「アイロボット ファンプログラム」のモニター企画で、10月からロボット掃除機の「ルンバ885」を使わせていただいています。今回は実際に使ってみた感想をお届けします。
ルンバなんていらないでしょ
正直なところ、筆者はルンバシリーズにほとんど興味がありませんでした。というよりも、ルンバなんて買う必要ないと思っていたのです。その理由は、以下の3点。世の中の「ルンバ反対派」の方も、だいだい同じ考えではないでしょうか。
ルンバが不要だと感じる理由
- 高い。掃除機が1~2万円で買えるのに、なぜ数万円も払う必要があるの?
- 普段からまめに掃除すればいいでしょ。ロボットに頼るのは、人として堕落している!
- ロボットで部屋がキレイになるわけがない。PCやAIの現状を知っているからこそ、限界も知っている!
しかし我が家のオクサマが近年やたらルンバにご執心でして、事あるごとに「ルンバが欲しい」「ルンバが欲しい」「ルンバが欲しい」とのたまっていました。
そんなあるとき、「Fans:Fans」というサイトの企画で「最新のルンバ貸すよー」というお知らせが届きました。これはチャンスだ! と思いましたね。実際にルンバを使ってみて大したことないのがわかれば、オクサマも購入を諦めてくれるハズ! と考えたのです。
そこでモニター企画に応募して、無事に当選したというわけです。オクサマは大喜びでしたが、筆者としてはルンバがいかに使えないかを証明するつもりでした。
開封して5分で改心
そんな感じで届いたルンバをdisる気マンマンだったわけですが、ガジェット好きのサガというかなんというか、新しいモノには興味シンシンとなるわけでして、箱から取り出した時点ですでにdisりたい気持ちが7割減となっているわけです。
で、電源ボタンを押して「プポー、ポロー♪」と勇ましいサウンドが再生されてさらに1割減ですよ。それからルンバが床をウロウロしているのを見て、ほっこりした気持ちになってさらに1割5分減。disる気95%オフの大出血感謝祭特別記念セールなわけです。もしルンバに「いいね!」ボタンが搭載されていたら、往年の高橋名人もビックリするような勢いで連打していたと思います。
なお残りの5%については、お掃除終了後にホームベースにひとりで帰っていくルンバを見て完全に消え失せたことを付け加えておきます。
ルンバを使うようになって部屋がキレイになった
掃除機なので当たり前の話なのですが、ちょっとニュアンスが違います。正確には「落ちているものをまめに片付けるようになったので部屋がキレイになった」という訳ですね。
我が家には子供が4人おりまして、それはもうオモチャやらプリントやらがそこらじゅうに散らばっていました。でもルンバを使うときに落ちたままになっているとうまく掃除できないので、それらを頻繁に片付けるようになったんです。
で、部屋にモノが落ちていなければルンバを自由に走らせられるので、しょっちゅう利用するようになるわけですよ。それでルンバが細かなゴミをかき集めてくれて、さらに部屋がキレイになると。まさに正のスパイラルです。
ちなみにルンバは吸引力もスゴクて、見えない細かなゴミまでしっかり集めてくれます。集めたゴミを写真で見せるのはちょっとアレなので掲載しませんが、まあハンパないです。「こんなにもゴミがあったのか」と愕然とさせられます。
ただあまりにも強く吸い込むものですから、我が家の古びたタタミが徐々に削れてきています。表替えをしなくちゃなあ。
ルンバを使うようになって時間に余裕ができた
以前は「落ちているものを片付ける」→「ホウキや掃除機でゴミを取る」という段階を踏んでいましたが、落ちているものを片付けるだけでよくなりました。ルンバを使うことで掃除のための2ステップが1ステップになったわけです。気軽に掃除できるようになったぶん回数も増えて、部屋がキレイになりました。やったね!
掃き掃除や掃除機を使うのって、意外に時間がかかります。たとえ掃除の時間が10分だったとしても、その前後の用意やあと片付けなどを含めると実際には長い時間がかかるものです。しかしルンバなら、ボタンをポチッと押すだけ。あとは勝手に掃除をしてくれるので、そのあいだに別の作業をしたり、外出したりできるわけです。短い時間のなかでも、効率的に作業できるようになったのは大きなメリットだと思います。
ルンバを使うようになって掃除のプレッシャーを感じなくなった
部屋が散らかっていると「掃除しなきゃ……」と思うわけですが、時間や労力がかかることを考えると億劫なものです。ついつい後回しにしたりして、いつの間にか「お部屋」が「汚(お)部屋」に――なんてこともあるでしょう。どんなことにしても、やらなくちゃと強く思うほど面倒に感じるものです。
しかしルンバを使うようになってからというもの、掃除しなきゃというプレッシャーは感じなくなりました。以前よりも必要な作業は減りましたし、ルンバは人間が掃除するよりも念入りにキレイにしてくれます。掃除によって失われた体力とか気力を回復させる必要もありません。「掃除から解放された!」と言うと大げさかもしれませんが、掃除がとても手軽なものに思えるようになったのはルンバのおかげです。
また日常的に掃除をするようになり、部屋が散らかっていることに対するストレスも少なくなりました。ルンバを使うことによる心理的なメリットは、普段の生活においてもかなり大きいと思います。
ルンバよ、正直すまんかった……
ここまで筆者がさも当事者であるかのように述べていますが、普段自宅を掃除しているのは我が家のオクサマであり、今回はそのご感想と筆者の意見をまとめています。
ただ筆者自身もルンバを実際に使ってみて、考え方は180度変わりました。180度どころか360度変わりました! って言いたいところですが、そうすると元の意見に戻ってしまいますので、3次元ベクトル的に正反対に変わりました! と言っておきます。意味はよくわかっていませんが、なんとなく。
値段については一般的な掃除機と比べるとやはり高い感じはするのですが、ルンバを買うということは時間とストレスの問題をお金で解決するということなのじゃないかな、と思っています。そう考えると、それほど高い買い物ではないように感じられるのではないでしょうか。長期間使えるものなので、日割り計算ではコストは低いですし。
年々歳を重ねていくと、お金よりも時間のほうが貴重に感じることが多々あります。残された時間を……というと少し大げさですが、限られた時間をいかに効率的よく使うかというのは、筆者自身の大きな課題でもあります。そのひとつの手段として、ルンバを使うのは大いにアリではないかと。
そんなわけでルンバには……、いえ、ルンバさんには謝りたい気持ちでいっぱいです。「いらない」なんて言ってゴメンナサイ。これからも、我が家に居続けてください。いつまでも、いつまでも。
※モニター企画の貸し出し品です