガキ作成ソフトの最新版「はがきデザインキット2018」が公開されました。
はがきデザインキット2018には、パソコンで利用する「インストール版」とブラウザーから利用する「ウェブ版」、スマホで利用する「スマホアプリ版」の3種類が用意されています。通信面(裏面)をデザインできるのはどれも同じですが、印刷の方法や住所録の管理などが異なります。
この記事では、それぞれの違いや操作手順、メリット/デメリットなどを解説します。
この記事の目次
パソコン向けのインストール版は機能豊富
動作環境
インストール版のはがきデザインキット2018は、Windows/Macで利用できます。動作環境として公開されているのはOSの種類だけで、CPUやメモリーについては明記されていません。OSの条件さえクリアーしていれば、スペックの低いパソコンでも問題なく動くということでしょう。
はがきデザインキットの動作環境
- ●Windows 7/8/10
- ●Mac OS X10.7以上
- ●インターネット接続環境
関連リンク
- はがきデザインキット2018 インストール版ダウンロードページ
通信面のデザイン
はがきデザインキット2018では、イラストや文字などを貼り付けて通信面(裏面)をデザインします。基本的には、画面右側の素材欄から使いたいものをドラッグ&ドロップすればOKです。
素材の種類
インストール版では標準で素材がインストールされていますが、使える数はわずかです。インターネットに接続した状態で「素材を探す」を選ぶと、テンプレートやイラストなどを1000点以上利用できます。
文字の書き込み
画面右側の「テキスト」タブをクリックすると、通信面に文章を加えられます。文字を入力後、ツールで拡大縮小や位置の変更が可能です。また「フリーハンド」タブを使うと、マウスやペン(パソコンが対応している場合)による手書き入力を行なえます。
なおはがきデザインキットでは、有料の年賀状作成ソフトのような「例文集」は用意されていません。文字は自分で入力する必要があります。
住所録の取り込み
はがきデザインキット2018では、ほかのソフトで作った住所録を取り込めます。ただし対応するファイル形式は「CSV」のみ。ほかのソフトの住所録を使う場合は、あらかじめCSV形式のファイルに保存する必要があります。CSV形式での保存方法については、それぞれのソフトのマニュアルでご確認ください。
住所録の管理
住所録の編集機能は、それほど充実していません。簡単な修正なら特に問題ありませんが、編集機能の豊富さでは有料ソフトに軍配が上がります。また大量のデータを一括処理するのも面倒です。
宛名面のデザイン
インストール版では、宛名面のレイアウトを変更できます。ただし変えられるのは文字の大きさや位置など、基本的な部分のみです。宛名用のフォントは2種類のみ利用できます。
印刷機能
はがきデザインキット2018では宛名面のプレビュー機能は利用できますが、そのほかの印刷機能は用意されていません。印刷時の余白や印刷品質、枚数などは、OSのプリンタードライバーを利用します。
https://komameblog.jp/review/nenga2018/
ウェブ版はオンライン注文向け
ブラウザーで動くからインストール不要
はがきデザインキット2018のウェブ版は、Microsoft EdgeやGoogle Chrome、インターネットエクスプローラーなどのブラウザー上で動作します。ソフトをパソコンにインストールする必要はありませんが、動作にはAdobe Flash Playerが必要です。
関連リンク
通信面のデザイン
ウェブ版での通信面のデザインは、基本的にはインストール版と変わりません。ただしウェブ版のほうが素材の総数が少なく、またテンプレート以外の素材は「スタンプ」と呼ばれます(インストール版では「パーツ」)。
デザイン修正にはログインが必要
作成した通信面のデザインを確認したり編集し直したりするには、「ゆうびんID」でのログインが必要です。ゆうびんIDを持っていない場合は、無料の会員登録を行なう必要があります。
住所録の取り込みと編集
ウェブ版でも住所録の取り込みと編集が行なえます(要ログイン)。ただし可能なのは住所録の一覧表示と名前/住所の修正のみです。また取り込みに利用するCSVファイルの制約が厳しく、インストール版で取り込めたCSVファイルがウェブ版では利用できませんでした。
オンライン注文
ウェブ版では、自宅のプリンターから宛名面や通信面を印刷できません。通信面を印刷する場合はいちど画像としてダウンロードしてから、別のソフトを使ってハガキサイズで印刷する必要があります。
印刷機能がない代わりに、「オンライン注文」を利用できます。オンライン注文とは通信面のデザインや住所録を登録することで、実物の年賀はがきを作成/投函してくれるサービスです。
ユニークなのは、メールアドレスやtwitterのフォロアーリストから年賀状を発送できる点です。相手の住所や本名がわからなくても、日本郵便の人がメール/DMで代わりに聞いてくれるとのこと。賛否両論あるかもしれませんが、場合によっては便利かもしれません。
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写真機能が充実したスマホアプリ版
対応OS
はがきデザインキット2018のスマホアプリ版は、AndroidとiOSに対応しています。
はがきデザインキットのスマホアプリ版動作環境
- ●iOS 8.0以降
- ●Android 4.0以上
関連リンク
- はがきデザインキット2018 スマホアプリ版
通信面のデザイン
スマホアプリ版での通信面のデザインは、ウェブ版とほぼ同じです。テンプレートを選んだ後にスタンプやメッセージを追加しながら作成します。
スマホアプリ版で特徴的なのは、写真を使った年賀状を作りやすい点です。インストール版やウェブ版では写真の読み込み操作が必要ですが、スマホアプリ版ならカメラロールにある写真やその場で撮影した写真をすぐに使えます。
手書き文字の取り込み
スマホアプリ版独自の機能として、カメラを使った手書き文字の取り込み機能が用意されています。紙に描いた文字をスタンプとして使うことで、手書き風の雰囲気を演出できます。
印刷と画像の保存
スマホアプリ版では、通信面の印刷が可能です。宛名面の印刷には対応していません。またデザインした通信面を画像で保存する際は、印刷機能を利用します。
住所録の管理
スマホアプリ版はインストール版やウェブ版のように、住所録を一括で取り込むことはできません。1件ずつ、手動で入力するのが基本です。ただしゆうびんIDでログインすれば、ウェブ版で取り込んだ住所録を参照できます。
写真からデータを住所録に追加
スマホアプリ独自の「宛名スキャン」を使うと、ハガキや名刺の写真から住所録にデータを追加できます。スキャンとは言っても写真を送信してからデータが完成するまでにちょっと時間がかかりますので、もしかすると手入力なのかもしれません。
オンライン注文
スマホアプリ版でも、宛名印刷には対応していません。スマホのみで年賀状を発送するには、ウェブ版と同じくオンライン注文を利用します(もしくは宛名面だけは手書きで処理する)。
お手軽&シンプルに作りたい人向け
ということで、今回は11月1日に公開されたはがきデザインキット2018について紹介しました。通信面のデザインはわかりやすく素材も十分なのですが、宛名面の印刷や住所録の管理が面倒です。オンライン注文で全部すませるならいいのですが、もうちょっと効率的に作業したい人には、有料のはがき作成ソフトをおすすめします。
もちろん時間よりも安さを優先したいなら、使うのもアリです。無料ソフトとは言え、充分な機能と素材を備えていますからね。
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