MSIのGF63 Thin 10Uは、15.6インチディスプレイ搭載のゲーミングノートPCです。第10世代Coreプロセッサ&RTX 3050 / 3050 Ti搭載で、価格は11万円台からとお手頃な点が特徴。エントリークラスでも性能は前世代のミドルレンジ相当で、重いゲームでも十分楽しめます。
ラインナップ
GF63-10UD-415JP | |
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Core i7-10750H / 8GB / 512GB SSD /RTX 3050 Ti / 144Hz | 13万9800円 |
GF63-10UC-429JP | |
Core i7-10750H / 16GB / 512GB SSD /RTX 3050 / 144Hz | 15万4800円 |
GF63-10UD-059JP | |
Core i5-10500H / 8GB / 512GB SSD /RTX 3050 Ti / 60Hz | 11万3800円 |
※2021年6月25日時点
GF63 Thin 10Uのスペック
OS | Windows 10 Home |
---|---|
画面サイズ | 15.6インチ |
解像度 | 1920×1080 |
CPU | ・Core i7-10750H ・Core i5-10500H |
メモリー | ・8GB ・16GB ※スロット2基、最大64GB |
SSD | 512GB NVMe SSD |
HDD | なし |
グラフィックス | ・RTX 3050(4GB) ・RTX 3050 Ti(4GB) |
リフレッシュレート | ・144Hz ・60Hz |
モバイル通信 | - |
堅牢性テスト | ※表記なし |
色域 / 輝度 | ※表記なし |
幅×奥行き | 359×254mm |
厚さ | 21.7mm |
重量 | 約1.86kg |
バッテリー | 51Whr、3セル4500mAh ※駆動時間は非公開 |
※2021年6月25日時点。構成は変更される場合があります
本体カラー | ブラック |
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画面の表面 | 非光沢 |
パネルの種類 | 表記なし ※IPS相当 |
タッチ / ペン | - |
光学ドライブ | - |
テンキー | - |
有線LAN | 1000Mbps |
無線LAN | Wi-Fi 6 |
Bluetooth | 5.1 |
USB3.2 | 3(Gen1) |
USB3.0 | - |
USB2.0 | 1 |
USB Type-C | 1(3.2 Gen1) |
Thunderbolt | - |
メモリーカード | SD |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | - |
DisplayPort | - |
Webカメラ | 92万画素 |
顔認証カメラ | - |
指紋センサー | - |
付属品 | 120W ACアダプターなど |
オフィス | なし |
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
この記事の目次
※2021年6月25日時点
[wpap service=”with” type=”detail” id=”B094XJKMR8″ title=”【NVIDIA最新RTX3050Ti搭載・薄型軽量】MSIゲーミングノートPC GF63 1.86Kg i5 RTX3050Ti/15.6FHD/8GB/512G…”]
デザインと使いやすさ
外観について
GF63 Thin 10Uは、ゲーミングノートPCとしては軽量スリムである点が特徴です。本体は樹脂(プラスチック)製ですが、安っぽさは感じられません。エントリー向けとしては十分すぎるほどの仕上がりです。
ディスプレイについて
ディスプレイのサイズは15.6インチで、解像度は1920×1080ドットのフルHD。ゲーミングノートPCとしては、一般的なスペックです。リフレッシュレートは中上位モデルが144Hzで、下位モデルが60Hz。144HzはFPSやTPSなど動きの速い対戦ゲーム向きで、60HzはRPGやシミュレーションなどソロプレイのゲームに向いています。
映像は、比較的自然な色合いです。画面がわずかに暗いため若干寒色系の色合いですが、違和感はありません。ややコントラストが低くく鮮やかさに欠けますが、ゲーム中の暗いシーンでも影で見えづらくなることはありませんでした。ゲーム用にチューニングされた映像です。
キーボードについて
キーボードはテンキーなしの日本語配列で、バックライト対応です。Enterキーの左側で一部のキーが小さいほか、右側には特殊キーが縦に並んでいます。長文の入力やプログラミングなどでは違和感があるかもしれませんが、ゲームプレイにはそれほど影響はないでしょう。
キーの同時押し認識数は最大で15キー程度でした。キーの組み合わせによっても変化しますが、ゲームでよく使うWASDキー周りはしっかりと認識されています。ちゃんとゲーム用に配慮されたキーボードです。
キートップの大きさは16.1mmと大きめ。キーピッチは19mmと十分な余裕があり、タイプ時に窮屈さを感じません。キーストロークは実測で1.06mmと、ゲーミングノートPCとしてはかなり浅めです。個人的には若干物足りなさを感じますが、キーを押した瞬間に固めのクリック感があるので、手応えはしっかりと感じられます。
タイプ音は比較的静かです。軽い力でもカタカタと聞こえますが、うるさくは感じません。ただし上から打ち下ろすようにしてタイプすると音が響くので、軽いタッチ推奨です。
インターフェース/機能について
周辺機器接続用のインターフェース(端子)類はUSB端子が合計4ポートで、うち1ポートがType-C、あとは映像出力用のHDMIと有線LAN、オーディオ端子など。Type-Cはデータ通信のみで、USB PDや映像出力に対応していない点は残念です。
また電源コネクターや有線LANなどつなぎっぱなしで使う端子類が左右に配置されているんで、本体の周りがケーブルでゴチャついてしまいます。USB接続のゲーミングデバイスを利用する場合は、ケーブルの取り回しに多少工夫したほうがいいかもしれません。
Type-C端子の機能
USB PD 18W充電 | × |
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USB PD 30W充電 | × |
USB PD 45W充電 | × |
USB PD 65W充電 | × |
USB PD 100W充電 | × |
映像出力 | × |
ベンチマーク結果
試用機のスペック
CPU | Core i5-10500H |
---|---|
メモリー | 8GB |
ストレージ | 512GB NVMe SSD |
グラフィックス | RTX 3050 Ti(4GB) |
※各ベンチマークテストはWindows 10の電源プランを「高パフォーマンス」に設定した上で、標準収録ソフト「MSI Dragon Center」の「ユーザーシナリオ」を「ユーザーモード」に変更し、さらに「Cooler Boost」をオンにした最大パフォーマンス設定で実施しています
※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります
CPU性能
CPUとしては、第10世代のCore i5-10500HまたはCore i7-10750H(共に6コア12スレッド)が使われています。すでに最新の第11世代CoreプロセッサHシリーズがリリースされていますが、まだまだ現役レベルの性能です。
Core i5-10500H搭載の試用機でCPUベンチマークテストを行なったところ、ゲーミングノートPC向けCPUとしてはやや低めの結果でした。しかしゲームはCPU性能よりもGPU性能が重要で、特にエントリー向けGPUではCPU性能はそれほど強くは影響しないため問題ありません。
また高いFPSを出すにはCPU性能が高いほうがいいのですが、Core i5-10500Hモデルはリフレッシュレートが60Hzなので、高いCPU性能も必要ありません。エントリーモデルとしては十分な結果と言っていいでしょう。
グラフィックス性能
グラフィックス機能としては、エントリーむけGPUのGeForce RTX 3050またはRTX 3050 Tiが使われます。基本的にはRTX 3050よりもRTX 3050 Tiのほうが高性能です。
RTX 3050 Ti搭載の試用機で3Dベンチマークテストを行なったところ、前世代のエントリークラス(GTX 1650 / GTX 1650 Ti)を大きく上回る結果が出ました。性能的には、前世代のミドルレンジ(GTX 1660 Ti)相当です。
ただし試用機では最大パワーが40Wに設定されていました。RTX 3050 / 3050 Tiはパフォーマンスを35~80Wで設定できるのですが、GF63 Thin 10Uはやや低めに抑えられています。とは言え、ゲームを普通に楽しむには十分な結果と言っていいでしょう。特にRTX 3050 / 3050 TiではDLSSに対応しているので、対応ゲームであればパフォーマンスが改善されるはずです。
またRTX 3050 / 3050 Tiは、リアルタイムレイトレーシングに対応しています。しかしベンチマークの結果を見る限りではただ対応しているだけで、十分な結果とは言えません。ゲームのフォトモードでスクリーンショットを撮る際に、一瞬切り替える程度の使い道だと思います。
PCを使った作業の快適さ
PCMark10は、PCを使った作業の快適さを計測するベンチマークテストです。GF63 Thin 10UのCore i5-10500Hモデルでは、すべてのテストで快適に使える目安の目標値を上回りました。ただしコンテンツ制作(動画編集や写真加工、3D制作)については、RTX 3060やRTX 3070を搭載する機種のほうが有利です。
ストレージのアクセス速度
ストレージは512GBのNVMe(PCIe 3.0 x4)SSDです。アクセス速度を計測したところ、そこそこ高速な結果が出ました。しかし負荷の高い処理を連続で行なうと、シーケンシャルリードの速度が低下しています。サーマルスロットリングの影響が出ているのかもしれません。
駆動音計測結果
GF63 Thin 10Uは、標準収録ソフト「MSI Dragon Center」でパフォーマンスやゲームごとのカスタマイズ設定などを行なえます。今回は空冷ファンを最大出力で動作させる「Cooler Boost」をオン/オフにした状態で動作音を計測しました。
標準設定の「バランス」では高負荷時に音は大きくなるものの、うるさく感じるほどではありません。ヘッドホンを着用してゲームをすれば、気にならない程度です。しかしCooler Boostをオンにすると音がかなり大きく聞こえます。部屋の外にまで音が聞こえるので、夜間は周囲への配慮が必要です。
駆動音の計測結果
電源オフ | 38.4dBA | - |
---|---|---|
待機中 | 39.8dBA | ファンの回転音がわずかに聞こえる程度。うるさくはない |
バランスモード高負荷時 | 55.3dBA | 排気音が大きく聞こえる。ヘッドホンを着用すればかろうじて気にならない程度 |
Cooler Boost有効時 | 60.5dBA | 音がかなり大きい。ヘッドホンを着用しても大きく聞こえる上、部屋の外からでも音が聞こえる |
ゲーム系ベンチマーク結果
Core i5 + RTX 3050 Ti搭載機でゲーム系ベンチマークを行ないました。重いゲームでも、画質を落とせばそこそこ快適に楽しめそうです。前世代のエントリーGPUでは画質を落としても厳しかったので、性能はかなり向上しています。
ただしCore i5モデルはリフレッシュレートが60Hzなので、eスポーツレベルのプレーには不向きです。高リフレッシュレートでプレーするなら外付けのゲーミングディスプレイの利用をするか、Core i7モデルをおすすめします。
FF15ベンチ (重い / DX11)
画質 | スコア / 評価 |
高品質 | 4375 / 普通 |
標準品質 | 6039 / 快適 |
軽量品質 | 6602 / 快適 |
※1920×1080ドットの結果。スコアが6000以上で「快適」
FF14ベンチ:漆黒のヴィランズ (やや重い / DX11)
画質 | スコア / 平均FPS |
最高品質 | 10648 / 78.68 FPS |
高品質 | 11869 / 96.3 FPS |
標準品質 | 12572 / 105.9 FPS |
※1920×1080ドットの結果。平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽い / DX9)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 18941 / すごく快適 |
標準品質 | 18992 / すごく快適 |
低品質 | 19635 / すごく快適 |
※1920×1080ドットの結果
PSO2 ニュージェネシスベンチ(やや重い / DX11)
画質 | スコア / 平均FPS |
ウルトラ | 6107 |
中 | 12588 |
最低 | 24218 |
※1920×1080ドットの結果。5000以上が快適に遊べる目安
サイバーパンク2077 (重い / DX12)
画質設定 | 平均FPS |
画質:ウルトラ/DLSS:オフ | 18.3 FPS |
画質:ウルトラ/DLSS:バランス | 31.6 FPS |
画質:レイトレーシングウルトラ/DLSS:バランス | 18.7 FPS |
画質:レイトレーシング低/DLSS:パフォーマンス | 42.8 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
アサシン クリード ヴァルハラ (重い / DX12)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高 | 9 FPS / 6 FPS |
中 | 56 FPS / 13 FPS |
低 | 71FPS / 24 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
手頃なエントリーモデル
よかった点
本体が軽量な点と、価格が安い点が魅力です。特に今回試用したCore i5モデルは11万円台で、性能は旧世代のミドルレンジクラスとお買い得感があります。ただしCore i5モデルはリフレッシュレートが60Hzなので、FPSやTPSなど動きの速いゲームを楽しみたいなら、144Hz対応のCore i7モデルをおすすめします。
気になる点
RTX 3050 Ti搭載で16GBメモリーのモデルが用意されていないのが残念です。MSI製品は自分でメモリーを増設するとメーカー保証が無効になってしまうので、メーカー公認ショップで増設の手続きを行なわなければなりません。アマゾンなどショップによっては対応していない場合があるので、少々面倒です。
※2021年6月25日時点
[wpap service=”with” type=”detail” id=”B094XJKMR8″ title=”【NVIDIA最新RTX3050Ti搭載・薄型軽量】MSIゲーミングノートPC GF63 1.86Kg i5 RTX3050Ti/15.6FHD/8GB/512G…”]
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