ポイント
- Ryzen 7 4800Hが超高性能
- NVIDIAのエントリーGPUより優秀
- 120Hzの高リフレッシュレート
BRAVO 17のスペック
OS | Windows 10 Home |
---|---|
画面サイズ | 17.3インチ |
解像度 | 1920×1080 |
CPU | Ryzen 7 4800H |
メモリー | 16GB (8GB×2) |
SSD | 256GB |
HDD | 1TB |
グラフィックス | Radeon RX 5500M (4GB) |
リフレッシュレート | 120Hz |
ディスプレイ | FreeSync対応 |
幅×奥行き | 397×260mm |
厚さ | 23mm |
重量 | 2.2kg |
バッテリー | 51Whr、4500mAh |
※2020年9月16日時点。構成は変更される場合があります
本体カラー | ブラック |
---|---|
画面の表面 | 非光沢 |
パネルの種類 | 表記なし ※IPS相当 |
タッチ / ペン | - |
光学ドライブ | - |
テンキー | あり (4列) |
有線LAN | 1000Mbps |
無線LAN | Wi-Fi 6 (11a/b/g/n/ac/ax) |
Bluetooth | 5.1 |
USB3.2 | 3 (Gen1) |
USB3.0 | - |
USB2.0 | - |
USB Type-C | 1 (3.2 Gen1) |
Thunderbolt 3 | - |
メモリーカード | - |
HDMI | 1 |
VGA (D-sub15) | - |
DisplayPort | - |
Webカメラ | 92万画素 |
顔認証カメラ | - |
指紋センサー | - |
付属品 | ACアダプターなど |
オフィス | なし |
この記事ではメーカーからお借りした実機を使って、デザインや性能、実際の使い心地などをレビューします。
この記事の目次
- ▶スペック
- ▶デザインと使いやすさ
- ▶ベンチマーク結果
- ▶ゲーム性能について
- ▶まとめ
[wpap service=”with” type=”detail” id=”B0897SB5QN” title=”【AMD Ryzen7搭載】MSIゲーミングノートPC Bravo17 Ryzen7 Radeon RX5500M/17.3FHD/16GB/SSD256GB/Bravo-17…”]
デザインと使いやすさ
重厚感のある外観
BRAVO 17はカテゴリー的にはゲーミングノートPCですが、見た目はそれほど派手ではありません。LEDによるイルミネーションはなく、一見すると普通のノートPCです。ただし筐体が大きいので、ちょっとゴツく感じました。とは言え野暮ったさはなく、どちらかと言えば重厚感のある雰囲気です。
存在感のある大型筐体
接地面積は幅397×奥行き260mm。17.3インチの大型ディスプレイを搭載しているだけあって、本体サイズもかなり大きめです。サイズ感としてはB4サイズとA3サイズの中間あたりといったところ。同クラスのゲーミングノートPCとしては小さいほうですが、やはりそれなりの存在感があります。厚みもそれなりにあり、重量も重く感じました。
120Hz対応の17.3インチフルHD
画面サイズは17.3インチで、一般的な15.6インチよりもひと回り大きめ。そのぶん映像の迫力が増すほか、ターゲットが大きく表示されるのでプレーに有利です。リフレッシュレートは一般的な60Hzの2倍に相当する120Hz。画面の動きはとてもなめらかに感じました。最近は120Hzや240Hzの製品も多いのですが、120Hzでも十分快適です。
映像は自然な色合い
映像は自然な色合いですが、わずかに暗く感じました。と言ってもプレーに支障をきたすほどではありません。むしろまぶしくないぶん、眼に優しいと言えるかもしれません。プレー中に画面が暗く感じたら、ゲームの設定でガンマ値 (明るさ)を変えるといいでしょう。視野角も広く、IPS相当の品質です。
ややクセのあるキー配列
キーボードはテンキー付きの日本語配列です。英数字キーは標準的な配列ですが、Enterキー周辺で隣接しているキーがありました。しかしゲームにはそれほど影響しないものと思われます。キーピッチ (キーとキーの間隔)は18.4mmで、ノートPCの標準値である19mmよりもわずかに短め。文章入力時にはやや窮屈に感じましたが、ゲーム中では違和感はありません。
やや軽めのタイプ感
キーストロークは実測で平均1.52mm。一般的なノートPCのキーストロークと同じですが、ゲーミングノートPCとしてはもう少し深いほうがしっかりした手応えが感じられたかもしれません。とは言え、実際にキーを入力するとストローク感はしっかりとしていました。ただ総合的なタイプ感はやや軽めで、個人的にはもう少しカクッとしたクリック感があったほうが操作に迷いが出ないんじゃないかと思います。
十分なインターフェース
周辺機器接続用のインターフェース類は、十分な構成です。ただし電源コネクターや有線LAN端子が左右に配置されているため、両サイドのケーブルがジャマに感じることがありました。
Type-Cはデータ通信のみ
USB PD 18W充電 | × |
---|---|
USB PD 30W充電 | × |
USB PD 45W充電 | × |
USB PD 65W充電 | × |
映像出力 | × |
USB Type-Cはデータ通信のみで、USB PDによる充電や映像出力には非対応です。
ベンチマーク結果
※ベンチマーク結果はパーツ構成や環境、タイミング、個体差などさまざまな要因によって大きく変わることがあります。なおグラフィックス機能内蔵のAMD製プロセッサーは本来「APU」と呼ばれますが、この記事ではわかりやすさ優先で「CPU」と表記しています
パフォーマンスは最強クラス
CPUとしては、AMDのRyzen 7 4800Hが使われています。8コア16スレッド動作で、ベンチマークテストではインテル製CPUのスコアを大きく上回りました。ノートPC向けとしては最強クラスと言っていいでしょう。
ノートPC向けCPUとの性能比較
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Bravo 17 (Ryzen 7 4800H) |
4292
|
Ryzen 9 4900HS |
4266
|
Core i9-10885H |
3504
|
Core i7-10875H |
3293
|
Core i7-10750H |
2861
|
Ryzen 7 4700U |
2809
|
Core i7-9750H |
2684
|
Core i7-8750H |
2625
|
Ryzen 5 4500U |
2274
|
Core i5-10300H |
2241
|
Core i7-10710U |
2214
|
Core i5-9300H |
1922
|
Ryzen 5 3550H |
1680
|
Core i7-1065G7 |
1625
|
Ryzen 3 4300U |
1581
|
Core i7-10510U |
1486
|
Core i5-1035G4 |
1480
|
Core i5-1035G1 |
1456
|
Core i5-10210U |
1435
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
デスクトップPC向けCPUと比較しても、遜色ない結果です。超ハイエンド向けCPUにはさすがにかないませんが、ミドルレンジのゲーミングPCや一般用途向けPCよりも高性能。この結果には驚きです。
デスクトップPC向けCPUとの性能比較
CPU | CINEBENCH R20 CPUスコア |
---|---|
Bravo 17 (Ryzen 7 4800H) |
4292
|
Core i9-9900K |
4244
|
Core i7-10700 |
4177
|
Core i7-9700K |
3397
|
Core i7-9700 |
3190
|
Core i5-10400 |
3170
|
Core i7-8700 |
3026
|
Core i5-9400 |
2357
|
Ryzen 5 3400G |
1884
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
グラフィックス性能はエントリークラスよりやや上
グラフィックス機能としては、外付けGPUのRadeon RX 5500Mを使用します。ベンチマークテストのスコアを見る限りでは、NVIDIA製GPUのエントリー向けとミドルレンジ向けの中間あたりです。値段はエントリークラスなので、同価格帯のゲーミングノートPCのなかではコスパに優れています。
ただしゲームによっては、CPU内蔵のRadeon Gtraphicsが使われることがありました。設定でGPUを切り替えられるゲームもありますが、切り替えられないゲームでは動きがカクカクしてしまいます。もしかするとなにか解決方法があるのかもしれませんが、検証中では見つけられませんでした。
GPUの性能差
GPU | 3DMark Fire Strike Graphicsスコア |
---|---|
RTX 2080 |
23762
|
RTX 2080 Max-Q |
20066
|
RTX 2070 |
20037
|
RTX 2070 SUPER Max-Q |
18723
|
RTX 2070 Max-Q |
17839
|
RX 5600M |
15718
|
RTX 2060 |
15459
|
GTX 1660 Ti |
14472
|
RTX 2060 Max-Q |
14275
|
Bravo 17 (RX 5500M) |
13021
|
GTX 1650 Ti |
10417
|
GTX 1650 |
8589
|
※そのほかのスコアは当サイト計測値の平均
さまざまな用途で快適に使える
テスト | スコア |
---|---|
Essentials (一般的な利用) |
4100
9798 |
Productivity (ビジネス利用) |
4500
7193 |
Digital Contents Creation (コンテンツ制作) |
3450
8094 |
※スコアの目安はPCMark 10公式サイトによるもの
PCを使った作業の快適さを計測するPCMark 10のテストでは、すべてのテストで目標値を大きくクリアーしました。動画編集やプログラミングなどの高度な作業でも、快適に使えるでしょう。
ストレージはSSD+HDD
ストレージは256GB SSDと1TB HDDの構成。SSDは超高速というわけではありませんが、十分な速度です。ただし最近は256GBでは容量が少ないと思います。容量の大きいゲームはHDDにインストールすればいいのですが、データの読み込みに時間がかかる点がデメリット。個人的にはSSDは500GB以上は欲しいところです。
可能であれば自分でSSDを換装したり、HDDを2.5インチのSATA SSDに変更したりするといいでしょう。しかしPCのパーツを交換するとメーカー保証のサポート外となる点に注意してください。
ゲーム性能について
ゲーム系ベンチマークを試したところ、処理の重い重量級ゲームでも画質を落とせばそこそこ快適に遊べそうでした。少し重い程度の中量級タイトルであれば、フルHDの最高画質でも快適です。
ただし、タイトルによってはFPSが安定しないことがあります。たとえばフォートナイトでは画質が高いと一瞬止まるようなカクつきが多く、また動作が軽いPSO2ではスコアが伸びませんでした。とは言え、概ねゲームは普通に楽しめます。
※テストはフルHDで実施
FF15ベンチ (重い / DX11)
画質 | スコア / 評価 |
高品質 | 3610 / 普通 |
標準品質 | 6251 / 快適 |
軽量品質 | 8057 / 快適 |
※スコアが6000以上で「快適」
FF14ベンチ:漆黒のヴィランズ (やや重い / DX11)
画質 | スコア / 評価 / 平均FPS |
最高品質 | 10295 / 70.4 FPS |
高品質 | 12108 / 87.7 FPS |
標準品質 | 13336 / 104.9 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ドラクエXベンチ (超軽い / DX9)
画質 | スコア / 評価 |
最高品質 | 10356 / すごく快適 |
標準品質 | 13323 / すごく快適 |
低品質 | 14652 / すごく快適 |
PSO2ベンチ (軽い / DX9)
簡易描画設定 | スコア |
6 (最高) | 3,098 |
3 | 14,663 |
1 (最低) | 70,569 |
※スコア5,000以上が快適に遊べる目安
モンスターハンターワールド:アイスボーン (中重量級 / DX11)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高 | 44.7 FPS / 37 FPS |
高 | 57.3 FPS / 41 FPS |
中 | 65.2 FPS / 60 FPS |
低 | 94.4 FPS / 75 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
フォートナイト (中量級 / DX11)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
エピック | 63.7 FPS / 25 FPS |
高 | 72 FPS / 29 FPS |
中 | 106.4 FPS / 86 FPS |
低 | 139 FPS / 75 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
PUBG (中量級 / DX11)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
ウルトラ | 72.2 FPS / 6 FPS |
高 | 85.3 FPS / 71 FPS |
中 | 94.5 FPS / 61 FPS |
低 | 108.4 FPS / 85 FPS |
非常に低い | 114.1 FPS / 103 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
オーバーウォッチ (軽量級 / DX10)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
エピック | 108 FPS / 95 FPS |
ウルトラ | 150.5 FPS / 128 FPS |
高 | 129.4 FPS / 114 FPS |
NORMAL | ※未計測 |
低 | 257.9 FPS / 224 FPS |
※レンダースケール100%、平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
アサシンクリード オデッセイ (超重量級 / DX11)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
最高 | 34 FPS / 6 FPS |
中 | 71 FPS / 15 FPS |
低 | 78 FPS / 17 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
ファークライ ニュードーン (中重量級 / DX11)
画質 | 平均FPS / 最低FPS |
ウルトラ | 70 FPS / 57 FPS |
中 | 80 FPS / 69 FPS |
低 | 87 FPS / 74 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
シャドウ オブ ザ トゥームレイダー (重量級 / DX12)
画質 | 平均FPS |
最高 | 54 FPS |
中 | 72 FPS |
最低 | 100 FPS |
※平均60 FPS以上が快適に遊べる目安
熱と騒音について
FF15ベンチを10分間連続駆動させ続けたときのCPUクロックを計測したところ、1.2~4GHzのあいだで推移していました。使ったソフトの関係でCPU温度を計測できなかったのですが、振れ幅が大きいことから考えるとかなりシビアな温度調節が行なわれているのかもしれません。もしかするとCPUの発熱が高い可能性があります。ただしGPU温度は最終的に70度前後を推移しており、こちらは問題のない範囲です。
本体の熱はそれほど高くはありません。排気口付近は50度を超えたものの、ゲームでよく使うWASDキー周りの温度は低めです。キーボード上部のベゼルが大きいのは、よく触るキーを熱い部分から離してるのでしょう。
駆動音 (ファンの回転音や排気口からの風切音)は大きめです。軽めの作業ではほとんど気になりませんが、重いゲームを長時間プレーするとけっこううるさく感じました。ヘッドセットを装着すれば音は気になりませんが、周囲への配慮は必要です。
ちなみに標準収録ユーティリティー「Dragon Center」の「ユーザーシナリオ」でパフォーマンスを調整できます。基本的には「Extreme Performance」を選べばOKですが、「Cooler Boost」と呼ばれるモードを選択するとファンを最大出力で動かせます。熱が下がってパフォーマンスが改善されますが、音が非常に大きいので利用には注意してください。
駆動音の計測結果
電源オフ | 37.4dBA | - |
---|---|---|
軽作業時 | 39.7dBA | 回転音が少し聞こえる程度で気にならない |
FF15ベンチ時 | 49.9dBA | 回転音がかなり大きくてうるさく感じる。静かな夜だと、となりの部屋にまで聞こえる |
Cooler Boost時 | 55.9dBA | 音が非常に大きい。隣の部屋からでも気になるほど |
ワンランク上のエントリーモデル
よかった点
価格は税込13万円台とエントリークラスですが、パフォーマンスはインテルCPU+NVIDIA GPUを搭載した同クラス機種よりも優れています。また17.3インチの大型ディスプレイは画面に迫力がある上に、小さなターゲットを捉えやすいのでプレーに有利。画面の動きもなめらかで、人気ゲームを快適に楽しめるでしょう。
気になる点
駆動音の大きさが気になります。ゲーミングヘッドセットを装着すれば音は聞こえませんが、周囲に音が聞こえるかもしれません。空冷ファン付きのノートPC冷却台を使うなどして、なんらかの対策をすることをおすすめします。
[wpap service=”with” type=”detail” id=”B0897SB5QN” title=”【AMD Ryzen7搭載】MSIゲーミングノートPC Bravo17 Ryzen7 Radeon RX5500M/17.3FHD/16GB/SSD256GB/Bravo-17…”]
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