「Alienwareワイヤレス・ゲーミング・ヘッドセット AW988(以下、”AW988″)は、バーチャル7.1チャンネル対応のワイヤレスゲーミングヘッドセットです。
デルのゲーミングブランド「Alienware(エイリアンウェア)」の名前を冠するだけあってゲーム向けに最適化されているのはもちろんのこと、1680万色のRGBイルミネーションやモード切替時の音声ガイドなどギミック感も満点。サウンドはクリアーで迫力があり、低反発クッションを使ったイヤーパッドの付け心地も上々です。
なおAW988はAlienwareシリーズのゲーミングPC専用というわけではなく、ほかのPCでも利用可能です。
Alienware AW988の評価
総合評価: 4.0/5.0
(評者:こまめブログ)
デザイン | 重厚感のあるデザインで質感も高い。ケーブルレスでスッキリ |
---|---|
装着感 | 低反発クッションを使ったイヤーパッドの着け心地がいい |
定位感 | 前後と斜めからの音はそこそこ聞き分けられるが、値段ほどの品質ではない |
付属ソフト | ソフトで音を調整できるのだが、なぜか検証時には利用できなかった |
音質 | 音の表現力が高く、迫力がある。映画/音楽向けのプリセットも用意 |
今回はメーカーからお借りしたAW988の実機を使って、デザインや着け心地、ゲーム中のサウンドなどについてレビューします。
※価格は変更される場合があります
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デザインと着け心地について
AW988はちょっとゴツめで大きくはありますが、重厚感と安定感のあるフォルムです。
ハウジング部分はサラサラとしたマットな手触りで、質感は高めです。エイリアンマークと2本のラインが印象的。
エイリアンマークとラインにはRGBイルミネーションが組み込まれており、専用ユーティリティー「Alien Command Center」から色を変更できます。
重量は実測377gで、装着時はやや重く感じます。とは言えゲーム中に気になるほどではありませんし、長時間利用しても首や肩は疲れませんでした。
イヤーパッドには低反発クッションが使われており、耳への圧力はほとんど感じません。なのに密閉感は高く、外部からの音はまったく気にならないほどでした。
ヘッドバンドの締め付けはややキツめですが、イヤーパッドが柔らかいので装着時の圧迫感や痛みはありません。またメガネを着けたまま装着しても、メガネがズレたり締め付けがキツく感じることもありませんでした。
マイクについて
マイクは左ハウジング部分に配置されています。棒状の突起を上げ下ろすことによって、マイクのオン/オフ切り替えが可能です。少し内部に食い込んでいるため、慣れないうちは手探りでマイクの位置を確認する必要がありました。
筆者は普段ゲームでボイスチャットをするフレンドがいない使わないため、ゲーム中での音質については確認していません。しかしボイスレコーダーアプリで試したところ、録音音声は非常にクリアーでした。ゲームでも問題なく利用できるでしょう。
使い勝手について
左ハウジングの下部および背面には、ボタンや端子類が配置されています。ヘッドセットを着けたままの状態では手を後頭部の奥の方に伸ばす必要があるため、少し操作しづらく感じました。
電源はバッテリー式で、USB経由で行ないます。microUSB端子は充電専用で、音声の入出力には対応していません。フル充電の状態で、最大14時間利用できます。
ユニークなのは、モード(映画/音楽/ゲームのプリセットを用意)切替時やマイクのオン/オフ切替時に音声ガイドが再生される点です。たとえばマイクをオンにすると「mic on」という英語の音声が聞こえます。モードの切り替えを確実に把握できるので便利。
ちなみに電源は左ハウジングのエイリアンマークを長押しすることでオン/オフを切り替えられます。はじめはこれがわからなくて、なぜ音が聞こえないのかしばらく悩んでしまいました。マニュアルは付属していないため、操作でわからないことがあったら公式サイトで確認する必要があります。
リンク
AW988ユーザーズガイド(英語、PDF)
接続はワイヤレス方式と3.5mmオーディオケーブルによる接続の2種類が可能です。ただしワイヤレスがウリのモデルなので、3.5mmケーブルを使うのは問題が発生したときの緊急用と考えたほうがいいでしょう。付属のケーブルは短くて取り回しづらいので、予備で保管しておく程度でいいと思います。
ワイヤレス接続には、専用のUSBドングル(レシーバー)を使います。Windows 10であれば、USB端子に接続するだけで自動的にドライバーがインストールされ、スグに利用可能です。無線には2.4GHz帯の電波を使うので、電子レンジ付近では使わないほうがいいでしょう。
ゲームでのサウンドについて
まずワイヤレスタイプということでBluetooth機器のような遅延を心配したのですが、音のズレはまったく感じませんでした。これは専用のUSB無線ドングルを使っているためでしょう。今回の検証では「フォートナイト」と「PUBG」および「Fallout 76」をプレーしていますが、いずれも普通にプレーできています。ただし0.01秒の遅延をハッキリと感じられる超上級プレーヤーなら、もしかするとズレを感じるのかもしれません。
実際にプレーすると、音の解像感が抜群に高いと感じました。個々の音が非常にクリアーで、複数の音が同時に再生されても、それぞれがなんの音なのかハッキリとわかるのです。ワンランク下のゲーミングヘッドセットだと音の方角はわかるものの、なんの音なのかハッキリわからなかったり距離感がつかみにくいことがあります。しかし個々の音がクリアーに再生されるAW988なら、距離や方向が重要なゲームを有利に進められるでしょう。
さらにフォトーナイトで詳しく検証するにあたっては、筆者所有のロジクールG433と比較しました。
[wpap type=”detail” id=”B071GBFYT4″ title=”ゲーミングヘッドセット PS4 ロジクール G433BK 高音質 有線 サラウンド 7.1ch PC Nintendo Switch Xbox One”]
ショットや足音などの効果音単体の聞こえ方については、AW988もロジクールG433もあまり変わりません。ただしロジクールG433では高音域が強調されており、ハッキリとは聞こえるものの音が軽く感じます。それに対してAW988は低音域までハッキリと聞こえるので音に迫力が感じられます。
またAW988では、BGMと効果音との馴染み具合も良好です。ロジクールG433ではショットの音や足音はハッキリと聞こえるものの、BGMがややこもったように感じます。効果音だけ異次元から再生されているような感じとも言うべきでしょうか。AW988ではそのような違和感は感じられず、BGMと効果音が同じうまく融合しています。
同じ症状は、PUBGでも感じられました。やはりAW988のほうがサウンドが自然です。特にPUBGでは敵からのショットがヒットしたときに「ドスッ」という低音がしっかりと響き、やられた感が味わえます。
AW988とロジクールG433で聞き比べたところ解像感にやや違いがあるものの、左右の音の聞き分けについてはゲームに大きく影響するほどの違いを感じられませんでした。しかしゲームの雰囲気が増すのは、確実にAW988のほうです。
バッテリー切れに注意が必要
AW988は最大14時間駆動で、1日に2~3時間プレーする程度なら数日おきに充電すればOKです。使うときだけ充電ケーブルを外し、使わないときはケーブルを挿しておくようにするといいでしょう。
ゲームの途中でバッテリーが切れると、かなり面倒です。バッテリー切れの15~20分前に英語の音声アナウンス(たぶん「power low」だったような気が)が再生されるのですが、ちょっと長めのイベントに参加している最中だとゲームを終わらせるわけにもいきません。microUSBケーブルを繋げば充電しながらプレーできるので、すぐに使える状況にしておくことをおすすめします。ちなみに筆者はケーブルが見つからなかったため、そのままバッテリーが切れて音がないままプレーするはめになってしまいました。
このようにワイヤレスタイプにはバッテリー切れという弱点はあるものの、その点にさえ注意すれば快適に利用できます。特にケーブルの取り回しが必要ないのはとても便利! プレー中にケーブルの位置が気になることはありません。ワンランク上のゲーミングヘッドセットを探している方は、ぜひ検討してみてください。
※価格は変更される場合があります
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