ポイント
- 240Hzの高リフレッシュレート
- メカニカルスイッチのキーボード
- AIによるパフォーマンス最適化
AORUS 17Gのスペック
画面サイズ | 17.3インチ |
---|---|
解像度 | 1920×1080 |
CPU | ・Core i7-10750H ・Core i7-10875H |
メモリー | 16GB |
SSD | 512GB |
HDD | なし |
グラフィックス | ・GTX 1660 Ti ・RTX 2060 ・RTX 2070 Max-Q ・RTX 2070 SUPER Max-Q |
幅×奥行き | 405×276mm |
厚さ | 26mm |
重量 | 最大2.7kg |
バッテリー | 最大8時間 |
※2020年5月14日時点。構成は変更される場合があります
リフレッシュレート | ・144Hz ・240Hz |
---|---|
表面処理 | 非光沢 |
パネルの種類 | IPS |
光学ドライブ | - |
テンキー | あり |
有線LAN | 1000Mbps |
無線LAN | Wi-Fi 6 (11a/b/g/n/ac/ax) |
Bluetooth | 5.0 |
USB3.2 | 3 |
USB3.0 | - |
USB2.0 | - |
USB Type-C | 1 |
Thunderbolt 3 | 1 (Type-C兼用) |
メモリーカード | SD |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | ー |
DisplayPort | 1 (Mini) |
Webカメラ | HD (92万画素相当) |
顔認証カメラ | ー |
指紋センサー | 搭載 |
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際のゲームでの使い心地などをレビューします。
この記事の目次
※2020年5月14日時点
ベンチマーク結果
※ベンチマーク結果はパーツ構成やタイミング、個体差などによって大きく変わる場合があります
ゲーム系ベンチマーク結果
ベンチマークテストや実際のゲームでのFPS (画面の動きの速さを表わす目安)を計測したところ、ほぼすべてのゲームにおいてフルHDの高画質で快適と判断できる結果でした。処理が非常に重いゲームについては画質を多少変更する必要がありますが、概ね美しいグラフィックスで楽しめます。
FPSやTPSは最高画質でも100 FPSオーバーですが、144 FPSあたりまで上げるのであれば画質を下げる必要がありそうです。リフレッシュレート240Hzのディスプレイを搭載していますが、実際に240 FPSあたりまで出るタイトルは少ないかもしれません。
※テストはすべてフルHDで実施
RTX 2070 SUPERの目安
- ・中量級タイトルを最高画質でプレー
- ・重量級タイトルを高画質でプレー
- ・FPS / TPSを中~高画質で144Hz
- ・FPS / TPSを低画質150~200Hz
FF15ベンチ (重量級 / DX11)
画質 | スコア / 評価 |
高品質 | 7069 / 快適 |
標準品質 | 9498 / 快適 |
軽量品質 | 11313 / とても快適 |
※スコアが6000以上で「快適」
FF14ベンチ:漆黒のヴィランズ (中量級 / DX11)
画質 | スコア / 評価 / 平均FPS |
最高品質 | 15627 /非常に快適 / 111.3 FPS |
高品質 | 17023 / 非常に快適 / 130.6 FPS |
標準品質 | 17954 / 非常に快適 / 142.2 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
モンスターハンターワールド:アイスボーン (中重量級 / DX11)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高 | 64.7 FPS / 56 FPS |
高 | 85.3 FPS / 74 FPS |
中 | 86.7 FPS / 77 FPS |
低 | 97.7 FPS / 90 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽量級 / DX9)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 22368 / すごく快適 |
標準品質 | 22433 / すごく快適 |
低品質 | 23092 / すごく快適 |
PSO2ベンチ (軽量級 / DX9)
簡易描画設定 | スコア |
6 (最高) | 46,806 |
3 | 82,405 |
1 (最低) | 200,501 |
※スコア5,000以上が快適に遊べる目安
リーグ・オブ・レジェンド (LoL) (超軽量級 / DX9)
モード | 平均FPS / 最低FPS |
サモナーズリフト (最高画質) | 220.6 FPS / 185 FPS |
TFT (最高画質) | 235.2 FPS / 157 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
フォートナイト (中量級 / DX11)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
エピック | 132 FPS / 112 FPS |
高 | 152.2 FPS / 125 FPS |
中 | 217.7 FPS / 167 FPS |
低 | 244.2 FPS / 181 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
PUBG (中量級 / DX11)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
ウルトラ | 112.2 FPS / 84 FPS |
高 | 122.2 FPS / 101 FPS |
中 | 129.8 FPS / 100 FPS |
低 | 132.6 FPS / 100 FPS |
非常に低い | 137.9 FPS / 98 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
エーペックスレジェンズ (中量級 / DX11)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高設定 | 111.1 FPS / 107 FPS |
最低設定 | 182.9 FPS / 173 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安。FPS上限はデフォルトのまま
アサシンクリード オデッセイ (超重量級 / DX11)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高 | 54 FPS / 33 FPS |
中 | 81 FPS / 43 FPS |
低 | 85 FPS / 49 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ファークライ ニュードーン (中重量級 / DX11)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
ウルトラ | 85 FPS / 61 FPS |
中 | 94 FPS / 75 FPS |
低 | 102 FPS / 80 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
シャドウ オブ ザ トゥームレイダー (重量級 / DX12)
画質 | 平均FPS |
最高 | 85 FPS |
中 | 95 FPS |
最低 | 117 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
CPU性能
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Core i9-9980HK |
3558
|
Core i9-9880H |
3402
|
AORUS 17G (Core i7-10875H) |
3293
|
Core i7-10750H |
2861
|
Core i7-9750H |
2684
|
Core i7-8750H |
2625
|
Core i7-10710U |
2214
|
Core i5-9300H |
1922
|
Core i7-1065G7 |
1619
|
Core i7-10510U |
1486
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
CPUとしては第10世代のCore i7-10750H (6コア)とCore i7-10875H (8コア)が使われています。上位のCore i7-10875Hを搭載したモデルのほうが値段が高いものの、CPUパフォーマンスは非常に優秀。前世代のCore i9に迫るスコアです。
Core i7-10750Hもかなり優秀で、前世代のゲーミングノートPCでよく使われていたCore i7-9750Hをベンチマークスコアで上回っています。高いパフォーマンスを期待していいでしょう。
3Dグラフィックス性能
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
RTX 2080 |
23762
|
RTX 2080 Max-Q |
20066
|
RTX 2070 |
19918
|
AORUS 17G (RTX 2070 Super Max-Q) |
18723
|
RTX 2070 Max-Q |
17933
|
RTX 2060 |
14945
|
GTX 1660 Ti |
14392
|
GTX 1650 |
8513
|
GTX 1050 |
5912
|
MX250 |
3400
|
Iris Plus |
2846
|
UHD 630 |
1176
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
試用機で使われていたRTX 2070 Super with Max-Qデザインは、2020年4月登場した新世代のGPUです。3D性能を計測するベンチマークテストを試したところ、前世代の無印RTX 2070とRTX 2070 with Max-Qデザインの中間あたりの結果が出ました。機種によってはスコアが変わる可能性があります。
ちなみにほかのモデルでは、GTX 1660 Ti / RTX 2060 / RTX 2070 with Max-Qデザインが使われています。どのモデルでもゲームを快適に楽しめますが、FPSやTPSでよりなめらかな動きを堪能したいのであればミドルハイクラスのRTX 2070 with Max-Q / RTX 2070 Super with Max-Qを選ぶといいでしょう。
AIでパフォーマンスアップ!
AORUS 17Gは、AIのディープラーニングによってパフォーマンスを最適化する「Gaming+ & Professional+」と呼ばれる機能に対応しています。この機能を有効にするとCPUやGPUの使用状況、ファンの動作状態などをAIが自動的に解析。より高いパフォーマンスを発揮できる状態に調整される上、クラウドサーバー上のデータも参照することでより最適化の精度を高められます。
各モードの概要
AI Disable | 自動解析モードを無効化 |
---|---|
AI Edge Learning | オフラインモードで利用 |
AI Azure Download | クラウドサーバーのデータを参照して最適化 |
AI Azure Download and Upload | クラウドサーバーのデータを参照しつつ、ローカルの最適化データをアップロードする |
機能を有効化したところ、確かにベンチマークスコアが向上しました。無効化した状態と比べると、最大でスコアが9%上昇しています。ほかのGPUのスコアと比較すると、RTX 2080 with Max-Q相当です。
各モードのベンチマーク結果
モード | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
AI Disable |
18723
|
AI Azure Download and Upload |
20377
|
AI Edge Learning |
20426
|
AI Azure Download |
20438
|
FF15ベンチでもモードを有効化することでスコアが最大9%程度上昇しました。実際のゲームにおいても効果を見込めそうです。
各モードのベンチマーク結果
モード | FF15ベンチスコア ※フルHD 高画質 |
---|---|
AI Disable |
7069
|
AI Azure Download |
7449
|
AI Azure Download and Upload |
7493
|
AI Edge Learning |
7493
|
「Gaming+ & Professional+」を利用することで、ワンランク上の快適さでゲームをプレー可能です。どのモードについては、精度の高いデータを利用できる「AI Azure Download」もしくは「AI Azure Download and Upload」のどちらかを選べばいいでしょう。
ストレージ性能
ストレージは512GB SSDです。試用機ではPCIe 3.0 x4接続の超高速タイプが使われていました。一般的なSSDに比べてアクセス速度が速く、ウィンドウズやゲームがキビキビと動作します。
クリエイティブ性能について
Photoshopベンチ
Photoshopベンチマーク「PugetBench for Photoshop」では、クリエイティブ性能の高いスタンダードノートPC / モバイルノートPCに比べて優れた結果が出ています。ちなみにこのテストでは「Gaming+ & Professional+」を無効化していたので、有効にすればさらに優れた結果が得られるでしょう。
Lightroomベンチ
Lightroom Classicベンチマーク「PugetBench for Lightroom Classic」でも同様に、非常に優秀な結果が出ています。特に操作の快適さを表わす「Active Task Score」では最高値に迫るほど。高い効果を期待できるでしょう。ファイル出力に関する「Passive Task Score」でも高いCPU性能の効果が現われています。
Blenderベンチ
3D CGソフト「Blender」を使ったベンチマークテストでは、重い3Dデータでも処理が高速に行なわれました。「Gaming+ & Professional+」を有効化していれば、さらに高い効果を期待できるはずです。
デザインと使いやすさ
洗練された外観
AORUS 17Gの各部はスポーツカーを思わせるようなデザインで、とても洗練されています。大型のゲーミングノートPCに見られる野暮ったさは感じられません。ボディはアルミ製で質感が高い上に剛性もしっかりしています。高級感のある外観です。
17インチとしてはコンパクト
フットプリント (接地面積)は幅405×奥行き276mm。B4サイズ (幅364×奥行き257mm)よりもひと周り大きめです。13~15インチクラスのノートPCよりも大きいのですが、17インチタイプとしてはコンパクト。とは言え、それなりの存在感があります。
ゲームに有利な17.3インチ
ディスプレイの大きさは17.3インチ。ゲーミングノートPCでは15.6インチが一般的ですが、17.3インチだと画面が大きいぶんターゲットを捉えやすいメリットがあります。解像度は1920×1080ドットのフルHDです。
240Hzの高リフレッシュレート
リフレッシュレート (画面の書き換え速度)は最大240Hzです。PCやテレビやゲーム機などで一般的な60Hzの画面に比べて画面のカクつきが少なく、ゲームの動きがとてもなめらかに表示されます。またわずかな時間ではありますが、描画の遅延が少ない点もメリット。コンマミリ秒の反応で差が出る対戦ゲームに向きです。
240Hzと60Hzで画面の動きがどれだけ異なるのかは、下の5倍スローモーション動画を見るとわかります。一見普通の動きに見えても60Hzだと動きがカクカクしているのに対し、240Hzはなめらか。この動きの違いが、プレーに大きく影響するのです。
ただし240Hzのなめらかな動きでプレーするには、ゲーム側で240 FPS出す必要があります。そのため、高性能なCPUとGPUが必要となるのです。
実際のところAORUS 17Gの最上位モデルでも240 FPS出すのに厳しいタイトルもありますが、150 FPSあたりは普通に出ます。リフレッシュレートが144Hz止まりのゲーミングノートPCよりもなめらかな動きでゲームを楽しめるでしょう。
X-RITE Pantoneによる美しい映像
ディスプレイにはIGZO (IPS)パネルが使われています。映像は自然な色合いで、明るく色鮮やか。ゲームはもちろん、動画視聴や写真を楽しむのにも向いているでしょう。
ディスプレイはX-RITE Pantoneのキャリブレーション技術による色の補正が施されています。ソフトウェアキャリブレーションによるものですが、試しにソフトを無効化したところ映像がやや緑がかって見えました。有効にしておいたほうが色が自然です。
色域測定結果 ※X-RITE Pantone有効時
sRGBカバー率 | 98.5% |
---|---|
sRGB比 | 103.5% |
Adobe RGBカバー率 | 76.7% |
Adobe RGB比 | 76.7% |
キーボードは英字配列
キーボードはテンキー付きの英字配列です。日本語配列とは記号キーの位置が微妙に異なるのですが、ゲームにおいてはほとんど影響ありません。チャットなどで日本語を入力する際に始めは違和感があるかもしれませんが、使い続けるうちに慣れるでしょう。
RGBバックライトに対応
キーボードはRGBバックライト対応。キーごとに異なる光を割り当て可能です。標準収録の「AORUS Control Center」で光の色や発光パターンを変更できます。
操作に迷いがないメカニカルスイッチ
キーボードにはオムロン製のメカニカルスイッチが使われています。キーストロークは2.5mmと深く、クリック感も確かに感じられました。公式の情報によると青軸とのことですが、それほどクリック感が強いわけではありません。わずかにカチッと聞こえる程度です。
しかし一般的なメンブレン / パンタグラフ式のキーボードとは打鍵感がまったく異なります。小気味のいい押し心地で、軸にブレはなく底打ち感も感じません。押したことが確実にわかるので、操作に迷いを感じることもないでしょう。
タイプ感には優れるものの、メカニカルスイッチを採用しているためタイプ音はカチカチと聞こえます。軽く入力しても、音はしっかり聞こえました。少し離れた場所や、隣の部屋にも聞こえるかもしれません。
Nキーロールオーバー対応
キーボードは全キー個別の認識が可能なNキーロールオーバー対応で、誤認識を防ぐアンチゴースト機能に対応しています。実際に同時押しの認識数を調べたところ、かなりの数が同時に認識されていました。すべてのキーを同時に押したわけではありませんが、普通のノートPCや少し安いゲーミングノートPCよりも多く認識されています。キー操作周りでの不安はなさそうです。
インターフェースは十分な構成
周辺機器接続用のインターフェース (端子)類は過不足のない十分な構成です。ただしすべて左右側面に配置されているので、両サイドがケーブルでゴチャつくかもしれません。
最大出力時の駆動音が大きい
普通にゲームをプレーしているときは、特に駆動音は気になりませんでした。静かではないものの、うるさく感じるほどでもありません (個人の感想です)。ただしFnキー+ESCキーを同時に押してファンを最大出力で回転させると、音がかなり大きく聞こえます。最大パフォーマンスで動かしたいとき以外は、使わなくてもいいでしょう。
駆動音の計測結果
電源オフ | 37.4dBA | - |
---|---|---|
待機時 | 39.2BA | 音がわずかに聞こえる程度 |
ファン最大時 | 60.2dBA | 排気音と甲高い回転音がかなり大きく、隣の部屋にまで聞こえるほど |
ゲーマー向けの高品質モデル
よかった点
240Hzのなめらかな動きやタイプ感と反応速度に優れるメカニカルキーボード、優れた冷却性能など、ゲームを快適に楽しむための機能が詰め込まれている点がポイント。パフォーマンスも高く、重いゲームでも快適に楽しめるハイエンドなゲーミングノートPCです。
気になった点
最安モデルでも実売23万円台、最上位モデルでは30万円オーバーと値段が高い点が気になります。とは言えパフォーマンスや品質も高いので、ある程度の価格は仕方がないでしょう。
※2020年5月14日時点
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