NECの「LAVIE Direct NS(B)[Note Standard]」は、スリムなデザインと豊富な機能が特徴のノートパソコンです。パソコンの初心者から中級者を対象としたいわゆる「エントリー向け」と呼ばれるモデルで、性能はそれほど高くありません。しかしネットや動画視聴、文書作成には十分な性能であり、なにより使いやすさとリーズナブルな値段が最大の魅力です。
NEC LAVIE Direct NS(B)の特徴
スリムでシンプルなデザイン
本体カラーは白で統一され、ナチュラルな雰囲気。高さは22.6mmと15.6インチタイプとしてはスリムです。リビングに置いても違和感のないデザイン。
付属ソフトが充実!
DVDプレーヤー/書き込みソフトなどを標準収録。さらに標準ソフトウェアパックを追加することで、はがき作成ソフトやバックアップソフトも利用できます。
メモリー増設が可能
底面の小さなカバーの下に、メモリースロットを用意。自分でメモリーを交換することで、より快適に利用できます。
今回は筆者が購入&実際に利用して気付いた良い面と悪い面を含めて、LAVIE Direct NS(B)のレビューをお届けします。
この記事の目次
- 1:LAVIE Direct NS(B)のスペック
- 2:本体デザインについて
- 3:液晶ディスプレイについて
- 4:キーボードの使いやすさについて
- 5:インターフェースと拡張性
- 6:バッテリー駆動時間
- 7:ベンチマーク結果
- 8:まとめ
LAVIE Direct NS(B)のスペック
OS | Windows 10 Home / Pro |
---|---|
CPU | Celeron 3865U / Pentium 4415U |
メモリー | 4 / 8 /16GB(最大32GB) |
ストレージ | 500GB HDD / 1TB HDD / 1TB SSHD |
グラフィックス | Intel HD Graphics 610(CPU内蔵) |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ / ブルーレイディスクドライブ |
ディスプレイ | 15.6インチ、1366×768ドット、光沢、タッチ非対応 |
通信機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 4.1、1000BASE-T対応有線LAN |
インターフェース | USB3.0×3、HDMI、有線LAN、SDメモリーカードスロット、ヘッドホン出力/マイク入力 |
セキュリティー | TPM 2.0、セキュリティースロット |
カメラ | 92万画素 |
サイズ/重量 | 幅385.6×奥行き258×高さ22.6mm/約2.4kg |
バッテリー駆動時間 | 約6時間 |
※2018年5月7日時点。構成や価格は変更される場合があります
おすすめカスタマイズ例
LAVIE Direct NS(B)は購入時にCPUの種類やメモリー、ストレージの容量などを選択できます。以下におすすめの構成例をピックアップしたので、選び方がよくわからない人は参考にしてください。
構成例と価格の目安
最安構成 | |
---|---|
税込5万4864円 | |
おすすめ構成 | |
税込6万8580円 | |
おすすめオフィス構成 | |
税込8万4240円 |
※2018年5月17日時点。スペシャルクーポン利用時
アウトレット品がお得
NECの公式サイトでは、LAVIE Direct NS(B)のアウトレットモデルが格安価格で販売中です。アウトレットと言っても旧モデルやキャンセル未開封品のことで、中身は新品同様。パーツのカスタマイズや本体カラーの選択はできませんが、そのぶん値段が安いのでお買い得です。
なおアウトレット品は数量限定である上に、タイミングによって価格が変動することもあるため、早めの購入をおすすめします。
LAVIE Direct NS(B)のアウトレット価格
スペック | 通常価格 | アウトレット価格 |
---|---|---|
Celeron+4GBメモリー+500GB HDD | 税込5万5728円 | 税込4万8060円 |
Celeron+4GBメモリー+500GB HDD + Office Personal | 税込7万1388円 | 税込6万1344円 |
Celeron+4GBメモリー+500GB HDD + Office Home and Business | 税込7万4088円 | 税込6万4584円 |
※2018年5月17日時点。各モデルには標準ソフトウェアパックが追加されています。通常価格はスペシャルクーポン適用時
関連リンク
2種類の特別クーポンでさらに割引!
NECの直販サイトではページに記載されている通常クーポンを利用することで、LAVIE Direct NS(B)を割引価格で購入できます。
しかし、実はさらにお得なクーポンが2種類も存在するのです。
ひとつは「広告限定優待クーポン」と呼ばれるもの。こちらは通常のクーポンよりも割引率が1%程度大きく、通常価格よりもちょっとだけ安く購入できます。
もうひとつが「スペシャルクーポン」と呼ばれるもので、こちらは広告限定優待クーポンよりも割引率が高め。ただし無料のメルマガ会員に登録する必要があります。無料の会員登録が終わるとスペシャルクーポンがスグに利用できますので、こちらをおすすめします。
なお2種類の特別クーポンは、パーツ構成をカスタマイズしたいときにお得になります。カスタマイズが不要の場合は、アウトレット品を選んだほうがお得です。
本体デザインについて
清潔感のあるホワイトがおすすめ!
本体カラーにはエクストラホワイト(白)とスターリーブラック(黒)、シャンパンゴールド(金)の3色が用意されています。この3色のなかで、もっともおすすめなのは一番人気のエクストラホワイト。イメージがさわやかであるだけでなく、指紋や油脂の汚れが目立ちにくいメリットもあるからです。
ちなみに以前のモデルであるLAVIE Direct NS(e)では、本体カラーにホワイトを選んでも、液晶ディスプレイの周囲と底面部がブラックでした。LAVIE Direct NS(B)のホワイトモデルはホワイトで統一されているので、デザインに統一感があります。
本体カラーがブラックの場合でも、全体的な統一感はあります。しかしコチラのページを見るとわかるとおりゴールドでは液晶ディスプレイの周囲と底面部だけがホワイトで、個人的にはチグハグな印象を受けました。やはりホワイトがいちばん無難で、プライベートでもビジネスでも違和感なく利用できます。
ボディはプラスチック製
本体の素材には、樹脂(プラスチック)が使われています。金属を使った高級モデルと比べると、質感(手触りや表面の様子)はいまひとつ。とは言うものの、安っぽさは感じられませんでした。
樹脂製のボディには、傷がつきやすいという欠点があります。実際、筆者もバッグのなかに入れて持ち歩いたところ、やや大きめキズが付いてしまいました(涙)。
ただし本体カラーがホワイトだと、たとえキズが付いてもあまり目立ちません。汚れは目立ちますが、光沢仕上げだと拭き取りやすいというメリットもあります。
15.6型なのにスリムなデザイン
液晶ディスプレイの大きさが15.6型のモデルは持ち歩きを前提としてないため、大きくてやや厚めのデザインが中心です。しかしNEC LAVIE Direct NS(B)はサイズこそ平均的ではあるものの、高さは22.6mmと15.6型のなかではスリムです。見た目はとてもスッキリしています。
持ち歩きには向かない重さ
NEC LAVIE Direct NS(B)の重さは2.4kgで、持ち歩き用のモバイルノートパソコンには向いていません。
とは言うものの持てない重さではないので、打ち合わせやプレゼンなどでたまに持ち運ぶくらいなら問題ないでしょう。自宅内で部屋を移動してパソコンを使う「ホームモバイル」にも利用できます。
液晶ディスプレイについて
文字が大きい15.6型
液晶ディスプレイの大きさは、もっともスタンダードな15.6型(15.6インチ)です。画面が大きいので、文字や画像が見えやすい点がメリット。解像度は1366×768ドットでフルHD(1920×1080ドット)に比べると精細さや情報量の点で劣りますが、文章の読みやすさを重視する人にはこのくらいのほうがちょうどいいでしょう。
より大きくて高解像度の液晶ディスプレイを使いたいなら、映像を外付けの液晶ディスプレイに映すという手もあります。公式では外部出力は1920×1080ドットまで対応とされていますが、4K解像度(3840×2160ドット)の外付けディスプレイも利用できました。ただし4K出力が保証されているわけではない点に注意してください。
やや青みがかった映像
写真を表示してみたところ、映像が青みがかっている印象を受けました。普段使っているぶんにはあまり気になりませんが、スマホの映像と比べると若干の違和感を感じるかもしれません。映像品質としては、4~6万円前後の格安モデル相当です。
視野角は狭く、液晶ディスプレイの映像を斜めからのぞき込むようにして見ると、色が大きく変わってしまいます。色の落ち込み具合から見て、TNパネルが使われているようです。とは言え、普通に正面から見るぶんにはまったく問題ありません。
光の映り込みが目立つグレア仕上げ
液晶ディスプレイの表面は、光沢ありのグレア仕上げです。光沢なしのノングレアに比べて発色とコントラストに優れているのですが、光の映り込みが目立つのが欠点。特に長時間の作業をする場合、光の映り込みがあると眼が疲れやすいと言われています。
資料を閲覧、作成する際は、光が写り込まないよう液晶ディスプレイの角度を変えて作業することをおすすめします。もしくは15.6型の非光沢フィルムを購入して、自分で貼り付けるのもおすすめです。
キーボードの使いやすさについて
若干きゅうくつなキーボード
キーボードは全105キー構成で、数値入力に便利なテンキーが付いています。キーピッチ(キーとキーの間隔)は18.7mmで、理想とされる19mmよりも0.3mm足りません。ごくわずかな違いではありますが、普段大きめのキーボードを使っている人には多少きゅうくつに感じるかもしれません。
一部のキー配列が特殊
キー配列で気になるのは2点。ひとつ目はFnキーがCtrlキーの左側に配置されているので、押し間違えやすい点です。一般的なキーボードではFnキーがCtrlキーの右側に配置されているので、慣れないとちょっと戸惑うかもしれません。
ただしLAVIE Direct NS(B)では、FnキーとCtrlキーの働きを入れ替えることができます。ほかの記事で設定方法を解説していますので、打ち間違えが多い場合は試してみてください。
気になる点のふたつ目は、Enterキー周辺でキーが小さくなっている点です。特にカーソルキーの上下(↑↓キー)が小さく、また右Shiftキーの位置も標準的ではありません。しばらく使っていれば慣れるかもしれませんが、使いはじめのうちはタイプミスが多くなる可能性があります。
タッチパッドの使い勝手は標準的
マウス代わりに使うタッチパッド(LAVIEシリーズでの正式名称は「NXパッド」)は比較的大きく、ダイナミックな動きにも対応できます。しかし、ボタンとパッド部分が一体型である点が残念。左右のボタンがパッドから分離しているタイプのほうが誤操作が少なく、使い勝手に優れているからです。総合的に判断して、タッチパッドの使いやすさは標準的と言えます。
ワンプッシュでソフトを起動!
キーボードの右上には電源ボタンに加え、「ソフト」ボタンと「マイチョイス」ボタンが用意されています。あらかじめボタンに設定しておくことで、好みの機能をボタンひとつで呼び出すことが可能です。
インターフェースと拡張性
端子の数と種類は十分な構成
LAVIE Direct NS(B)では周辺機器接続用のインターフェースとしてUSB3.0×3、HDMI、有線LAN、SD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロット、ヘッドホン出力が用意されています。VGA(アナログRGB)は非対応ですが、ビジネスでも十分活用できる構成です。
右側面の盗難防止用ロックを使うには、「ケンジントンロック」と呼ばれるワイヤーロックが別途必要です。
サウンドはいまひとつ
キーボードの上部には、1.5W+1.5Wのステレオスピーカーが配置されています。実際に音楽を聴いてみましたが、音質はそれなりというレベルでした。
公式ではヤマハ製AudioEngine機能搭載とされていますが、音質が向上しているようには聞こえません。音は全体的に軽く、特に低音部の薄さが目立ちます。格安モデル相当の品質と言っていいでしょう。YouTubeなどを楽しむのには十分ですが、音楽を楽しみたいなら外付けスピーカーやヘッドホンの利用をおすすめします。
バッテリーやメモリーを手軽に交換できる
底面部のバッテリーは取り外し可能で、劣化によってバッテリー容量が減っても、自分で交換できます(交換用バッテリーは別途購入する必要あり)。
また底面部のカバーを外すことで、メモリーを交換できます。メモリーの最大容量は16GBまで。ただしパーツを自分で交換すると、メーカー保証の対象外となるので注意してください(メーカー確認済み)。
バッテリー駆動時間
LAVIE Direct NS(B)のバッテリー駆動時間は、公称値で約6時間とされています。そこで以下の条件で実際の駆動時間を計測してみたところ、テスト開始から7時間31分でバッテリー切れ(残量5%)となりました。
バッテリー駆動時間計測時のテスト条件
- Windows 10の電源プランを「省電力」に
- 液晶ディスプレイの明るさを40%に設定
- 輝度(明るさ)の自動調節機能はオフ
- 無線LANとBluetoothはオン
- ボリュームは50%に調整
- 「BBench」で10秒ごとのキー入力と60秒ごとのWebアクセスを有効化
- 満充電の状態からテストを行ない、休止状態へ移行するまでの時間を計測
ただしこのテストは、バッテリーの消費量がかなり控えめです。負荷の高い作業を行なえば、数時間持たない可能性も十分あります。
しかしLAVIE Direct NS(B)はもともと持ち歩き用のモバイルノートパソコンではありませんので、大きな問題ではないはず。自宅内でちょっと持ち歩く程度なら、十分なバッテリー性能です。
ベンチマーク結果
テストに使った試用機のパーツ構成は以下のとおりです。ベンチマーク結果はパーツ構成や個体差、環境、タイミングなどによって大きく変わることがある点を、あらかじめご了承ください。
試用機のスペック
CPU | Celeron 3865U |
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メモリー | 4GB |
ストレージ | 500GB HDD |
ストレージ性能
テスト機では、ストレージに500GB HDDが使われています。アクセス速度は、標準的なHDDよりもやや遅めでした。
CPU性能
テスト機で使われているCeleron 3865Uは、性能よりも省電力性や価格の安さを重視したCPUです。そのため、性能はそれほど高くはありません。ただし格安モデルのなかでは、比較的高性能な部類に入ります。より快適に使いたいなら、CPUにPentiumを選ぶといいでしょう。
CPUの性能比較
CPU | CINEBENCH R15のCPUスコア |
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Celeron N3450 |
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LAVIE Direct NS(B)(Celeron 3865U) |
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Celeron 3865U |
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AMD A9-9420e |
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Celeron N3350 |
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AMD E2-9000 |
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※ほかのCPUの結果は当サイト計測の平均値
ベンチマーク結果をご覧いただくとおわかりのように、性能はそれほど高くはありません。しかしネットの調べ物や動画視聴、文書作成には十分です。より詳しいテスト結果については、以下のリンクからパフォーマンス面の検証記事をご覧ください。
付属ソフトが充実!
LAVIE Direct NS(B)には、標準でさまざまなソフトがインストールされています。DVDプレーヤーやDVD/CDの書き込みソフトなども用意されているので、ソフトを追加購入する必要はありません。
また購入時の「標準ソフトウェアパック」を追加することで、はがき作成ソフトやバックアップソフトなども使えるようになります。追加料金は1000円(税別)と安いので、ぜひ追加しておきましょう。ソフトウェア構成については、以下の記事をご覧ください。
国内ブランドの安心感が魅力!
ということで、今回はNECの15.6型スタンダードノートパソコン「LAVIE Direct NS(B)」のレビューを外観面を中心にお届けしました。海外製の格安な15.6型モデルに比べると値段はやや高めですが、スリムで使い勝手のいいデザインがポイントです。
そしてなにより、国内ブランドならではの安心感があります。サポート面も充実していますので、トラブルなく気軽に使いたい人におすすめです。