2018年モデル発売中
この記事で取り上げている機種は2017年9月発売のモデルで、現在は2018年の最新モデルが発売されています。詳しくは以下のリンクからレビュー記事をご覧ください。
デルのInspiron 13 7000(7370)は、13.3型で1920✕1080ドットのフルHDディスプレイを搭載した2017年秋発売のモバイルノートパソコンです。アルミ素材を使用した質感の高いボディと優れたパフォーマンスを両立しながらも、価格は税込み9~11万円台から。お手ごろなハイスペックモデルとして注目を集めています。
重量は1.40kg~で、バッテリー駆動時間は最大8時間。モバイル向けに特化されているわけではありませんが、問題なく持ち運べる範囲です。プライベートやビジネスシーンでも活用できるでしょう。
Inspiron 13 7000のポイント
ここがイイ! | ここが残念 |
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今回はメーカーからお借りした実機を使って、Inspiron 13 7000(2017年秋発売モデル)の本体デザインや使い勝手、実際の性能などをレビューします。
この記事の目次
Inspiron 13 7000(7370)
税込み9~11万円台から
https://komameblog.jp/bargain/dell-campaign-20160701/
高級感のあるモバイルPC
華やかで高級感のあるデザイン
カラーバリエーションはシルバーとピンクシャンパンの2色。今回はシルバーのモデルを試用しましたが、明るいメタリックな外観でした。天板(液晶ディスプレイの裏側)のエッジにはダイヤモンドカット加工が施されており、華やかさと高級感が感じられます。
大きさはA4サイズ相当
Inspiron 13 7000の設置面積は、幅309.7×奥行き215.7mmです。A4用紙(幅297✕奥行き210mm)よりもわずかに大きめと考えると、サイズ感をイメージしやすいでしょう。
高さは最薄部で15.19mm、最厚部で16.42mmです。ノートパソコン全体のなかでは比較的スリムですが、モバイル向けのモデルとしては特別薄いわけではありません。ただし実際に手に持ってみるとそれほど厚くはなく、どちらかというとスリムに感じます。
重量は実測で約1.3kg
カタログ上では重量は約1.4kgとされていますが、試用機で実際の重さを測ってみたところ1.325kgでした。モバイル向けとしては特別軽いわけではありませんが、持ち運べる範囲内です。
スッキリした液晶ディスプレイ
狭額デザイン採用の13.3型フルHD
液晶ディスプレイのサイズは、モバイルノートパソコンとしては一般的な13.3型です。解像度は1920✕1080ドットのみ。ベゼル(枠)が狭くデザインがスッキリとしているので、余計な部分が目に入らず作業に集中できるでしょう。
映像品質は満足できるレベル
写真を表示して映像の色合いを確認したところ、自然な色合いで映し出されました。しかし映像のガンマカーブを確認したところ、標準的なIPSパネルよりも若干青みが弱く出ています。とは言うものの気になるレベルではありませんし、写真や動画を普通に楽しめます。
ただし輝度はわずかに低く、明るい場所で使うと画面がやや暗く感じました。
グレアパネルで映り込みあり
液晶ディスプレイの表面は、光沢のあるグレア仕上げです。ノングレアに比べて映像のコントラストが高いというメリットがありますが、環境によって映り込みが気になるかもしれません。
公式スペックでは、視野角は160度(上下左右80度)とのことでした。一般的なIPSパネルは187度ですので、厳密にはIPS相当のパネルなのかもしれません。ただ実用的に使えるレベルです。
静かで使いやすいキーボード
防水仕様のフルピッチキーボード
キーボードのキーピッチ(キーとキーの間隔)は、理想とされる19mm(フルピッチ)です。キーそのものの大きさは14.5mmでやや小さめ。大きなキーボードを使っているとちょっと窮屈に感じるかもしれませんが、モバイル向けモデルとしては標準的です。
キーボードは防水仕様です。ただし念のため、防滴程度と考えていたほうがいいかもしれません。また水以外の液体に対する防水性能もわかりませんが、ほかのモデルに比べて安心感は高いと言えます。
ちょっと残念なのは、Enterキー周辺で一部のキーが隣接している点です。実際に使っている最中、BackSpaceキーを押し間違えてしまうことが何度かありました。しばらく使えば慣れて、タイプミスは減るかもしれません。
タイプ音は静か
キーストローク(キーを押し込む深さ)は実測で1.5mm。ノートパソコンとしては標準的です。入力時に「カクッ」としたクリック感があり、軽めではあるものの確かな手応えを感じました。底打ち感はほぼなく、たわみも気になりません。
タイプ音は比較的静かです。軽いタッチなら「カタカタカタ」と控えめな音でした。ただし強く打つと「タタタタッ」とやや大きめに響きます。
タッチパッドはクリック音が大きい
タッチパッドは、ボタンとパッド部分が一体型のタイプです。表面はややザラつきのある手触り。グリップ感は高めで、スムーズに操作できました。
ボタンを押す力は軽いのですが、クリック時に「カチッ」とした大きめの音が響きます。キーボードの静音性が高いだけに、静かな場所ではタッチパッドのクリック音が気になります。
インターフェースは実用的な構成
USBは合計3ポート
端子類としては、USB3.0(Type-A)×2、USB3.1 Gen1 (Type-C)×1、HDMI、SD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロット、ヘッドホン出力が用意されています。製品ページではType-A端子はUSB3.0対応と書かれているのですが、別の仕様表ではUSB3.1 Gen1と書かれていました。もっともどちらも転送速度は同じなので、気にする必要はないかもしれません。
指紋センサー付き電源ボタン搭載
電源ボタンには指紋センサーが組み込まれおり、指でタッチするだけですばやくサインインできます。ただし電源を入れる際にボタンを押しっぱなしではサインインできず、一度指を離してからもう一度タッチして指紋認証を行なう仕様です。
クリアーで広がりのあるサウンド
Inspiron 13 7000で音楽を聞いてみたところ、思っていたよりも音質がいいのでビックリしました。個々の音は非常にクリアーで、広がりを感じます。底面部のスピーカーは完全に下を向いているのですが、こもった感じはまったくありません。接地面との反響を前提にして、チューニングされているようです。
ただしコンパクトなモバイルノートパソコンですので、低音部の迫力はやや弱く感じます。とは言え、音楽をカジュアルに楽しむには十分なクオリティです。
基本的には分解非対応
底面部にパーツ交換用のカバーなどはなく、基本的にパーツ交換には非対応です。ただし公式サイトにはパーツの取り外し・交換の手順がまとめられているので、どうしてもパーツを交換したい人は参考にするといいでしょう。
なお自分でパーツを交換すると、メーカー保証のサポート外となる点に注意してください。
関連リンク
- Inspiron 13 7000サービスマニュアル(英語)
モバイル向けとしては高性能
Inspiron 13 7000のスペック
Inspiron 13 7000のスペックにはいくつかのモデルが用意されていますが、基本となるのは以下の3種類です(2017年11月29日時点)。これらのモデルをベースとして、納期の早い「即納モデル」やOffice Personal Premiumが付属する「オフィス付きモデル」などのバリエーションモデルも用意されています。
Inspiron 13 7000の基本モデル
プレミアム | |
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税込み9~11万円台 | |
プラチナ | |
税込み10~11万円台 | |
スプレマシー | |
税込み14~16万円台 |
Inspiron 13 7000の価格は、そのとき実施されているキャンペーンによって大きく変動します。最新価格は以下のリンクから確認してください。
関連リンク
- Inspiron 13 7000のセール情報
CPUやメモリー、ストレージ以外のスペックについてはまったく同じです。
そのほかのスペック
OS | Windows 10 Home/Pro |
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光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 13.3型、1920×1080ドット。光沢、タッチ非対応 |
通信機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 4.2 |
インターフェース | USB3.0(Type-A)×2、USB3.1 Gen1 (Type-C)×1、HDMI、SD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロット、ヘッドホン出力 |
カメラ | 92万画素 |
サイズ/重量 | 幅309.7×奥行215.7×高さ15.19~16.42mm/約1.40 kg |
バッテリー駆動時間 | 最大8時間 |
Inspiron 13 7000のベンチマーク結果
今回のテストでは、もっとも性能が高い「スプレマシー」モデルを試用しました。ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミングによって大きく変わる点をあらかじめご了承ください。
バッテリー駆動時間は長くない
バッテリー駆動時間は公称値で最大8時間とされています。PCメーカー各社で実施されている標準的なテストと近い内容でテストを行なったところ、公称値よりもやや短い7時間3分という結果となりました。
バッテリー駆動時間計測時のテスト条件
- 電源モードは「バッテリー節約機能」
- 液晶ディスプレイの明るさを40%に設定
- 輝度(明るさ)の自動調節機能はオフ
- 無線LANとBluetoothはオン
- ボリュームは50%に調整
- 「BBench」で10秒ごとのキー入力と60秒ごとのWebアクセスを有効化
- 満充電の状態からテストを行ない、休止状態へ移行するまでの時間を計測
上記のグラフを見ると、途中でバッテリー残量が急激に減っていることがわかります。もしかすると、テスト中にWindows Updateやメーカーのアップデートが行なわれたのかもしれません。この急激な減りがなければ、おそらく8時間程度はもったはずです。
ただしこのテストは、バッテリー消費量が少なめです。普通に利用するとおそらく2~3割程度短くなるでしょう。およそ6時間前後と考えておくといいかもしれません。
高負荷時でも熱は抑えめ
キーボード面の温度を計測したところ、通常時は最大37.8度で人肌程度、高負荷時で42.3度のやや温かい程度でした。内部はCPUなどが熱くなっているはずですが、効果的に排熱されているようです。
通常利用ならほぼ無音
利用時の駆動音を簡易騒音計で計測したところ、高い負荷がかからない限りとても静かでした。静かな場所でも、駆動音を気にすることなく利用できます。
駆動音の計測結果(室温23度前後)
電源オフ時 | 37.5dBA | – |
---|---|---|
通常時 | 37.6dBA | ほぼ無音 |
YouTube動画再生時(スピーカーオフ) | 37.7dBA | ほぼ無音 |
FF14ベンチ実行時 | 54dBA | ファンの駆動音と風切り音が目立つ |
XPS 13との違いは?
デルからはInspiron 13 7000と同じ13.3型モデルとして、「XPS 13」が発売されています。位置付け的にはInspiron 13 7000よりも、XPS 13のほうが格上です。
ですがそれぞれにメリット・デメリットがあり、一概にXPS 13のほうが優れているというわけではありません。以下にそれぞれの違いを簡単にまとめましたので、参考にしてください。
Inspiron 13 7000とXPS 13の比較
Inspiron 13 7000 | XPS 13 | |
---|---|---|
税込み価格 | 9~11万円から | 13~15万円から |
デザイン | 良い | 非常に良い |
本体の小ささ | A4よりやや大きい | A4より小さくて薄い |
重量 | 1.4kg | 1.2kg |
映像品質 | 十分な品質 | 自然な色合いで狭額 |
キーボードの使い心地 | タイプ感は標準的 | タイプ感が軽い |
パフォーマンス | 非常に高性能 | 熱対策の影響あり |
バッテリー駆動時間 | やや短い | 非常に長い |
こんな人におすすめ | 価格・パフォーマンス重視 | デザイン・モバイル性能重視 |
XPS 13は、デザイン品質とモバイル性能に優れている点がポイントです。しかし本体がスリムでコンパクトであるがゆえに、内部の熱が上がり過ぎないようにパフォーマンスが調整されています。もっとも、調整後でも十分高性能ですので、普通に使うぶんには気にしなくてもいいでしょう。
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しかし少しでも高いパフォーマンスを必要とするなら、Insprion 13 7000のほうが有利です。しかも同じスペックであればXPS 13よりも3~4万円程度安く購入できます。コスパの高さを求める人には、Inspiron 13 7000をおすすめします。
Inspiron 13 7000(7370)
税込み9~11万円台から
※記事中の価格や構成は記事執筆時点のもので、変更される場合があります