デルの「Inspiron 15 5000 (5515)(以下、Inspiron 15 5515)」は、15.6インチのディスプレイを搭載するスタンダードタイプのノートPCです。価格が安いわりにパフォーマンスが高く、外観も高品質な点が魅力。ですがキーボードについては結論から言ってしまうと、特別良くも悪くもなく普通の仕上がりでした。多少クセがありますが、慣れれば問題なく利用できるでしょう。
この記事では筆者が購入した実機を使って、Inspiron 15 5515のキーボードについてレビューします。
この記事の目次
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Inspiron 15 5515のキー配列について
Inspiron 15 5515のキーボードは日本語配列のみ。英字配列は用意されていません。キーボードバックライトには、標準で対応しています。
基本的には標準的な日本語配列ですが、Enterキー周辺がやや窮屈です。特に「¥」キーが小さく、さらに一部のキー同士が隣接しています。また右Ctrlキーの位置も、左側にかなりずれ込んでいました。慣れるまでは、誤入力があるかもしれません。
F1~F12キーは、ホットキー(メディアキー)またはファンクションキーとして利用できます。FNキーを押しながらESCキーを押すと、FNロックの有効 / 無効を切り替え可能。FN+ESCキーを押すたびに機能が入れ替わるトグル切り替えで、現在はどちらの状態なのかを確認できません。FNロックを確認できないのは不便な気もしますが、何度も有効 / 無効を切り替えるわけではないので特に問題ないでしょう。
ユニークなのは、テンキーの上部に「電卓」キーが配置されている点です。このキーを押すとWindows 10標準の電卓アプリが起動し、そのまま電卓のように計算できます。わりと便利ですが、間違えて電卓キーの下のNumLockキーを押してしまうと数字を入力できなくなるので注意してください。あと電卓キーを押すたびにいくつも電卓アプリが起動するのが気になるのですが、これはWindows 10側の問題ですね。
タイプ感について
キーピッチ(キーとキーの間隔)は横18.7mm、縦18mm。キーボードの標準値である19mmよりもやや狭く作られており、キーもわずかに横長です。実際に入力すると違和感はないのですが、キーピッチが19mmのキーボードを使った直後にInspiron 15 5515のキーボードを使うとちょっと窮屈に感じるかもしれません。
キートップはサラサラとした手触り。文字はおそらくレーザープリントで、長期間使い込んでもかすれることはないでしょう。指紋の跡がつきにくいので、おそらく防汚処理が施されているのだと思います。
ちなみに14インチのInspiron 14 5410 / 5415はキーピッチが横19mm。本体は14インチのほうが小さいのですが、キーピッチは14インチのほうが広く作られています。ただしテンキーはありません。
キーストローク(キーを押し込む深さ)は、平均1.21mmでした(キーボード4行目「A」~「+」キーまでの平均値)。1.1~1.3mmあたりでバラつきがあります。ノートPCの標準値は1.5mmなので、ストロークはかなり浅めです。
キーのタイプ感も軽く感じます。キーを押した瞬間にカクっとしたクリック感が感じられるものの、押下圧(押し込む力)は軽め。デスクトップPC向けのキーボードに慣れた人だと、押した際の手応えが物足りなく感じるかもしれません。
ただし、もともと軽い力で入力する人なら違和感はあまりないでしょう。指を上げ下げしてタイプするよりも、なでるような軽い力で入力する人に向いています。このあたりは好みの問題なので、人それぞれです。
もう少しマニアックな視点で見ると、スイッチの軸にわずかなブレを感じました。またホームポジションあたりで若干たわみます。もう少しカッチリと作って欲しいところです。
タイプ音について
キーボードは軽い力で入力しても、カタカタと音が聞こえます。キーによっては、わずかに高音域のカチャカチャとした音が聞こえました。少し力を入れて打つとカツカツと聞こえるので、静かな場所では配慮が必要かもしれません。特にEnterキーとスペースキーはパチッと音が響くので、注意してください。
指を打ち下ろすようにして入力すると、パチパチとした高音とドンドンという低音が響きます。かなりうるさく聞こえるので、軽めのタッチ推奨です。
指紋センサーについて
Inspiron 15 5515は、指紋センサーに対応しています。あらかじめ指紋を登録しておくと、指で軽く触れるだけでウィンドウズにサインインできるので便利です。
指紋センサーは有料オプションで、通常納期モデルでは自分で追加する必要があります。即納モデルではあらかじめ追加されている場合もありますが、時期やモデルによっては搭載されていない場合があるので購入前に確認してください。
指紋センサーによるサインインはパスワードやPINを入力する手間がないので、とても便利です。手間がかからないという点では顔認証サインインのほうが便利ですが、マスクが必要な環境では指紋センサーのほうがいいでしょう。
タッチパッドについて
タッチパッドは、そこそこ大きく作られています。サイズは横11.58mmで縦8.09mm。十分に広く、ダイナミックなジェスチャーも楽々と行なえます。
ただしクリックが固い点が少し気になります。シングルタップでもクリックとして動作しますが、右クリックを行なう際はパッドをグッと押し込まなければなりません。またクリック音も「カツッ」と響きます。キーボードのタイプ音よりも大きいので、静かな場所で利用する際は周囲への配慮が必要です。カーソルの動きそのものに不満はありませんが、クリックの部分だけは気になりました。
ということで、今回はInspiron 15 5515のキーボードについてレビューしました。総合的には普通に使えるクオリティーですが、特別使いやすいというわけではありません。打鍵感を重視したいのであれば、外付けのキーボードを利用するといいでしょう。もちろん、そのままでも問題なく利用できるはずです。
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