ポイント
- 8GBメモリー+SSD搭載で4万円台
- 作業がはかどるフルHD
- 格安機としては軽量コンパクト
IdeaPad S145 (15, AMD)のスペック
画面サイズ | 15.6インチ |
---|---|
解像度 | 1920×1080 |
CPU | ・Athlon 300U ・Ryzen 3 3200U ・Ryzen 5 3500U ・Ryzen 7 3700U |
メモリー | ・4GB ・8GB |
ストレージ | ・128GB SSD ・256GB SSD ・512GB SSD |
グラフィックス | ・Radeon Vega 3 ・Radeon Vega 8 ・Radeon RX Vega 10 |
LTE | 非対応 |
幅×奥行き | 362.2×251.5mm |
厚さ | 19.9mm |
重量 | 1.85kg |
バッテリー | 約6.3時間 |
※2020年5月13日時点。構成は変更される場合があります
本体カラー | グレー |
---|---|
画面の表面 | 非光沢 |
パネルの種類 | TN |
タッチ / ペン | - |
光学ドライブ | - |
テンキー | あり |
有線LAN | - |
無線LAN | 11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 4.2 |
USB3.1 | - |
USB3.0 | 2 |
USB2.0 | 1 |
USB Type-C | ー |
Thunderbolt 3 | ー |
メモリーカード | SD |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | ー |
DisplayPort | ー |
Webカメラ | 30万画素 |
顔認証カメラ | ー |
指紋センサー | ー |
付属品 | ACアダプターなど |
オフィス | ※オフィス付きモデルあり |
この記事では筆者が購入した実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
この記事の目次
- ▶デザインと使いやすさ
- ▶ベンチマーク結果
- ▶ゲーム性能について
- ▶価格について
- ▶まとめ
IdeaPad S145 (15, AMD)
税込3万4036円~
デザインと使いやすさ
それなりの外観
IdeaPad S145 (15, AMD)は、スペック面ではありえないほど激安です。しかしボディの仕上がりは値段相応のレベル。ぶっちゃけて言えば、かなり安っぽく感じます。ボディは樹脂 (プラスチック)製で、強度もそれほど高くありません。
値段のわりにコンパクト
接地面積は幅362.2×奥行き251.5mmで、B4サイズ (幅364×奥行き257mm)よりもわずかに小さい程度です。最近の15インチタイプはこのくらいの大きさが標準になりつつありますが、3~5万円台の格安モデルでここまで小さい機種はなかなかありません。重量もそこそこ軽く、気軽に扱えます。
格安モデルでは珍しい15.6インチのフルHD
ディスプレイのサイズは15.6インチで、解像度は1920×1080ドットのフルHD。3~5万円台の格安ノートPCでは1366×768ドットが主流であることを考えると、IdeaPad S145 (15, AMD) はかなりお買い得です。解像度が高いぶんより多くの文章や画像が表示されるので、作業効率がアップするでしょう。
デスクトップの文字の大きさは2~2.7mm程度 (標準のスケーリング設定は125%)。新聞よりは文字が小さいのですが、特に小さくは感じません。ただコントラストが低いので、若干かすんで見えるような印象です。
青みの強いTNパネル
ディスプレイにはTNパネルが使われています。格安モデルでよく使われるパネルで、IPSパネルに比べて青みが強くコントラストが低い点が特徴。特に明るい色合いの映像では、自然な発色のIPSパネルとの違いがはっきりとわかります。
映り込みを抑えた非光沢ディスプレイ
ディスプレイの表面は光沢なしのノングレアタイプです。眼精疲労や集中力低下の原因と言われる”映り込み”が抑えられています。ノートPCを使って長時間作業する人向けの仕様です。
視野角が狭い
IdeaPad S145 (15, AMD)で使われているTNパネルは視野角が狭く、ディスプレイを斜めから見ると明るさや色が大きく変わることがあります。視線に対して画面が90度になるよう角度を調整するといいでしょう。
ややクセのあるキーボード
キーボードはバックライトなしの日本語配列で、数値入力に便利なテンキーが付いています。キーピッチ (キーとキーの間隔)は19mmで、標準的な広さです。英数字キーについては違和感はないものの、Enterキー周辺で一部特殊な配列がありました。
なおF1~12キーには標準でメディアキーが割り当てられています。かな変換や半角変換などでファンクションキーとして利用する場合はFnキーを併用するか、BIOS設定画面で「Hotkey Mode」を「Disabled (無効)」にしてください。
タイプ感は軽め
キーストローク (キーを押し込む深さ)は実測で平均1.38mmでした。1.2~1.5mmのあいだでバラつきがあったので平均としては浅かったものの、1.5mmあたりを標準値としているのかもしれません。
ストローク感としては平均的です。キーを押した瞬間にカクッとしたクリック感があり、手応えは弱いながらも感じられます。ただ全体的にタイプ感が軽いので、軽い力でタイプする人向き。値段が安いわりに、比較的使いやすいと思います。
タイプ音はカタカタと聞こえますが、軽いタッチなら気になるほどではありません。ただし打ち下ろすようにしてタイプするとタンタンと響きます。
インターフェースは必要十分
USB端子はフルサイズが3ポートで、Type-Cはなし。映像出力はHDMIのみで、SDカードスロットに対応しています。スタンダードタイプのノートPCとしては必要最低限の構成です。個人的に気になったのは、USB端子が左側だけに配置されている点。左右それぞれに用意されているほうが、ケーブルやUSB機器の取り回しが楽になると思います。
スピーカーはビデオ会議や動画視聴向き
スピーカーは底面部の左右に配置されています。音の出口が接地面でふさがれているため、ややこもった印象を受けました。音の厚みはなく、サラウンド感もいまひとつです。音楽を楽しむには不向きですが、動画視聴やビデオ会議、音声通話などには問題なく使えます。
ベンチマーク結果
試用機のスペック
型番 | 81UT00HUJP |
---|---|
CPU | Ryzen 5 3500U |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 256GB SSD |
グラフィックス | Radeon Vega 8 (CPU内蔵) |
※グラフィックス機能内蔵のAMD製プロセッサーは「APU」と呼ばれますが、この記事ではわかりやすさ優先で「CPU」と表記します。ベンチマーク結果はパーツ構成やタイミング、環境、個体差などの要因で大きく変わることがあります
価格のわりには高いCPU性能
CPU | PassMark CPU Markスコア |
---|---|
Core i7-10710U |
13685
|
Core i7-1065G7 |
11946
|
Core i5-1035G4 |
10844
|
Core i7-10510U |
10257
|
Core i7-8565U |
9814
|
Core i5-1035G1 |
9667
|
Core i5-10210U |
9584
|
Core i5-8265U |
8593
|
IdeaPad S145 (Ryzen 5 3500U) |
8549
|
Ryzen 5 3500U |
8373
|
Core i3-10110U |
5553
|
Core i3-8145U |
5549
|
Athlon 300 |
4703
|
Ryzen 3 3200U |
4609
|
Core m3-8100Y |
4172
|
Celeron N4100 |
2569
|
Celeron 4205U |
2021
|
Celeron N4000 |
1550
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
CPUとしては、Athlon 300UとRyzen 3 / 5 / 7に対応しています。Ryzen 5搭載のテスト機でCPU性能を計測するベンチマークテストを実施したところ、第8世代Core i5相当の結果が出ました。最新の第10世代Core i5 / i7には及ばないものの、普段使いやビジネスには十分なパフォーマンスです。
下位モデルで使われているAthlon 300UやRyzen 3については、Core i3よりもやや低めの性能だと思われます。画像や動画などの扱いはやや厳しいものの、オフィスを使った文書作成やネットの調べ物などには問題ありません。
内蔵グラフィックスとしては高性能
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
8513
|
GTX 1050 |
5912
|
MX250 |
3400
|
Iris Plus(Core i7) |
2880
|
IdeaPad S145 (Ryzen 5) |
2597
|
Radeon Vega 8 (Ryzen 5) |
2251
|
Radeon Vega 3 (Ryzen 3) |
1837
|
UHD (Comet Lake Core i7) |
1335
|
UHD 620 (Core i7) |
1265
|
UHD (Comet Lake Core i5) |
1273
|
UHD 620 (Core i5) |
1186
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
3Dグラフィックス性能を計測するテストの結果は結構高めで、内蔵グラフィックスタイプとしては優秀です。当サイトの過去のデータでも、RyzenシリーズはインテルのCore iシリーズよりも優れた結果が出ています。Ryzen 5以上であれば、ゲームやクリエイター向けソフトでの効果を多少実感できるでしょう。
4万円台なのに高いパフォーマンス
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) |
目安:4100
7386
|
Productivity (ビジネス利用) |
目安:4500
5611
|
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) |
目安:3450
3474
|
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
Ryzen 5搭載機を使ってPCMark 10のテストを行なったところ、一般的な利用やビジネス利用には十分との評価でした。動画や写真、3Dなどのコンテンツ制作の快適さを表わすコンテンツ制作のテストでも、目標スコアをギリギリクリアーしています。4万円台の格安モデルでこの結果は驚きです。
Ryzen 7を搭載した上位モデルであれば、より高いスコアを期待できます。Athlon / Ryzen 3搭載の下位モデルはコンテンツ制作のテストが厳しいと思われますが、一般利用とビジネス利用では問題ないはずです。
高速タイプのSSDを搭載
テスト機ではストレージとして、PCIe 3.0 x2接続の高速タイプSSDが使われていました。シーケンシャルライトのスコアがやや低いものの、十分高速な結果です。ただし容量が変わるとアクセス速度も変わる可能性がある点に注意してください。
ウィンドウズの起動は平均13秒程度
ウィンドウズの起動時間は平均13.3秒でした。最近は15秒程度が標準で (筆者調べ)なかには10秒を切る機種もありますが、4万円台で13秒程度なのは驚きです。値段のわりに起動が速く、快適に利用できます。
起動時間の計測結果(手動計測)
1回目 | 13.8秒 |
---|---|
2回目 | 13.2秒 |
3回目 | 13.2秒 |
4回目 | 13.2秒 |
5回目 | 13.3秒 |
平均 | 13.3秒 |
据え置き機ながら5時間以上駆動
バッテリー駆動時間の公称値は6.3時間とされていますが、これはパフォーマンスを極力落とした状態での結果です。実際の利用では駆動時間はもっと短いでしょう。
そこで最大パフォーマンスの状態でビジネス作業 (Web閲覧や文書作成、ビデオチャットなど)での駆動時間を計測したところ5時間49分でバッテリー残量が5%に達し、休止状態へ移行しました。パフォーマンスをやや落とした状態の動画再生で5時間27分です。駆動時間は長くはありませんが、そもそもIdeaPad S145 (15) は持ち歩き用の機種ではないので問題はないでしょう。
バッテリー駆動時間の計測結果 ※Ryzen 5モデル
テスト方法 | バッテリー消費 | 駆動時間 |
---|---|---|
※公称値 | 小 | 6.3時間 |
Modern Office (ビジネス作業) | 大 | 5時間49分 |
Video (動画視聴) | 中 | 5時間27分 |
フル充電までにかかった時間 | - | 2時間27分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
ゲーム性能について
ゲームについては、ドラクエ10やリーグ・オブ・レジェンド (LoL)などごくごく軽めのタイトルであれば、フルHDでも画質調整でなんとかプレーできます。PSO2やなどやや軽めのゲームなら、解像度か画質を落としたほうが良さそうです。FF14クラスのやや重いゲームとなるとかなり厳しいでしょう。
※テストはすべてフルHDで実施
FF15ベンチ (重量級 / DX11)
画質 | スコア / 評価 |
高品質 | 588 / 動作困難 |
標準品質 | 1283 / 動作困難 |
軽量品質 | 1636 / 動作困難 |
※スコアが6000以上で「快適」
FF14ベンチ:漆黒のヴィランズ (中量級 / DX11)
画質 | スコア / 評価 / 平均FPS |
最高品質 | 1948 / 設定変更を推奨 / 12.7 FPS |
高品質 | 2733 / やや快適 / 18.3 FPS |
標準品質 | 3549 / 快適 / 24.4 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽量級 / DX9)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 6447 / 快適 |
標準品質 | 8058 / とても快適 |
低品質 | 8702 / とても快適 |
PSO2ベンチ (軽量級 / DX9)
簡易描画設定 | スコア |
6 (最高) | 1425 |
3 | 5,887 |
1 (最低) | 27,526 |
※スコア5,000以上が快適に遊べる目安
リーグ・オブ・レジェンド (超軽量級 / DX9)
モード | 平均FPS / 最低FPS |
サモナーズリフト (最高画質) | 76.8 FPS / 64 FPS |
TFT (最高画質) | 71.7 FPS / 47 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
価格について
IdeaPad S145 (15, AMD) には、パーツ構成の異なる複数のモデルが用意されています。それぞれのスペックと価格は以下の表のとおり。タイミングによっては”在庫なし”あるいは”品切れ中”の場合がありますが、数日後に販売が再開されていることもあります。
■オフィスなしモデルの価格
CPU | メモリー | ストレージ | 税込価格 |
---|---|---|---|
Athlon 300U | 4GB | 128GB SSD | 3万4036円 |
Ryzen 3 3200U | 4GB | 128GB SSD | 3万8075円 |
Ryzen 5 3500U | 8GB | 256GB SSD | 4万6837円 |
Ryzen 5 3500U | 8GB | 512GB SSD | 5万0599円 |
Ryzen 7 3700U | 8GB | 256GB SSD | 5万5944円 |
Ryzen 7 3700U | 8GB | 512GB SSD | 5万9903円 |
■オフィス付きモデルの価格
CPU | メモリー | ストレージ | 税込価格 |
---|---|---|---|
Athlon 300U | 4GB | 128GB SSD | 5万3413円 |
Ryzen 3 3200U | 4GB | 128GB SSD | 5万7826円 |
Ryzen 5 3500U | 8GB | 256GB SSD | 6万7995円 |
Ryzen 5 3500U | 8GB | 512GB SSD | 7万2087円 |
Ryzen 7 3700U | 8GB | 256GB SSD | 7万5838円 |
Ryzen 7 3700U | 8GB | 512GB SSD | 7万9999円 |
性能面ではコスパ激高!
よかった点
なんと言っても価格の安さが最大の魅力です。なかでもしっかり使える性能のRyzen 5モデルが4万円台半ば、上位のRyzen 7モデルが5万円台なのは激安レベルと言っていいでしょう。同クラスの他社製品に比べて1~2万円程度安い、という感じでしょうか。さらに作業がはかどるフルHDのディスプレイを搭載している点もポイント。スペックと価格面で見れば、コスパは激高です。
気になる点
ディスプレイの映像品質がイマイチ。特にコントラストが低いので、小さな文字が読みづらく感じます。オフィス系ソフトによる文書作成が主体なら問題ないのですが、動画や写真では色がけっこう変わって見えるはずです。
あとはキーボードの「¥」キーがやたら小さい点も残念。プログラミングやスクリプト作成など、「¥」記号をよく使う人には向かないかもしれません。