ASUSのASUS VivoBook E203MA-4000 (以下、”ASUS E203MA”)は、価格の安さが魅力の激安ノートPCです。アマゾンでの販売価格は3万円台と驚きの安さ。そのぶん品質面でいまひとつの部分もありますが、「とにかく安いPCが欲しい!」という人には十分納得できるでしょう。
ASUS E203MAの注目ポイント
重さは実測1kg切り
重量は公称値で約1kg、実測では997gでした。安いのに軽量スリムで、外出先でも使えます(実際の重さは個体によって変わります)。
ファンレスで静か!
空冷ファンの「ファンレス仕様」であるため、排気音や回転音などがまったく聞こえません。静かな場所でも気兼ねなく使えます。
ASUS E203MAの評価
総合評価: 2.9/5.0
(評者:こまめブログ)
デザイン | スリム&コンパクトでカラーもいい。格安モデルとしては上質なデザイン |
---|---|
性能 | CPU性能は低い。使いこなすには設定変更などのコツが必要 |
使いやすさ | Type-Cに対応しているものの、端子類は必要最低限。キーボードのキーが小さい |
軽さ | 実測で1kgを切る軽さは非常に優秀。持ち運びやすい |
画面 | 格安モデルながら色味は悪くない。ただし画面が小さく、映り込みが気になる |
今回は筆者が購入したASUS E203MAの実機を使って、本体デザインや使い心地、ベンチマーク結果などをレビューします。
この記事の目次
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ASUS E203MAのスペック
OS | Windows 10 Home |
---|---|
CPU | Celeron N4000 |
メモリー | 4GB |
ストレージ | 64GB eMMC |
グラフィックス | Intel UHD Graphics 600 |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 11.6インチ、1366×768ドット、光沢、ペン/タッチ非対応 |
通信機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac対応無線LAN、Bluetooth 4.1 |
インターフェース | USB3.0(フルサイズ)×2、USB3.1 Gen1(Type-C)×1、HDMI、microSDカードスロット、ヘッドホン出力 |
セキュリティー | TPM2.0 |
カメラ | 30万画素 |
サイズ/重量 | 幅286×奥行き193×高さ16.9mm/約1kg |
バッテリー | 14.6時間 |
オフィス | WPS Office ※オフィス互換ソフト |
サポート | メーカー保証1年間 |
※2019年1月2日時点。構成は変更される場合があります
本体の大きさやデザイン
ASUS E203MAの本体デザインは、格安モデルとしては意外に上質です。外観はコンパクトかつスリムで、安いノートPCでよく見られるヤボったさはあまり感じられません。特にパールホワイトのカラーであれば、女性でも気兼ねなく利用できるでしょう。
ASUS E203MAのカラバリ
カラー | 型番 |
---|---|
パールホワイト | E203MA-4000W/A |
スターグレー | E203MA-4000G/A |
ノートPCの平均重量
画面サイズ | 平均重量 |
---|---|
11.6インチ | 1.126kg |
12.5インチ | 1.131kg |
13.3インチ | 1.253kg |
14インチ | 1.518kg |
15.6インチ | 2.174kg |
ノートPC全体 | 1.551kg |
※2017年12月~2018年5月に当サイトが検証したノートPC(2-in-1を含む) 50台ぶんの実測値より
画面の色と見やすさ
液晶ディスプレイの大きさは11.6インチで、15.6インチの普通のノートPCと比べるとかなり小さめです。解像度は1366×768ドットで表示される情報量は少ないのですが、そのぶん文字やボタンが大きく表示されるので、読みづらくは感じません。
液晶ディスプレイの映像をチェックしたところ、格安モデルとしては発色に優れていると感じました。ASUSの格安モデルはこれまで青みが強かったのですが、ASUS E203MAではだいぶ自然な色に調整されています。
色のバランスを計測したところ、やはり以前よりも青みが弱くなっています。詳しい理由は不明ですが、どうやら「E203MA_8086_AE0D1130.icm」というプロファイル(色を調整するためのファイル)が自動的に作成されており、映像の色合いが調整されているようです。
色合いは旧モデルよりも自然ではあるものの画面はそれほど明るくはなく、コントラスト(色のメリハリ)も弱めです。また画面を斜めから見ると色が変わる上に、映り込みが生じて内容を確認しづらいことがあります。映像品質については値段相応と考えたほうがいいでしょう。
画面への映り込みは、反射防止フィルムを使うことである程度抑えることが可能です。興味のある方は、以下のリンクから関連記事をご覧ください。
光沢ディスプレイをフィルムでノングレア化(非光沢化)する方法
キーボードの使いやすさ
本体が小さいのでキーボードのキーも小さめですが、使いづらいわけではありません。ただし普段大きめのキーボードを使っているなら、多少窮屈に感じるでしょう。
キーピッチ(キーとキーの間隔)は、理想とされる19mmよりも短い18mmでした。キー配列は標準的ですが、Enterキー左上の「¥」キーが少し小さくなっています。カーソルキーもかなり小さいのですが、右側のShiftキーがちゃんとEnterキーの下にある点やCtrlキーなどが省略されることなくほぼ正しい位置にある点などは高く評価できます。
おそらくこれはテスト機固有の症状だと思うのですが、キーボード左側の「A」「S」「D」キーのあたりが盛り上がっていました。また全体的にキー入力時にたわみが生じ、キーがぐらつく感じがあります。
タイプ音は軽めのタッチなら気になりませんが、強く叩くとドスドスと響きます。底打ち感もあり、総合的には質の高いキーボードとは言えません。しかし値段が安いことを考えれば、仕方がないでしょう。筆者はキーボードにこだわるタイプなのでこのような結論に達しましたが、あまりこだわらない人であれば普通に使えるはずです。
端子類の種類と使いやすさ
インターフェース(端子類)は必要最低限の構成です。光学ドライブや有線LANには対応してない点に注意してください。
左側面のインターフェース
- ① 電源コネクター
- ② microSDカードスロット
- ③ HDMI
- ④ USB3.0
- ⑤ USB3.1 Gen1 Type-C
右側面のインターフェース
- ① ヘッドホン出力
- ② USB3.0
ASUS E203MAのメモリー増設とSSD換装について
ASUS E203MAのメモリーはオンボード(マザーボード直付け)仕様で、増設/交換用のメモリースロットは用意されていません。またストレージはオンボードのeMMCで、2.5インチやM.2のHDD/SSDなので、換装/交換には非対応です。
なお右側面のUSB端子はマザーボードから分離した基盤上に設置されています。筆者の経験ではこのタイプは動作が不安定になることがあるため、USBメモリーや外付けストレージには本体左側面のUSB端子の利用がおすすめです。
ベンチマーク結果
ストレージ性能
ストレージには64GBのeMMC(標準的なスマホでも使われている記録用メモリー)が使われています。eMMCはファイルをやり取りする際のアクセス速度はHDDと同レベルですが、ウィンドウズの快適さに大きく影響するランダムアクセス(4KiBの項目)が速い点が特徴。アプリやシステムの起動が速く、HDD搭載ノートPCよりも軽快に使えます。
ウィンドウズの起動を計測したところ、平均起動時間は26.2秒でした。SATA接続SSDの平均値(16~17秒)よりも遅いものの、HDD搭載モデルの平均(40秒以上)よりは高速です。
起動時間の計測結果(手動による計測)
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 平均 |
---|---|---|---|---|---|
26.7秒 | 26.2秒 | 26.3秒 | 25.8秒 | 26.0秒 | 26.2秒 |
ストレージ容量は64GBでノートPCとしては非常に少ないのですが、本体に写真や動画を大量に溜め込まなければなんとかなると思います。ただしウィンドウズの大型アップデートではかなりの容量を使うため、20数GB程度の空きを残しておいたほうがいいかもしれません。どうしても足りない場合は、外付けストレージやUSBメモリーなどを使う方法もあります。
ストレージ容量が少ない点が気になるなら、外付けストレージの利用をおすすめします。いまならアクセスが高速なSSDの価格が安く、自作すれば予算を安く抑えることが可能です。興味のある方は、以下のリンクから関連記事をご覧ください。
CPU性能
CPUとして使われているCeleron N4000の性能はかなり低めです。ほかのノートPCでよく使われているCore i7やCore i3/i5と比べると、2~6倍程度もパフォーマンスが異なります。ただし前モデルで使われていたCeleron N3350からは、性能が少し向上しました。
CPU性能比較(CPU Mark)
CPU | PassMark CPU Markスコア |
---|---|
Core i7-8550U |
|
Core i5-8250U |
|
Core i3-7020U ※2 |
|
E203MA(Celeron N4000) |
|
E203NA(Celeron N3350) |
|
※そのほかのスコアは当サイト計測の平均値 ※2 PassMark CPU Benchmarkを参考
性能が低いとは言え、ネットを見るだけ/簡単な文書を作るだけには十分です。ソフトの起動や処理には多少時間がかかりますが、待てないほどではありません。
ただしサイズの大きいファイルを扱ったり、ソフト/ブラウザのタブをいくつも開くような場面では時間がけっこうかかります。不要なアプリを消したり使わない機能を無効化するなど、ウィンドウズの処理を軽くする設定を行なうといいでしょう。
ネットと文章入力専用ならアリ
ということで、今回はASUS E203MAのレビューをお届けしました。
ASUS E203MAは実売価格3万円切りの激安ノートPCではありますが、意外にも普通に使えます。キーボードの打ち心地やストレージ容量などいまひとつの部分もありますが、価格の安さを考えれば仕方がないでしょう。パフォーマンスが高くない点についても、ネットや文書作成などライトな用途に限定すれば問題ありません。2台目以降のサブマシンとして、あるいは資料の確認/文書作成などの軽作業用として、できる限り安く買いたい人におすすめです。
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