HPの『OMEN by HP 40L Desktop GT21-1000jp』(以下、”OMEN 40L”)は、第13世代CoreプロセッサとRTX 40シリーズのミドルハイクラスGPUを搭載したゲーミングPCです。大手メーカー製の組み立て済みモデルとしてはスタイリッシュな外観と高品質なパーツ構成が特徴。しっかり使えるゲーミングPCを、構成にあれこれ迷うことなく手軽に入手したい人に向いています。
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、本体の外観や機能、実際の性能についてレビューします。
OMEN 40L Desktop
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スペック
OS | Windows 11 Pro |
---|---|
CPU | Core i7-13700K + Cooler Master 水冷クーラー |
チップセット | Z790 |
グラフィックス | RTX 4070Ti(12GB) |
メモリー | 32GB ※DDR5-5200、最大128GB、スロット×4 |
ストレージ | 2TB SSD (WD Black、PCIe Gen4x4) |
拡張スロット | PCI Express Gen5 x16×1、PCI Express Gen3 x4×1、M.2×3 |
ドライブベイ | 2.5/3.5インチ兼用×2、2.5インチ×2 |
通信 | Wi-Fi 6E、Bluetooth5.3、有線LAN(1Gb) |
サイズ / 重量 | 幅204×奥行き470×高さ467mm / 約18.7kg |
電源 | 800W 80PLUS Gold |
本体デザイン
大きさと重さ
LEDイルミネーション
本体のエアフロー
インターフェースについて
分解方法とパーツ交換について
右側面(裏配線)
左側面
ベンチマーク結果
試用機のスペック
CPU | Core i7-13700K |
---|---|
メモリー | 32GB(16GB×2) |
ストレージ | 2TB SSD |
グラフィックス | GeForce RTX 4070 Ti(12GB) |
※ベンチマーク結果はパーツ構成やタイミング、環境、個体差などの要因で大きく変わることがあります
CPU性能
CPUとしては、インテル第13世代のCore i7-13700Kが使われています。CPUベンチマークテストでは、同じCPUの平均値よりも8%程度低い結果が出ました。パフォーマンス設定を調整すれば、もうちょっと高いスコアが出るでしょう。しかしその場合、OMEN 40Lでは空冷ファンの非常に大きくなるのでおすすめしません。
Core i7-13700K本来の最大パフォーマンスを考えれば、スコアがやや低めに出ていることに物足りなく感じるかもしれません。しかし実際に利用するPCとしては、個人的にはこれでも十分だと思います。あくまでも最強を目指すのであれば、高性能な冷却パーツをふんだんに使った他社のBTO PCや自作PCに挑戦したほうがいいでしょう。
CPUマルチスレッド性能
CPU | 3DMark CPU Profile Max threads |
---|---|
Core i9-13900K |
16473
|
Ryzen 9 7950X |
16065
|
Core i9-13900 |
15335
|
Ryzen 9 7950X3D |
14412
|
Ryzen 9 7900X |
12891
|
Core i7-13700K |
12676
|
Core i7-13700 |
12017
|
Core i9-12900K |
11874
|
OMEN 40L(Core i7-13700K) |
11676
|
Ryzen 9 7900X3D |
11641
|
Core i5-13600K |
10334
|
Core i7-12700K |
10141
|
Core i7-12700F |
9611
|
Core i5-13500 |
9110
|
Ryzen 7 7700X |
9075
|
Core i5-13400 |
7358
|
Ryzen 5 7600X |
7071
|
Core i5-12500 |
6098
|
Core i5-12400F |
5967
|
Core i5-12400 |
5960
|
※スコアは3DMark公式サイトによる平均値
CPUシングルスレッド性能
CPU | 3DMark CPU Profile 1 threads |
---|---|
Core i9-13900K |
1211
|
Core i9-13900 |
1173
|
Core i7-13700K |
1150
|
OMEN 40L(Core i7-13700K) |
1141
|
Ryzen 9 7950X |
1112
|
Ryzen 9 7900X |
1109
|
Core i7-13700 |
1103
|
Ryzen 7 7700X |
1102
|
Core i5-13600K |
1092
|
Core i9-12900K |
1091
|
Ryzen 9 7950X3D |
1084
|
Ryzen 5 7600X |
1084
|
Ryzen 9 7900X3D |
1072
|
Core i7-12700K |
1053
|
Core i7-12700F |
1023
|
Core i5-13500 |
1016
|
Core i5-13400 |
971
|
Core i5-12500 |
959
|
Core i5-12400 |
918
|
※スコアは3DMark公式サイトによる平均値
グラフィックス性能
グラフィックス機能としては、GeForce RTX 4070 Ti(12GB)が使われています。3Dベンチマークテストでは同GPUの平均値をやや下回ったものの、特に大きな差が付いているわけではありません。最高スコアと比べると低いかもしれませんが、一般的には妥当な範囲内だと思います。
GPU性能(DirectX 12,WQHD)
GPU | 3DMark Time Spy Graphics |
---|---|
RTX 4090 |
36195
|
RTX 4080 |
28127
|
RTX 4070 Ti |
22746
|
OMEN 40L(RTX 4070 Ti) |
22538
|
RTX 3090 Ti |
21766
|
RTX 3090 |
19903
|
RTX 3080 Ti |
19600
|
RTX 4070 |
17861
|
RTX 3080 |
17654
|
RTX 3070 Ti |
14839
|
RTX 3070 |
13647
|
RTX 4060 Ti(8GB) |
13447
|
RTX 3060 Ti |
11726
|
RTX 4060 |
10622
|
RTX 3060 |
8733
|
※スコアはUL Solutionsによる平均値
GPU性能(DirectX 12 Ultimate)
GPU | 3DMark Speed Way Graphics |
---|---|
RTX 4090 |
10008
|
RTX 4080 |
7172
|
RTX 3090 Ti |
5885
|
RTX 4070 Ti |
5437
|
OMEN 40L(RTX 4070 Ti) |
5408
|
RTX 3090 |
5362
|
RTX 3080 Ti |
5303
|
RTX 3080 |
4604
|
RTX 4070 |
4445
|
RTX 3070 Ti |
3749
|
RTX 3070 |
3441
|
RTX 4060 Ti(8GB) |
3159
|
RTX 3060 Ti |
2949
|
RTX 4060 |
2518
|
RTX 3060 |
2173
|
※スコアはUL Solutionsによる平均値
熱と騒音について
CPU温度
高負荷時におけるCPUの状態を計測したところ、ストレステスト開始直後は高クロック&高温状態を維持していたものの、40秒後には温度とクロックが大きく低下しました。温度は73度前後を推移しており、まったく問題のない状態です。
GPU温度
GPU温度については、77度前後を推移していました。ただし部分的な最大温度である”GPUホットスポット温度”は85度前後、グラボのメモリー(VRAM)温度を表わす”GPUメモリジャンクション温度”は87度前後と、やや高めの温度で推移しています。
このままでも大きな問題はないのですが、長期間安定して使いたいなら、GPU温度をもう少し下げたいところです。「MSI Afterburner」などのチューニングソフトを使って、メモリーのクロックやファンの回転数などを調整するといいでしょう。3D性能に多少の影響が出るものの、おそらく誤差の範囲内に収まるはずです。
駆動音
ファンの音は標準設定であれば、たまに大きく聞こえる程度です。ファンの回転音や排気口からの風切り音が大きくなっても、1分程度で収まります。よっぽど重いゲームでは音が気になるかもしれませんが、ヘッドセットを着用すれば気にならないレベルです。
ちなみに標準収録ユーティリティー「OMEN Gaming Hub」ではファンの回転数を最大化することができますが、耐えられないほど大きくなるので注意してください。ファンの音が大きい状態でベンチマークテストを行ないましたが、スコアに大きな違いは見られませんでした。標準設定のまま使い続けるのがベストだと思います。
駆動音の計測結果(Core i7+RTX 4070 Tiモデル)
電源オフ | 37dBA | - |
---|---|---|
待機中 | 39dBA前後 | 耳を近づければファンの駆動音は聞こえるものの、音はほとんど気にならない |
高負荷時 標準設定 |
54.5→40.5dBA | 最初の1分間程度音が大きくなるが、あとは通常時と変わらない |
高負荷時 パフォーマンス設定 |
54.5→51.2 | (手動変更時)最初の1分間は音が大きいものの、それ以降は少し大きい程度 |
高負荷時 ファン最大設定 |
63dBA | (手動変更時)ドライヤーレベルで、音はかなり大きい。ヘッドセットを着用しても、音が聞こえるほど |
ゲーム性能
ゲーム系ベンチマークを試したところ、フルHDならほぼすべてのゲームを快適に遊べると判断できる結果でした。WQHD(2560×1440ドット)でも100Hz前後であれば、問題ないでしょう。4Kは完全シミュレートのフルレイトレーシングは厳しいものの、軽めのレイトレ対応タイトルなら普通に楽しめそうです。
検証結果まとめ
- ・WQHD 120~144Hz向け
- ・4Kフルレイトレはやや厳しい
- ・中量級FPSは240Hz向け
- ・競技系FPSは400~500Hz
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
サイバーパンク2077 (重い / DX12)
解像度 | 画質 ※DLSS:自動 | 平均FPS / 最低FPS |
フルHD | レイトレーシング:オーバードライブ DLSS FG | 119.71 / 95.03 |
レイトレーシング:オーバードライブ | 72.05 / 57.77 | |
ウルトラ DLSS FG | 235.19 / 182.52 | |
ウルトラ | 160.32 / 93.88 | |
4K | レイトレーシング:オーバードライブ DLSS FG | 57.95 / 16.73 |
レイトレーシング:オーバードライブ | 35.83 / 25.62 | |
ウルトラ DLSS FG | 107.31 / 96.19 | |
ウルトラ | 54.31 / 44.12 |
Portal with RTX(激重)
解像度 | 画質 | 平均FPS / 低位1% |
フルHD | 最高画質 DLSS FG | 137 / 117.2 |
最高画質 | 60 / 56.9 | |
4K | 最高画質 DLSS FG | 63 / 57.1 |
最高画質 | 40.2 / 36.6 |
ファークライ6(そこそこ重い / DX12)
解像度 | 画質 | 平均FPS / 低位1% |
フルHD | レイトレ 最高画質 | 124 / 106 |
最高画質 | 145 / 116 | |
4K | レイトレ 最高画質 | 77 / 70 |
最高画質 | 88 / 73 |
アサシン クリード ヴァルハラ (激重)
解像度 | 画質 | 平均FPS / 低位1% |
フルHD | 最高画質 | 173 / 122 |
4K | 最高画質 | 81 / 60 |
エーペックスレジェンズ 射撃訓練場(中量級)
解像度 | 画質 | 平均FPS / 低位1% |
フルHD | 最高画質 | 299.3 / 249.4 |
4K | 最高画質 | 202.1 / 147.9 |
※実際のプレーではこの結果よりもFPSが低下します
レインボーシックス シージ(軽い) ※Vulkan
解像度 | 画質 | 平均FPS / 最低FPS |
フルHD | 最高画質 | 456 / 373 |
4K | 最高画質 | 438 / 358 |
※最高画質設定。ゲーム内ベンチマークの結果
CS:GO FPS Benchmark(軽い)
解像度 | 画質 | 平均FPS |
フルHD | 最高画質 | 735.93 |
4K | 最高画質 | 275.99 |
※ワークショップ内のマップ「FPS Benchmark」を使用、画質は最高設定
完全おまかせ仕様で手軽に買える
CPUベンチマークテストではやや低めのスコアではあったものの、ゲーミングPCとして重要な3Dグラフィックスについては平均的なスコアが出ています。同GPUの最高スコアとは多少の差があるとは言え、個人的にはミドルレンジ(ミドルハイ)クラスではあれば十分ではないかと。大手メーカーの組み立て済みモデルとしては妥当なところでしょう。
これ以上のパフォーマンスと静音性を求めるなら、BTOモデルあるいは自作でもっとお金をかける必要があります。性能を抑えているとは言っても、初心者~中級者レベルならまったく問題ない範囲。CPUとGPUの性能を最大限に引き出さないと気が済まない人でなければ、十分アリだと思います。なによりパーツ構成について、あれこれ悩まずにすむのが魅力です。
OMEN 40L Desktop
※OMEN 40Lは、7%オフクーポンを利用するとお得に購入できます。
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