レノボのIdeaPad S540 ゲーミングエディションは、価格が安さが魅力のゲーム向けノートPCです。見た目は普通のスリム型ノートPCですが、パフォーマンス的には十分。人気ゲームを快適に楽しめます。
IdeaPad S540ゲーミングエディションには、スペックの異なる2種類のモデルが用意されています。それぞれの違いはCPUの種類やメモリー容量、ストレージ構成など。ゲームの快適さに影響するGPUについては同じです。
スペックの違い
Core i5モデル | Core i7モデル | |
CPU | Core i5-8265U | Core i7-8565U |
メモリー | 8GB | 12GB |
ストレージ | 512GB SSD | 1TB SSD |
グラフィックス | GTX 1650 (4GB) | |
価格 | 8万6900円 | 11万1078円 |
※2020年5月7日時点。価格は税込
この記事ではメーカーからお借りしたIdeaPad S540 ゲーミングエディションのCore i5 / Core i7モデルを使って、それぞれどの程度ゲームを快適に楽しめるのかを解説します。外観や使い勝手については、下記のリンクからレビュー記事をご覧ください。
この記事の目次
※2020年5月7日時点
※2020年5月7日時点
ゲーム系ベンチマーク結果
まずはIdeaPad S540ゲーミングエディションでゲームをどれだけ快適に遊べるかについて解説します。
結論から言うと、やや重めのゲームまでならCore i5モデル / Core i7モデルどちらでも快適に楽しめます。処理がかなり重い重量級のゲームには厳しいものの、少し重い程度の中量級クラスまでなら画質を下げれば快適にプレー可能です。
ちなみにCore i5モデルとCore i7モデルとでは、ベンチマークスコアやFPS (画面の描画速度の目安)に大きな違いは表われませんでした。ゲームだけで考えるのなら、どちらを選んでもほぼ同じです。
※テストはすべてフルHDで実施
FF15ベンチ (重量級 / DX11)
Core i5モデル
画質 | スコア / 評価 |
高品質 | 3006 / 普通 |
標準品質 | 4660 / やや快適 |
軽量品質 | 6091 / 快適 |
※スコアが6000以上で「快適」
Core i7モデル
画質 | スコア / 評価 |
高品質 | 3297 / やや快適 |
標準品質 | 4794 / やや快適 |
軽量品質 | 6112 / 快適 |
※スコアが6000以上で「快適」
FF14ベンチ:漆黒のヴィランズ (中量級 / DX11)
Core i5モデル
画質 | スコア / 評価 / 平均FPS |
高品質 | 8483 / 非常に快適 / 57.9 FPS |
標準品質 | 11378 / 非常に快適 / 79.6 FPS |
軽量品質 | 12948 / 非常に快適 / 97.7 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
Core i7モデル
画質 | スコア / 評価 / 平均FPS |
最高品質 | 8630 / 非常に快適 / 58.8FPS |
高品質 | 11500 / 非常に快適 / 80.2FPS |
標準品質 | 13085 / 非常に快適 / 97.6FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽量級 / DX9)
Core i5モデル
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 16616 / すごく快適 |
標準品質 | 17117 / すごく快適 |
低品質 | 18243 / すごく快適 |
※「すごく快適」で最高評価
Core i7モデル
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 16984 / すごく快適 |
標準品質 | 17870 / すごく快適 |
低品質 | 18941 / すごく快適 |
※「すごく快適」で最高評価
PSO2ベンチ (軽量級 / DX9)
Core i5モデル
簡易描画設定 | スコア |
6 (最高) | 19,040 |
3 | 39,466 |
1 (最低) | 83,895 |
※スコア5,000以上が快適に遊べる目安
Core i7モデル
簡易描画設定 | スコア |
6 (最高) | 18,252 |
3 | 38,032 |
1 (最低) | 65,711 |
※スコア5,000以上が快適に遊べる目安
リーグ・オブ・レジェンド (超軽量級 / DX9)
Core i5モデル
モード | 平均FPS / 最低FPS |
サモナーズリフト (最高画質) | 169.3 FPS / 130 FPS |
TFT (最高画質) | 80.6 FPS / 70 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
Core i7モデル
モード | 平均FPS / 最低FPS |
サモナーズリフト (最高画質) | 167.3 FPS / 140 FPS |
TFT (最高画質) | 81.9 FPS / 72 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
フォートナイト (中量級 / DX11)
Core i5モデル
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高 | 50.7 FPS / 44 FPS |
高 | 73.9 FPS / 60 FPS |
中 | 125.3 FPS / 92 FPS |
低 | 147.7 FPS / 99 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
Core i7モデル
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高 | 52.7 FPS / 44 FPS |
高 | 72.8 FPS / 62 FPS |
中 | 127 FPS / 80 FPS |
低 | 152 FPS / 109 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
PUBG (中量級 / DX11)
Core i5モデル
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
ウルトラ | 48.9 FPS / 45 FPS |
高 | 64.1 FPS / 58 FPS |
中 | 69.7 FPS / 63 FPS |
低 | 78.3 FPS / 72 FPS |
非常に低い | 92.7 FPS / 74 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
Core i7モデル
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
ウルトラ | 52.3 FPS / 45 FPS |
高 | 63.8 FPS / 59 FPS |
中 | 70.6 FPS / 65 FPS |
低 | 79.9 FPS / 72 FPS |
非常に低い | 96.8 FPS / 83 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
オーバーウォッチ (軽量級 / DX10)
Core i5モデル
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
エピック | 73.8 FPS / 62 FPS |
ウルトラ | 111.4 FPS / 99 FPS |
高 | 126.8 FPS / 110 FPS |
NORMAL | 156.1 FPS / 137 FPS |
低 | 18. FPS / 161 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
Core i7モデル
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
エピック | 77.7 FPS / 69 FPS |
ウルトラ | 109.6 FPS / 98 FPS |
高 | 125.3 FPS / 105 FPS |
NORMAL | 151.7 FPS / 132 FPS |
低 | 181.9 FPS / 159 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
エーペックスレジェンズ (中量級 / DX11)
Core i5モデル
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高設定 | 60.2 FPS / 53 FPS |
最低設定 | 108.6 FPS / 84 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安。FPS上限はデフォルトのまま
Core i7モデル
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高設定 | 62.2 FPS / 55 FPS |
最低設定 | 116.5 FPS / 93 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安。FPS上限はデフォルトのまま
アサシンクリード オデッセイ (超重量級 / DX11)
Core i5モデル
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高 | 31 FPS / 1 FPS |
中 | 47 FPS / 15 FPS |
低 | 54 FPS / 13 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
Core i7モデル
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高 | 18 FPS / 8 FPS |
中 | 46 FPS / 21 FPS |
低 | 51 FPS / 17 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ゴーストリコン ブレイクポイント (中重量級 / DX11)
Core i5モデル
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
ウルトラ | 23 FPS / 8 FPS |
中 | 49 FPS / 30 FPS |
低 | 57 FPS / 36 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
Core i7モデル
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
ウルトラ | 25 FPS / 10 FPS |
中 | 48 FPS / 24 FPS |
低 | 56 FPS / 33 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ファークライ ニュードーン (中重量級 / DX11)
Core i5モデル
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
ウルトラ | 47 FPS / 37 FPS |
中 | 55 FPS / 45 FPS |
低 | 61 FPS / 52 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
Core i7モデル
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
ウルトラ | 47 FPS / 33 FPS |
中 | 56 FPS / 43 FPS |
低 | 62 FPS / 50 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ディヴィジョン2 (中重量級 / DX12)
Core i5モデル
画質 | 平均FPS |
ウルトラ | 33 FPS |
中 | 57 FPS |
低 | 78 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
Core i7モデル
画質 | 平均FPS |
ウルトラ | 37 FPS |
中 | 62 FPS |
低 | 72 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
シャドウ オブ ザ トゥームレイダー (重量級 / DX12)
Core i5モデル
画質 | 平均FPS |
最高 | 33 FPS |
中 | 47 FPS |
最低 | 69 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
Core i7モデル
画質 | 平均FPS |
最高 | 33 FPS |
中 | 50 FPS |
最低 | 75 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
CPU性能
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Core i9-9980HK |
3558
|
Core i9-9880H |
3402
|
Core i7-9750H |
2714
|
Core i7-8750H |
2625
|
IdeaPad S540 (Core i7-8565U) |
1966
|
Core i5-9300H |
1947
|
IdeaPad S540 (Core i5-8265U) |
1654
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均 ※2は一般用途向けノートPC用
ゲームの快適さに影響するCPUのマルチコア性能を計測したとこと、Core i7-8565UのほうがCore i5-8265Uよりも優れた結果が出ました。ただ、どちらもゲーミングノートPCでよく使われるCore i7-9750Hには及びません。またゲーミングノートPCの下位モデルで使われることが多いCore i5-9300HについてはCore i7-8565Uと同等レベルで、Core i5-8265Uよりも上です。
とは言えゲーム系ベンチマークの結果をご覧いただければおわかりのとおり、実際のゲームではそれほど大きな違いは表われていません。
3Dグラフィックス性能
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
RTX 2080 |
23762
|
RTX 2080 Max-Q |
20066
|
RTX 2070 |
19807
|
RTX 2070 Max-Q |
18568
|
RTX 2060 |
14945
|
GTX 1660 Ti |
14337
|
GTX 1650 |
8770
|
IdeaPad S540 (Core i5+GTX 1650) |
8494
|
IdeaPad S540 (Core i7+GTX 1650) |
8480
|
GTX 1050 |
6008
|
MX250 |
3711
|
UHD 620 (Core i7) |
1265
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
3D性能を計測するベンチマークテストでは、試用機と同じGTX 1650を搭載したモデルの平均値をわずかに下回っています。しかしこのくらいの差であれば、ゲームの快適さに大きく影響するわけではありません。テストではCore i5の結果がCore i7を若干上回りましたが、これは個体差やタイミングによる誤差と考えていいでしょう。
ゲーミングPCとの違い
IdeaPad S540 ゲーミングエディションはゲーム向けの機種ではありますが、ベースがスタンダードのノートPCで、厳密にはゲーム向けに特化した”ゲーミングノートPC”ではありません。価格が安いという点は大きなメリットではあるものの、ゲームの快適さやPCの安定性については専用の機能を搭載したゲーミングノートPCに軍配が上がります。
リフレッシュレート
リフレッシュレートとは、ディスプレイの書き換え速度のこと。IdeaPad S540 ゲーミングエディションのリフレッシュレートは60Hzで、一般的なノートPCやテレビ、据え置きゲーム機と同じです。
60Hzでも普通は違和感はないのですが、ゲーミングノートPCのなかには120Hzや144Hzの”高リフレッシュレート”に対応する機種もあり、60Hzと144Hzの画面の動きを比べると明らかに144Hzのほうがなめらかで自然です。144Hzを体験したあとに60Hzの画面を見ると、わずかにカクカクしているように見えるでしょう。
以下の動画は60Hzと144Hzの画面の動きを5倍スローモーションで撮影したものです。再生スピードを落とすと、144Hzのほうがなめらかに動いていることがわかります。
キーボード
IdeaPad S540 ゲーミングエディションのキーボードは、一般的なノートPCのキーボードと変わりません。ゲームをカジュアルに楽しむには十分ですが、ガッツリやり込むのであればゲーム向けのキーボードを搭載した機種をおすすめします。
ゲーム向けキーボードと一般向けキーボードの違いは、キーの認識形式や認識数が異なる点です。一般的なキーボードでは一度にたくさんのキーを押しても数キー程度しか同時に認識されませんが、ゲーム向けキーボードは20~30キー以上認識されます。
実際にそれほどのキーを同時に押すことはないものの、キーを個別に正しく認識しているかどうかが重要なのです。認識数が少ないと、ゲームによってはうまく操作できない場合があります(PUBGの”リーン”など)。
初心者レベルならここまでこだわる必要はありませんし、いざとなったら外付けのゲーミングキーボードを利用すれば問題ありません。ただタイプ感も含めて、キーボードはゲーム向けのほうが使いやすいことは確かです。
排熱性能
ゲーム中は高い負荷がかかるため、CPUやGPUから熱が生じます。ゲーミングノートPCでは熱によるパフォーマンスの低下やパーツの劣化を防ぐために排熱 / 冷却性能が重視されていますが、スタンダードノートPCはゲーミングノートPCほどではありません。その点はメーカー側もある程度配慮していると思われますが、長い目で見ればゲーミングノートPCのほうが安定して動作するでしょう。
ただ冷却のために大型の通気口や空冷ファンを備えたゲーミングノートPCでは、ファンの回転音や排気口からの風切り音が大きいデメリットがあります。ヘッドセットを着用すれば音はほとんど聞こえませんが、基本的にゲーミングノートPCは音が大きいものだと考えてください。
安さを優先するならアリ
ベンチマーク結果をご覧いただければおわかりのとおり、IdeaPad S540 ゲーミングエディションはCore i5モデルでもCore i7モデルでもゲームを快適に楽しめます。体感的に変わらないのであれば、価格の安いCore i5モデルのほうが高コスパです。ゲーム以外に利用するなら、基本性能の高いCore i7のほうが汎用性に優れています。
ただ前述のとおり、スタンダードノートPCをベースにしたIdeaPad S540 ゲーミングエディションはゲーム向けに特化した機種ではありません。値段の安さを重視するならアリですが、ゲームの快適さを重視するならゲーミングノートPCをおすすめします。
たとえば同じレノボのLegion Y7000という機種なら144Hzの高リフレッシュレート対応で、キーの誤入力防止や内部の冷却機能の強化などが図られており、ゲーミングノートPCとしての完成度は上です。デザインはそれなりにハデですが、ゲームをより快適に楽しみたい人は検討してみてはいかがでしょうか。
※2020年5月7日時点
あくまでも安さにこだわりたい、あるいは本体は普通のデザインのほうがいいという人ならIdeaPad S540 ゲーミングエディションを選ぶといいでしょう。
※2020年5月7日時点
※2020年5月7日時点
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