デルのAlienware m15 Ryzen Edition R5は、AMD Zen3世代のRyzenシリーズとGeForce RTX 30 Laptopシリーズを搭載するゲーミングノートPCです。グレード的にはミドルレンジか(中級)からアッパーミドル(中上級)向けで、スペックも作りもしっかりしている点が特徴。記事執筆時点(2022年1月中旬)では、15~25万円台で購入できます。
ポイント
- 😄 165 / 240Hzの高リフレッシュレート
- 😄 Nキーロールオーバー対応
- 🙄 本体が大きい
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
スペック
OS | Windows 11 Home |
---|---|
ディスプレイ | 15.6インチ 非光沢 タッチ非対応 |
パネル | 1920×1080 165Hz / 2560×1440 240Hz G-Sync対応 |
CPU | Ryzen 7 5800H / Ryzen 9 5900HX |
メモリー | 16 / 32GB DDR4-3200 |
ストレージ | 512GB / 1TB SSD |
グラフィックス | RTX 3050 Ti(4GB) / RTX 3060(6GB)/RTX 3070(8GB) |
通信 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.0、有線LAN(2.5Gbps) |
インターフェース | USB3.2 Gen1(フルサイズ)×3、USB3.2 Gen2 Type-C×1、HDMI2.1、有線LAN、マイク入力/ヘッドフォン出力 |
生体認証 | なし |
サイズ / 重量 | 幅356.2×奥行き272.5×高さ12.9~22.85mm / 約2.42~2.69kg |
バッテリー | 6セル86WHr ※駆動時間は非公開 |
本体デザイン
基本的な作りは、エントリー(入門)向けのDell G15(5510 / 5511)とほぼ同じです。
サイズと重量
ディスプレイについて
キーボードについて
ベンチマーク結果
試用機のスペック
CPU | Ryzen 9 5900HX |
---|---|
メモリー | 16GB |
ストレージ | 1TB NVMe SSD |
グラフィックス | RTX 3070 (8GB) |
最大グラフィックスパワー | 130W |
※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります
CPU性能
CPUとしては、AMD Zen3世代のRyzen 9 5900HXまたはRyzen 7 5800H(いずれも8コア16スレッド)が使われています。Ryzen 9であれば、現行のゲーミングノートPC向けCPUとしてはトップクラスの性能です(記事執筆時点)。Ryzen 7 5800Hも十分高性能で、どちらもゲーム用としては十分なパフォーマンスと言っていいでしょう。
CPUの性能差 (マルチコア性能)
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Ryzen 9 5900HX |
5025
|
Alienware m15(Ryzen 9 5900HX) |
4945
|
Core i7-11800H |
4736
|
Ryzen 7 5800H |
4681
|
Ryzen 7 4800H |
4307
|
Ryzen 9 4900HS |
4266
|
Core i9-11900H |
4210
|
Core i7-10870H |
3679
|
Core i9-10885H |
3504
|
Ryzen 5 4600H |
3303
|
Core i5-11400H |
2992
|
Core i7-10750H |
2825
|
Core i5-10500H |
2638
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
グラフィックス性能
グラフィックス機能としてはエントリー向けのRTX 3050 Ti、ミドルレンジのRTX 3060、ミドルハイ(アッパーミドル)のRTX 3070の3種類が用意されています。RTX 3070搭載の試用機で3Dベンチマークテストを行なったところ、同じGPUの平均値を超える優れた結果が出ました。おそらくCPUとして使われているRyzen 9 5900HXの高いパフォーマンスが影響しているのでしょう。ゲームをガッツリ楽しむのであれば、この組み合わせがもっともおすすめです。
ちなみにRTX 3060でも、重いゲームをフルHDの高画質で快適に楽しめます。エントリー向けのRTX 3050 Tiでも重いゲームをプレー可能ですが、ここで予算をケチるよりもミドルレンジ以上を選んだほうが満足感は高いはず。予算を安く押さえたいのであれば、ワンランク下の「Dell G15」シリーズを選んでください。
https://komameblog.jp/review/dell-g15-5511/
GPUの性能 (DirectX 12、WQHD)
GPU | 3DMark Time Spy Graphicsスコア |
---|---|
RTX 3080 |
11612
|
Alienware m15(RTX 3070) |
10621
|
RTX 3070 |
9707
|
RTX 2080 |
9599
|
RTX 3060 |
8297
|
RTX 2070 |
7660
|
RTX 2060 |
5860
|
GTX 1660 Ti |
5626
|
RTX 3050 Ti |
5207
|
RTX 3050 |
4426
|
GTX 1650 Ti |
3686
|
GTX 1650 |
3178
|
Iris Xe (Core i7) |
1250
|
Radeon (Ryzen 7) |
1000
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
GPUの性能 (DirectX 11、フルHD)
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
RTX 3080 |
28274
|
Alienware m15(RTX 3070) |
26166
|
RTX 3070 |
25161
|
RTX 2080 |
25078
|
RTX 3060 |
21476
|
RTX 2070 |
20037
|
RTX 2060 |
15685
|
GTX 1660 Ti |
14451
|
RTX 3050 Ti |
13528
|
RTX 3050 |
11051
|
GTX 1650 Ti |
10123
|
GTX 1650 |
8758
|
Iris Xe (Core i7) |
4486
|
Radeon (Ryzen 7) |
3384
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
レイトレーシング性能もハイエンドGPUに迫るほどのスコアでなかなか優秀です。タイトルによっては、美しい映像を堪能できるでしょう。
GPUの性能 (レイトレーシング)
GPU | 3DMark Port Royal Graphicsスコア |
---|---|
RTX 3080 |
7148
|
Alienware m15(RTX 3070) |
6449
|
RTX 3070 |
5957
|
RTX 2080 |
5675
|
RTX 3060 |
4909
|
RTX 2070 |
4498
|
RTX 2060 |
3330
|
GTX 1660 Ti |
1487
|
RTX 3050 Ti |
585
|
RTX 3050 |
537
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
PCを使った作業の快適さ
PCMark10は、PCを使った作業の快適さを計測するベンチマークテストです。一般的な作業を想定しているため、テストでは比較的軽い処理が行なわれています。
CPU / GPUともに高性能な試用機では、非常に優れた結果が出ました。Ryzenはソフトの相性があるものの、ほとんどの作業は概ね快適に行なえるはずです。
PCMark 10ベンチマーク結果
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) 目標値:4100 |
9809
9784
9925
9667
9418 |
Productivity (ビジネス利用) 目標値:4500 |
9729
6630
9276
8530
7927 |
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) 目標値:3450 |
9729
4840
6814
8109
8486 |
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
比較機のスペック
▶THIRDWAVE DX-T7 | Core i7-1165G7 / 16GB |
---|---|
▶IdeaPad Slim 560 Pro | Ryzen 7 5800H / 16GB / GTX 1650 |
▶Inspiron 16 Plus | Core i7-11800 / 16GB / RTX 3050 |
▶raytrek R5-CA | Core i7-10875H / 16GB / RTX 3060 |
ゲーム性能
RTX 3070搭載モデルであれば、重量級タイトルでも最高画質で平均60 FPS程度で楽しめます。RTX 3060であれば、画質を調整すれば問題ないでしょう。RTX 3050 Tiなら、タイトルによっては画質を調整する必要がありそうです。
人気のバトロワ系FPS / TPSについては、中量級のFF14あたりを参考にしてください。最高画質でも100Hzオーバーはいけそうですが、ミドル~ミドルハイで165Hzもしくはそれ以上を目指すのであれば多少の画質調整は必要です。RTX 3050 Tiで高リフレッシュレートを堪能するのであれば、画質をかなり落とす必要があります。
FF15ベンチ (重い / DX11)
画質 | スコア / 評価 |
高品質 | 8607 / 快適 |
標準品質 | 11619 / とても快適 |
軽量品質 | 11885 / とても快適 |
※1920×1080ドットの結果。スコアが6000以上で「快適」
GPU | FF15ベンチのスコア目安(高画質) |
---|---|
RTX 3080 |
12484
|
RTX 2080 |
9427
|
RTX 3070 |
7818
|
RTX 3060 |
7792
|
RTX 2070 |
7530
|
RTX 2060 |
5584
|
GTX 1660 Ti |
5605
|
RTX 3050 Ti |
4855
|
RTX 3050 |
4122
|
GTX 1650 Ti |
3801.5
|
GTX 1650 |
3472.5
|
Iris Xe (Core i7) |
1347
|
Radeon (Ryzen 7) |
1027
|
※スコアは当サイト計測値の平均
FF14ベンチ:暁月のフィナーレ (やや重い / DX11)
画質 | スコア / 平均FPS |
最高品質 | 16448 / 122.2 FPS |
高品質 | 15489 / 114.8 FPS |
標準品質 | 16742 / 123.6 FPS |
※1920×1080ドットの結果。平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
GPU | FF14ベンチのFPS目安(最高画質) |
---|---|
RTX 3080 |
134
|
RTX 2080 |
130.8
|
RTX 3070 |
131.25
|
RTX 3060 |
119.2
|
RTX 2070 |
109.1
|
RTX 2060 |
90.3
|
GTX 1660 Ti |
95.15
|
RTX 3050 Ti |
92.5
|
RTX 3050 |
76.3
|
GTX 1650 Ti |
69.65
|
GTX 1650 |
63.05
|
Iris Xe (Core i7) |
17.2
|
Radeon (Ryzen 7) |
17.9
|
※スコアは当サイト計測値の平均
ファークライ6(ちょっと重い / DX12)
レイトレ無効
設定 | 平均FPS / 最小FPS |
最高 | 76 FPS / 62 FPS |
中 | 85 FPS / 50 FPS |
低 | 92 FPS / 57 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
レイトレ有効
設定 | 平均FPS / 最小FPS |
最高 | 60 FPS / 29 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
サイバーパンク2077 (重い / DX12)
画質 / DLSS | 平均FPS / 最低FPS |
ウルトラ / オフ | 57.9 FPS / 37.9 FPS |
高 / オフ | 60.1 FPS / 38.1 FPS |
レイトレーシングウルトラ / 自動 | 35.4 FPS / 27.6 FPS |
レイトレーシング中 / 自動 | 39.7 FPS / 27.6 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
GPU | ゲーム中のFPS目安(最高画質、レイトレオフ、DLSS有効) |
---|---|
RTX 3080 |
68.8
|
RTX 3070 |
74.5
|
RTX 3060 |
77.7
|
RTX 2060 |
41.5
|
RTX 3050 Ti |
55
|
GTX 1650 Ti |
18.2
|
GTX 1650 |
16.8
|
※スコアは当サイト計測値の平均
アサシン クリード ヴァルハラ (重い / DX12、DLLS非対応)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高 | 74 FPS / 36 FPS |
中 | 93 FPS / 38 FPS |
低 | 102 FPS / 50 FPS |
※DLSS非対応、平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
GPU | FF15ベンチのスコア目安(高画質) |
---|---|
RTX 3080 |
74
|
RTX 3070 |
68
|
RTX 3060 |
63
|
RTX 3050 Ti |
35
|
RTX 3050 |
21
|
GTX 1650 Ti |
22
|
GTX 1650 |
33
|
※スコアは当サイト計測値の平均
ゲームをガッツリ楽しみたい人向け
165Hz / 240Hzの高リフレッシュレートと、Nキーロールオーバーに対応している点が好印象です。最近はゲーミングノートPCでもキーボードが貧弱な機種が多いのですが、Alienware m15 Ryzen Edition R5であれば操作に関してのストレスはだいぶ少ないでしょう。本体はやや大きいものの、特別気になるほどではありません。
記事執筆時点ではRTX 3050 Ti搭載の下位モデルが16万円前後で、RTX 3060搭載の中位モデルが17万円台前半、RTX 3070搭載モデルが24万円台です。さらにその上の240Hz対応最上位モデルは25万円台で販売されています。狙うならRTX 3060かRTX 3070モデルがおすすめ。ゲーミングノートPCとしてしっかり作られているだけに、中途半端に安いモデルを買うよりは上位モデルを選ぶべきです。ゲームをガッツリ楽しみたい人におすすめします。
*
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