※「TENKU ComfortBook S11」と「TENKU Confortbook S11」は名前が微妙に異なりますが同じ機種です
ポイント
- Windows 10 Pro搭載
- フルHDのIPSパネル
- 驚きの2万円台!
TENKU ComfortBook S11のスペック
画面サイズ | 11.6インチ |
---|---|
解像度 | 1920×1080 |
CPU | Celeron N3350 |
メモリー | 4GB |
ストレージ | 64GB eMMC |
グラフィックス | HD 500 |
LTE | 非対応 |
幅×奥行き | 281×194.5mm |
厚さ | 18mm |
重量 | 990g |
バッテリー | 6~8時間 ※スタンバイ時 |
※2020年5月20日時点。構成は変更される場合があります
本体カラー | ・シルバー ・ホワイト |
---|---|
画面の表面 | 非光沢 |
パネルの種類 | IPS |
タッチ / ペン | - |
光学ドライブ | - |
テンキー | - |
有線LAN | - |
無線LAN | 11b/g/n |
Bluetooth | 4.0 |
USB3.1 | - |
USB3.0 | 1 |
USB2.0 | 1 |
USB Type-C | 1 (USB3.0) |
Thunderbolt 3 | ー |
メモリーカード | microSD |
HDMI | 1 (Micro) |
VGA (D-sub15) | ー |
DisplayPort | ー |
Webカメラ | 30万画素 |
顔認証カメラ | ー |
指紋センサー | ー |
付属品 | ACアダプターなど |
オフィス | なし |
この記事では筆者が購入した実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
この記事の目次
TENKU ComfortBook S11
[wpap service=”with” type=”detail” id=”B07SMXX6JV” title=”TENKU ノートパソコン Comfortbook S11 軽量1Kg Windows 10 Pro搭載(CerelonN3350/4GB/64GB/11.6型IPS Full…” search=”TENKU ノートパソコン Comfortbook S11″]
デザインと使いやすさ
外観はロゴが残念……
本体カラーはシルバーとホワイトの2色。今回検証したシルバーのカラーは明るいライトシルバーで、MacB○○k (伏せ字)のような印象です。ボディは樹脂 (プラスチック)製で質感や強度は高くないものの、カラーの影響でそれほど安っぽくは見えませんでした。
しかし天板のロゴがシルバーの軽やかな雰囲気とかけ離れています。インパクトのある書体を使っているため、この部分だけ違和感を感じました。いっそのことロゴはなくても良かったんじゃないでしょうか。
安いのに軽量コンパクト
接地面積は幅281×奥行き194.5mm。A4サイズ (幅291×奥行き210mm)とB5サイズ (幅257×奥行き182mm)の中間くらいの大きさです。ノートPCとしては非常にコンパクトですが、格安11インチタイプとしては標準的なサイズ。とは言え小さくて軽いので気軽に持ち歩けるほか、収納にも場所を取らないので便利です。
格安ノートPCでは珍しい11.6インチのフルHD
画面の大きさは11.6インチ。一般的な15.6インチと比べると、画面はかなり小さめです。解像度は1920×1080ドットのフルHD。2万円台の格安PCは1366×768ドットが主流で、フルHDの機種はなかなかありません。
ただ画面の文字が小さく、デスクトップの文字は1.5~2.2mm程度でした (スケーリングは150%)。読みづらく感じるなら、デスクトップの拡大率を調整するといいでしょう。
画面がかなり暗い
ディスプレイには自然な発色と広い視野角が特徴のIPSパネルが使われています。通常、2~3万円台のノートPCではワンランク下のTNパネルが中心です。その意味でTENKU ComfortBook S11では上位のパーツが使われています。
しかし実際の映像品質はIPSパネル相当には見えません。色域は一般的なIPSパネル相当であったものの、画面が非常に暗く色が青みがかって見えます。個体差によるものかもしれませんが、鮮やかさはまったく感じられませんでした。
色域測定結果
sRGBカバー率 | 95.2% |
---|---|
sRGB比 | 98.5% |
Adobe RGBカバー率 | 70.6% |
Adobe RGB比 | 73% |
目に優しいノングレア
ディスプレイの表面は光沢なしのノングレアタイプです。眼精疲労や集中力低下の原因と言われる”映り込み”が抑えられています。ノートPCを使って長時間作業する人向けの、目に優しい仕様です。
キーボードは特殊な日本語配列
キーボードはテンキーなしの日本語配列です。ただし一般的なJIS配列、またはOADGの配列ではなく、英字配列がベース。キートップにかな文字がプリントされていたり、記号が日本語配列に寄せられているなど、さまざまな工夫が凝らされています。使いこなすには多少の慣れが必要でしょう。
なおF1~12キーには標準でメディアキー (ホットキー)が割り当てられています。かな変換や半角変換などでファンクションキーとして利用する場合はFnキーを併用してください。BIOS設定画面で変更できると思うのですが、該当項目を見つけられませんでした。
タイプ感は意外にしっかり
キーピッチは実測19mmで十分なサイズ。キーストローク (キーを押し込む深さ)は実測で平均1.38mmでした。基準値としては1.4~1.5mmあたりでしょうか。このクラスの格安モバイルとしては、比較的深めに作られています。
押した瞬間のクリック感は固く押し込む力も強めで、手応えはしっかり感じられました。ただ軽いタッチで入力する人には、ややキーが重く感じるかもしれません。最近はストロークが浅くて軽いタッチ向けのキーボードが多いのですが、そこそこ強めのタイプ感です。
ただしタイプ音は軽く打ってもカチャカチャと聞こえます。うるさすぎるほどではないのですが、静かな場所では気になるかもしれません。打ち下ろすようにして打つと、タンタンと響きます。
インターフェースは必要十分
インターフェースはフルサイズのUSB端子が2ポートとType-Cが1ポート、映像出力はマイクロHDMI、メモリーカードスロットはmicroSDサイズです。端子類は多くはありませんが、コンパクトな11インチタイプとしては標準的と言っていいでしょう。
なおヘッドホン出力と電源コネクターのサイズがほぼ同じなので、ヘッドホン端子にアダプターを挿さないよう注意してください。
Type-Cは充電に対応
USB PD 18W充電 | ◯ |
---|---|
USB PD 30W充電 | ◯ |
USB PD 45W充電 | ◯ |
USB PD 65W充電 | ◯ |
映像出力 | × |
USB Type-Cは、USB PDによる充電に対応しています。ワット数の低い充電器でも問題なく利用できました。ただし映像出力には対応していません。
スピーカーはないよりマシのレベル
スピーカーの音質はイマイチです。音はこもり気味で、ボリュームも小さめ。サラウンド感もなく、音楽鑑賞には向いていません。動画視聴やビデオ会議などにはかろうじて使えますが、状況によっては音割れやビビり音が聞こえました。値段が安いことを考えれば、仕方がないでしょう。
ベンチマーク結果
※ベンチマーク結果はパーツ構成やタイミング、環境、個体差などの要因で大きく変わることがあります
Windows 10 Proを搭載
OSとしてはWindows 10 Proが使われています。普通はWindows 10 Homeであることが多いのですが、2万円台のノートPCでWindows 10 Proの正式ライセンス版が搭載されているのはかなり驚きです。企業向けの機能に対応しているので、テレワークなどのビジネス利用にもある程度は利用できるでしょう。
CPU性能はとても低い
CPU | PassMark CPU Markスコア |
---|---|
Core i7-1065G7 |
11946
|
Core i5-1035G4 |
10844
|
Core i7-10510U |
10257
|
Core i5-1035G1 |
9667
|
Core i5-10210U |
9584
|
Ryzen 5 3500U |
8373
|
Core i3-10110U |
5553
|
Athlon 300 |
4703
|
Ryzen 3 3200U |
4609
|
Core i3-7020U |
3769
|
Pentium N5000 |
2650
|
Celeron N4100 |
2569
|
Celeron 4205U |
2021
|
Celeron N4000 |
1550
|
TENKU ComfortBook S11 (Celeron N3350) |
1201
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
しかしながら、CPU性能は現行機種のなかでは最低クラスです。2~3万円台の激安ノートPCではCeleron N4000が主流ですが、そのCPUよりもベンチマークスコアで下回っています。性能の低いCPUを使ってコストが浮いたぶん、OSのライセンス料やフルHDディスプレイに使ったという感じでしょうか。
ちなみに5万円以下の格安モデルでは、Core i3やRyzen 5など比較的高性能なCPUを搭載したモデルもあります。興味のある方は以下のリンクから関連記事をご覧ください。
https://komameblog.jp/bargain/amazon-0402/
グラフィックス性能も低い
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
GTX 1650 |
8513
|
GTX 1050 |
5912
|
MX250 |
3400
|
Iris Plus |
2880
|
Radeon Vega 8 (Ryzen 5) |
2251
|
Radeon Vega 3 (Ryzen 3) |
1837
|
UHD |
1335
|
UHD 600 (Celeron) |
422
|
TENKU ComfortBook S11 (HD 500) |
357
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
グラフィックス機能はCPU内蔵タイプで、パフォーマンスはかなり控えめです。ゲームやクリエイター向けソフトは利用しないほうがいいでしょう。
快適とは言えない性能
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) |
目安:4100
2661
|
Productivity (ビジネス利用) |
目安:4500
1748
|
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) |
目安:3450
632
|
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
PCMark 10は、PCを使った各種作業の快適さを計測するベンチマークテストです。TENKU ComfortBook S11では、すべてのテストにおいて目標値を大きく下回りました。まったく使えないというわけではありませんが、快適に使えるとは言えません。ある程度割り切って使うことになるでしょう。
実際の使用感
残念ながら、なにをするにしても時間がかかります。フォルダーを開いたりウィンドウズの基本機能を呼び出すだけでも一瞬の間を感じますし、YouTubeのトップページを開くにも30秒ぐらいかかりました。動画の切り替えでも数秒はかかります。オフィスの利用ぐらいならなんとかなるかもしれませんが、高度なソフトを使ってあれこれ作業をするのには向いていません。
なおウィンドウズの高速化設定を行なえば、ある程度遅さを解消できる可能性はあります。ある程度知識のある人が、割り切って使うための機種です。
64GB eMMCはHDDよりも高速
ストレージは64GB eMMCです。容量は少ないものの、アクセス速度はHDDよりも優れています。特にウィンドウズの快適さに影響するランダムアクセスが速く、HDD搭載機種よりもキビキビと動作しました。
ただし容量が少ないので、microSDカードなどを利用するといいでしょう。公式には64GBまで対応とされています。
ウィンドウズの起動は平均38秒程度
ウィンドウズの起動時間は平均37.68秒でした。最近は15秒程度が標準 (筆者調べ)ですが、SSDよりも低速なeMMCが使われていることを考えれば仕方がないでしょう。HDD搭載機は40秒以上であまり変わりませんが、HDDだと使い続けるうちに起動時間がどんどん長くなります。その意味ではeMMCのほうが少しは有利かもしれません。
起動時間の計測結果(手動計測)
1回目 | 38.7秒 |
---|---|
2回目 | 37.2秒 |
3回目 | 37.8秒 |
4回目 | 37.0秒 |
5回目 | 37.7秒 |
平均 | 37.68秒 |
バッテリー駆動は5~6時間
バッテリー駆動時間の公称値は6~8時間とされていますが、これはなにも作業しない状態で放置したときの結果です。実際に作業を行なえば、バッテリー駆動時間はもっと短いでしょう。
そこで最大パフォーマンスの状態でビジネス作業 (Web閲覧や文書作成、ビデオチャットなど)での駆動時間を計測したところ、5時間12分でバッテリー残量が5%に達し休止状態へ移行しました。パフォーマンスをやや落とした状態の動画再生では6時間28分でした。
モバイル用としては、駆動時間はあまり長くはありません。ただし2万円台であることを考えれば、ある程度短いのは仕方がないでしょう。電源アダプターが軽いので、バッテリー切れに備えて持ち歩くことをおすすめします。
バッテリー駆動時間の計測結果
テスト方法 | バッテリー消費 | 駆動時間 |
---|---|---|
※公称値 | 小 | 6~8時間 |
Modern Office (ビジネス作業) | 大 | 5時間12分 |
Video (動画視聴) | 中 | 6時間28分 |
フル充電までにかかった時間 | - | 2時間40分 |
※テストの条件や計測方法についてはコチラ
ゲーム性能について
PCゲームとしては超軽量級のドラクエ10でさえも、1280×720ドットの低画質でかなり厳しい結果でした。UWPアプリのソリティアぐらいプレー可能ですが、基本的にゲームで遊ぶことは考えないほうが無難です。
※テストはすべて1280×720ドットで実施
ドラクエXベンチ (超軽量級 / DX9)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 915 / 動産困難 |
標準品質 | 1649 / 重い |
低品質 | 2294 / やや重い |
特定の条件に当てはまる人向け
よかった点
フルHDディスプレイ搭載でOSのエディションはWindows 10 Pro、さらにUSB Type-C対応で税込2万6950円は本当に驚きの安さです。本体はコンパクトで軽く、バッテリーもそこそこ持ちます。ごく軽めの処理に限定するのであれば、それなりに利用できるでしょう。
気になる点
ディスプレイの暗さと、CPU性能の低さが気になります。安いことは安いのですが、1~2万円追加すればそこそこ使える機種を買えることを考えると、あえてTENKU ComfortBook S11を選ぶべきかどうかは微妙なところです。
3万円以内でWindows 10 Pro、フルHD、Type-Cの条件が絶対に必要というのであれば、検討してもいいでしょう。そうでないなら、ほかの機種をおすすめします。
TENKU ComfortBook S11
[wpap service=”with” type=”detail” id=”B07SMXX6JV” title=”TENKU ノートパソコン Comfortbook S11 軽量1Kg Windows 10 Pro搭載(CerelonN3350/4GB/64GB/11.6型IPS Full…” search=”TENKU ノートパソコン Comfortbook S11″]
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