ポイント
- “くるみの木”を使った本体
- 2-in-1なのに極薄
- 画面ののぞき見防止機能を搭載
HP ENVY x360 13 Wood Editionのスペック
画面サイズ | 13.3インチ |
---|---|
解像度 | 1920×1080 |
CPU | ・Ryzen 3 3300U ・Ryzen 5 3500U ・Ryzen 7 3700U |
メモリー | ・8GB ・16GB |
ストレージ | ・256GB SSD ・512GB SSD |
グラフィックス | ・Radeon Vega 6 (Ryzen 3) ・Radeon Vega 8 (Ryzen 5) ・Radeon RX Vega 10 (Ryzen 7) |
LTE | 非対応 |
幅×奥行き | 306×212mm |
厚さ | 16mm |
重量 | 約1.28kg |
バッテリー | 最大14時間30分 |
※2020年1月5日時点。構成は変更される場合があります
本体カラー | ナイトフォールブラック & ナチュラルウォールナット |
---|---|
画面の表面 | 光沢 |
パネルの種類 | IPS |
タッチ / ペン | 対応 |
光学ドライブ | ー |
テンキー | ー |
有線LAN | ー |
無線LAN | 11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 4.2 |
USB3.1 | 2 (Gen1) |
USB3.0 | ー |
USB2.0 | ー |
USB Type-C | 1 (Gen1) |
Thunderbolt 3 | ー |
メモリーカード | microSD |
HDMI | ー |
VGA (D-sub15) | ー |
DisplayPort | ー |
Webカメラ | 92万画素 |
顔認証カメラ | ー |
指紋センサー | 対応 |
付属品 | ACアダプター、電源コードなど |
オフィス | なし ※有料オプションで追加可能 |
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
この記事の目次
- ▶デザインと使いやすさ
- ▶ベンチマーク結果
- ▶価格について
- ▶まとめ
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デザインと使いやすさ
クルッと回る2-in-1
HP ENVY x360 13 Wood Editionは、ディスプレイが360度回転する2-in-1タイプのノートPCです。普通のノートPCとして使えるほか画面だけを前に出して動画を視聴したり、ちょっと大きめのタブレットのようにも利用可能。もちろんタッチ操作にも対応しています。
パームレストに本物の”木”を使用
HP ENVY x360 13 Wood Edition最大の特徴は、パームレスト (キーボード面の手のひらを置く部分)に”くるみの木 (ウォールナット)”が使われている点です。実機を細部まで確認したところ、1~2mm程度の薄い板がパームレスト部分のくぼみにはめ込まれていました。見た目のインパクトはありますが、外観全体としては違和感はありません。
天然の木を使っているため、木目は1台ごとに異なります。自然の木の質感は素晴らしく、高級感も抜群。パームレストとタッチバット部分が分離することなく、1枚の板でつながっているのはスゴイ! 実際にタッチパッドを使ったところ、違和感はまったくありませんでした。普通のタッチパッドと同じ操作感です。
気になるのは経年劣化についてです。木の表面にはナノコーティングとUVコーティングが施されているので、摩耗や汚れからは保護されているとのこと。ただ長期間使うと、どのように劣化するのかについてはわかりません。筆者は手がちょっぴり脂ギッシュなので、もしかしたらシミができたりするんじゃないかと少し不安に感じます。とは言え、長年使えばそれもある種の”味”として感じられるのではないでしょうか。
お手入れについては、乾いた布で表面をやさしくこすればOKとのことです。注意事項として高温多湿の状態を避け、長時間日光に当てないことが挙げられていますが、これは普通のパソコンでも同じですね。素晴らしい外観を長期間保つために、大切に扱うことをおすすめします。
重厚感のあるデザイン
パームレスト以外の部分のカラーはナイトフォールブラック。のっぺりとした黒ではなく、控えめながらもメタリックな輝きのあるダークグレーのような色合いです。全体的にエッジのたったフォルムでシャープな印象ですが、ブラックと木の組み合わせにより重厚感を感じさせます。
2-in-1なのにとてもスリム!
接地面積は幅306×奥行き212mmです。A4サイズ (幅297×奥行き210mm)よりも長辺が1cm長い程度と考えれば、サイズ感をイメージしやすいでしょう。厚さは公称値で16mmですが、実測では15.5mmでした。通常2-in-1タイプは厚くなりがちですが、HP ENVY x360 13 Wood Editionは普通のノートPCよりもスリムです。
バッテリーのもちがいいフルHD
画面サイズは13.3インチで、解像度は1920×1080ドットのフルHD。モバイルノートPCとしては一般的なスペックです。最近は4K (3840×2160ドット)の機種が増えていますがフルHDのバッテリーの持ちが良く、モバイル用途に向いています。
自然な色合いかつ鮮やかな映像
映像はとても鮮やかで、自然な色合いです。液晶パネルは自然な発色が特徴のIPS。映像はやや暖色系ですが、色のバランスがいいように感じました。コントラストが高い上に色域も広く、写真や動画を楽しむのに向いています。
色域測定結果
sRGBカバー率 | 93.9% |
---|---|
sRGB比 | 99% |
Adobe RGBカバー率 | 70.1% |
Adobe RGB比 | 73.4% |
画面はとても明るく感じます。と言っても、まぶしすぎるほどではありません。明るさを最大にしても、作業には支障ありませんでした。作業環境に応じて、明るさを変更するといいでしょう。
のぞき見を防ぐプライバシーモード
キーボードのF1キーを押すと、画面が変色して”プライバシーモード”に切り替わります。このモードだと横から見た際に画面が白く濁るので、のぞき見を防ぐことが可能です。正面で見る映像も色が変わってやや暗くなるのですが、ちょっと見えづらく感じる程度で内容は十分確認できます。
映り込みありのグレアタイプ
ディスプレイは光沢ありのグレアタイプで、映り込みが生じます。反射はやや強めで、画面の角度によっては気になるかもしれません。光沢タイプは鮮やかな色がメリットですが、映り込みが気になるなら反射防止用の液晶保護フィルムを使うといいでしょう。
右端の配列が気になるキーボード
キーボードはテンキーなしの日本語配列です。キーピッチ (キーとキーの間隔)は19mmで十分なサイズ。英数字キーの配列に違和感はないのですが、Enterキーの右側に特殊キーが並んでいる点が少し気になります。慣れないうちはEnterキーを押そうとしてほかのキーを押してしまうことがあるかもしれません。
キーボードバックライト対応
キーボードはバックライト対応です。F5キーで、バックライトの明るさを2段階で調整できます。バックライトは十分な明るさでした。
タイプ感はとても軽い
キーストローク (キーを押し込む深さ)は実測で1.3mmで、普通のノートPCの1.5mmよりも浅く作られています。キーを押した瞬間のクリック感は軽く、押し込む力も弱め。個人的にはフカフカとした印象でなじめなかったのですが、もとから軽いタッチで入力する人なら違和感なく使えるでしょう。
タイプ音は軽いタッチでもカタカタと聞こえました。と言っても、うるさく感じるほどではありません。ただし強めに打つと音がトントンと響くので、軽いタッチを意識したほうがいいかもしません。
インターフェースは十分な構成
周辺機器接続用のインターフェース類は、USB端子3ポート (うち1ポートがType-C)とmicroSDカードスロット、ヘッドホン用端子などの構成です。映像出力用のHDMI端子は用意されていません。種類は多くありませんが、手に持つ機会が多い2-in-1であることを考えれば、納得できる仕様です。
ちなみに右側面のスイッチで、Webカメラのオン / オフを切り替えられます。
Type-Cは映像出力と充電に対応
USB PD 18W充電 | × |
---|---|
USB PD 30W充電 | × |
USB PD 45W充電 | △ |
USB PD 65W充電 | ◯ |
映像出力 | ◯ |
Type-C端子はデータ通信のほか、充電と映像出力が可能です。ワット数の異なる充電器を試したところ、18 / 30Wの低出力タイプでは充電できませんでした。45Wでは充電できましたが、「適合しない電源」と警告が表示されます。Type-C経由で充電するなら65W以上のタイプを選んでください。
4つのスピーカーで高い音質を実現
スピーカーは驚くほど高品質です。キーボード上部のステレオスピーカーによって音のクリアーさとサラウンド感が強調され、底面部のスピーカーは接地面との反響によって音の厚みが増しています。音の解像感が高く、微妙な表情も聞き取れました。音量も十分で、ボリュームが50%だと少し大きく感じるほど。ノートPCのサウンドとしては高いクオリティーを実現しています。
ベンチマーク結果
試用機のスペック
モデル名 | ベーシック | スタンダード |
---|---|---|
CPU | Ryzen 3 3300U | Ryzen 5 3500U |
メモリー | 8GB | |
ストレージ | 256GB SSD | |
グラフィックス | Radeon Vega 6 (CPU内蔵) | Radeon Vega 8 (CPU内蔵) |
※グラフィックス機能を内蔵するAMD製プロセッサーは本来「APU」と呼ばれますが、ここではわかりやすさ優先で「CPU」と表記します
※Ryzen 5搭載のベーシックモデルはバリエーションモデル「HP ENVY x360 13 セラミックホワイト」の結果です。詳細は以下のリンクから関連記事をご覧ください
https://komameblog.jp/review/envy-x36013-ar/
十分なCPU性能
CPU | PassMark CPU Markスコア |
---|---|
Core i7-10710U |
13685
|
Core i7-1065G7 |
11872
|
Core i5-1035G4 |
11379
|
Core i7-10510U |
10863
|
Core i5-10210U |
9988
|
Core i7-8565U |
9814
|
Core i5-1035G1 |
9164
|
Core i5-8265U |
8593
|
Ryzen 5 3500U |
8447
|
HP ENVY x360 13 (Ryzen 5 3500U) |
8315
|
HP ENVY x360 13 (Ryzen 3 3300U) |
6681
|
Core i3-8145U |
5549
|
Core i3-10110U |
5534
|
Ryzen 3 3200U |
4609
|
Core i3-7020U |
3769
|
Celeron 4205U |
2026
|
Celeron N4000 |
1553
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
CPUの総合性能を計測するベンチマークテストを行なったところ、Ryzen 5 3500Uは第8世代Core i5と同程度、Ryzen 3 3300UはCore i3を上回る結果でした。モバイルノートPC向けCPU全体で見るとRyzen 5 3500Uは中間よりもやや上あたりで、普段使いやビジネスには十分快適に使えます。Ryzen 3 3300Uの性能はやや下回りますが、重い作業でなければ問題なく利用できるでしょう。
動画編集や高度なデータ計算など負荷の高い処理に影響するマルチコア性能のテストでも、似たような結果でした。あまり高度な処理には向いていませんが、一般的な用途であれば問題ありません。
CPUの性能比較 ※マルチコア性能
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Core i7-10710U |
2214
|
Core i5-1035G4 |
1649
|
Core i7-1065G7 |
1603
|
Core i7-10510U |
1537
|
Core i7-8565U |
1383
|
Ryzen 5 3500U |
1382
|
Core i5-1035G1 |
1370
|
Core i5-10210U |
1338
|
Core i5-8265U |
1217
|
HP ENVY x360 13 (Ryzen 5 3500U) |
1159
|
HP ENVY x360 13 (Ryzen 3 3300U) |
1020
|
Core i3-10110U |
950
|
Core i3-8145U |
769
|
Ryzen 3 3200U |
643
|
Celeron N4000 |
301
|
Celeron 4205U |
293
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
内蔵タイプとしては高いグラフィックス性能
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
8689
|
GTX 1050 |
6008
|
MX250 |
3606
|
Iris Plus(Core i7) |
2846
|
HP ENVY x360 13 (Radeon Vega 8) |
2456
|
HP ENVY x360 13 (Radeon Vega 6) |
2303
|
Iris Plus(Core i5) |
2136
|
UHD (Ice Lake Core i5) |
1396
|
UHD (Comet Lake Core i7) |
1335
|
UHD 620 (Core i7) |
1265
|
UHD (Comet Lake Core i5) |
1263
|
UHD 620 (Core i5) |
1186
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
グラフィックス性能を計測するテストでは、CPU内蔵タイプとしては優れた結果が出ました。さすがにゲーム用GPUであるGTXシリーズにはかなわないものの、多くのノートPCで使われているインテル製CPUのUHDシリーズを大きく上回っています。
だからと言って、ゲームやクリエイター向けソフトがサクサク動くわけではありません。体感的にはUHDシリーズ搭載のノートPCよりもちょっといいかな、という程度だと思われます。
ゲーム系ベンチマーク結果
ゲームについてはごく軽めのタイトルなら、解像度や画質を調整することでなんとかプレーできます。ドラクエ10やリーグ・オブ・レジェンド、PSO2、オーバーウオッチなどであれば問題ないはずです。PUBGやフォートナイトに関しては、かなり厳しいと思われます。
※テストはRyzen 3 3300U搭載モデルで実施、解像度はフルHD
FF15ベンチ (重量級 / DX11)
画質 | スコア / 評価 |
高品質 | 400 / 動作困難 |
標準品質 | 749 / 動作困難 |
軽量品質 | 1086 / 動作困難 |
※スコアが6000以上で「快適」
FF14ベンチ:漆黒のヴィランズ (中量級 / DX11)
画質 | スコア / 評価 / 平均FPS |
最高品質 | 1289 / 設定変更が必要 / 8.3 FPS |
高品質 | 1842 / 設定変更を推奨 / 12.4 FPS |
標準品質 | 2729 / やや快適 / 18.7 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽量級 / DX9)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 5355 / 快適 |
標準品質 | 5997 / 快適 |
低品質 | 7169 / とても快適 |
高速タイプのSSDを搭載
ストレージは256GBまたは512GBのSSDです。試用機の256GB SSDはPCIe 3.0 x4接続の超高速タイプでした。アクセス速度は十分すぎるほど高速です。実際、ウィンドウズを使っていてもストレスを感じる場面は特にありません。
容量については、文書ファイル中心なら256GBでも十分です。写真や動画を大量に溜め込むなら、512GBのほうがいいでしょう。
ウィンドウズの起動は十分高速
ウィンドウズの起動時間は平均12.76秒でした。最近は高級機でも15秒前後 (筆者調べ)なので、十分高速です。
起動時間の計測結果(手動計測)
1回目 | 14.5秒 |
---|---|
2回目 | 11.7秒 |
3回目 | 11.8秒 |
4回目 | 11.9秒 |
5回目 | 13.9秒 |
平均 | 12.76秒 |
フルパワーで8時間駆動
バッテリー駆動時間は公称値で約14時間30分とされています。ただしこれはパフォーマンスを大きく落とした状態での結果であるため、実際の利用ではもっと短いと思われます。
そこで最大パフォーマンスの状態でビジネス作業 (Web閲覧や文書作成、ビデオチャットなど)での駆動時間を計測したところ、8時間21分という結果でした。パフォーマンスをやや落とした状態での動画再生では8時間38分です。長くはありませんが、ガッツリ使って8時間であればそこそこ優秀な結果だと言えます。
バッテリー駆動時間の計測結果
テスト方法 | バッテリー消費 | 駆動時間 |
---|---|---|
※公称値 | 小 | ※非公開 |
Modern Office (ビジネス作業) | 大 | 8時間21分 |
Video (動画視聴) | 中 | 8時間38分 |
フル充電までにかかった時間 | - | 2時間19分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
使えるメモリーがちょっと少ない
HP ENVY x360 13のベーシックモデル / スタンダードモデル / スタンダードプラスモデルでは8GBのメモリーを搭載していますが、そのうちの2.1GBがビデオメモリーに割り当てられています。そのため実際に使えるメモリー容量は5.9GBしかありません。
ちなみにインテル製CPUだとメモリーの割り当て量は可変で、最大で7.8GB利用可能です。メモリー消費量の大きい作業では、この差が微妙に現われる可能性があります。とは言え、試用機を検証しているあいだに、特に処理が重く感じた場面はありませんでした。
価格について
HP ENVY x360 13 Wood Editionには、パーツ構成の異なる4種類のモデルが用意されています。それぞれのスペックと価格は、以下の表のとおりです。なおタイミングによっては価格が変わったり、販売が終了していることもあるので注意してください。
■ラインナップ
ベーシック | |
---|---|
9万1850円 | |
スタンダード | |
10万1750円 | |
スタンダードプラス | |
10万6700円 | |
パフォーマンス | |
13万1450円 |
※2020年2月5日時点、価格は税込
なお、HP ENVY x360 13にはバリエーションモデルとして木が使われていないホワイトやブラックのモデルが用意されています。価格はそちらのほうが安いので、コスパを重視する人におすすめです。
高級感あふれる極薄モバイル2-in-1
よかった点
なんと言っても、木の見た目と手触りが素晴らしい! これまで「木目調」プリントのノートPCはありましたが、本物の木が使われているのははじめてではないでしょうか。パームレスト以外の部分も存在感抜群の仕上がりで、その上極薄な点が魅力です。
気になる点
発売されてからまだ日が浅いこともあって、スペックのわりには値段が少し高めです。通常仕様の同スペックモデルが税込7万6450円~なので、価格を抑えたい人は通常モデルを選ぶといいでしょう。
https://komameblog.jp/review/envy-x36013-ar/
※2020年2月5日時点
*
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